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……刀を持っていりゃサムライだなんて、おのぼりの米国人みたいなことを言うんだね。
[悪意なく言う。由良や江原が日系人であり日本人ではないということを望月は知らない]
シソウカってのは、そういう言い回しをするもんなのかい?
[本人に馬鹿にするつもりはまるっきり無いのだが、傍からはどう聞こえるかは分からない]
………まあ、見てわからんのかな。
[胸の印綬を少しばかり誇示するようにする。]
少なくとも、今の日本人の中では好感を持てる部類の人間のようだ。
[江原に謂われ、翠は頭を下げた。]
申し訳ありません、江原様。
此方の不手際です。
今すぐに御部屋に伺います。時間はかからないと思いますので、終わりましたらお知らせいたします。
それでは、皆様ごゆっくりお寛ぎください。
[謂うと、背筋をしゃんと伸ばし歩いていった。
心得のある者と共に直ぐに作業に移るのだろう。]
――数刻前・エントランスホール――
[語り終えたさつきは振り向き、両階段の間に置かれた柱時計を見つめた。振り子は確かに時を刻んでいる。だが、其れが示す刻限は――嗚呼、何故であったろう。有り得ぬ時刻を其れは指して居た。
短針がぴたり正午を指し乍ら、長針が真反対である六の数字、即ち三十分を指して居るではないか。しかし、二人の娘が見つめる間に長針はカチリカチリと歩みを進め、代って短針は垂直に座したまま、やがて二本の針は正午で重なった。
ボオンボオンという十二回の鐘の音は確かに鳴り響いたものの、其れが実際に空気を揺るがせたものなのか、或いは錯覚として感ぜられたものなのか、俄かに満ちた妖しい空気にいずれとも定かではなかった]
ふふ。奇っ怪だこと。
貴女もそう思わない、杏――。
私にはまるで、屍鬼が交わされる言葉を何処かですべて覗いているかのように思えるわ。本当は隠しておきたいことまで、ね。
[振り向いたさつきの射抜くような眼差しが、杏を捉える。危険を感じたように杏は一歩後じさって、エントランスを見回した]
あら?
杏。もしかして、私が屍鬼かどうか、疑っているの。
クスクス……でも良いわ。
此の場に免じて、特別に赦して差し上げます。
けれどね、杏――私は、貴女を屍鬼ではない、と。
そう、知っているの。
何故だか、わかる?
不思議でも、何でもないこと。
彼の水盤は、想った者の影を映し出す。
あの時――私が水盤を波立てたとき。
さざめく水面にぼやけることなく浮かび上がったのは、貴女の姿だったのよ。紛れもない人の姿をした。
[そう口にしたさつきの瞳には、疑いない何かを確信したような光が宿っていた]
―二階/食堂―
[それまで自室に篭っていたのだろうか。
疲れた様子もなく入ってくる。
翠の姿を認めて声をかけた。]
お早う。
施波さんは、何処かな?
[しげしげと印綬を眺めて、それが日本のものでないことに気づく]
……お前さんの言うサムライってのは、刀を振り回す強い男のことなのかい。
強ければ好感を抱くって?
[翠が江原に詫びるのを見て、微かに眉をひそめながらそう問いかけた]
── 外 ──
[墓場のような場所だ]
[夜桜は、ふとそう感じた]
[西堂伊織は、夜桜の顔を見ると詰めていた息を少し洩らして、微笑んだ。線が細いように思えるが、田舎の女の肝は強い。大陸に渡った身内と連絡がとれない──というのに、確りとした眼差しで夜桜を真っ直ぐ見詰めてきた。だが、前で合わせた両手が強く握られているのを、目敏く夜桜は見止める。]
[女の身内を探している動機は知らない。
──が、
夜桜に話が回ってきたという事は、そういう事なのである。
そこに絡んで来るのだ。]
―食堂にて―
[食堂を出て行くところで雲井に声を掛けられ、
翠は頭を下げた。]
おはようございます、雲井様。
施波は客室の方へ向かうと申しておりました。
―三階、客室―
[昨晩は指揮だか屍鬼だかよく解らぬ物に踊らされる面々を嘲笑っていたものだが、流石にあの狂った空を見ては]
なんだ……あの空はなんだ……!?
何故、何故に夜が明けぬ?!
あれから何時間経ったと思っているのだ?!
まさか、まさかあの老人の世迷い言が、あの妄言が、真実!な!筈!が!
[あれから何度、この景色が夢であることを祈りながら眠りなおしただろう。
そして、どれほどの悪夢を見ただろう。いや、この光景こそが悪夢?いや、現実?
