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けっ………なんだ、分かってんじゃねぇか。テメェの身の上をよ。
[女の肩からゆっくりと指先を下ろす。――爪を立てながら。
白い線が4本、女の背中に刻まれた。獅子の入れ墨の手前でその歩みを止め、男は言葉を放つ。]
喋ンな、雌犬。
テメェは犬だ。犬らしく吠えてやがれ。
言葉喋ったら……
―――パシィ!!
[トランクから引きずり出した鞭をしならせ、その先端を床に叩き付けた。]
……どうなるか分かってンだろうな。
[目の前の「雌犬」を四つん這いにさせ、男はガチガチに硬直したペニスを「雌犬」の尻の中に容赦無く突っ込んだ。]
痛…っ――
[背筋に刻まれた爪痕は背中の傷を穢す事無く立ち止まる。
その感触を得ながら、わたしは内心ほっと胸を撫で下ろした。この二つの絵画を傷つけられたら。わたしは契約という名の行為であっても、すぐさま彼へ危害を加えていただろう。何人であれども、これは穢すことはできない。たとえ命に代えても…護るべき物であり、護らなければならない物。]
[そうしている内に、床を叩きつける鋭い音が耳を突き刺す。
次に与えられた命は【禁止】。言葉を発することを禁じられたわたしは、彼の脅しとも取れる文句にただ素直に頷くしかなかった。]
[そんな姿は彼にはさぞかし滑稽に悦ばしく見えたのだろう。文字通り犬のように床へと這い蹲るような形にさせられたわたしの躰は、男の手によって腰を持ち上げられ。
間髪居れずにわたしの体内には、生温かい硬直した性器が差し込まれたのだから。]
──バンクロフト家・アトリエ二階──
──(ヒューバート帰宅以前)──
[シャーロットは近付いて来るヒューバートの車の気配を感じて、一度目を開いた。広いアトリエの中でもこのソファをシャーロットが好む理由は、見晴らしの良いガラス窓から遠くが見えるよりはやく、近付いて来る車の音が一番最初に聞こえる位置だからだ。
────独特の振動音。
一般乗用車やバスとは異なる、その車の乗り心地とヒューバートの運転を思い出したシャーロットは、無意識に小さな笑みを浮かべた。]
[「雌犬」の腰を両手で掴み、男は肉棒でその中を捏ねる。]
――グチャリ……グチャリ……
――ズブッ……ベチャ……
[男はコートを着込んだまま、緩やかに腰を上下させている。]
はァッ……くっ……ん……
雌犬。テメェは俺の奴隷だ……そうやって「男」に従うがまま、肉人形やってりゃあいいんだよ……
[何度も、何度も、腰を振っては叩き付ける。女の腟がグイグイと彼の性器を締め上げる感触に、深い溜め息を漏らす。]
んっ、ああ………ぐっ………ああ………
はぁっ……うっ………
[今、シャーロットが座っているソファは革張り。ロメッシュのシートとはまた異なるが、このソファもまた指先に触れるなめらかな感触が心地良い。ソファ、車、アトリエ…etc。
シャーロットは、父が選んで来る様々な「もの達」が好きだった。
ヒューバート自身が彫刻家である所為だろうか。選んで来るものは何処かに独特の共通項があった。美意識と言うものかもしれない。シャーロットにとって、それは当たり前である同時に、いつも新鮮な楽しさを感じることだった。父親以外の家族にはそう言った面白さは無い。父親と行く買い物は通い慣れたリックの家の雑貨店でも楽しかった。]
『はしたないことを言うんじゃありません。』
[母親の声が不意に甦り、ソファに凭れたままの姿勢で睫毛を伏せる。
あれは、最初にヒューバートがロメッシュにシャーロットをはじめて乗せた日の事だった。
車が家にやってきたその日に母親は、子どものシャーロットにもわかる嫌悪感をあらわしていたが、初ドライブの時には、それほど尖った姿勢ではなくなっていた。
広い視界と、普通の車ではあり得ない顔に当たる風の感触。シャーロットははじめてのオープンカーに「飛ばされそうでこわい」と言いながらもはしゃいだ。降りてから、感じたその魅力を母親に伝えたのだった。父親を擁護する気持ちがあったかどうかはおぼえてない。ただ、無邪気に楽しかったのは記憶している。]
