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――Mundane/upperlayer (現実世界/上層区画)――
[人影もまばらな辺縁区画。
小さな駆動音と共に、四角い建物の口が開いた。ゲートを抜けて姿を現したのは、スーツケースを引いた男が一人。インディゴブルーのケースは旅行者と見まがうばかりに大きく、だが彼は見知った様子で周囲を見回した]
さて、と。ひとまず落ち着く先を探さなけりゃあ、な。しかし……?
[独りごちつつ、いぶかしげに濃茶色の瞳が細められる]
随分と。閑散とした様子、だ。
静か過ぎる―午前四時の墓場でもこうはいかないってくらいに。
……これに似た光景を見たことがある。
現実世界でなく、電脳空間でだが。
実際に起こしたのではなく、シミュレーションとして。
静寂と平穏の支配する都市の風景。
あの時のテストベースになったのは――
[記憶をまさぐり、辿り着く。いつからか電脳上に現れた致命因子の呼称]
[歩きながら男は、しかし、と首を振った。心の中に推測を呟く]
それでも結局、あれは使われることなく凍結された筈だ。
【Inc.】の保管庫(データベース)の奥深くに。
亜種か? あるいは別系で製作された類似効果の?
だが、これだけの規模の電脳兵器。開発し、行使できる人間が居るとしたら。それは――
[電脳アンダーグラウンド界隈で畏怖と敬意を交え用いられる、
"達人(ウィザード)"の称号。現われては消え、そして死んでいった幾人かの名が浮かぶ]
…"Schrödinger"…"harsh Mistress"…"Alchemist"…
…当て嵌まり得るのは。誰だ?
女が死んでから一瞬だった。
精妙なる器たる少女を遺し、死を迎えた。
哀れな事だ。
[指が、盤上の駒を動かす]
[11の駒に2の駒]
ボクは。
……求めよう。
解の先を。
[11のうちの1の駒を押し潰し、破壊した]
[破壊された駒下の盤には、
Ονειρος(オネイロス)の文字]
Keneth J Wolford.
あなたが求めるものにも期待しているよ。
[赤い色を帯びたmortalが刻み込まれた駒に触れる]
もう、分かっているのだろう――?
あの時、あの瞬間から。
"TrickSter"とし接触した時より――。
[囁きは消えてゆく]
[オープンカフェの奥、スタッフらしき男の倒れた厨房で、食べられるものを探す]
パンと、後ハム、くらいかなぁ。食べられそうなの。
野菜は野菜ジュースでいいじゃない。
[ミキサーに数種類の野菜を放り込む。完全につぶれて液状となったそれをコップに入れると、ハムサンドと共にトレイに乗せて]
否。気づかずとも構わない。
ひっそりと朽ちゆき、忘却の海に戻ろうと。
小道具を使い、精々舞台を彩るがいい――。
[Stand Alone. 緩やかに全ては闇に消える。]
[元のテーブルに戻ると、少女の姿はなかった。代わりに、少年――に見える――がそこに立っていて]
うーんと。もう一人登場ってとこ?
さっきの女の子が実はホログラムで男の子になった、とかじゃないわよね。
[椅子に腰掛けると、先程は気づかなかった紅茶が入れてあるのを見る]
あ、入れてくれてたんだ。ありがと。そっちの二人のどちらか、かな?
[双子を見比べてにこりと笑う]
――Mundane/underlayer (現実世界/下層区画) ――
[時制は現在より数時間を遡る。
ぱちり、と音を立て、インディゴブルーの蓋が閉められた。必要な機材を詰め込んだケースを手に、男は中空へ声を掛ける]
さて、それじゃ行くからな、"Celia"。
落ち合う先は上層(アパー)【電脳街】のどこか、って事になるだろ。それまでは好きにしててくれればいい。何か聞く事は?
[問いかけとともに、空中でホロが結像。金色の長い髪の少女が姿を現した。小首をかしげて唇に指を当てる]
――ううん、と。どうやってあれだけの時間で此処を片付けたんですか?過去の実績から算出された所要時間は、最短で5時間52分という値だったのですが。一体どんな魔法を使ったんです、マスター?
……お前、な。見てただろうが、一切合財放り棄てるところ。
――冗談です。聞きたいのは、ええと、ですね。
[AIとしては珍しくも、"Celia"は口ごもった。
彼女の内部で行われた価値評価の基準式が複数のステイタスを示しているのだろう、と彼は推測する]
【まあ、そうだろうな――今の時期にわざわざ下層(アンダー)を引き払って、上層(アパー)に行くべき理由がない、と。彼女がそう考えても不思議はない】
[数瞬のためらいの後、ようやく"Celia"は口を開く。]
――本気、なんですか。ずっと、口癖みたいに言ってるだけだと思ってました。……本当に、マスター?
――Mundane/underlayer (現実世界/下層区画) ――
ああ。
俺は行かなきゃならないし、決着をつけなきゃならない。
[答えながらスーツケースを手に取り、部屋の扉へ向かった]
……それが俺のけじめだからだ。あの“罪(sin)”に対する。ま、お前はそんなこと気に掛けなくても良いけどな。いつも通りに俺をサポートしてくれれば。
[はい、と小さく答えるAIの少女に頷き、男は軽く手を上げた]
それじゃあ、またな。今度はもっと上等な部屋で会うとしよう。
――いってらっしゃい、マスター。道中、気をつけて。
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