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[相手の言葉を、挑発的に受け止めた。]
ハーハッハッハッハッハッハ……
君はなかなかコミカルなプログラムだねえ。
娯楽としては及第点、真面目なら落第点といったトコか。
[3本の指の色が、走馬灯のように巡っていく。
その光の信号も、次第に大きくなっていく。
相手に向かって赤・青・黄の点滅信号を送っている。]
プログラムってのは、単細胞で困るね。
私も同じプログラムなんだけどサ…。
相手ェ選べないのが、悲しき単細胞といったトコか。
やってみるか?
─Public─
それにしても、何だか静かね。妙な気配はあるみたいだけど。
"死を体験できる"、だったかしら?ここのコンセプト。
……あぁ、そうか。ココじゃそんなこと、出来るわけないか。
だとしたら……下、か。
──Under、ねぇ。
どうなってるのかしら、今あそこって。
[紅唇から紡がれる独り言は止まることなく]
まあ昔と大して変わってりゃしないだろうけど。
──行ってみようか。
何処からアクセスしようかしら?
["扉"──階層の継ぎ目を探して僅かに歩を早めた]
──Under/− ──
私達は作られた時よりある種の制約を受けます。それは本質であり、本質は直感(オラクル)を生む。
[笑みを崩す事はなく、腕を組んだ。]
貴方は私に近づきすぎました。
それが敗因となるでしょう。
[黒服は後ろから赤く照らされてLutherの顔を逆光で隠す。影の中、Lutherの睛が浮かび上がっていた]
[Geneがバニーから受けとったのは、手のひらに乗るサイズの黒い小さな立方体、球体、それに両手首を繋ぐ透明のコードで繋がれた二つの透明の腕輪だった。]
じゃあ、またバニー。
ぼくは何時もの様にUnderへ行く──。
…あぁ、急ぎたいな。
へぇ……それが敗因なら、私のミスだね。
できたら、そのミスについて詳しく教えてくれないかな?
体に教え込んでもいい。たまにアップグレードしないとね。
[無抵抗を表すように、両腕を上に。
赤・青・黄の3色の信号を、Lutherへと
視覚イメージとして送り込もうとはしている。]
[ワイヤフレームの角を曲がろうとして、その向こうの気配に気がつく。]
…うっわ、こりゃすっげ。
[攻性プログラムを展開しようとする二つのアバター。
その様子を伺いつつ、ついでにどっちか壊れたらコードの残滓でも拝借する気だったり。]
[腕輪を装着しながら、クリスタルが弾ける様な音を立てて石畳を歩く。ふと、銀幕女優と言う古語が浮かびそうな容貌の女が目に止まる。人通りは多くごく平凡な人間や安全なプログラムの中で、何故か彼女だけがGeneの神経を刺激した。]
………………。
つまり───…
貴方は私の部屋に入り込んだ。
[Hubertのすぐ後ろから声が聞こえた]
貴方が仕掛ける前に私の罠に先にかかった。
それが敗因です。
[煉獄の焔がHubertを包み込む]
[『ぐるる』とドレスの内から獣のうなり]
──何?静かにしてなさいな、ディー。
[まるでそこに何かがいるかのような口調で言い、軽くドレスの内を撫でる]
[と、視線を元に戻すと、そこに一人の青年の姿]
──。
[にこり、と笑み]
なにか用かしら?
――!?
[形相を苦悶に歪めながら、体が焔に包まれる。
焔と点滅信号とが相まって、非常に目に毒である
視覚的イメージとなっている。
そのイメージは、周囲のあらゆるものへと
流れ込もうとしているようだが。]
ああ……イイ…。
[点滅を繰り返しながら、苦悶そして恍惚。]
[目の前の二人の応酬は、そりゃぁもうすごい展開になってるんだろうけど…
けど…
ぶっちゃけ処理オチすっからエフェクトスキップしてるんだってばさ。]
…おおぉぉぉぉぉぉぉ。
[ずっと苦悶の表情で呻き声をあげている。
表情は、真に迫る。体は点滅点滅点滅。
しかしながら、少しだけ様子がおかしい。
先程から焔の揺らめきがない。]
[青年の声に、一拍を置き]
えぇ。
"上"に行きたいのだけれど、この辺りは私不慣れで。
ゲートの場所、ご存知なら教えていただけるかしら?
[意識下で、指先がタスクに手をかける]
(まあ、念のためって言うし──)
−(Mundane/privateroom)−
・・・・・・ さてと。
[道化からの招待状を特殊ブラウザで受け取り、自身のプログラムの整備を始める。通常であると電脳世界へダイブしている間は電脳世界におけるアバターの視点となるのが通例である。だが彼は研究の為にその電脳世界の視点をブラウザ化し、現実世界での活動とパラレルでの行動を可能にさせている。
とはいえその行動自体は負担がかかる為、プログラムのテスト中以外は実施していない。
そして、publicでのテスト中にその招待状を受け取ることになった。
当然、彼にとってそれは非常に興味深いものとなった。
彼が納得するであろう人類の”新天地”。それに到達するための世界と機能。その可能性のひとつである修羅界ならば、身を投じる価値がある]
あまり得意ではないが、そこはプログラムでカバーするとするか。
[焔に包まれた恍惚の表情を背景に、笑いかけた顔は意外にも穏やかだ。
全ての情報はLutherを除き一度空間へ取り込まれ演算処理された後、タイムラグに気づかせずに相手へと処理を渡す。先読みが出来る空間と言い換えていい。しかし、一度起動すると範囲移動が遅く、Attack中の範囲移動はほぼ不可能と言っていい。
──破られなければ効果は継続するのだが。]
[揺らめかない焔の中で、Hubertは苦悶の表情。
最初こそ本心からのものと確信できるも、
途中からは、それも疑わしい様子。
しかも、焔とHubertの接触するあたりが
簡易形式のデータとなって、取り込まれていく。
そして、そのデータが取り込まれたそばから、
流出、流出、流出。]
「上」ならこの十字路を左に抜けて、一度右に曲がって、それから大通りに合流すればすぐ正面に、大階段のある建物があります。
[襤褸襤褸の迷彩服姿に透明な義足と腕輪をつけたGeneの姿は、どう見てもカタギには見えないだろう。
うかべた笑みはそのままに、小さな声オードリーの目をじっと見つめて囁く。]
でも、お帰りにはまだ早いんじゃありませんか。
ペットと一緒に遊ぶなら、上よりも地下の方が──。
[囁きに、ドレスの裾をさらりと撫で]
あら、うちの子はおとなしい子なのよ。
下でなんてすぐに食べられちゃうわ。
[言いつつ、待機中のPGMをアクティブに変更]
ゲートは大通りの正面ね。ありがとう。
[無防備に背を向け、示された方向へと一歩]
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