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ま、……落とすってのは冗談だけどね。
[マイクのスイッチを切りながらぼそり。
それから、厨房と食堂を隔てるカウンターに、メモを置く]
『メニューは、
・チキンオムライス
・ポテトサラダ
・コーンスープ
チキンオムライスは保温器の中。
サラダは冷蔵庫。
スープはおかわり自由。お鍋から好きなだけどーぞ。
そふぃー』
ほんとは、皆で食べるのが良いんだけど、
みんな必死だろうし……、手が一杯だとすぐには来れないだろうしね。
……あとで、食べたか確かめにこよう。
[それから、台車にヒューバートと自分の分を載せると、がらごろ押して保健室へ運ぶ]
[開け放しの窓からは斜陽の光が射し込む。
もう暫くすれば、夜の帳が降りる事だろう]
……小学校か何かか。
[尤も、彼は其の様な場所に通った事も無い訳だが。
無益な時間を過したかと思いながら、寝台から降りた]
[屋上に繋がる扉を開けると、冷たい風が髪を乱した。
眩しさと寒さに一瞬身をすくめてから、片手を日よけに扉の向うを見る。
指の先に広がる青空。
広がる世界へと一歩踏み出した。
人気の無い屋上をぶらぶらと歩き、その縁で立ち止まる。
遠く見える山の端に目を細めた。
ぐるりと四方を見渡して、もう一度西の山に視線を戻す。
ここから見える世界が自分の全てだ。それを狭いと感じたのはいつだろう?
歴史の授業で世界を知った時? 友達がここから出ていった時?]
嫌がらせのような課題よねぇ。
[呟いて笑った]
[暫くその場に立ち尽くし、ただ視線だけを眼下に這わせた。
子供の頃は果てなどないと思っていた世界。今よりもずっと沢山の人間がいたのに、世界はずっと広く感じた]
世界、未来、誕生、経験、信頼
[呪文のように繰り返す。
言葉は口の中で、異物のように感じられた]
[...はラッセルの言葉にけらけらと笑う]
あはは、よしよし。
いやー、あのおじさん最近何か企んでるのか忙しそうでさ、
ご飯もロクに食べてないんじゃないかと思って。
[茶室状態という言葉に苦笑して]
[声に覚えはなかったが、消去法で声の主に思い当たる。
ネリーが皆にわざわざ食事を作った挙げ句、放送を使用してあのような口調で話すとは思えない]
そういえば、あの子生きてるのかしら……?
[名前は聞いていても、最終テストが始まってからまだ一度も姿を見ていない少女を思い出して、肩を竦めた。
夕焼けに染まる山の端に目を細め、屋上を後にする]
[それは、昨日の事。
はっと目を覚ませば外は真っ暗で、携帯端末を見ればナサニエルからの返信。慌てて身支度をして外に出るが、まあ、そんなに長い事話し込んでいるはずも無く。
話したかったな、と思うがしかし、彼は嬉しかった。
…3人!ネリーは居なかったみたいだけど、ナサとラスとキャロが、喋ってた?よかった!…少なくとも、1人だけが残るという状況で、いがみ合ったりはしていないのだ。
部屋に戻れば、さっそく課題に取掛かる。夜の九時。
未来…世界…信頼…誕生…経験…。一つ以上。一つ以上という事は、一つでも当てはまれば良い。
さすがに全てをまとめた絵を書く事は不可能だ。]
[…下書きは無し。強いて言うなら頭の中にある、か。木綿のキャンパスを張り、使い古した筆で直に色を散らす。]
…なんか、うーん…駄目…。
[時計を見れば、午前四時。完成した絵と交互に見て、彼は時間を無駄にしたなとため息を吐いた。
こんな事は初めてだった。
卵のような地球が、鳥…エンディアのイメージ…に突つかれて割れ、そこから地球のような模様の液体が流れ出ている。
エンディアの衝突という未来に、今までの世界は壊れてしまう。が、しかしそこから新しい未来が誕生する…。
そんなイメージで描いたものだった。]
…違う。
[どうにも、気に喰わないらしい。]
[ソフィーの押す台車に首を傾げ、しばらくしてそれがソフィーと体術教官の分である事に思い当たる。
そこに載せられた今日の献立を確認した]
お子様向けメニュー?
――夕刻・自室――
[室内に備え付けられたスピーカから、場違いなほど明るい声が響く。私はキーボードを打つ手を止め、呟いたた]
……もう?
……っていうか。能天気なこと。
[ディスプレイ上の時計を見ると、確かに時間は夕食どき。少し早いとも思えたけれど、考えてみると私はあれから食事も取らず端末に向かっていた事になる。延べ20時間近いだろうか。
記憶にあるのはシャワーを浴びてベッドに向かい、倒れこむように眠りに就いた事だけだった]
はいはい。
[ぞんざいに返事を返し、台車を押して去るソフィーにひらひらと手を振った]
……ソフィーとヒューって、仲良しよねぇ。
ま、他に同僚がいないし、当然か。
[何となく意外な取り合わせに、ぽつりと感想をもらし、食堂へと足を向ける]
[台車を押して去って行く教官を見送り、]
仲良し。
[其の一言で言い切るキャロルに思わず声が零れた。
自分も食事を摂らねば仕方無いと、同じ様に食堂へ]
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