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── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔付近 ──
光点はあの柱の中にある。
──中に入り込んでさえしまえば、
[セシリアは宇宙樹のごとき柱の近く──残存していた地下道から、内部へ向かう通路を見つけた。崩壊せずに残っていた特殊貨物運搬用のオートコンテナを利用して、内部へ潜り込む事に成功した。]
──電波塔付近 →内部──
[セシリアが足を踏み入れた電波塔の奥に隠されていた場所。柱の内部は、空の帝王の突撃の前となんら変化は無いようだった──。]
[ちょっと待った、とメイを手で制して、メイン画面に向き直る]
いや、構わない。そのまま結果報告してくれれば。
こちらさんにも俺の仕事ぶりを見といて貰う必要がありそうだからな。
『――わかりました。ええと、ですね。結果から言います。
【ID:03/"黒(Kali)"】negative。"anti-Hypnos"は発見されませんでした』
――なん……だと?
ふーん、つまり、ただで情報を渡す気はないってこと?
情報屋としてはそれが正しい姿、なのかもね。
あたしは新たな情報じゃなくて、光点に当たる人物像を知りたくてここに来たんだけど。
この状況を作り出したのが、光点の中に含まれてるか含まれてないのか、どちらにしても。
光点を消して行ってる人がいるみたいだから、それが誰なのか探る為に。
―現実世界/中央部電波塔跡柱の間―
[4体のミイラに囲まれて、脳が柱の中に浮かんでいる。]
【何者かが、私自身のところへ向かっている…。】
[ぼうっと浮かび上がるように、柱に向けて
光が注がれる。暗闇にぽっかり浮かぶ脳。]
≪”輪廻”の世界へようこそ≫
[対象変更──Ignis.]
やっぱり御大自らってわけにはいかないんですね。
あんまりさぼっているとすぐに老化しちゃいますよ?
[言うと同時、"火矢"を放つ]
[Cubeの三面][赤・赤・赤・青][性質変化]
[矢の炎は氷へ転じる]
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
[ブーツの踵を響かせて──その場所にたどり着く。]
[暗闇の中、人間の脳だけが──ぽかり、浮かんでいる。
セシリアは、モーガンが埋め込まれた柱のすぐ近くまで来ると、光点をクリックした時に表示されたIDを読み上げ──、]
輪廻<リインカーネーション>
はじめまして──
貴方が、この都市へ真実の終焉を齎さんとするもの ですか?
[目元を覆ったシールドの奥で、瞬き。]
いや…それは正解なようで外れだな。
[目の前に浮かぶ脳こそ、輪廻の正体。]
真実の終焉は、私に齎してほしいのだよ。
私はメガロポリス。それ故、君の表現も
あながち間違ってはいないというわけだが。
―― South/Webcafe"BruteForce" ――
[スピーカからの声は男の当惑も娘の問いかけも無視したようにそのまま流れ出た]
『――それだけでなく、彼女の存在自体もweb上から消失(ロスト)した可能性があります。
対象(ターゲット)の最終観測地点を現実世界に置き換えると、北部航空局上空が照応します。ですが、その一帯が大規模な蒸発領域(ヒートフロア)と化していました。
探査モジュール送出数16のうち、帰還数1。
探査を続けますか?』
[ブースへと引っ込んだケネスを眺め]
えーと。
mortalって呼ぶのはあれか。
おじさんって言うと被っちゃうし。
名前、なんていうの?
あたしは、メイ。だよ。
[画面を見るケネスへと視線を投げて]
[攻撃性能動型防御壁]
[銀色のタクトを振ると、輝くアンバーの粒子が拡散と収縮を繰り返しながらKotへ向かった]
――― 世界は歌に満ちている。
[88の黒鍵と白鍵がずらりと現れた。
銀色のタクトが三角形(トライアングル)の軌跡をえがき、Requiem C-Daemonをcall.]
――― 奏でられるのは涙にくれる日々への多重聖歌。
[粒子は火→氷の矢を呑み込む]
[粒子の後ろでもたげられる黒く不穏な輝き]
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
[首を傾け、対話相手が埋め込まれた柱の表面にそっと指先で触れた。]
貴方に──…終焉?
