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[妻のことはただ、考えたくなかった。居なくなってしまったことに、ひどく現実感がなかった。いつものようにその扉を開き――
グラスにアイラ・ウイスキーを注ぎ、煽る。
先程はぎこちない表情だったシャーロットが、そばに来てくれることがただ嬉しかった。誰かがそばにいなければ過ごすことのできない夜だっただろう。そっと彼女の肩を抱く。
今は、ただウイスキーが言葉であればと思いながら、ガラスの向こうに広がる茫漠とした闇の中を*見つめていた*。]
──シャワールーム──
[ネリーは全身でその汚れを洗い流そうとした。それは無理かもしれないけれど、ただそうしたかったのだ。緑の髪がゆるやかに流れ、翡翠の瞳は何を映すのだろうか。
瞳──いろいろな視線が私を貫いた。
シャーロットのあの複雑な瞳。
リックの狩りを楽しむかのような瞳。
ニーナの気だるそうな瞳。
ソフィーの優しい瞳。
ボブの隠された瞳。]
[短い間にヒューバートに起きたことを思えば慰めの言葉も何も見当たらない。
この優しい恩師に対してできることがこんな酒の付き合いだけだとはとても情けないように思えたが、それでも付き合って相当量を飲んだ。
そう、ギルバートから貰った頭痛を始め今回の災害、あのルーサーの死体、ユーインのこと等頭にこびりついて離れないどす黒い何かがあるのだ。
酒で洗い流せるならいくらでも飲んでやる、と自身も半ば自棄であったのかもしれない。
どれだけ飲んだのか分からないが、確実にヒューバートより先に潰れたことだろう。
昨日ではなく、明日を忘れたいと願いながら─*]
[シャーロットにあって私にはないもの。
私にあってシャーロットにはないもの。
どちらも挙げようと思えば幾らでも積み上がっていく。だが――
私に2度着替えを促し、手伝ってくれた時の無言の感想。私の胸回りへの視線、手首を初めとする傷口への賞翫。私の声。指の動き。
自分から見せる事は殆どなかったのに、彼女には少し垣間見せてしまった。
否定しようのない何かが私の中である。そして何故、飢(かつ)えるのだろう。]
[リックにあって私にはないもの。
私にあってリックにはあるもの。
こちらはもっと明確だ――
認めたくない。歯軋りがする。
しかし何故見抜かれるのだろう。隠し通していたかったのに――]
[自分が性急になっていると感じる。
男の身体から受ける快い刺激をもっとじっくりと味わいたくて、なるべく手を緩めようとするのに、頭の芯が熱くなっていく。
それは、血の聖餐の齎す陶酔を味わった直後だからか、それとも唾液に混じるナサニエルの血の甘さの所為か。
舌先に感じるそれは、強力な媚薬となって作用した。]
……天使サマは、もう、音を上げた、の、か?
し、てくれよ。もっと、気持ちよく。
[零れた唾液でぬれぬれと濡れた自分の唇を舐め、熱い吐息と共に*囁いた。*]
──アトリエ・リビング──
[杯を傾けている二人に少々酔いが回って来た頃に、シャーロットはぽつりとこんな事を尋ねた。]
──…ねえ、もし。<もしも>の話よ。
身近な人や、よく知ってる人が……想像も出来ないタブーを犯していたり、もしかして…もしかして殺人者だったら。どうする?
例えば、……本当に例えばだけど、ソフィさんに酷い噂があったじゃない。実のお父さんと…関係があるって。あれが本当だとか。
ネリーは自分を襲った暴漢はヘイヴンの人じゃないって言ってたけど、ネリーは怖がらせまいとしてそういう事、嘘を付く方が良いって考えたりしそうだし。ルーサーさんを殺した人って…町の人の可能性が高い…んでしょう。
もしも、他の人がどうにかなってしまっても、パパやハーヴは変わらない…わよね?
ヘンな事言ってごめんなさい。
さっきの薬が効いて来たみたいな感じがする。
私、先に眠るわ──。
[そう言ってシャーロットは先に自室へ*引き上げていった*。]
音を上げるだと……?
そんな簡単にヘタレるわけねぇだろ、おい。
[ククッ…とひとつ笑いギルバートの目を見る。]
そっちこそ、即終了なんてブザマな真似はやめてくれよ?なぁ……お仲間サン。
[ナサニエルの両手はゆっくりと降り、ギルバートのベルトに掛かた。カチャリ……というベルトが外れる音でさえ、ナサニエルの鼓膜には大きな刺激となって響く。]
それじゃ、お手並み拝見と行こうか。
[見詰める男の笑いに目を細める。瞳の琥珀が濃い蜂蜜の粘性の光を放つ。
欲望の塊は既に、ジーンズの分厚い生地の下で、苦痛を感じるほどに硬くなっていた。
自分もナサニエルの黒いタイトフィットのパンツに手を掛け、同じように窮屈な衣装から相手のからだを開放しようと試みた。]
[脱がされる感覚には無抵抗に――強いて言えば、衣擦れの感覚だけで背筋が震えるくらいか――ナサニエルは自身を包み込む衣を脱ぎ捨てた。]
………で、ここで立ったままヤるの?
