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[商店街で適当に買い物を済ませる。長く住んでいたこともあり、顔なじみも多い。
また、祖父が亡くなったことのお悔やみも途中何人かにもらう。その度に礼を重ね、昼食をとろうと喫茶店に入ったときには、わずかに疲れが出ていた]
さすがに、警戒を解かずに演じるのは厳しい、な。
何か、精のつくものでも食べないと。
[日替わりランチを頼んで、窓の外を眺めた。昼間だからか人通りは多い。人間観察もかねて一人一人の表情を*見つめている*]
−住宅街・自室・朝−
……いやっ。
[うなされて飛び起きる。]
……。
わたし……。
[周りを見回しても誰もいない。
視線も言葉も傷つけるものも何もない。
安堵の息をつき、ようやくここが自室であることに気付いた。]
帰ってきた……の?
[体が重い。
のろのろとベッドから降り、身支度を整える。
いつもの黒いワンピースに調理用のエプロン。
そして階下の調理場へと向かった。]
つれて帰ってくれたのかな。
ええと……。
[昨日のことを思い出す。
戦いのこと、力が吸い取られていく感覚。
そして、もう一人の『彼』のこと。]
わたしが倒れたこと……怒るかな。
[体が震える。
自分を責めていた人は今はここにいない。
だが、彼がそうしないとは言い切れない。
腕に爪を立て、震えを押さえ込んだ。]
−商店街:昼−
[非常に困っている。何が困っているかというと興味をそそる物は多いが”お金”という物を要求される事である。
そんな人間は亡き者にしてしまえばいいのだが、確かに娯楽提供に対価を求めるのは正しい姿でもあり欲望にまみれた人間の本来の姿でもある為少なからず認めざるを得ない。またそのような娯楽を対価の消費によって得るというのが一つの醍醐味であることもよく知っている]
だが、それにしても非常につまらん。
何をするにも金とはな。
[暫くふらふらと散歩にも近い視察を行いながら、金銭要求の為に教会へ一度戻る事を考えていた]
―樹那町東ブロック高校正門・昼―
[他ブロックは昨夜マスターと訪れた為、東ブロックを重点的に偵察していた。
昼間の高校や大学には人影は多かったが、これといって不穏な魔力は感知されなかった。]
……キャスターは陣地は不得手と言っていましたが、他にこの地を拠点とした魔術師やサーヴァントも居ないようですね。
ここは、一度に沢山の若い命を奪う事が出来る場所ですから、ここが拠点にならないのは、良い事でしょう。
["気配遮断"をした状態で、静かに学校のあるエリアを後にし、病院へと向かう。]
- 劇場 -
[宗冬が起きた時には、部屋に誰も居なかった。だから気を紛らわす為に外に出た。
宗冬は兄上の頼みを聞いて戦に来たことを後悔していた。そして示現流、柳生新陰流の当主であった自分が何故示現流を使ったのか、そこに当惑もしていた。
始まった戦はどうにもならないが、示現流を使ったことは大きな問題である。
宗冬は舞踊が好きだった。彼が剣術の極意を習得したのも能からだった。だから、彼はバレエを観に来ていた。]
バレエもまた剣の道に通ずるものがある。。
[眼前で繰り広げられる舞を心で追ってみる。すると次第に昨日の戦いが思い起こされてきた。]
―樹那病院前―
[病院は人の出入りが激しい様子だった。通院する老人や病気になった子どもの手を引く母親……ここには、"保護されるべき人々"が集まっているようだった。]
……ここにも不穏な気配は、今の所無し。やはり、主な拠点は住宅街、及び駅前のようですね。双方には、僅かな魔力が常に感じられますから。
マスターに一度報告に戻りましょう。
[白い帽子を目深に被り、一見深窓の令嬢風のアサシンはしとやかに住宅街に向かった。]
[食事を終え、食後のコーヒーに手をつける。時折高校時代のクラスメートなどの顔も見たが、声をかけることはせず、また、向こうからもこちらに気づいた様子はあったが、そのまま通り過ぎていく]
もう、2年も前か。時間が過ぎるのは早いな。
……もしも、私が他に人と同じように暮らせていたら、何か感傷でも得られたのかな。
[ふと、口をついて出た言葉に疑問は沸いたが、その疑問も一瞬後にはどうでもいいことのように思え]
帰ろう。外食ばかりだと栄養が偏ると思って食糧を買ったけど、作るのにどれだけ時間がかかるかわからないし。
(調理実習以外で作ったことないから、食べられるものが作れるかわからないけど)
[立ち上がり、清算を済ませて外へと出た]
[バレエを踊る。宗冬は心でバレエを踊っていた。壇上の踊り手と一つになる。腕を上げ、空を舞い、足を合わせ乱れ飛び、回る。]
なれど芯は乱れてはならず。。
[買い物袋を提げ、家までの道のりをまっすぐ歩く。商店街にはまだ人も多かったが、マスターらしき人物は見当たらなかった]
そうそう出歩かないか。
マリアが戻ってるかもしれないから、やはり早めに家に戻ろう。
[商店街を抜けた辺りで早足になり、自宅への道を急いだ]
[何か、違和感がして振り返る]
……何?
