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―三階廊下から二階食堂ホールへ―
[見知らぬ人間と、先日見たばかりの人間が続々と食堂に吸い込まれていく。
それぞれに軽い会釈をしていると、どこかで覚えのある香りが鼻を刺した]
……さて、なんだったか……
どうにも、覚えがあるが……まあ、関係あるまい。
[視界の端に「親愛なる生徒」の姿を認めると、それっきり考えを巡らすのを止めた。]
おや、時間かな?
[周囲を見渡すと、廊下の交差する二階の中心とも言えるこの水盆近くには気がつけばいくつもの人影が増えていた。
視線を感じ振り返ると長い髪の青年が強い眼差しを向けていた。]
『彼はどこかで……?』
[視線が交差した彼の言葉に私はいささか赤面しながら頭を掻いた。]
そうだね。この話は――
[盛装に身を包んだ利発そうな少女の姿も見える。華やかな宴席の前にはあまりに不似合いなその話題を私は中断することにした。]
どうにも最近の旦那様は、否、自分が最初にお会いした時からそうだったのかもしれないが──何かに魅入られた様に、危うい方へ向かわれている様な。
[額に手をやる。
蟒蛇の如く酔う事の無い仁科は、ふと酩酊感を感じている自分に違和感を感じた。]
あたしが、酔った──のか?
珍しい。
[食卓をちらりと見やると、恐ろしくやつれた顔を白く化粧した男の姿。]
『……?あれが、天賀谷氏か?』
[辣腕の美術商である知人を出し抜いてまんまと水鏡を手に入れたやり手のはずだ。もう少し精力的な男を想像していたのに。]
『それとも何か、水鏡の魔力の由縁ってやつか?』
[目は、天賀谷氏から離れ、水鏡を探してあちらこちらをさまよう。
藤峰と翠の姿も見えた。何とはなしに、知った顔を見かけてほっとする。]
[枚坂と、見知らぬ、しかし立派な身なりの男の話すのを聞いて、改めて己の場違いを思う。
しかし顔には出さない]
呼ばれているようだな。
→水鏡前→食堂
―二階廊下―
[視界の隅に映るさつきの姿がふと薄れゆく映像のように感じたと思った次の瞬間、彼女が眩暈でも起こしたようにふらつくのが見えた。
其れを抱き止めるのは、先ほど玄関で会った怪しげな男。]
「立場上、行かねばなるまい」
[足早に駆け寄ると、その顔を覗き込むように]
……大丈夫ですか、さつきお嬢様?
─食堂─
[ダンスのステップにも似て、軽やかに室内に入場して来たのは、真っ黒い妖華とでも喩えられるべき姿だった。
真っ黒なイブニングドレスに、真っ黒の靴、真っ黒な長手袋。結上げた艶やかな黒髪にはこれまた黒い造花の薔薇を挿している。
その黒ずくめの中に白い貌が輝いていて、艶冶な微笑を浮かべた。]
御機嫌よう、天賀谷様。
― 自室→晩餐会会場 ―
[ごめんね、と同僚達に小さく謝りながら
翠は素早く持ち場に着いた。
と]
―――ぁッ
[くらり、足元が揺れる感覚。
急によろめいた翠に同僚の少女が声を掛ける。
「大丈夫?」]
う、うん……大丈夫。
[謂いつつ、額に手をやる。
何だろう、今のは。
天鵞絨の眼を細めて、記憶を追うような仕草を見せたがそれも直ぐに消え]
[さつきの感じた眩暈はやがて去り、足許の覚束ない感覚からも次第に回復していった。毛足の長い絨毯に取られる事も無く、そっと雲井の腕を押しやって立つ]
嗚呼……済みません、ご迷惑をおかけしまして。
有難う御座います。
……初めてお目に掛かりますでしょうか?
[立ち上がると特に身体に違和感は無く、本当に酔っているのか良く分からない。「酔う」事自体が久しぶりなので違和感があるのだろうか。]
──…多分。
あの兄さんが、ただの人殺しなら。
あたしは、何時もの癖で少しばかり濡れるだけで……其れでお終いだ。
[腕で自らの身体を抱き、傍にある簡素な鏡を覗き込み目の色を確認した。充血はしていない──。]
…屍鬼が、麓に出ても──この山荘は別世界──だろうに?
マァ、自分も他の使用人達と同じく、連日の客人の送迎で疲れているのかもしれないや。
晩餐会の隙に、庭でも散歩をするか──。
「――曹操の話をすると曹操が現れる」
[不吉な予兆のような彼の言葉が心に残った。]
大丈夫かい?
宴席には出られそうかな。
それとも、部屋で休養した方がいいだろうか。
気付け薬が要りようなら処方するが……
[少女に言葉をかける。]
[藤峰に声をかけて水を一杯汲んでもらう]
ああ、あとできれば濡れ手ぬぐいも。細いお嬢さんだからな、旅で疲れたか。
[とっさに、タオルという単語は出てこなかったようだ。
さつきたちのところへ行って水を差し出す]
ほら、一口飲め。
ええ、大丈夫です。
此方の方が、支えて下さいましたから。
[シロタへと答える声は平静なものだったが、さつきの背後ではメイドの娘が微かに身を竦ませたようであった。さつきは其の様子に気づくこともなく、用事を申し出た望月青年へと笑顔を向ける]
いえ、そこまでして頂く程には及びませんの。
其れに、御水でしたら――
そう言わず、少し休んだ方がいい。
頭でも打つと事だ。
……そう。
お嬢さんと初めてお目にかかるのは初めてですな。
[さつきに頷いた。]
――ほら、此処に。
[そう云ってさつきは屈むと掌までを浸した。水の冷たさを愉しむように目を閉じる。ゆらりと掻き混ぜると水面が波立ち、其処に映し込まれていた面々の姿を曖昧な形へとぼやけさせた]
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