情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[ローズマリーに礼を言ってタオルを受け取る。
その目は慌しく去って行ったヒューバートという男をまだ追っていた。]
面白い人だね。ローズの知り合い?
[あの日、とうとう最後まで父は現れなかった。
叔父の助けを借りて何とか葬儀を終えたソフィーが家に帰った時、父は真っ暗な部屋の中で一人膝を抱えて蹲っていた。]
『お父さん……。』
[垂れ込めた雲のように重く陰気な気分に押しつぶされそうになり、ソフィーは振り切るように首を振って残りの道を急いだ。]
「――ところで、お兄ちゃん?」
[唐突にウェンディが口を開いた。何を言い出すのかとその動きを凝視する。妹ではない何者かを見る思いがした]
「行ってあげないの?
呼んでるわよ、助けてって。
――“兄さん”?」
…やっぱりウェンディが気になるわ。
もうかなり時間も経っている事だし、リックもいるし大丈夫でしょう。
でも、すぐ帰ってこなくっちゃ。
[ネリーはボブにその旨を申し出た。ボブはネリーが可愛いからか、ネリーのわがままをあっさり快諾してくれた。
ネリーは髪を整え、雑貨屋を目指しはじめた。]
[ウェンディが見ていたのは店舗の方。あれから客がなければ、ニーナしか居ない筈だった]
……何の事だ?
「聞こえたの。今度は夢じゃなくて肉声。
行ってあげたら?」
何言ってるんだ。
声なんて一言も聞こえなかったけど?
[そう答えた僕に、ウェンディは納得したような残念そうな、微妙な表情を返した。憐憫の色さえ含んだ声が僕の耳に届く]
「……そう。じゃ、私はお店にいるから。兄さんは出てきたら? 配達、あるんでしょ。デボラさんじゃない方に」
ええ、ギルバート、わたしの古くからの知り合いよ。
幼なじみみたいなものかしらね。
本当に、面白い人よ。芸術家だものね。
―自宅・書斎―
[昼に起きる生活洋式に慣れきった男は、いつも通りの時間に目を覚ました。外は大雨であるが故に、今が朝か昼かの区別はつかなかったが、漠然と「いつもの時間」ということを、男は感知した。]
[重い身体を引摺り、いつもどおりブランダー家の雑貨屋から配達された段ボール箱に手を伸ばす。煙草、缶詰、紅茶缶、コーヒー、パスタ、ノート、拘束具、LSD、咳止め薬が2ダース。]
あー………
[咳止め薬の瓶を1本手にし、蓋を開けようとした瞬間、男が背を向けている廊下の方から電話の声がした。]
………ハロー。こちらナサニエル・メラーズ。
[男は、レースとピンクのキルトに包まれた受話器を手にし、電話の向こう側に語りかける。]
―雑貨屋前―
結局戻ってきてしまったわね。ウェンディは元気かしら。
[ネリーはとうとうと歩き、雑貨屋が遙か彼方に目にところまで進んだ。]
[振るえる手でダイヤルを回す。
ややして聞こえてくるナサニエルの声に、僅かに安堵の息がこぼれて、そして受話器でぎりぎりひろえる程度の声量で電話の向こうの相手へと]
…ニーナ、です。
あの…今晩、お伺いして、よろしいですか。
助けて、ほしいんです。
…お願い。
お願い、助けて兄さん──
[泣きそうに震える声は、既に現実と空想の区別があいまいになっていて、縋るように相手へと発される]
――居間→雑貨店――
『……ルーサーは。悪人ではないんだろう。でも、な……』
[むしろ世間一般の基準で言えばむしろ善人に入る部類なんだろう。それでも、僕はどうしても純朴な信頼を向けるような気にはなれないでいた]
『無償の善意と、その価値を信じている人物。どうにも僕とは違いすぎる。もしかしたらその差異は、この“村”の成り立ちそのものにまで遡るのかもしれない……』
[とりとめのない思考で目前の憂鬱を脇にやり、カウンターに置かれていた注文書を手に取った]
今晩……
[手帳をめくり、ざっとスケジュールを確認する。]
オーケー、了解。