『スピードを出すと、お腹に響いて気持ち良いんだよ』
[確か、話の途中でそのような内容をシャーロットは母親に言った。高級なシートを通して、太腿や下腹部に伝わる走行の振動。それはスピードと車に乗っていると言う事実を心地良く体感させるもの。言うなればエンジンの魅力。当時、普通の車にしか乗ったことの無いシャーロットには純粋に新鮮なことに思えた。
──何故、シャーロットの言葉がはしたないのか。母親は説明をしなかった。]
[数秒して、聞こえていた車の音が遠ざかる。
そこからどれくらいで車の姿が見えるようになり、ヒューバートが到着するのか。考えなくともシャーロットには理解出来た。母親もアトリエに居るのだから、当然ヒューバートの帰宅時刻が分かるだろう。]
でも、私にはママより先にパパが帰って来る時間が分かるの。
[呟いて、画集を閉じて置いた。そこまでは記憶している。]
[指とは比べ物にならない程満たされる感触に、思わず吐息交じりの喘ぎ声が零れてしまいそうになって。わたしは必死に唇を噛みしめた。
床に跪く体勢は関節に負荷が掛かり痛みを伴う。けれどそれ以上に圧迫する感触に、滴り落ちる雫は留まることを知らない。]
[途中、投げ掛けられる屈辱の言葉には、わたしは反論すら許されるはずも無く。また肯定の言葉も許されないためただ素直に頷く。
声の振動と共に内壁を擦り付ける感触が俄かに増して――]
んっ…んー…っ…あんっ…もう…だめっ…!
気が…触れてしまいそう…っ…!
もっと…もっと…欲しいのっ…女の人じゃなく…男の貴方の物が欲しいのっ…お願い…頂戴?もっと与えて頂戴?
[気付けばわたしは禁忌を破り。
男女の享楽としての恍惚を、涙ながらに懇願していた。]
………口聞くなって言っただろうがよ!!
[男は、片手に持っていた鞭をしならせ、「雌犬」の背中に叩き付ける。]
テメェは犬だ……おぅ……犬……っ……
いくらでもやってやろうじゃねぇか……あァ……
イク時はちゃんと吠えろよ、雌犬………っ!
[徐々に腰を振る速度が大きくなる。1匹の「雌犬」と「獣姦」をする男の荒い息は絡まること無く不協和音となり、外で鳴いている虫の声と共に部屋の中を駆け巡る。]
………はあっ……ぐっ……
出すぞ……おぅ……雌犬が………
………ッ!!!
[四つん這いにした「雌犬」を床に突き飛ばし、その背中に精子の群を発射した。]
―回想―
ほら! ほらほら、ほら!
めちゃくちゃ楽しいって!
[子供のように嬉々とした表情がエリザに告げる。
ロメッシュにシャーロットと初めて乗った日。楽しさを口にしたシャーロットを私は思わず抱き上げ、ひゃっほーと飛び上がらんばかりに喜んだ。
試乗を見に来たエリザは手の甲が白くなるほど心配そうな表情だったが、車から無事降り立った私たちを見て安堵のため息をついていた。
シャーロットの言葉によくわからない怒り方をしていたエリザだったが、彼女の楽しげな様子に表情にはいつしか母親らしい優しい笑みが浮かんでいた。]
大丈夫だよ。小さいシャーロットだって全然平気なんだから。
[私はエリザを促す。]
「本当に? ……あまりスピードは出さないでしょうね」
[エリザの表情からは未だに不審が拭われていなかったが、それでも少しだけ車の方に歩み出る。
私はシャーロットの肩を抱いて、微笑みかけていた。]
[私は時々、本当に実感する。もし、シャーロットがいなければ私たち夫婦は夫婦たりえていたのだろうか、と。
エリザがシャーロットを、あるいはシャーロットがエリザをどう感じていたのかはわからない。だが、シャーロットはそこにいるだけで私たち家族を繋ぎとめてくれているのだと、私は少なくともそう信じていた。]
[背中に振り下ろされる罰。でも今はその痛みすら絶頂へと誘う物でしかなく。わたしは叩きつけられる度に先を懇願し、それでは飽き足らず自らの腰を動かす。
ぬちゃぬちゃと淫らな水音と肌が打ち付けあう音が、初夏ののどかな空気漂う部屋に響き渡り、それがまた淫靡さを増してわたしの欲を煽っていく。]
あっ…もう…っ…来るのっ…快楽の波が…
だからお願いっ…出して?
貴方の精液をわたしに掛けてっ!
