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そうだとも。
だから何故だ!
…否。
既に言っても仕方がないこと。
[ランサーは怒りを抑え込んだ。その力で「沖田敬一郎」を知ることをすれば、と思わなくはなかったが、言うのを止める。]
ならばライダーよ!
その身を聖杯にくべるが良い!
私と戦え!
[ライダーの声に重なるように、ランサーの声も響いた。]
停戦協定…。
[それならば令呪を使用しなければならない状況になりうるバーサーカーの方が不利になる可能性が高い。
それに、制御の難度では全クラス1のバーサーカーに対して令呪を使わせる状況を多くできるというのは確かに悪くないだろう。]
うん、それならいいか。
…それが聖杯戦争だというのなら。
俺はその戦い、自らの意思で勝ち遂げ──?!
[言い切ろうとした声が、微かによどむ]
…あの、馬鹿……!!
[令呪を通して感じる血の気配に舌打ちひとつ]
…今すぐ叶えてやりたいところだが、邪魔が入ったらしい。
その首洗って、待てばいい。
[そう告げれば白い手袋投げつけて、*主の下へ身を翻す*]
[主に危機が迫ったのだろう。尋常ではない速度で駆けてゆくライダー。白い手袋を受け取る。]
互いに。
…出来れば、貴方をこの手で殺したくはなかった。
ラクシュマナに似ている貴方を。
[常に共に行動していた弟。二人で一人と言われる程、互いに理解し合っていた弟を思う。性別と性質こそ違えど、気性の激しさはよく似ている。]
……ここで逃す道理はない。
[ランサーは、ライダーの後を*追う。*]
[ あまりの動きに、驚く事さえできなかった。]
さっきといっている事が反対じゃないか…と、そうか。
[ はた、と気付く。]
君はマスターじゃなくてサーヴァントなんだな。これは一杯も二杯も喰わされたもんだ。
[ 天を仰ぎ、だるそげに両手を上げ“お手上げ”のポーズ。]
やられたよ、この状況じゃ殺されるしかない。
…せめて最後に君の真名でも教えてくれないか。どこの英雄に殺されたのか、知る権利くらい欲しいもんだ。
[ ただの時間稼ぎ。右手の令呪には、急ぎやってくるものの気配がありありと感じてとれていた――。]
[――殺害しようとした……その瞬間急激な速度で向かってくるサーヴァントの気配を察知し、久仁彦から手を離すと大きく後ろへ跳び退いた。一秒違いで男の前に現れたのは、先日の小柄な英霊の姿だった。]
ごきげんよう、マスターが寂しがっておいででしたわよ?
[久仁彦の言葉は耳に入っていた。しかしそれに対し返答をするか否かを考えるゆとりすら、その男のサーヴァントは与えてはくれない。
瞬時に詰められる間合い、右手の水の短剣を仕舞い、代わりにシャルロットの手に握られたのは、短剣程の大きさの十字架-クロス-
主を護るためライダーから繰り出された剣の軌道を、ひたすら受け流すだけの攻防戦。速さが同じ2人のサーヴァント。ならば傍目に明らかに、戦闘能力に差がありありと生じている。]
(こちらには今、傍にマスターが居ない……!)
[チラリと久仁彦の姿を目視する。]
[キャスターの返事を受けて急ぎカフェテラスへと戻る]
遅くなりました。
結果を申すならば、「彼」はあなた方を信用することが出来ない、と。
そちらのバーサーカーの発言がお気に召さないようでした。
それで……。
停戦協定、というのはいかがでしょうか。
こちらはそちらの戦いに手を出さない、そしてそちらも同様に、です。
[椅子に座り、ケネスをじっと見た]
[頼んだコーヒーゼリーが来た所でソフィーが戻って来た。]
お気に召さないか……無理もねぇ、俺だってお気に召さないしな。
その気持は良く解るぜ。
戦いに手を出さないか、まあいいさ。元々支援できるようなタイプでも無い。
それで、手を出しちゃ行けない相手はアサシンと誰なんだい?