―――もはや彼には何も解るまい]
ああ。行き違ったか。
天賀谷さんの容態が確りしたら面会させて貰うよ。
とだけ伝えておいて貰おうかな。
他にも用事はあるが……それはその時の事だ。
[少し冗談めかして。]
斯波さんの事だから、きちんとしているとは思うが、君らは全員居るのを確かめてあるだろうね?
[望月の言葉に、ふっと笑みを漏らす。]
そうだな……すっかり毒気を抜かれてしまったものだ日本は。
その刀を振り回すほどの猛者もいなくなってしまった。
[刀という言葉に、実際の刀以上のものを込めた。]
私の知っている日本人は、捕虜になるくらいなら
自決を選ぶ誇り高きサムライのイメージだ。
それが今はどうだ?負けた卑屈さか、犬の如く尻尾を振り、
中には、露助どものわけのわからぬ思想にかぶれて
真っ赤に染まる者もいる。情けないことだ。
日本の文化は、恥の文化ではないのか。
骨の髄まで真っ赤に染まり、赤っ恥をかいても
何も感じない無神経さよ。情けない情けない。
[日本人論を語るとき、江原は決まって憂いを帯びた顔になる。]
私は、日本のサムライと戦って勝ったことを誇りに思う。
蚊トンボやスレイブには、100回やって100回勝って当たり前というもの。
[紅茶の湯気を顔に当てつつ、江原と望月のやり取りを眺めていたが]
じゃぁ、俺は部屋に戻らせてもらうから。
[茶器を下げると、二人に手を振って食堂を後に。]
…………ふぁ、逃げて正解かね。後は血気盛んなお二人だけで、と。
[ひとつ背伸びをすると、入口付近の雲井と翠に会釈して自室へ*向かった*]
──使用人部屋──
[使用人部屋から空を見上げれば、屋敷の裏側に位置する所為だろうか、ちょうど赤い月を望む事が出来た。既に客人達にはこの太陽と月の怪異は知れ渡っているかもしれない。藤峰や翠が、十三の世話だけでは無く客人に困らされている可能性も有る。]
『──…運転手の自分も使用人として同様に働いた方が良い。
否、それ以前に……。』
[夜桜に礼を言ってから、運んで貰った食事を急いで口に運んだ。
十三の白塗りに頬紅の異様な貌を思い出すと、食事が不味くなった。]
旦那様の処へ。
行って正さねば…。
── 外(回想) ──
[西堂伊織との話を終えた後、夜桜は仲介役の男に寄り添うように近づき、ひそひそと囁いた。夜桜の手は、無意識に男の腕を抱き寄せる。]
「──西堂芳人。
あの男は、昔中国の****に居たけれど、疑わしいの?
それに、こっちに戻ってきていた筈。」
[桜が二人の間をひらりと横切る]
「ああ──だから。」
「あの場に居たって事──?」
「そうね。屍鬼には水鏡──古の呪なる鏡。神代の世より伝わる、あれがあれば───。」
[男と、まだ幼さの残る夜桜は、寄り添いながら駅の中へ──。]
[江原の思想を完全に理解しうるほど、望月には深い政治思想がない。しかし憂国の思いを語るその情熱は伝わってくる]
……澄んでいるんだな、お前さんは。
[水鏡を見たときと同じ感想を漏らした。誰かに媚びる為のまがい物ではない、この男は、己に正直な本物なのだと思った]
濁っていない。
[そういう人間を望月は嫌いではない]
はい、承りました。
確かに伝えさせていただきます。
お医者様もいらっしゃいますから、
そう遠くなく御会いになれると思いますけれど……。
[続く冗談めかした言葉に困った様子で]
勿論です。
信頼していただけるように尽くします。
なんだ、なんだ、アレは……
シキだなんて、ただの下らぬ三流雑誌の作り事ではないのか……
だが、本当だとしたら、
私は、 この私 は、
天才たる、天才たる、天才たる、天才たる、この私は、
此処で、死ぬ、の、か?
……イヤだ、イヤだ!!!!!!!認められぬ!そんな、そんなことは!!!
[一頻り暴れると、自らが幽鬼と成ったかの如き足取りで、ふらりふらりと歩みだした]
―三階客間→三階廊下―
[濁っていない―望月の言葉に、少し驚く。]
……そんなことを言われたのは、初めてだな。
[珍しく、はにかんだ様子を見せる。
”英雄”などと称された男がそのような姿を
見せるのは恥ずかしいのか、咳払いをすると
明後日の方を向いてしまう。]
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