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− 午後 商店街 −
[男に示された店にありきたりな驚きと感嘆を感じる。]
!!
[今までとは桁の違う魔力の喪失感に膝が折れそうになるのをかろうじてこらえる。
楽勝だと思ってばかりいたランサーが切り札を発動したのだろうか?
危機感を感じたがその後魔力が流れ出す感覚をぴたりと止まる。終わったようだ。
怪訝な顔をする男にできるだけ平静を装い返す。]
思ってたより良さそうなお店でびっくりしただけだよ。
いい店知ってるじゃない。
[怪訝そうな表情の消えない男を促しに後について店に入る。]
― 中央ブロック・噴水 ―
[ランサーは噴水前のベンチに腰掛けていた。どう考えてもこれは間違った方向を探している。そのお陰で、大体の町の構造は把握出来たのだが。
一度離れて行動してしまえば、ランサーとしては久子の事は気になったものの、戦うに当たっての情報として、ほどほどの満足の行く結果を得られた。
途中、オフィス街のビル上から街を一望したのが良かったのだろう。樹那町は、現在居る噴水と樹那駅を中心とした、北、南、東に活気のある町のようだった。]
……こちらこそ、よろしくお願いしますね、マスター。
[聞くべき事は聞いた、という様子のソフィーに丁寧なお辞儀を返すと、静かに立ち上がった。]
私は、キャスターと約束の場所に向かおうと思います。
マスターは、今日は屋敷で魔力を蓄えて居て下さい。
……町のあちこちで、サーヴァントの気配がしています。無為に出歩く事はないでしょう。
[ソフィーにそう告げると、ゆったりとした動作で屋敷を後にした。]
― 商店街・午後 ―
そうかい? まあ、大丈夫ならいいけどね。
[ 川原の方の魔力の動きがひときわ激しくなり、そして静かになったことくらいさすがに気付いている。
が、ここで平静を装えるということは別段彼女のサーヴァントが消滅したということはなさそうだ。内心舌打ちをしつつ、本人がなんでもないとする限り気にしない振りをすることにした。]
そりゃいい店さ。当然だろう? 僕が学生時代に働いていたんだから。
[ 自慢なのかなんなのか判らないことを言いながら店の中へと入る。]
ああ、アンティパストを適当と、ニョッキ。それにマルガリータ二枚でいいよ。
ん、とりあえずあっちの席にしとこうか。
[ 応対に出てきた女性にその場で注文をすると、最奥のテーブルへと久子を誘った。]
[ラーマの左目から涙が一筋流れた
痛切に 使命は 刻み込まれて いる
それが正しき行いである事も 必要である事も
今日出会った人々の顔が思い出される
今日を生き 明日を生き 輝く命]
んー、じゃあそろそろ川原へ行きますかねー。
流石に昨日から今日まで川原でランサーが待ち伏せ…とかはないだろうしな。
むしろ川で待ち伏せしてくれるんなら楽って言えば楽だし。
[起き上がって背伸びをするキャスター。
魔力はそれなりに回復している…まぁ5割といったところだが、それでもキャスターの許容量の5割ならば莫大な量だ。]
でも戦いになるのは嫌だしなー。
昨日真面目にやりすぎてなんか調子狂いそうだし。
[俺のキャラじゃないんだよなー、真面目なのって。
と呟きながら部屋を出る。
一応マスターに声もかけたが反応はない…疲労で寝てるのかと思い、つれて言ってもまた五月蝿いだろうから放って置くことにした。]
んー、あれだね。
待ち合わせ相手がマリアちゃんだとやる気出るねー。というか女分補給させてくださいお願いします。
じゃないと死ぬよ?きっと。
[そう言いながらキャスターは川原へと向かうことにした。]
[力を振るえば振るう程
それは 神の力を 神を 降ろす事になる
"ラーマ"という"器"に降りゆく力 其は
紛う事なき "トリムルティ"の力
過去、羅刹達の討伐にあたっては、ヴィシュヌたる神の力が"器"に満ち、神は、"ラーマ"を使い、その力を振るったのだ。]
―住宅街→西ブロック―
[白い帽子を目深に被り、ゆるゆると歩く。次第に左手に教会が見えてきた。先日、ソフィーを連れてきた時にも感じた違和感が、再びシャルロットを襲う。]
何でしょう。主のおわす神聖な場所だと言うのに……。
― 中央ブロック・噴水 ―
[先程放ったランサーの宝具は完全な形のものではなかった。具現化していない宝具。
久子の魔力が足りない、ランサーが加減した、という理由からではない。]
ヒサコ。
[倒れるまではしないと思ったが、名前を呼ばわった。]
それとシーザーサラダもお願いします。
[図々しく注文を追加し席につく。
川原でライダーとそのマスターが目撃したサーヴァント以外は、気配を遮断していたアサシンらしき存在しかしらない自分達の情報より、相手の情報量の方が多いに違いないと思い切り出す。]
まずは無難に、今まで自分達が遭遇・消滅を確認したサーヴァントの情報っていうのはどうかな?
