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――三階/十三の部屋前――
[夜桜/神居を抱えた仁科が去り、其の姿も見えなくなった頃であろうか。さつきが、不意にぽつりと呟いた]
そう――其れくらいでは、足りないわ。
気味が悪い、などと云っていられるようでは、とてもとても――
[彼女を見上げる仁科の、怯えたその表情を捉えると、口の端がくっと持ち上がり、更に深い笑みが零れた。]
──……そう。貴方だったのね。
[抑えきれぬ愉悦を含んで、その唇から発せられたのは、敢えて普段の碧子と同じ、穏やかな口調。]
[白い貌は高度を下げ、視線を合わせたままに、すぃと仁科に近付いた。
間近で見れば、その面は一層白く艶やかで、赫い闇の中で仄かに光を放っている。
微笑を刻み込んだ紅い唇が迫り、甘い息を吹き掛けた。]
……ふふ。
何を怯えているの。私がそんなに怖いのかしら?
私の姿はそんなに恐ろしい?
「 」
「──…屍鬼。」
[其れは余りにも冴え冴えとして輝く、
人間離れした美貌だった──…。
聞き慣れた碧子の声で発される其れ──に、仁科は上手く答える事が出来ない。耳元を嬲る様に吹き掛けれた吐息に、総毛立ち、首を縦にも横にも動かす事すら出来ない。]
―3F自室―
[首を捻り考えている。この先、何をすべきか。]
……ジェイク君が、屍鬼であったかどうか。
現段階で、私にはわからぬ。
もし、彼がそうでなかったならば……
すでに、我々は後戻りのできぬ段階へ至ってしまったようだ。
[ならばどうする?続けていくか―]
確か、ジェイク君を殺めたのは望月氏か。
[少し考えた後、望月を探しに*出る*。]
―天賀谷自室脇廊下
「死人が動いた」って!?
[来海から耳にした予期せぬ言葉に、私は思わず上擦った声を上げていた。]
いやいや、変じゃない。
ちっともおかしなことじゃないさ。
完全に死んでしまった人が甦るなんてことは早々あるもんじゃないがね。
脳が死んでいる状態であっても脊髄反射で筋肉が動くことはあるし、心停止後蘇生することはしばしばだ。
たとえ脳や心臓が停止した後だって、死後硬直で躰が動くことはよくあることなんだ。
[昂奮しながら、早口でまくしたてる。来海のどこか置いてけぼりにされたような表情に、私は我にかえった。
――まずい。このことへの関心を悟られてはいけない。まして、嬉しそうに見えては。]
ああ、それでその人はどこに――?
亡くなっているなら仕方ないが、万が一にでも息があるなら救命措置が必要だ。
[しかし、私に不審を感じたものか発見前後の状況が混乱を伴うものだったのか、その話はやや要領をえない。
焦れた私は話を最後まで聞くことなく、外へ飛び出していった。]
―別荘敷地内森林
どこだ!
どこなんだ!? くそっ
[草を掻き分け枝を除け、どれほど探しても件の亡骸は見あたらなかった。早く発見しなければ、と焦りばかりが身を焼くが、闇に包まれた山深いこの別荘付近で捜し物をするのはまさに手探りと云う他ない。
めぼしい場所は一通り巡ったが徒労に終わり、私は草と泥にまみれた姿で別荘へと戻っていった。]
―三階廊下→由良自室
「由良様が――」
[白衣の所々は血や泥に汚れ、木の葉に枝のひっかき傷がついたままの姿で重い足を引きずって歩く。その耳に由良青年の殺害される様を恐ろしげに話す使用人たちの言葉が届いた。
天賀谷が倒れた時に手を貸してくれた、彼のことを思い出す。
私は、彼に好意を感じていたのだが――。
その別れはあまりにも早かった。]
翠さん……
[由良の居室、横たわる彼の傍らに彼女は静かに佇んでいた。]
「……彼岸を、見ました」
[彼岸を見たという彼女の立ち姿は、普段よりほっそりと儚げに見えた。]
翠さん君は“霊視”……
そうなんだね?
──使用人部屋──
[当然、仁科にさつきの呟き声は聞こえなかった。だが、部屋へ向かう道から暗澹としていた。何故なら、翠が見たと言う由良は人間だったのだ。]
『翠さんは、翠は。
翠さんを作る根幹が変わってでも居ない限り──
嘘は付かない人だ。
人を騙したりしない。…多分。』
…由良様は人間だった…と。
[ぽつり]
──使用人部屋…→風呂──
[新しい寝具を整え、なるべく過ごしやすい様に。もう一度湯を運び、夜桜の顔や髪も軽く拭う。
身体を拭いた時、チラリと見えた入墨の事が気になったが、怪我人らしい様子に、先に仁科自身も水を浴びる事にした。此のままでは仁科は何をまたしでかすか──自分でも恐ろしかったのだ。]
『銃弾は夜桜さんに当たった。
こうしてあたしは、自分のしでかした事に恐れ戦いていると言うのに。さつき様をまた同じ銃で狙い…殺そうと考えているンで。』
──…何か有ったら呼んで下さい。
夜桜さんを怪我人にしたのは、自分なんで。
[夜桜に断りを入れ、風呂場へ。衣服を取り払おうとすると、様々な場所で浴びた他人の血が下着まで沁み、肌に張り付いていて剥がれなかった。
仕方なしに着衣のまま、水を浴びる事にした。]
──風呂──
[──水栓を捻る其の前に。
藤峰が十三の寝室のサイドテーブルに置いたはずの拳銃を、何故か仁科は腹部から取り出す。]
『…アァ、持って来てしまった。
そう言えば、江原様は何故、あたしに銃を渡したンだろうか。』
[冷たく透明な水は赤に染まり、排水溝へと流れて行く。
濡れた衣服は衣服で異様に脱ぎにくかった。水を浴び乍ら下着も全て全て脱ぎ終わる頃には、仁科の身体は氷の様に冷たくなっていた。]
生きたいなら生きる様に。
自分でどうにかしろ。
ただし、生きていても良い。
──と言われた心地がしたが。
[胸元に手を当てている。
──…分からない、と首を横に振った。]
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