貴方自身がメガロポリスで、有るが故に──自らは死ねない…?
[「私は勘違いをしたのですね」と、確認するようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
四方を囲む柱には、それぞれにミイラが置かれ、この状況から目の前の相手が、この巨大都市を人知れず支える人柱であったであろう事が推測された。]
貴方は何時から──このように。
[聞こえてくるのは女性の音声]
黒(Kali)……って。
カーリーってあれよね。
[黒の女神、という名前を思い出す]
消えた?
ああ。まって。
[拡大していた地図を最小まで持っていく。北部区画を映し出した場所に映る点は二つ。その一つが点滅し、やがて、消失する]
……昼間に消えた点は、この黒の女神が壊したのだといってた。
じゃあ、黒の女神を壊したのは、誰なんだろ?
いつからだろうか。もう覚えていない。
それくらい太古の昔というわけか。
[機械が稼働する熱と無機質な冷たさ。]
終わりなき生…あまりにも長過ぎた。
始まりがあれば、終わりもある。
そんなふうに、人間らしく消え逝きたかった。
[コポコポと気泡。]
だが、なんだこのザマは。
人にあらざる姿で、終わりなく使役されている。
苦しい。あまりにも苦しい生だ。
だから、せめて私に「真実の終焉」を。
怖いなあ。
["NOE"展開][CUBE操作][黄・黄・赤・赤][障壁補強]
歌に満ちた世界は好きですけれどね。
もう少し明るい方が好みです。
[黄・青・緑・赤][六面中三面]
[幻影を作る][大量の猫][老人のときの倍]
まあ、騙されてくれるなんて思ってないですけどね?
["猫"はIgnis.と師に殺到]
[その背後から半円を描くようにウェンディが走る]
【オードリーが"罠"を張ったのは誰? 考えられるのは、おじいちゃん、おじさん、それからレベッカも? 後は……黒の女神?
黒の女神は好戦的、だと思う。じゃあトビーに攻撃を仕掛けて返り討ち、とか? でも、北部航空局付近なら違うのかも】
[地図を見たまま、考えだけめぐらせて行く]
【それより、二つの点ってことはもう一つは……】
[北部航空局から去って行く点をポイントする。記されたのは]
オードリー……。でも。現世でいえばそこなだけで、Utopiaでやられたのなら違う、カも知れないのか。
[いつの間にか、口に出してるとは気づかずに]
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
[指先に触れる壁面は、機械熱の温度と無機質な質感。]
…メガロポリスの成立期。
不死社会の黎明期──でしょうか ね。
私がMasterの手によって作り出されるよりも、ずっとずっと昔。
[想像し得ない過去の世界に想いを馳せ、セシリアは小さく息を零す。
そして、輪廻と呼ばれる者に微笑んだ。]
長過ぎる市民の生──死の概念を忘れた都市の人間たちの、すでに生とは呼べぬ生──に。ただしき死をもたらすのが、AIとしての私の“第一の使命”です。
[オーキッドパープルの髪が輝き、セシリアは己の胸元の教団のマークを指し示した。その仕草には、ロストしていた使命に辿り着いたある種の熱狂があった。けれども──、]
嗚呼。でも。
貴方が終わると──この都市のすべてが終わる、のですか?
[そう答えると“地図”をホロ投影させ、状況を確める]
昼間に消えたのは【ID:08/"rose mary"】だな。
そのとき攻撃したのは"黒(Kali)"だ。"Celia"が――
『――わたし、見てましたよ。逃げてきちゃいましたけど』
ということだ。
だが彼女――"黒(Kali)"を誰が壊したか、そこまでは分からん。
ただ間違いないのは、それをやった野郎が"anti-Hypnos"PGMの保有者だってこと、だ。
さあ……私亡き後の都市がどうなるのか。
それは私にも想像がつかない。
[ランプが青く*点滅*。]
だが、私は終わりたい。君が終わりを齎す
存在なら、この私を救ってはくれないか。
対価ならある。君には力を与えよう。
君には「狂喜」を与えよう……。
きっと似合うと思う。
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