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──赫い、文字。
嗚、そう。
この血は──そう謂う事だったのね。
[夜桜は笑った。
自身の本名を見て、風に煽られた桜の花吹雪のように過去が想起された──。]
[不意に、喉の奥でくっくと声が漏れた。その衝動は私を突き上げる。
私はそれを止めることができない。
哄笑が湧き起こり、身を波打たせた。]
アハハハハハハ!
あーっはっはは!!
天賀谷さん、貴方、やっぱり生きているじゃぁないか!
まったく人騒がせな人だ。
相変わらず、人を驚かせるのが好きな様子だね。
あーっはっはっは!
[しかし、その嗤い声は赤黒い紋様が文字のように定まっていくにしたがって、尻つぼみに掻き消えた。]
――なんだ?
私の名前が書かれているじゃないか。
それに……
[「屍鬼殺害」、と天賀谷の名の下に冷厳な文字が刻まれていた。]
[刀を持った手とは逆の手で、
翠は口元を押さえた。
本能的な恐れが体を震わせた。]
……名前?
私達の……
旦那様の名前、消えて―――
[柳眉を寄せて、それでも翠は其のおぞましい光景から眼を離せずに居る。
――屍鬼が 殺したんだよ
其処には
確かな殺意が浮かび上がっていた。]
[――ギクリ。
階下から複数の人間の声、そして今枚坂が天賀谷へ向けて問い叫ぶ声が耳に届き]
……何だっ!?
[...は向かう足を早めた。
天賀谷私室から続く階段を下り書斎へたどり着くと、そこには自分以外にも赴いていた者達がすでに居り]
…それ、は?
[血は書斎の壁に、意志持つ何かが描いているかのように跡を残していた。
呆然と立ち尽くし、その場にいる者達へ事情を問うような目を向ける]
文字…?
血は文字を描いて……?
[やはりそれは物語の中であるかのように、妙な雰囲気であることに変わりなかった。
静かに笑む夜桜、哄笑の声をあげる枚坂。
...は自分もその一員だろうかとどこかずれた思いにとらわれながら、その場へ佇んでいる]
「天賀谷さん、貴方、やっぱり生きているじゃぁないか!」
[階段の上から枚坂の声が聞こえ、歩を早めた。刀を握る手に力を込めて。階段を上がれば書斎に集まった人々を認めるだろうか]
→書斎近くの廊下へ
……やれやれ。
最悪の予想という物は、何時でも的中するものだな。
しかも、最悪の形で……。
[ぎしり、と歯をきしませた。]
─3階・碧子の泊まっている客室─
[藤峰が放り投げるように横たえた、そのままの姿で眠り続けている。
結っていた髪は床に倒れた時の弾みで乱れて、真白いシーツの上に、白い貌を縁取って放射線状に拡がっていた。
細い眉が何かに耐える様に寄せられ、滑らかな瞼にはほんの少し、暗い翳りが浮かんでいる。
と。
その目が急に、ぱちり、と開いた。]
[来海は朦朧とする意識の中彷徨していた
自分がどこを歩いているのかがわからない
自分がどうして歩いているのかがわからない
足が重い、やけに喉が渇く……
来海は崩れ落ちた、そのままピクリとも動かない
地面の冷たさが心地よい、身体に力が入らない]
疲れた
眠い……
やれやれ。
こんなのは簡単なトリックじゃァないか。
どこかに映写機が隠してあるに相違ないよ。
時計仕掛けで動くようにさえ仕込んでおけば、彼自身がこの場に居なくとも問題はない。
………。
[哄笑が静かに書斎の空気へ溶ける頃、万次郎はやっと文字を読めるほど近くへと足を向けることができた]
名前……。
[――上から六番目。
そこに在ったのは自分の名前であるはずだ。
学があるとは言えぬ万次郎は、文字の読み間違いなどせぬよう慎重に名の一つ一つを確かめる。
だがすぐに分かった]
こ、れは……。
ほとんどが旦那様が屋敷へと招かれた方々の名?
使用人のものも…勝手にこの屋敷へ入って来た者の名まで…
[そして線で消された天賀谷の名の下、「屍鬼殺害」と見えた瞬間]
そうか――…屍鬼が。
屍鬼が、旦那様を……!
[溜息を一つ。]
枚坂さん。
映写機で液体が動かせると、貴方ほどの人が本気で思うのか?
現実を、有りの儘に受け入れる態度を、科学的と謂うのじゃなかったのか?
[階段と廊下に血の跡を認めて、改めて書斎を見やる]
……天賀谷さんが生きているとは、どういう意味だ。先生。
[枚坂に問いかけながら書斎のほうへ。その手には刀。髪は濡れて、今もしずくを滴らせている]
この血はいったい……。
[雲井の声に、万次郎はそちらへと目を向ける]
最悪?
……そうでしょうか。
やはり血は、道標で……。
どうするべきか、旦那様の死後俺たちが何を成すべきか、これは伝えてくれているのではないですか?
病死か自死か事故か、あるいは望んだ死であったかもしれぬものを、この血は違うと教えてくれたのだとは…
屍鬼。
屍鬼の糞が旦那様を殺したのだと。
おかげで今それを、俺達は知る事ができたのだとは、そうは思いませんか雲井様…?
最悪などということは、きっと…ありませんよ!
――待ってくれ。
こんな話は聴いてない。
聴いちゃいないよ、天賀谷さん!
[苛立たしげに髪を掻きむしる私に、雲井の声が届いた。]
科学の埒外の現実――
雲井さん、貴方は先刻、「最悪の予想」と云ったね。
貴方は何を識ってるっていうんだ。
[ゆっくりと雲井に向き直った。]
[藤峰が謂う。
旦那様を。
旦那様を。]
……そう、居る。
居るんです、枚坂様。
……人の姿を模し
……人に紛れ
……人を喰う―――鬼。
[翠は刀をぎりりと握り締める。
天鵞絨の眼が釣りあがった。]
[そのままじっと、横たわって動かぬままに、天井を見詰めている。
開かれたその瞳はただ目の前にあるものを映すだけで、茫洋と定まらない。]
[血で書かれた名前、名前、名前。そして、屍鬼殺害の文字]
……俺の名もあるのか。
[口に出しては見たが、どこか、当然のことであるような気がしていた]
屍鬼に殺されたものは、屍鬼になると聞く……
[憂い顔を見せる]
やはり、いけない。このままでは……。
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