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[気持ちを切り替えて、滝田の病室へと向かった。幸い、同じ階だったのをナースセンターで確認する]
ここ、だ。
目を覚ましたとか言ってたっけ。憶えてはいないだろうけど、事情を話すくらいなら、できるかもしれない。
[ドアをノックして、中からの返事を待った]
[家族が来たのだろうか、滝田はそう思い、ふと時計を見る。
医者の話から聞いた、家族が訪れる時間にはまだ間があるようだ。]
……どうぞ。
[しばし躊躇した後、滝田はそう言った。]
[声を聞いて、ドアを開く。車椅子のまま中へと入った]
……。ええと。滝田真さん、ですよね。
初めまして、流・ソフィー・空穂と申します。
お気分はいかがですか?
[挨拶をして、間を置き]
ケネスさんは、もう、いらっしゃらないのですね。
[尋ねた言葉は、どこか寂しそうに]
あなたが……
[滝田は顔をあげてソフィーの顔を見る。]
「ケネス・グランド」の手紙で読みました。
……病院に担ぎ込んで頂いた上、ケネスに手紙を書くように勧めてくださったそうで。
[そこまで言い、少し沈黙が訪れる。]
……実は、その手紙の落しどころと言うべきなのかな……自分の中でどう処理していいか悩んでいるのです。
内容が何か、夢みたいな話で……。
ケネス・グランドなんて本当にいたのだろうかとか……そんな事も考えてしまって……
……ケネスはどんな人でしたか?
[そうソフィーに聞いた。]
[問われて、言葉に詰まる]
……ケネスさんは。
[短い時間だったが、確かに、そこにいた人]
優しい、人でした。少し口は悪かったですけど。
私もそれほど知ってるわけではないのです。ただ、一生懸命、生きようとしていた。
自分は、与えられた人格だから、人ではないのだと。
滝田真さんに戻る日を、恐れていたようにも思います。
貴方にとって、その手紙は言ってしまえば夢なのかもしれません。知らない間に起きた出来事なんて、時間は過ぎて、確かに体験したことだとしても、夢と変わりないのでしょう。
でも、ケネスさんは、確かに貴方の中にいたんです。
今も。きっと、貴方の中にいるんだと、思います。ケネスさんの中に、貴方がいたように。
だから、夢だと切り捨てないで、貴方の中のケネスさんに、語りかけてみてもいいのかもしれません。
彼は、自分が消えることを怖がっていたから。
……滝田真さんにとっては、突然の話だと思います。
だけど、消えてしまった5年間を、そのまま無駄にしないでほしい。消えたのではなくて、多分、どこかにあるはずだから。
ケネスさんにもっと関わりの深い方に会えたら、思い出すきっかけになるのかも、知れませんね。
[話しながら、自然と涙がこぼれた。もう、会えないのだろうか、と言う思いが、沸き起こる。覚悟は、していたはずだった]
す、すいません、そんな辛い思いをさせるつもりではなかったんですが……
そうですか……やはり、いたのですね。
一生懸命にか……。
僕には……正直その手紙の出来事は良くわかりません。
でも、5年間の中で、自分なりの夢を追って精一杯生きようとした男がいた……それならわかる気がします。
事実を伝えていく手紙の中で、ケネスが自分の思いを言葉にしている事は3つ。
1つ目は僕への詫び、2つ目は僕への激励だったんです……。
「しっかり生きてくれ」ってね。
まったく、他人事だと思って……
[滝田は軽く微笑んだ後、手に持った煙草に目を落とす。]
……そうか、これはバトンなのかもしれませんね。
[ケネスから自分へと渡されたバトン、そう考えると納得ができる気がした。]
ケネスが僕の中にいるのか、自分では解りません……でも、このバトンは大事にしていきたいと思います。
……あと、3つ目なんですが、あなたに……
ありがとう、そしてすまない
そう伝えて欲しいと書かれてました……
[滝田はそう言うと窓の外を見つめた。]
すまない、ですか。
私は何も、彼に謝られるようなことはされてないんですけどね。
[笑う]
いいえ、いいんです。辛いのは、私の勝手で、滝田さんが悪いわけではないですから。
ケネスさんの分まで、ちゃんと、生きて、がんばってください。彼が出来なかったことを、彼の分まで。
そうすればいつか、思い出すのかもしれません。
私も、忘れませんから。
[頭を下げた。もう、涙は止まっている]
それじゃ、失礼します。ご家族を、大事になさってくださいね。
[車椅子のまま、病室の外へと出る。わかっていたことだったが、それでも、どこかでまた会えるのだと期待をしていたのかもしれない、と思った]
そうでしたか……ええ、ありがとうございます。
本当に色々ご迷惑をおかけしてしまって……
僕もいつか、その5年間を思い出せれば……と思います。
[そう言うと滝田もソフィーに頭を下げた。]
―本堂―
[聖杯に願う。
迷いも雑念もなく。
愛しい人の存在を。]
宗冬様ァ―――ッ!
