情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
―望月自室
望月君、君には翠さんがいる。
君は今生きている人を思えばいい。
だが、私は簡単に“逝く”人を見送れない。
数々の悔恨が踏みとどまらせる。
“逝った”と見限ってしまえば、還ってこないその人を。
私は、その人がいない世界で、それでも生きていかなければならないんだ――。
[その声は慟哭に近かった。]
だけど……だけどこんなことって……。
[美蘭の言葉を反芻する。どういう戦略を練っても、
回避策が見つからない。見つからない。]
―望月自室
望月君、君には翠さんが居るからだ。
君のことが眩しく、羨ましかった。
君と私は違う場所にいた。
それでも君のことを――貴方のことを好きだったよ。
私の話を聞いてくれて……ありがとう。
やめろ、先生。引き返さなくちゃ死んでしまう。
[仁科のあの懇願]
先生が夢見てるのは、黄金の未来なんかじゃない。永劫の悪夢だ。
[だが、翠の名を出されて口ごもる]
―廊下―
[望月は、枚坂はどの部屋へ行ったろう。
扉の傍で、伺うようにノックをしようとしたとき、扉が開いた。]
―――ッ!
……ひ、 枚坂、様……?
[急に開いた扉から現れた男の名を呼ぶ。
ならば、部屋には望月が居るのだろうか。]
[さつきと杏に繋がる管が次々と断ち切られてゆく]
[とろりとした血文字は、天賀谷の私室の天井にもえがかれている]
[天賀谷さつき── 屍鬼殺害 ]
[赫く赫く]
[室内は肉壁のように蠢いているようにも錯覚される]
[さつきと杏の身体から管が全て断ち切られると、]
[夜桜は無言で再度刀を掲げ──]
──階段──
[髪の感触を掌で味わう様に、]
江原様に美蘭と呼ばれるとくすぐったい様な心地がしますねえ。
[江原に下の名前を改めて聞かれたのは、つい先刻の事だった。其の間に大河原碧子が屍鬼として「処置」され、そして更に仁科はさつきと杏を殺したのだった。]
死者は死者の行くべき所へ。
―望月自室―
[枚坂の背を見送る。開いた扉の向こうに佇むのは――]
……翠さん。
[その顔は涙に濡れている]
俺では、先生を止められない……。
[生きてはおらぬ臓腑を、
夜桜は無感情で冷徹にも見える目をしたまま、
刀で貫く。]
──後は、火葬を即刻──。
[背後で震える女中に託けて、廊下へと出た。]
──階段──
…あたしが江原様に触れて冷たくなら良かった。
あたしが感じるあたし自身は、もう氷みたいに冷たいンで。
死人なんですねえ。
―三階・廊下
「――永劫の悪夢」
[望月青年の言葉が耳に残った。]
『あの人とならばそれも――』
[まなうらには、ありし日の花純の姿が浮かんでいた。]
翠さん――
どうか無事に望月君とここを……
[戸口で出会った彼女に向けられた眼差しは柔らかかった]
―三階・天賀谷自室
なにをしている!!
[部屋に飛び込んだ私は、夜桜の背を前に叫んだ。]
患者に触るな。
彼女に必要なのは、速やかな輸血だ!
……枚坂さま、
どちらへ―――
[部屋から聞こえる、悲痛な望月の声。]
望月様……一体、何が……
一体、何をお話になったので―――
[止められない。
そうか
仁科は願っていたではないか。
永遠を望む者の――死を]
枚坂様……!!
[振り向きざま、叫んだ]
―三階・天賀谷自室
彼女は死んではいない!
輸血をし、100%の濃度の酸素で人工呼吸を行い、電気的除細動で心臓を再び動かせば――
また、息を吹き返すんだ!!!
………なあ、美蘭ひとつだけ聞かせてくれ。
[今の江原には、覚悟を決めるのに起爆剤が必要だった。
願わくば。願わくばこれが―]
…苦しいか?
[柔らかな眼差し、
柔らかい棘のように刺さる心地がした。
夜桜が廊下へと。
血塗れの刀を携えて―――]
枚坂様、いけません。
おやめになってください。
行ってはいけない。
[輸血だ――
それは、さつきと、杏に対して施した処置だったのだろうか。翠には分からなかったけれど]
望んではいけないものも、あるのです……!
[彼岸を。
此岸を。
越えてはならない、河があることを。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新