[唇を歪めて笑いながら、右手はギルバートの熱い塊を握り締める。先端には、透明な粘液。ナサニエルはそれを指先で掬い上げ唇まで運ぶと、ぺろりと*舐めてみせた*]
[欲望の中心を握ってくる男の指の感触に、ふ…と溜息が洩れ、喉が上下する。
細く繊細な女の指ではない……確かな質感と強さを感じさせる指。]
[透明な滴を掬い上げて、唇へと運ぶナサニエルの笑み。
甘い痺れと共に背筋を駆け上がる電撃が脳髄を白く灼く。]
……それでも良いけどな。
[嗤い含んだ声で呟いたが、それとは裏腹にナサニエルの腰を引き寄せて股間を押し付け、互いの昂ぶりを擦り合わせた。
同時に、舌がちろちろと男のざらつく顎や頬に這い、唾液の軌跡を残してゆく。]
[やがて、どちらともなくベッドの上に倒れ込んだ。]
[喰らいたい。]
[喰らいたい。
皮膚を咬み裂き、溢れ出る温かく甘い血を啜り。
弾力のある肉の繊維を食い千切って、呑み込みたい。
口内で蕩ける脂肪の旨味を味わいたい。]
[情欲と食欲とが混沌と交じり合っていく。]
[それはいつも、心惹かれた相手と媾合(まぐわ)うたびに彼を襲う衝動だった。
永い長い旅の間に、とっくにそれを逸らし抑える術を学んでいたが、それでも膚を合わせたその瞬間に、常に強烈に感じるのは避けられなかった。
交わる相手が忌み子であれば、余計に強烈にその衝動が湧き上がってきた。]
[今ナサニエルの膚に舌を這わせながら、或いは既に食事を済ませた後でなかったら、この食欲を馴らすのに随分と苦労しただろうな、とぼんやりと思った。]
く…………っ
[ギルバートに股間を擦り付けられ、ナサニエルは笑いとも喘ぎともつかぬ短い声を上げる。皮膚とは思えぬ程に硬化した熱い塊と、それに仕える柔らかな従者の感触が、ナサニエルの「野性」を呼び覚まし、その証として透明な粘液を一筋走らせた。
ギルバートの舌がぬめぬめとした熱を頬や顎に伝える間、ナサニエルは背中に走る寒気に屈してしまいそうになった――が、それが終わると仕返しと言わんばかりに犬歯を立ててギルバートの耳朶を噛み、己の唾液が波打つ音を彼の耳の奥に流し込んだ。]
[ナサニエルの脳裏に、警鐘が鳴る。
――脚を絡めるな。喘ぎ声を上げるな。この男に「屈するな」――ナサニエルの「本能」が「野性」の首を絞めんと飛び掛かった瞬間――2人の男はどちらからともなくベッドに倒れ込んだ。]
くっ……やっぱり「戦い」は、マットの上じゃねぇと格好つかねぇもんな?
[倒れ込んだギルバートの熱い塊に食らいつかんとして、ナサニエルは*口を大きく開けた*]
―アトリエ・リビング―
[ポートシャーロットにあった蒸溜所で仕込まれた古いブルイックラディーは、新しいものより明確で力強いピートの存在感が感じられた。濃厚な甘みにかすかに柑橘系の風味が宿っている。濃密でありながらなめらかな感触のあるその風味には、静かにゆっくりと心と躰に命を吹き込む豊かさがあった。
三人の寛いだ時間の中で、しばしの休息と安らぎを得ていた]
[少し酔いが回った頃のこと。シャーロットの突然の言葉に、杯を取り落としそうになった。]
シャーロット。
止しなさい
[ソフィーの話題に対して私の語調は日頃には珍しく、戒めるような響きを帯びていた。
私もエリザも性的なゴシップを彼女の前で口にするのは避ける程度の慎みは持ち合わせていたのだが、人の口に戸は立てられない。誰かからか耳にしたものだっただろうか。
シャーロットの表情は不安に曇っているように思えた。
ネリーやルーサーを襲った暴力に向けられた憂慮の言葉に、私は心配ない、と力づけるように肩を抱く手に力を込めた]
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