[体の力はとうに限界。
しかし想う心は決して折れない。]
―教会―
Je vous salue, Marie pleine de grace ;
le Seigneur est avec vous.
Vous etes benie entre toutes les femmes
Et Jesus, le fruit de vos entrailles, est beni.
Sainte Marie, Mere de Dieu,
priez pour nous pauvres pecheurs, maintenant et a l'heure de notre mort.
......Amen.
[誰もいなくなった病室で、滝田真は家族を待つ。
煙草は箱に入れ、ポケットへとしまった。
ケネスの手紙と共に、一生捨てる事は無いだろう。
先ほどまでの不安が、嘘のように治まっている。
窓ガラスに映った自分の顔が、*にやりと笑った気がした。*]
−病室−
[窓の外を見る。聖杯戦争によって壊れた場所の工事などが行われていたが、それ以外は何も変わらない、平凡な風景。
彼は何を見たのだろうと思う。遠い未来の星の姿。
この平和が一瞬のものだとしても。ここで生きて行きたい、と思った。
部屋のドアがノックとともに開き、弁護士が入ってくる。遺産相続に関して必要な書類に目を通し]
弁護士さんは、私の家がどういう家だったのか、お聞きですか?
[彼は、頷く]
私にはもう、魔術が使えそうにありません。ですから、祖父の跡を継ぐことは出来ないでしょう。
……あの家を、処分しようと思います。私には、大きすぎて。
父も、私も育った家です。でもだからこそ。あの家にいることが、辛い。それに、今から働く場所を求めたとしても、あの家を維持していくことは難しいでしょう。
かといって、どなたかに貸すのも戸惑われます。あの家には色々と仕掛けもありますから。
-本堂-
[アレからどれだけ経っただろう、数分かもしれないし数時間かもしれない。
キャスターはゆっくりと起き上がると、気絶しているマスターに眼をやる。]
【ま、ほっといても起こしに来るだろ。】
[誰が…とはいわない。
いや、いう必要などない。今こいつを起こす権利があるのは1人だけなのだから。]
そんじゃ俺は邪魔にならないようにどっか行くかー。
[そんな事を呟きながら、キャスターはその場を去った。]
[白く眩い光に包まれた、崩壊し崩れかけた教会。
光消えた後、そこから聞こえて来るのは清らかな賛美歌
歌うは、白いワンピースに白いケープを羽織った美しき女性。
Je m'appelle"Un ange de l'assassinat"
――彼女は人々にこう呼ばれた "暗殺の天使" と――
−本堂−
キャスター殿!
[出ていこうとするキャスターを掴まえる手が一つ、宗冬である。]
何処へ行くでござりましょう!
それがしと美貴殿の感動の再会を見ずして行くとはなんとなんと人生の無駄遣い!
見ていかれい!!
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