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[アレから家に着くと倒れこむように眠った。
なんかマスターがフラフラしながら何か言ってた気がしないでもないが無視。
魔力的にもいっぱいいっぱいなのは元より、精神的にもなんかいっぱいいっぱいだった。
睡魔に負けながらキャスターは心の底から思う"真面目なのは疲れるんだよ…"と。]
[そして翌朝、起きてからゆっくりと昨日の事…というか、戦った相手の事を考えていた。
しかし、幾ら考えても答えが出ない…あのセイバーだ。炎と消滅の力を操る騎士…考え付くのは太陽の騎士と言われたガウェインあたりだろうが、どうもイメージに合わない。
最もイメージに合う武器といえば、世界を終焉に導いた炎の剣、炎神の王スルトが持つレーヴァテインであろうか。
だが、あれは人として語られた自分と違い正真正銘の神だ。サーヴァントとして呼ばれる可能性は無いだろう。]
[次にランサーだ、此方は宝具の名前から答えは簡単に出る…筈なのだが、こちらも腑に落ちない。
何せ宝具の名がトリシューラだ。
これはヒンドゥー教の神、シヴァが持つ槍の名前に他ならない。
しかし、彼もまた起源を遡っても紛う事無き神である。
元の起源はヴェダ神話の神ルドラであり、彼の槍を持つ可能性が少なからずあるものとしても、キャスターの知識の中ではシヴァの子である歓喜天と韋駄天ぐらいだ。もちろん両名とも有名なほど有名すぎる神である。
となると…友好のあった者か?と思いシヴァと同列の神を思い浮かべる。
となると、三神一体として名を連ねるブラフマンとヴィシュヌぐらいであろう。
しかし、この両名ももちろん上級神であるし、この2人がもし該当するクラスとなればライダーに他ならない。ガルダとハンサという神格すら持つ幻獣を従えているのだから。
結局、キャスターはヴィシュヌの四つの分身の1人であるラーマが、シヴァの槍の名を持つ宝具を持っているという答えには行き着かなかった。]
…大体、本当にそこらの神が召喚されたなら流石に今の俺じゃ太刀打ちできねーっての。
[スルトにシヴァ、前者はまだしも後者なんぞだれでも知っている名であろう。
そんな神と"戦い"という"形"になっていた時点で、あの2人の真名がソレであるとはありえない。]
……まーいっか。
[キャスターが深く考えるのを放棄すると、その場に寝転がった。]
ああもう、なんで勝手に行くんだこの街のこと判ってんのかなんて愚かなんだあのおえらぇをゎあっ?!
[ 毒づいている最中に話しかけられたどころかまくしたてられ、狼狽えまくる。]
な、なんだ君は突然なにを…て。
[ 慌てふためき振り返ればつい先程に見た顔。誰だ? とりあえず落ち着け。素数を数えろ、13579…。]
なんだ、ランサーと一緒にいた子か。ええと、つまりランサーのサーヴァントなのか?
安心しなよ、わざわざ戻る気はないし、そんな度胸もない。
で?
君は僕になんの用なんだい?
[しばらく、考えていたが]
今考えても仕方ないことだ。
何より、私がシャルロットを信頼しないでどうする。
その辺りも、話し合ったほうがいいだろうし、今はキャスターたちと協力関係にあるのだから、戦い方も変わってくるだろう。
[頭を振り、シャルロットを探しに地下へと向かった]
[書庫まで足を運び、扉をノックした]
シャルロット?
その、これからの作戦を考えませんか。
私はあなたがどれだけ強いのかをよく知らない。けれど、敵の強さがどれだけあるのかは感じ取ったつもりです。
どうやって戦っていくのか、作戦しだいで運び方がだいぶ変わってくると思うのですが。
[相手の狼狽ぶりに思わず笑みがこぼれる。
自分が優位に立っていると考えるとどんどん言動が図々しくなる。]
しばらく一緒に行動させてもらうって言ってるの。
お互いわからないこともたくさんあるでから不利にならない程度に情報交換しよう。
サーヴァント同士の会話とかわかった?
こんなとこで立ち話も変だし、どこか店でも入ろう。
あんたこの街の人間?だったらどっか案内してよ。
[男を追い立てるように歩き始める]
― 自室 ―
[ケネスは宗冬と共に、自室にいた。
宗冬は相変わらずテレビに見入っているようだ。]
やれやれ、昨日は散々だった……
[質屋に入れられた宝具を取り戻し、教会に行って挨拶が出来たのは良かったものの、質屋では刀に値打ちありと見た店主から、ゆずってくれないかと散々ごねられ、無駄な時間を過ごしてしまった。]
だいたい、自分の宝具を質に入れちまうサーヴァントなんているのかよ……つか、過去に1人でもいたのかよ。
[何かテレビに気に入った番組でも映っているのだろうか、膝を打って嬉しそうにしている宗冬を見ながら]
絶対こいつだけだろうな……
[と、すぐに確信できた。]
おい、居候。俺も無為に時間を使いたくないんだ、町を回るんでちょっと着いて来てくれや。
[番組を見るのを中断され、不服そうな宗冬を無視するとコートを羽織り、外へと出る。
とりあえず人通りの多い商店街へと*出ることにした。*]
うわ、ちょ、おい、なんか勝手に話進めてないかっ?!
[ いきなりな相手のペースに惑わせられる。が、すぐに平静を取り戻し。]
まあいいよ。情報がほしいのはこちらも一緒。願ってもない申し出だ。
オーケイ了解した。それとこの街の案内ね、まあそれなりに長く住んでいるから色々知っているよ。食事にはちょっと早いけどまあいいか。ついてきなよ。
駅前…よりはこっちの方が近いかな。
[ ぶっきらぼうに言って、商店街の方へと歩き始めた。]
[ノックとソフィーの声に応じ、ゆっくりと扉を開けマスターを招き入れる。]
すみません。本来であればここは貴女の鍛錬場でしょうに。
気を使わせました、マスター。
作戦ですか。
ご存知のように私は、戦場で武器を手に戦ってきた英霊ではありません。
その事を、不安に感じているのでしょう?
