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≪Kot.……Kot........≫
[Utopiaに降り立つのは、Hypnosが都市の機能を麻痺させてから初めての事だった。何処か寒々しく、領域が硬化したような感触を覚える。Vision.――薄い幽霊のような姿――Utopia/Closedに降り立ったトビーの姿は、半透明よりも薄い。]
【ああ、だが……僕はまだ、
”輪廻”と対峙する訳にはいかない。】
[現実世界でのトビーは、ふと両眼を瞑ると開き、オードリーを向いた。]
フィルム、万華鏡……様々な形だが、共通している事――手紙を受け取ってはいませんか?
【【BANK】のオードリー・ハックマン。】
『有名な人物です。過去のDataを参照しますか?』
[トビーにだけ聞こえる補佐AIのstill voice。
無言でyesを返すと、]
僕はトビー。
指揮者としてAdministrative bureauに登録されていますので、詳しくはそちらで閲覧可能です。時々、Utopiaで同時公演を行う事もあるのですが――…。
哀れであるのは、
生に倦みすぎ素直な幼子の耳を失った貴方。
[平板な音声。
これまでと変わるようなところは無いが、どこか茫洋としているようでもある。]
── 現世<Mundane> / 西南部(繁華街のはずれ)
フェミニスト団体事務所 ──
[Under経由で、生存していた防衛担当の幹部と連絡を取る事が出来た為、教団本部を電脳面でセキュアモードに移行する事がどうにか出来た。
ネットワークとの接続状況にあわせて、セシリアの髪がふわりと揺れ、オーキッドパープルから透明に発光する。]
下層エリアでも、やはり生体の人間だけが活動出来ている。
──…私の見立てで正しかったようだが。
[狂乱状態に陥った一部の下層住民が、本部に踏み込み、繭(コクーン)に残っていた信者のうち半分が暴動で殺されたと言う。]
ああ、とはいえ――DLは現在無理ですね。
経歴はこちらに。
[視覚素子/ホログラムで見える鍵盤を叩くように、指を動かす。何小節かが一筋の流れとなりオードリーの方へと]
それは、――地図ですか?
[ホログラムを見る。]
【なぜ?
最初から"仕組まれて"いたのか?】
[答えは不明。]
[名乗りの声に、思考/演算は戻り、彼らに挨拶をする。]
わたくしは、レベッカと申します。
[ヴィンセントの開いた封書――]
[思い当たる節は一つだった。]
動ける者が──メガロポリス内にッ?
[ネットワークとの接続を引き千切るようにして、切り離し
侵入者──ドリスに向けて警戒態勢を取る。]
君もか……君も私を哀れむと言うか。
[稲穂を握る手を硬くし、向き直る。]
哀れみなどいらぬ。誰かに哀れに思われ、
後ろ指さされる生ならば、もはやいらぬ。
どうか私に「真実の終焉」を……。
それはそうと……。
[先ほど、Brahma―「誕生」の槍―で貫いた。]
君には告知しなければいけないな…「受胎」を。
─ 理想郷<Utopia> / Under・裏通り ─
[呼びかける声に、立ち止まる]
師匠?
Kot pereulka sharlakha、現在Underを探索しています。
だーれも、居られないです。
[回線を開き、直に音声を送る]
― 電脳世界<Utopia>/Closed・Morgan's Space→ ―
(あれれれ、じいさまが萎え苗なんだわさ)
[姿を変えた槍を不思議そうに見つめているうち、少女の位相転移にsiam shadeは呑み込まれていった。
あの槍に突かれるとどうなるのか、好奇心を残しながら意識はその空間から去った。]
― 現実世界<Mundane>/南部境 オープンカフェ ―
そうなのよ、メイちゃん。
不幸の手紙なんつって。いや、今の俺っちにはむしろ好都合だったりするんだけども。この状況ってェばさ。
まま、ちょいとばっかし独禁法やらなにやらきなくさかったンだって、この大騒ぎできっとみんな忘れちゃうだろしね。
[SBY109のsonosheat販売方法が独禁法に触れ、DeathSTAR Recordsがバッシングを受けたのも最近のことだ。
現れた立体地図を見れば、光点がいくつも見えた。]
[レベッカに視線を移して]
はじめましてレベッカ。よろしくね。
[トビーからの情報が流れ込んでくる。オードリーの外套がコーティングするが、無害だと分かると、ローディングを開始する ...]
ぜひ、平時にトビー坊やの講演に伺いたいものね。楽しみにしているわ。
[心の奥底では違和感が消えない]
[開かれた"Hologram"は、同じく地図の姿。]
――これが、他のようにならない"共通項"?
であるならば、"送信者"は"何か"を知るということ……。
―― 現実世界<Mundane>/西南部・とある事務所 ――
[レインボーの光が黒のホログラムを斑に見せる]
[倒れる女性の半裸な姿に目もくれず、立つ少女に黒目を向けた]
オ前ガ、召喚(呼ビ出シ)タノカ?
[ガシャン]
[背後のドアを力ずくで開けたガーゴイルの爪から破片が零れた]
憐れみ知らぬはただ哀れ。
[損傷といえる箇所は無い。
貫かれた筈の箇所に手を添えている。
受胎/告知という言葉に、僅かに表情を変えたように見えない事も無いが、錯覚であるのかも知れない。このAIは感情モジュールを所持していない。]
手紙、ね。みなさん、それをお持ちなの?
[頭には、サーに手渡された "紙幣" が思い浮かぶ。面には出さない。]
【あの男 ... 何のつもりでこれを ..... それとも、仕組んだのは ......】
[湧き上がる疑惑]
あ、よろしくおねがいいたします。
[オードリーの言葉に、再びstopをかけ、微笑んだ。]
よろしければ、何か飲み物をおいれいたしましょうか。
使えるものもあるようです。
種類は――
[幾種かの紅茶、珈琲の種類を口にした。]
[行動規定に沿った行動であり、レベッカ自身には違和感もない。]
[トビーとレベッカ、口の中だけで復唱し]
この地図を見ると、他にもいくつか点が見える。
この点の数だけ、動いてる人がいるってことなのかな。
でも、どうやって探知してるんだろ?
この「手紙」が発信源とか、あるのかな。
[自分の持っていたフィルムを四方から不思議そうに見る]
わたくしは――旅行券でしたが。
籤で当たりが出たというものだけしか、受け取っておりません。
[尋ねるオードリーに、返答をはじき出した。]
[レベッカの言葉に]
フフフ、お気遣いありがとう。
そういえば、ここはカフェだったわね。
じゃあ、飲み物をいただけるかしら、
[少し楽しそうに]
直にだ。直に、その懐妊は結実し……
[稲穂を向けて。]
新たな「誕生」を迎える。
[手を戦慄かせながら、キッと睨みつける。]
身重相手に狼藉を働く趣味は持ち合わせていないが……。
あまり私を怒らせない方がいい。私も苦しいんだ。
私も長く生き過ぎた。しかし、今日という日だけは
未だに覚えている……それが今は哀しい。
[稲穂を構え、体勢を低く構える。]
今日な……私の誕生日なんだ。
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