[商店街はいつもどおりのはずで、別段変わったところがあるわけでもなく]
[汗が、背中を伝った]
何か、いる?
まさか、サーヴァント?
でも、そんな強い魔力は。
[感じていないが、アサシンのように気配を消しているのかもしれない、そう思い、慎重に商店街のほうまで戻る]
・・・・・・
[本屋で情報収集をしていると、どうやら誰かから食事を提供してもらうような会もあるようだ。その場合、男女である事が多いらしい。
確か沖田は男性別だった筈。ならばこの場合女性を捕まえるのが適切なのだろうか]
成る程、そういう文化に触れるのも一興だな。
[付近に大きな魔力の気配を感じていない以上に、既に興味が違う所に流れているようだ]
[戻ってはいけない、と何かが告げる。商店街を行き交う人に視線を向けたが、みなマスターともサーヴァントとも思えない、普通の人だった]
……気のせい?
(どちらにしても、もしサーヴァントであるなら一人では危険。やはり、戻るべき)
[心から身体に伝わってくる。思わず立ち上がり踊りだしそうになった。同時に、自然に示現流の構えたこと意味を宗冬はようやく理解し始めた。]
自然だったからだ。
[示現流が自然だったからだ。狂化、爆発する肉体に逸る心、自然だったのは示現流だった。だが何故、示現流か。柳生新陰流当主であった私が。踊りたい身体を抑えつつ考える。]
思うに……。
[宗冬は一つの結論を出した。刀に導かれた。今彼が踊り手に導かれたように。三池典太は、十兵衛の愛刀である。数多の剣豪を殺してきた。示現流は、薩摩の剣である。幕府の敵と見られていた薩摩示現流の剣豪も切ってきたに違いない。刀に刻まれた記憶があるに違いない。]
―住宅街―
[病院からそれほど遠くない場所に住宅街がある。ソフィーの屋敷へ到着すると、しかし主は留守のようだった。]
……マスター、1人で出かけてしまいましたか。
昼間であれば、そう面倒な事にはならないとは思いますが。
[屋敷で待つか探しにいくか、一瞬逡巡したが、まだどんなマスターやサーヴァントが今回の聖杯戦争に参加しているのか全容も判らない状態で、己のマスターが秒殺される訳にはいかない。シャルロットは踵を返して、駅前の方へと小走りに駆け出した。]
[そう考えながら本屋を出る。するとおあつらえ向きに少し離れたところに多少なりとも挙動不審な女性が見える]
・・・・・・ をい、そこの淑女。
[何を気に入ったのか、空穂に声をかけた]
[戻ろう、として声をかけられたのに気づく。振り返ると、同じような歳の男性がこっちを見ていた]
……今、私を呼びましたか?
[恐る恐る言葉を返し、男性を凝視した]
うむ、君の事だ。
[本来ならば”貴様”と読んでしまうところだが、どうやら人間は女性に対して丁寧に接するものらしい。ここは習慣に沿ってみるのも一つの遊びとして有効だろう]
つかぬ事を聞くが、君もこういう物をよく口にするのか?
[とある喫茶店のショーウインドウを指差す]
― 教会・昼 ―
はいはい。まあこんなもんだろうね、と。
[ 聖杯戦争参戦の旨は、事務的に受け入れられた。管理者を名乗る沖田敬一郎に幾つか問いかけてはみたが、当たり障りのない…すでに久仁彦の知っている程度の返答がなされ、当然ながら他のマスターやサーヴァントについての情報など得られることはなかった。]
ま、そんなもの期待しちゃいなかったけどね。それじゃどうしよっか。
[ 振り返り、後を着いてきている人物に話しかける。が、返ってきたのはひどくそっけない言葉だった。]
…ああもう、つまんないね。
とりあえずは適当に歩き回ってみようか。他の奴らもこの街のどこかにいるんだろうしね。
ああ、判っちゃいると思うけれど魔力は極力抑えていてくれよな。例えそれっぽいのを見つけても、こちらがそうだと気付かれないに越した事はないんだから。
ま、公園を抜けてぶらぶらといってみるか? なんとなくだけれどね。
[ 独り言のようにぶつぶつと、そんなことを背後のジャンヌに話しかけながら、公園から住宅街の方へと向かうことにした久仁彦だった。]
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