[懇願すると同時にずるりと抜け出た熱は、次の瞬間白濁した物を吐き出し。わたしの背中を穢していった。
そして絶頂に達した躰は心地良い疲労感と脱力感に見舞われ。生臭い匂いに囲まれながら、わたしは虚ろな眼差しで契約者を見つめながら、暫し悪夢と幸福の交差した*夢を見ていた*]
──バンクロフト家・アトリエ二階──
[今度は短い時間で夢を見ていた。
内容はおぼえていないけれど、おそらく取り留めの無いもの。]
「ロティ、そろそろ夕食だよ。」
[ヒューバートの声に慌ててシャーロットが跳ね起きる。
振り返って最初に、いけられたばかりの花の鮮やかな色彩が目に入った。父はきっと眠っている自分を起こさないよう、やさしく頬にキスをしただろう。]
…あ。
待ってパパ、すぐに行くわ。
[シャーロットは廊下へ向かう。]
[廊下に居るヒューバートにすぐに追い付いた。
ジーンズ姿の父親の横に並び、顔を見上げてにっこりと笑う。]
おかえりなさい、パパ。
言ってた予定よりも、はやかったのね。
[何時の間にかほどけけしまっていた髪のリボンに気付く。
慣れた動作で手早く結びなおしながら、]
…あ。「はやかったのね」って別に眠っていたことの言い訳じゃないわよ?
でも、私がソファで寝てしまっていた事、ママに言わないでね。
[今日の母親は昼間めずらしく、母屋では無くアトリエのリビングでシャーロットと共に過ごした。何時ものように仕事をしていた。もしかすると母親なりに災害後の今、家族の事が心配だったのかもしれないが、シャーロットにはそう言った理由はイメージ出来なかった。]
と言っても、ママもお昼間はこっちに居たから、ばれちゃってるかも。……怒られるかなあ。
[目の前で果てた女に優しい言葉を掛けることもなく、男はペニスをしまう。恍惚の表情を浮かべる女の顔を見ることなく、彼女を拘束していた道具と鞭をトランクに詰めると、男は無言で部屋を出ていった。]
[女の家を出て、しばし歩く。1955年製のトヨペットクラウンは、無言で持ち主の帰りを待っていた。]
[男は車内で紫煙をくゆらせながら、メモ紙にペンを走らせる。こうしてまた1人、彼の『記憶』の『兵隊』がこの世に生を受けた――*]
─アトリエ二階廊下→渡り廊下─
[それから5年半ほどの年月が過ぎた。愛らしくあどけなかったシャーロットは、日に日に美しく成長していた。
リボンを結ぶために擡げられたたおやかな腕と指先の滑らかな動き、なにげない日常の動作すらハッとさせられるほどの色気を含んでいる。
だが、「ソファで寝てしまっていた事、ママに言わないで」という言葉の年相応の可愛らしさに私は思わず笑みを零した。]
だいじょうぶだよ。
ママだってきっと事務室で時々居眠りしてるさ。
[そう言うと彼女の肩に手を添え、渡り廊下に促した。]
「あの娘はどうしてるの?」
[アトリエに近づきかけたエリザだったが、シャーロットと共に廊下に向かう私たちの姿を認め、軽く頷いた。ふと、彼女は私の顔を見ると、思い出したように言った。]
「ねえ、バート。あなた、雑貨屋で2ダースも何を買ったの? しかも特別注文で」
へ? 2ダース? なんだよ、それ。
[エリザの言葉に、一瞬なんのことかわからない。
エリザは災禍に遭った彼女の所持品の整理を手伝っていて、私の名前が書かれた伝票を見つけたのだと説明した。その発注が一月ほども前だと聞いて、やっと思い当たるふしがあった。]
「衛生用品って何?」
ああ、ああ。いや、たいしたものじゃないんだ。
ちょっと素材に使うものでね。
[一つ二つなら町の外で自分が買い求めたものだったが、なにしろ量が量だけに注文なくしてはままならないものだった。注文した時には二週間ほどで着くと聞いていたのだが、暴風雨によって道が閉ざされまた復旧の混乱の中でそれだけ到着が遅れたのだろう。
発注したものが無事届いているというのは喜ぶべきことだったのだろうが、モノがモノだけに今の状況を思えば不謹慎極まりないと受けとめられそうだった。]
「ダンボールで届いているそうよ」
[エリザの表情は不審に満ちていた。私は心の裡でため息を吐く。後ろめたさなどないはずだったが、妻や娘にはやはりあまり知られたくないものだったからだ。
そのうち取りにゆく、と伝えその話を打ち切った。]
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