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―アトリエ・寝室―
[シャーロットは幼い頃に戻ったように、嗚咽を繰り返していた。私は彼女の嗚咽がおさまるまで、じっと彼女を抱きしめていた。熱い泪がバスローブの胸元に染みこんでいった。
寝室の照明を落とし、室内は昏闇に包まれる。
白い壁の足下に穿たれたスリットから、柔らかな橙色の間接照明だけが漏れていた。
真夜中に目を醒ましても転ばないように、フットライトだけはつけておいた。
パジャマ等の寝装を身につける習慣は随分遠のいている。かすかな躊躇いがあったが、これから探すのも手間だった。シャーロットをキングサイズのベッドに導くとバスローブを脱ぎ、下着姿のまま彼女の隣に滑り込んだ。
シャーロットが身を寄せることにささやかな羞恥を感じながら、少しぎこちない手つきで包み込むように抱き寄せる。
ふと、耳に届いたのは意外すぎる言葉だった――]
あっ旦那様。もうすぐできますわ。
前から準備しててよかった。
[今のボブはすこぶる機嫌がよい。それがネリーの足取りを軽くさせた。チキンとビーフのファヒータだ。ソースが香ばしい。
気分が高揚している。なんてハピネスなのだろう]
[指で救って舐める仕草が、わたしの視界に映される。
過去何度も男のセンシュアルを煽り立てるために行ってきた動作が。今目の前で繰り広げられる。
わたしはちろりと覗いたローズの赤い舌を凝視しながら、涎を垂らす。上からも下からも]
嗚呼ローズ…なんてことを…。
甘いだなんてそんな――
[一拍遅れて訪れた羞恥。入り乱れる感情。高鳴る鼓動。わたしは背中で汗を掻く。滴り落ちる雫は蠍の渇きを癒す。でもそれは一時的なものでしかない。]
お願い…もっともっと煽って?わたしがわたしで無くなる位に――
そして触れさせて?わたしにも…あなたの蜜と水脈を――
[そっと回していた腕を解き、蛇の舌は彼女の太腿へと伸びて行く]
[嗚咽を繰り返すシャーロットの背中を、心配ない、というようにそっと撫でる]
大丈夫。
私はここに居る。
私には、ロティがいる。
何一つ、心配なんてないさ。
[愛おしそうに、額に、頬に、そして触れるか触れないかというくらい微かな口吻を唇に残した]
[香ばしい匂いが、鼻孔を刺激する。
自然と、口の中に唾液が分泌される。]
まあまあ。準備できたら、一緒に食べような。
ネリーが席着くまで、私待ってるから。
[水を求め、服を改め客間を出ると、丁度ヒューバートがシャーロットを寝室へといざなっている所を偶然目撃する。
その目は卑下するものでも、温かみを帯びたものでもなかった]
シャロ。俺だったらね…
[先程の、シャーロットには答えなかった問いの答え。
その答えは声となることはなかったが。
そのまま、マーティンにすら勘付かれないように外へのドアを開ける。
ドアを開けた瞬間、風が入り、アトリエにおいてあった自身の模写が倒れた]
[ ─ 絵の名前は「記憶の固執」─ ]
じゃあ、こんな所でいいかしら?
[ネリーは自分を期待されているような言葉に弱い。
急かされるように少し手捌きが早くなったが、落ち着いてディナーを完成させた。CREAM STOUTのビールを用意する。
席に着く前に、わざとボブの後ろを通り抜けてウィンク。]
[電話機のそばで壁にもたれたまま、目を閉じる。
目が覚めて、全てが夢だったらと思った。
指先を動かすことすら躊躇われるのに、想像の翼は今日も羽ばたく。
明日はバンクロフトの家へ行こうかな、と何となく思う。
もしも明日があれば、の話。
この天災の中、明日があるのかはわからなかったけれど]
はい、旦那様。
美味しいかしら…? よかった。だってこれ、旦那様が教えてくれたものじゃないですか。
[ボブの顔を見てネリーは嬉しそうだ。]
うんうん、このメニューね。私大好きなんだよ。
[カチャカチャと食事を進めながら。]
あまり満足な食事はできなかったけど、
たまに食卓で出たんだよ。小さい頃ね。
唯一の肉親で、親愛なる母さんが作ってくれたんだ。
[私はこの数日、何処かとも知れぬエネルギーを感じるようになっていた。明確性、具体性など全くないものだ。
それが何かは解らない。ヘイヴンの大人が身につけることの出来る一種なのだろうか。非力な私はただ考える事しか出来なかった。]
[背に腕を回され、シャーロットもヒューバートの首に腕を回した。
目を閉じたままちいさく頭を振る。]
…ううん、パパ。
私、信じないから構わない……
[それだけでは意味のはかりかねる言葉をかすかな声で続ける。
きっとあれは嘘だ。
それなら、明日…──確かめて見ればいいのだ、とシャーロットは思い付く。近くで響く心臓の鼓動に落ち着いたのかシャーロットはそのまま眠りに落ちて行く。]
お母様…お母様も、旦那様のように苦労されてるんですよね。
旦那様が育ち盛りの頃って、大きな戦争がありましたもの。
私は知らないけれど、私の親も苦労してました。でも旦那様のお母様のほうが大変ですよねきっと…
あ、私の親ですか? もう私はいなくなってしまったけど、ヘイヴンのはずれに叔母がいます。まだまだ元気ですよ。
[ビールを摂取しながら明るく答える。]
私はね、父親に会ったことがないからさ。
というよりも、わからないと言った方がいいな。
[サングラスによって、瞳はわからない。]
自分と血を繋がっている人が、元気だと
わかっているのは、非常にハピネス感じることだよ。
ネリー、それはとてもとてもいいこと。
[微かに手が震えている。]
さすがに、母よりおいしい料理だとは言えないけどさ。
でも、それでも母と同じくらいおいしいよこれ。
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