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[追おうとして、地下へ行き、残りの紙片をつかむ。そして外へと向かった。
魔力の流れを追う。住宅街ではない。ならば、もう行き先はひとつのように思えた]
間に合って。
[足に魔力を乗せ、走り始める。行き先は教会]
―住宅街→教会・夕方―
[右手を軽く一振りすると、黒く光るナイフが具現化する。
所々に濃緋の滲んだ白い服は、夕闇に溶ける事無く不吉に浮かび上がる。
そのまま住宅街を、目視すら出来ないほどの一陣の風の速度で走りぬけた。弱った身体には、それだけで疲労感が重たく浸透してゆくのも、構わなかった。]
私は……揺らがない!!
‐自宅‐
[あれから何時間経っただろうか、目を覚ましたキャスターはゆっくりと起き上がると己の魔力量を確かめる]
…やっぱ3割程度か。
[予想通りとはいえ、若干心許ない。
本格的な戦闘…それも川原以外だと厳しいものがある。
本来はこのままもう一度静かに魔力の回復をするべきなのだろうが……。]
うん、やっぱ心配だしなぁ。
[マリアの所に行く事にした。
まだ回復が遅いようだったらもう一度治癒をしたほうが良いだろう。]
さて、行くとするか。
[キャスターは部屋でそう呟いた後、簡単な用意をして家を出る事にした。
マスターは多分寝ているだろうし、どうせ魔力は空だろう。
……魔力があっても役に立つ気は全くしないのだが。
というわけで行くのは自分だけ、静かに一人で外へと出かけた。]
貴方を倒す!
私を悩ませて来たものは
[脳裏に一瞬浮かび上がる、爛れた大地…ガイアの最期……
歯を食いしばった。
本当に正しいのは、正しい 願い とは何なのか……]
―教会―
[速度を落とし、気配遮断を行った。
無駄だろう
そんな事は判っていた。
打てる限りの手を打って、沖田敬一郎を倒す。
相反する二つの思いに……もう心を切り裂かれたくは…ない!]
Noircir......
彼女の真っ白なワンピースは、漆黒の闇の色を纏った。]
貴方を倒せば……
私は、聖杯から "召喚" されなくなる筈ですわ。
私は、悪しき干渉を止めるために……世界と契約を……
・・・・・・
[虚空に向かい、まるでその先に誰かが居るように語り掛けるような仕草をしている。
そして、その気配が近づいているのも把握している。気配探知ではない、違う何かのラインがそこには存在した]
[教会の扉に忍び寄る。
ここは、彼の"拠点"だ。当に自分の到着など、知れているだろう。
構わない、ならば。
神経を研ぎ澄ます。
中からは、静かな思念が溢れ出してくる。]
そしてまた英霊の座で。
君は嘆くだろう。
自分がなした事は歴史にとって闇でしかなく。
その結果何も変わりはしない。
君から見て人は愚かなままだ。
君の苦しみは、永遠に終わらない。
来たか、アサシン。
[静かに目を開き、扉を見据える]
君の答えが出たようだな。
愚かな娘だ、シャルロット。君の魂が安らかに眠る事は永遠に無いだろう。
……くっ。
[教会の扉を隔てたこちらとむこう。
流れてくる思念に、唇を噛む。
沖田敬一郎の言葉は、心の確信を突く。
そう、私は、民を……憎んでいるのだから。]
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