私が戦いで勝利する為には、3つの条件が必要です。
ひとつ、奇襲を行う。これは私のクラスに於いて最もオーソドックスな手でしょう。
ふたつ、魅了を完全なものにする。特に対男性に於いては、洗脳レベルの魅了を発動する事が出来ます。但し、魅了している状態でも、戦いが成立する事は忘れてはなりません。
みっつ、徐々に相手を弱らせる。これは、私の最後の奥義に関るものですが。
マスター、貴女はどのような戦いを好みますか?
まだー?けっこう歩くんだね。
[道すがら男の出で立ちを観察する。]
…オリスかぁ…
[腕時計を見て小さく呟く。
全体的に作りのいい品物ばかりを身につけているが、日本で知名度の高いメーカーのものは少なく、にわか成金や庶民の見得とは明らかに違う。
たまに彼女が裏社会で目にする金に糸目をつけない人種と同じ臭いがする。]
それから、マスターは優秀な方のようですから言うまでもありませんが、私には"単独行動"のスキルがあります。
日中、情報収集を行うために私は外出を頻繁にしますが、マスターは極力外出には気を配って下さい。万が一戦闘になったとしても、私はマスターから離れた場所でも変わらぬ条件で戦闘を行う事が可能です。
それともし、マスターに命に危険が及ぶような局面ではすぐに私を呼ぶといいでしょう。
……令呪の使い方は、お爺様に伺っていらっしゃいますね?
[椅子に座り、シャルロットの考えを聞き、しばらく考えていたが――]
奇襲、がどれほど成功するか、疑問がわきます。協力関係にあるキャスターや昨日あった恐らくはセイバー、そして昨日川沿いで立て続けに大きな戦闘があったようなので、そこにももう一人サーヴァントがいたのでしょうか、彼らにそれが通用するとは思いません。
近づけても、彼らが一撃でやられるとは思えない。
二つ目ですが、女性のサーヴァントがいる場合その手が通用いたしませんね。といっても、全員と戦う必要はないと思いますので、男性のサーヴァントであればそれを行ったうえで、三つ目の方法を重ねる、くらいでしょうか。
[令呪の使い方を言われ、自分の腕に現れた痣を見る]
それは、大丈夫です。
戦い方もですが、この令呪の使い方も考えなければいけないでしょう。
― 商店街 ―
ん? ああ、まあ君がこの街の住人じゃないんだしね。せっかく訪れた街でどこにでもある店に入ったってつまらないだろう?
[ いいながら、商店街をずかずかと駅方面へと歩く。途中、道角にあった小さなたばこ屋へと立ち寄ると、老婆と一言二言会話を交わした後、小さな小冊子をもらって戻ってきた。そしてそれをそのまま久子へと差し出す。]
ん。もう持っているかも知れないけれど、簡単な案内図だ。詳細まで話すと地元であるという僕の地の利がなくなるからね、後は自分で調べなよ。
…あ、ここだよここ。お互い相方と離れているし、軽食程度にしたほうがいいだろう?
[ 言って案内したのは、どこか素朴な雰囲気のあるイタリアン料理店だった。]
サーヴァント同士の戦いに、私は手を出せません。
シャルロットを信じるより他ないのですから、シャルロットが最も効果的だと思う方法を取ってください。
その為に私に出来ることがあれば、何でも言ってください。
マスターとサーヴァントは、信頼関係が築けることでより、強さを発揮するのだと思っています。
[シャルロットに微笑を向ける]
−魔女の館−
サーヴァントだと気付かれなかった……?
本当にそう思う?
[バレリアン、リンデン、ローズヒップ、ラズベリー、レモンパームをポットに入れ熱湯を注ぐ。]
さっきの、犬を連れてきた人はマスターだった。
一人で行動するのはおかしいと思わない?
もしかしたら、彼女…マリアさんがサーヴァントかもしれないわ。
そうしたらあなたのこと、気付かれてると思うのだけど。
……二人とも戻ってこないのは、
わたしたちのことに気付いたからじゃない?
[ティーカップを二つ用意してお茶を注ぎ、一つをリチャードに差し出す。]
いいわ、話、しましょう。
意思の疎通は必要だもの。
[微笑んで自分の分のお茶を一口飲む。]
ところでそれ……クローゼットの服よね?
……もう使う人はいないから、
好きに使っていいわ。
[服を懐かしそうに見つめて
そんな自分に気付いて視線をそむけた。]
私は、人が持つべき感情というものを知りません。
だからこそ、笑顔も今までは中身などない作られたものでした。
でも、シャルロットを信頼する、そう決めたら、自然と表情が出てきました。
改めて、シャルロット、よろしくお願いします。
[そう言って、*頭を下げた*]
[ソフィーの言葉を聞き、ふむ、と頷く。]
まず、令呪は第一にマスターの身を護る為に使って頂いて構いませんわ。
私の勝利は、マスターの犠牲の上には成り立ち得ませんから。
[ソフィーに形作られた笑顔。その瞳の奥をじっと見つめながら]
ええ。
女の手は弱いかもしれません。しかし対サーヴァント戦に於いてマスターの手を煩わせるつもりはありませんわ。
私には常に、神の慈愛が降り注いでおりますから。
[少し誇らしげにそう言うと、やんわりと微笑んだ。]
……さて、キャスターとの情報交換にも行かなければなりませんね。何か私に、質問はありますか?
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