俺の家に来たら、いつもどおり呼び鈴を鳴らしてくれ。
……では、また後ほど。
[ニーナの言葉に淡々と応えた男は、用件を済ませ電話を切った。]
──アンゼリカ前──
[ザァァァァ───。
雨は絶え間なく続き、傘を打つ雨音はうるさい程に響く。]
──。
[OPENの札が掲げられた扉の前でソフィーは迷っていた。]
―昨晩 夜道―
[激しく雨がフロントガラスに打ちつけ、視界がやけに狭い。]
……
[聞こえるのは雨音だけ。]
……
[まるで彼の心を映し出すかのような情景]
[急いで来たはいいが、中に入るには矢張り勇気を必要とする。
昨日の今日で、どんな顔をして会えばいいのだろうか。
きっとローズマリーは自分が居た事に気付いている。
いい年をして気にしすぎだとも思うが、晩熟なソフィーにとって情事は秘め事であるべきと考えていたから、こちらに聞かせるかのように声を張り上げていたローズが、自分をからかっていたのではないかと言う妄想まで浮かんで来る始末だった。」
──アンゼリカ横・ヒューバートの車の中──
(ハーヴェイ到着前)
[ローズマリーに食事を頼んで来ると言って、アンゼリカの中へヒューバートが入って行った後、シャーロットは車の中で窓の外の景色を見ていた。]
…なんだか、雨足が強くなって来たみたい。
ママは、大丈夫なのかしら。
雨漏りを見つけて、急遽、修理の人の作業を見届けるまで戻れないなんて。それじゃあ、徹夜だったんじゃないの。
その後、この雨の中、工場から車で帰って来るってなんだか怖いわ。
地面だって、また緩くなってる気がするし。
──あら、車。
…誰だろう。暗くて見えないわ。
んん、よく見えない。
…細いなァ。
もしかして、こっちに戻って来てるハーヴ?
ハーヴのとこの車ってあんなのだっけ。
[声をかける間も無く、ハーヴェイもアンゼリカへと入って行く。扉の隙間から灯りが漏れた。]
[こくりと、電話の向こうの相手にはわからないのに小さく頷き、向こうで受話器が下ろされるのを確認してからこちらも受話器を下ろす。
そこではじめてリックの視線がこちらへと向いていることに気がつき、ひとつ瞬きをすればいつもどおりのニーナのあまり穏やかとはいえそうにない常の顔があり]
…私、これからちょっと出かけてくるから。
遅くなると思うから、先に休んでて?
[従弟妹達には少しだけ見せる柔らかい表情で、雨用の外套を羽織ると傘を手に外へと]
――雑貨屋――
『声……電話? ウェンディはニーナの事を言ってたのか。けど、ニーナの兄さんはもう……』
[伯父伯母の夫妻と一緒に事故で亡くなったのは五年程前だった。ニーナがちょうど、今のウェンディと同じくらいの頃。訃報を聞いて駆けつけた時には彼女は一人ぼっちで泣いていたと思い出す]
…………ニーナ。
―昨晩 自宅前―
[車がルーサーの邸宅にたどり着いたとき、玄関の扉の前に人影が]
あれは……
[雨で前がよく見えず、「それ」が誰か判らない。
車をガレージに停めて、警戒しながらゆっくりと人影のほう近づくと……]
ステラ! ステラじゃないか!!
どうしたんだ、こんなところで。
[彼女の意識を確かめる。]
[男はシャワーを浴び、クローゼットから服を引っ張り出し、身支度を整える。
白いワイシャツ、グレーがかった黒い細身のパンツ。黒いネクタイを絞め、小さな引き出しから銀色の腕時計を取り出して、はめる。服を着込むと男は鏡台に向かい、無香料のヘアワックスを手にして毛先を緩やかに整えた。]
[そして煙草を欲していた身体に、メンソールが強烈ないつもの煙草ではなく、甘いチェリーの香りがするリトルシガーの煙を流し込む。まるで自分の身体に染み込ませるように。]
雨……か。
[曇ったガラスに指先をそっと滑らせ、窓の向こう側の景色を眺めた。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新