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翠さん!
[私は彼女の前に立ちはだかった。]
君は、今まで人を斬ったことがあるのか!?
一度斬ってしまうと――もう後には戻れない。
簡単なことじゃないはずだ。
望月君がこのように憔悴しきってしまうように――
獣――。
[江原をじっと見つめて、首を横に振る]
俺は、獣にはなりたくない。野生で人を殺したくはない。
それは、それは違う気がする。
[悲愴感を含んだ視線で望月を見つめる。]
……君はサムライではないのか?
もう君は覚悟を決めなくばならぬのだが。
[足元がふらつくも、気丈に]
今の私は丸腰だ。だが、構わぬ。
楽師を……私は、あの楽師を殺めに行く…。
犠牲の上に、成り立つ平和。
[意識が遠のいていく。]
―天賀谷自室>書斎―
[そっと碧子の肩から手を外す。
早い歩調で外の廊下から書斎へと向かった。
書斎の一面は、硝子貼りの陳列棚に仕立てられ、天賀谷の収集品である刀剣類が列べられている。
ケースを開き、その中から出来るだけ実用的な物を、と探した。
得心が行く物を選び出し、溜息を吐く。]
こんな、非実用的な物を使う時代は、この間で終わったと思っていたんだがなあ。
考えたんだ。
屍鬼と戦おうとした由良さんが往生するために、俺に出来ることを。
[その瞳には光がよみがえっている]
確かに、殺さなければここに閉じ込められたまま俺たちは終わってしまうのだろう。
それは、判る。
由良様の、勇気。
そう、あのときのお二方は、
触れれば斬れてしまいそう、でした……。
命を……賭して。
[眼を伏せる。
江原の苦笑が空気を震わせた。]
日本を護る……
それが、江原様の願い、なのですね。
──使用人部屋──
[背筋を伸ばし正座で着物姿の夜桜。
指先を揃えて頭を下げるその動作に、目を見開き仁科も正座して向かい合う。]
[さつき] [屍鬼] [屍鬼では無い]
[その言葉が仁科の中で木霊する。
無意識に隠し持った金属を握った感触を思い出す。]
この日本――
[青年の言葉に、この国の姿を思う。
私の知るこの国は幾度もその姿を変えた。
巨大な国家幻想が、遠く亜細亜の果てを目指したその怒濤の潮流の先に――私のいたあの施設もあった。]
江原さん。
だがその勲章は――米国のものじゃないか?
貴方には複雑な過去があるようだね。
私には……わからないな。
貴方のこの国への執着が――。
[枚坂に名を呼ばれ、苦く眉を寄せた。]
……分かっています。
……斬ったこと等無い。
……分かっています。
けれども私は、
人が殺した人を見るのです。
それは人の魂を暴くも同じ。
それこそ、斬るよりも罪深い―――
江原様ッ!?
―三階、由良の客間、ドアを押し開けて―
……ほう、「私を殺す」と仰いましたか……それは穏やかではございませんな?
私は一介の楽師でございますれば、そのような荒事などとてもとても……
どうでしょう、矛を収めてはいただけませんかねえ?
[そう恐縮した調子で語る、美貌の青年。
だが、その目には隈がくっきりとついており、
まともな睡眠を得られなかったことを物語る]
[悲愴感に満ちた眼差しを受け、昂然と顔を上げる]
俺は、侍ではない。
だが、覚悟を決めるということは、何も獣に堕ちることばかりを意味するわけではないだろう。
俺は望月龍一のまま、この罪の意識も犠牲の重さも何もかも抱いたままでいたい。
……人のままで。
獣に殺されては、往生などできるものか!
―天賀谷の部屋の前―
[来海は枚坂が智恵を探しに行くのを呆気にとられながら見送った]
何なんだ、アイツは……
[そして来海は静かに深く呼吸をした。
彼は、天賀谷に会うためにゆっくりと扉を開いた……]
-> 天賀谷の部屋
―書斎―
軍刀の拵えがあれば、慣れているんだが……。
まあ、中身は完全に同じ物だ。
如何とでもなる。
[佩用の手段もないそれを、仕方なく左手に持ち、書斎を出ようとして、例の血文字に気づいた。
消された名前が、一つ増えている。]
由、良……?
[眼を細めると、踵を返した。]
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