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私の行いは、フランスを救う 筈 だったのだから。
人々は、マラーの死を契機に目を覚ますがいい。
そして、祖国を真の平和へと導くために立ち上がればいい。
私がその警笛を鳴らそう。
命を、かけて
[その時確かに、私は、そう思っていた。
祖国を救う。
いずれ、皆、それを理解する。
私は、そして、英雄となる。
その時確かに私は、そう思い
神への誇らしい気持ちが心に満ちていた。
だから、微笑んでいたのだった。]
[酷く揺れる馬車はのろのろと進み、やがて、馬車は止まる。
死刑執行人の背中越しに、私は断頭台を見た。
多くの鮮血を雨のように大地に染み込ませた
そして、私の血も雨となり、革命広場に落ちるだろう。
その、大きな断頭台を。]
[私の衣服は真っ赤だった。
手を縛られたまま、断頭台にかけられる。
一呼吸つくまもなく
刃が落とされた……当時の人々と、歴史が下した、私への、審判。
私は…… 間違っていた……]
うるさいなー。
[「彼」に言われるよりも、なんか腹が立つ。]
こりゃ、必殺だよ。
対処のしようが…ない。
今となっては。
クソッ。
[そう。
傷を治すくらいしか、出来ることはないのに…。]
[時折乱れた呼吸をする以外は、穏やかな表情を浮かべて目を閉じていた。
突然、苦悶の表情を浮かべたシャルロットの瞳が開く。
その眼光に宿るのは、緋の色の影……]
ふぅん、そう。
彼にならない分物を壊されなくてすむけど
常に魔力もっていかれすぎてて
なかなか回復できないのが困るわね。
それにしても治療しかとりえがないのに
対処できないなんてほんと、使えないわね。
ここの庭で戦ったりするからバチが当たったのよ。
[サーヴァントの治癒能力と、キャスターの治癒魔法のお陰か、辛うじて起き上がることが出来る。
しかし、至近距離で受けたあの炎の咆哮は、未だ身体の芯を焼くように身体機能を奪う。
よろりと立ち上がり、壁に手をつき無言で窓を開いた。
……その、向かう先は。]
――私を否定する歴史は、人類が作ったもの
【倒すべきは、アーチャーとキャスター】
――私の判断は、本当に間違っているのか
沖田敬一郎を、葬る事でそれを――
−自宅・地下−
[目を開ける。魔力は十分ではなかったが、だいぶ潤っている]
そろそろ、シャルロットの様子を見てこよう。
目を覚ましてるといいのだけど。
[立ち上がって部屋を出、上へと向かう]
[階段を上り、シャルロットが眠る部屋のドアに手をかける。ドアの隙間から、冷たい風が流れてきた]
……風が、通ってる。
[気づいたように急いでドアを開けた]
[それはね、僕じゃないわけ。
と言うのを我慢するのにも少し慣れてきた。]
そりゃ、ここへ相手が来たわけだから、しょうがないじゃないか。
戦闘になれば撃ってもいいってことになってるわけだし。
[もう、現状では手がない。
とりあえず魔力の回復を待つしかない。
そうなれば、別のアプローチもある。]
はぁーあ、っと…。
疲れちったなぁ。
許可なく撃つなって命令しておけばよかったわね。
好き勝手撃たせない方法があればいいんだけど。
[深く息をつく。]
疲れてるのはこっちだって同じよ。
これから庭の手入れもしないとならないんだから。
手伝い……は、してもらうと
余計に手間が増えそうだから頼んでも無駄ね。
そう、それから。今日はごはん抜きよ。
庭を傷つけたんだから。当然でしょう?
えぇっ…。
[絶望的な表情。
今となっては、それだけが楽しみのようなものなのに。]
…。
[ま、ま、まぁ…。
どうせ傷のせいでろくに食べられやしない。
仕方ない。
と考え、自分を慰める。]
戦いで痛んだハーブとチーズ使ってリゾットを作って、
残りのハーブと野菜でミネストローネ作って、
花寄せババロアにすればいいかしら……。
[庭の草花を思い出してメニューを考える。]
……あなた、サーヴァントなんだから
食べなくても生きていけるでしょう?
それとも食べないとだめなの?
[あまりにも傷ついた声だったので思わず確かめてしまった。]
【実現しろ……お前の望む 真の平和 を】
[脳裏で囁く、ガイアの声……
気が狂うほどの間、断頭台の、夢にうなされた]
[窓枠に足を掛け飛ぶ。
……冷たい空気が肌を裂く感覚と、着地時に受けた体中に響くような痛みに、表情をわずかに歪ませながら、ひたすら走る……
向かうは、教会。]
[窓は開き、カーテンが風に揺れている。ベッドの中にシャルロットの姿はなかった]
シャルロット、何処に……!?
[窓際に駆け寄り、外を見る。視界を拡げ、虚空を見つめた。わずかに、白い人影が見えた]
まだ、動いてはいけないのに。
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