[続けて思っていることを口にする]
しかしわかんない、あんた相当のお金持ちだよね?
大抵のものはお金で手に入りそうなもんなのに、なんでわざわざこんなことに頭を突っ込むの?
聖杯で叶えたいお金では叶わないような願いなの?
過ちは正すのみ
未来へ及ぶ過ちは
過去に禍根を残すべからず
即ち 現在より序曲奏でるべし
汝 正しき行いを 求めよ
[シャルロットは、ふるふると小さく頭を振り、そのまま川原へと向かった。]
……そう言えば、私、キャスターの事は何て呼べばいいのかしら。
美貴は、「お爺ちゃん」って呼んでいたけれど、それでいいかしらね。
……私は、邪悪なる意思の介入を、食い止める為に
召喚されたはず……なの、に。
[胸中に湧き上がるどす黒い思い。
命を賭して護りたかったフランスの平和
裏切られたような、気持ちがしていた。]
−川原−
[昨日の戦闘跡に来てみる…流石にアレだけ暴れると直し様が無いようだ。
昨日の二連続の戦闘で破壊された跡が今も残っていた。
川原には地割れが走り、川の一部は抉り取られ、底に上流からの水が溜まり小さな湖のような状態になっている。
そして止めとばかりに大波や突風により破壊された跡も…。]
あー…ちょっとやりすぎたなこりゃ。
こんなんじゃムードのある待ち合わせとか無理だ。
[いや、そんなものは自分の容姿の時点で無理なのだが。
精々見えて祖父と孫娘の待ち合わせだろう。]
……は?
[ようやく川原へと到着したが、川原の様子は見るも無残なものとなっており、あちこちに魔力がぶつけられた痕が残っている。]
随分……派手にやりましたね。
[苦笑交じりに、先に到着していたキャスターの姿を見つけそう声を掛ける。数種類の魔力の痕跡が僅かに感じられる……。]
― 中央ブロック・噴水 ―
…あの大馬鹿…!
[イライラしながら見失った(正確には自分がおいていったのだが)主を探す小さい姿はちょうどランサーと噴水を挟み反対側から現れる。
相当腹をたてているのか、ランサーの気配に気付く様子もなく]
― 中央ブロック・噴水 ―
[両手をぎゅっと握る。ランサーは立ち上がろうとして、]
ライダー?
[訝しそうに声をかけた。]
[内心ちょっと反省している中、後ろから声がかかった。]
やぁ、マリアちゃん!
今日も綺麗だねー。
【やっと女分補給だ!】
[キャスター、ようやく精神的に回復。]
いやぁ、俺としてもココまでやるつもりは無かったって言うか…柄にも無く真面目にやってしまったというか…。
サーヴァントの情報? うん、知らないね。
[ さらりと。見事に相手の期待を裏切る答えを返し、やってきたばかりのゼッポリーニにフォークを突き刺す。]
昼間のあの戦闘が僕のはじめてみたサーヴァントたちだからね。その次に見たのは君のところのランサーだ。だから、全然知らない。
そりゃお金は持っている。そのために働いているんだからね。
でもお金じゃ買えない幸せも、たくさんあるんだよ〜♪ってね。才能とか感情とか、お金でなんとかなるんだったら僕はとっくに金の亡者になっているさ。
君もそうなんじゃないのかい? まさか、綺麗な服がほしいから参加したってわけじゃないだろう?
[ どうもゼッポリーニはかなりの好物らしい。喋っている合間にぽんぽんと口の中へと放り込まれていく。]
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