[そう言ってソフィーの答えを待つ。]
うん?待てよ、この停戦協定に情報のやり取りはありうるのかい?そこは聞いとかないとな。
もちろん強制でなく任意でって事だが。
話したくないのを、無理に聞き出すつもりは無いしな。
相手、ですか。そうですね、わからなければ手を出してしまうかもしれません。
[一瞬迷い]
もう一組はキャスターです。
お爺さんですから、わかると思います。
情報のやりとりについては、有利不利に働かないような範囲でならいかがでしょうか。
[わずかに、魔術回路を流れる魔力が、シャルロットへとより多く流れるのを感じ]
……マリアが、何者かと戦ってるようですね。
[外を見た]
お爺さんでキャスターか……まあ、マスター共々一度会わせて貰ったほうがいいかもな。
マスターとサーヴァントが別に行動していたら、こちらは解らないし。
情報のやり取りに関しては、出来ると聞けりゃ充分だ。
……何だと?どこだ……?
[ケネスは外を見て探し始め――]
手を出さないんだったな……
[そう言って両手を挙げる。今、宗冬に近接戦闘をさせたら、すべてが台無しになる可能性が在る。
その場を見たい気持をケネスは抑えた。]
それじゃ、キャスターのマスターには、早いうちに会わせてくれや。
会って確認するまでは、俺はマスターには手を出さないよ。
[ケネスは伝票を取ると、宗冬を連れて立ち上がった。]
おっと、そうだ。俺の聞きたい事がひとつあったんだ。
セイバーのマスター情報だ。
もし何か知ってたら教えてくれや。
方法に問題ありだけどよ、この前、良い勝負してたからな。1番勝てそうな相手ではある気がするんだよ。
こっちはある飛び道具を使うサーヴァントと一戦やってて、真名に関わりありそうな技も見た。
その情報と引き換えってのはどうだい。
シャルロットと相談してからでも構わないぜ。
じゃあな。
[ケネスはそう言うと、会計を済ませて店を出て行った。]
[目視すると、久仁彦はその場に固まっていた。持久戦はひたすら、相手の攻撃を凌いで交わすだけのものだった。
余所見をした刹那食らった一撃でシャルロットはそのまま、久仁彦の方へと弾き飛ばされた。]
(……戦況は不利か。)
[地面に靴底の擦れる音を立て、何とか倒れるのを堪えると、すかさず気配遮断を行いそのまま戦線離脱を試みる。
久仁彦の横を通り抜ける刹那、小声で敵のマスターに囁いた。]
残念ですが一時お別れです。
貴方を殺そうとした女の名は……古い貴族の家柄の娘シャルロット・コルデ
[そう言って憂いを秘めた視線を投げかけ、一瞬の後に追いつかんとするサーヴァントの攻撃を交わすとそのまま、駅前の雑踏へと紛れ込んで*姿を消した*]
[ケネスとバーサーカーを見送り、自分も席を立つと、店を出る。
雑踏の中をシャルロットへと流れる魔力を頼りに*探しはじめた*]
−川原付近−
[アンリ・マユを吸収し獲得したのは魔力だけではない。その知識と能力もまた彼のものになっている。
その中で、今回の聖杯戦争におけるキーをキャスターと判断した。
但し彼とうかつに水気の多い場所で戦闘するのは全く持って得策ではない。
万全を期すため、川原付近の偵察をし現在キャスターがどういう布陣かを見定める事にした]
‐西ブロック移動中‐
[あれからバーサーカー達との会話を聞き終わると、キャスターは西へ向かって移動を始めた。
どうしても、あのランサーのマスターの言葉が気になる。
何とか詳しく話を聞こうと、彼女が走っていった方向へと足を向けた。]
こっちの方に来たと思ったんだがな…。
・・・・・・
[一つ予想外の事がある。
キャスターといえば陣地の作成が要となる。こと今回のキャスターは水の有無でかなりの戦力差になる。ならばこの陣地はまさに難攻不落の居城にならなければならない。
だが、ここには何の変哲も無い、あえて言えば隠しても隠し切れない戦場跡がうっすらと残るだけの何の変哲も無い川原だった]
よほど自身があるのか、それとも単に陣地作成が苦手なのか。
[どちらかを考える必然性は無い。今はただ、実際に陣地が存在しない事の方が問題だ。
他に何かないかと、キャスターがいない事もあり川原で確認を始める]
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