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[話を聞けば皆色々あることは理解するが、現状自身のことで手一杯で。周りを、他の者を気にかける事が出来る者に羨望の念すら抱く。去り行くネリーに会釈で見送り、ソファーで寝てしまうローズマリーに先日のようにかけるものを取りに行き、そっとかけてやる。己にはこのくらいしか出来ぬのか、と小さく息を吐き、またソファーに身を沈める]
[緑の少女の笑みは弱々しく紡がれる言葉に覗く希望の光は儚い]
「みんなで、暮らせたら、きっと、楽しい、のにね
おやすみ、ネリー、せめて、夢、は、素敵な、ものを」
[女の笑みと言葉に口を開きかけ其の目蓋がおろされるのに瞬き、立ち上がれば先に修道女がかけるものを取って来るのに小さく謝辞を乗せ、眠る女の寝顔を見詰め微かもう一つ口許が感謝の言葉を紡いだかも知れず、男の言葉に幾らか其の表情は落ち着きを取り戻して、右足を引き摺り男へと歩み寄り遠慮がちに手を伸ばかけ、もう一方の手が自身の腕を掴み首を傾げ]
「ナサニエルに、触れても、厭じゃ、ない
頭を、撫でても、良い」
世の中知らない方が幸せなことは沢山あるわ?
牧師様にはそんな風に見えてたのね、私。
[良いところのお嬢様と言う評に可笑しそうに笑って]
前にも言ったでしょう。
人は見かけによらないって。
そっくりそのまま、私が当てはまるのよ。
辛いと思わないで済むなら、それでもいいじゃない。
治そうと思っても、治るものじゃないから…。
[無意識に身体を包むようにして背中に回し]
そうね…売られないように気をつけなければいけないのかしら。
後で痛い目に逢うとしても…縋るものが欲しくなったら、頼るかもしれないわ。
……まぁ少なくとも殺し屋には見えませんでしたね。
女は怖いというのが良く分かりました。
見掛けによらない、もほどがありますよ。
[小さく笑うと女を見遣って]
……でもそれは、自分の痛みから目を逸らしてるに過ぎませんからね。
傷みは、自分の異常を伝えるシグナルですから。
無視し続ければ、いずれ歪んでいく。
そうですね。
自分可愛さに貴方を売ってアーヴァインに命乞い始めるかもしれません。
[自嘲気味に笑うと、床へと視線を落とし]
>>338
[恋人と仲間の死を語るルーサーの瞳を、もう見返してはいられずテーブルの上に目をやって笑おうとしながら]
とんだ…とんだヒーローだ、な。
>>339
ナイジェル…
[優秀なナイジェルは、それでもナサニエルが褒めて撫でてやると頬を染めてにっこりした。
あるいは今、ナサニエルはそれ以上の微笑みで少女を見て]
…イヤじゃない。
どっちが年上かわかりゃしないけど…全然、イヤじゃない。
[遠慮がちに伸ばされた少女の手に身を屈めて頭を向け、同時に自分も脅かさないゆっくりした手の動きで少女の頭に触れる。
心に温かなものが満ちた]
[それで勇気のようなものを貰ったナサニエルはそのままで、今は哀れとすら思える感情を表さない男に問う。
「辛いと思ったこともありませんよ、あの頃は」――]
……今は?
「ルーサーの、心は、壊されちゃったの、かな」
[一拍牧師を見詰め首を傾げ]
「今の、ルーサーは、同じ、事を、望まないと、思う
壊れた、心は、如何、したら、治せるの」
[修道女の微笑みに瞬き首を傾げ]
「ステラは、此処に、希望が、あると、思う」
[男が微笑むのにふわと微笑みそっとそっとおろされる頭を撫で、自身の手はまだ人を傷つけ無いと安堵の溜息を漏らし、頭を撫でられるのにきょとんと男を見上げてから、嬉しそうにふわと微笑む]
「ナサニエルは、時々、無茶、するから、危なっかしい、もの」
私の居た修道院にはそのような女性が沢山居るわよ。
居るもの全てがそうと言うわけではないけれど。
…そのシグナルを受け取っても、どうすれば良いのか分からなければ。
目を逸らすしか、ない。
もう、歪みきってしまったのかもね。
[視線を背中に向け、手でするりと背中を撫でる]
それでも良いわ?
堂々と目の前に行って──彼の心臓を突いてやるから。
もし完全に貴方に心を許していたなら…素直に差し出されるかもね。
[扉で少し振り返ると困ったように笑い]
……壊れてたわけではなくて。
ただ、何も見えてなかっただけです。
壊れた心の治し方なんて、私にはわかりませんよ。
[そう言うと、2階に上がり、何時ものように遊戯室の扉を開けて。]
……そうですね。
傷の、痛みの元の治し方は千差万別ですし。
歪みは、正せばいいだけですけど、ね。
[案外不器用なのかもしれませんね、と少し笑って]
……アーヴァインの心臓を突いたあとに私の心臓つかれそうですね。
気を許していただかないほうがいいかもしれません。
[牧師の困った様子の笑みに頷き]
「そっか、判れば、セシリアも、人を、傷つけずに、済むかと、思った、けど
ありがとう、おやすみなさい、ルーサー、如何か、心、安らかに」
[笑う男の言葉に頷き]
「ナサニエルは、頑張ってる
けど、頑張り、過ぎなくて、良い、のに」
[ブランケットを持って来て舟をこぐ男にふわりとかけ、修道女の言葉に瞬き]
「ステラは、希望を、見過ぎ、ないんだ
絶望と、裏表の、希望は、私には、希望に、見えない
如何、すれば、良いと、思う」
[一人きりになってしまうと澱のように溜まった肺の空気を搾り出し。
割って1つ欠けたはずのグラスが元の数だけあることに、最早苦笑しか生まれない]
……ガキか。
全くその通りだ。
反論しようもない。
[くつりと笑えば腰掛けたスツールがきぃと鳴って。
琥珀色の瓶をゆっくり傾ける。]
加害者が関わってくるのなら。
もう、治らないでしょうね。
[この世にはいないもの、とゆるゆる頭を振り。不器用の言葉には「そうかもね」と小さく笑う]
一度力を揮えば力は元に戻るんじゃ?
それなら先に私が消えてると思うわ。
彼の警備兵にやられて。
[だから大丈夫よ、と他人事のように]
じゃあこれからも私は気を張り詰めていかなきゃいけないわね。
途中で壊れなければ良いけれど。
希望を見すぎて絶望に落ちて。
自分が壊れないための自衛手段のようなものです。
[私のは、と付け加え。続いた問いにはしばし悩んで]
難しいですね…。
絶望と表裏ではない希望を見つける、と言う選択肢はありそうですけれど。
ここに存在するかは別として。
絶望と表裏の希望しかないのであれば、反転しないように護るしかないのではないでしょうか。
[自衛手段と言う単語に一つ頷き]
「此処に、希望の、席は、人数分、無い
絶望の、上の、希望は、本当に、希望、かな
其れは、護って、良いの、かな
誰も、傷つかな、ければ、良いのにって、思う、のに
如何、すれば、良いのか、判らない」
加害者がいても誰かに守ってもらえれば、いいんでしょうけどね。
[笑う様子に目を細めて]
……どうでしょう。
元に戻るという保証はないと思いますけど、ね。
よくわからない薬ですし。
……許せば大人しく差し出されてしまうし。
許さなくても死んでしまうし。
どうしようもない人ですね。
[困ったように笑って。]
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