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心から?
最後の頼みを聞いて遣りたくなる程度にはね。
それを愛と謂うなら、そうなんだろう。
屍鬼は蘇えらない様、処置しなくちゃいけないが。
首は切られたくないと、言われてしまったからね。
負担というのなら、ただ一人彼岸に対峙し続ける翠さんだって同じことだろう。
それを、俺は代わってやることが出来ないんだから。
確かに――彼女が最期を託したのは貴方だったな。
[苦笑した。]
彼女へのアプローチが少々まずかったかね。
女の口説き方をもう少し勉強しておくべきだったな。
[私は、やけくそぎみに自嘲して冗談に紛らわせた。]
……望月様は、とても、お優しい。
私などに、そんな。
[由良も、肩代わりさせてくれと謂った。
あの後、どうして追い掛けなかったろう。
今はもう其の言葉も彼岸へと渡ってしまった。]
……大丈夫です。
そう謂っていただけるだけでも、私は……
……鍔鳴りを、聞いただろう?
何度も、何度も。
[こんなことを言えば、この温もりをなくしてしまうかもしれない。
そう思ったが、伝えなければと思った]
あの鍔鳴りはきっと、血に飢えた刀が鞘走るときを伝えていたんだ。
……俺、という、望月龍一という存在は、今、鞘から抜けた刀に過ぎないんだ。
「……望月様は、とても、お優しい。」
[首を横にふる]
俺は、優しくなど。
雲井さん、貴方は聢りとした人だ。
屹度、碧子さんのこともすぐに忘れる。
省みる者がなければ、碧子さんも未練なく成仏できるだろう。
[私は雲井に背中を向け――]
それが、正しいことなんだろうね。
[呟いた]
……それなら、
刀が戻る鞘が必要ではありませんか。
いつかは、鞘に収まるのでしょう……?
[ゆっくりと、確かめるように謂った。]
……いいえ。
お優しいです。
……とても。
[手を、退くことはせず、見上げたままで]
―3階自室―
[来海は部屋で独り酒を飲んでいた。
しかし、いくら飲んでも酔えない。]
さてと…… どうするかな……
最後の晩餐か…… ククッ。
[彼の脳裏にその半生が走馬灯のように駆け巡る。妾の子と蔑まれ、周囲を見返すために駆け抜けた人生。]
俺がここで死ぬ、か。まさかな……
[首を振る]
出て行けば殺される、かといって、あの力、あの異常な力が及ばない場所が、安全な場所がこの屋敷にあるか?
[俯いて、翠と目を合わせる]
鞘に、納まる……?
俺は戻れないよ。江原さんもそういっていた。
[触れた手の温もりがにじんできて……苦しい]
どこにも、鞘などないんだから。
──三階・江原の部屋──
[口唇をなぞるうち、其のまま口付けになった。]
『 ──…心地良い。』
[抱き寄せられる。
仁科が思わず目を閉じそうになった其の時、江原が驚くべき話を始めた。]
[それは、以前、江原が少し触れた、天賀谷と江原の関係の詳細…──、]
[天賀谷の過去に「少女」の存在が有った事がまず驚きだった。「心の琴線」とは美しい表現だ。其れは恐らく通俗的にあらわすなら、恋愛なのだろう。自分が拾われた時の印象や、仁科が知る十三が碧子と言う大人の女性に執着していた事から、少女と天賀谷が結びつかず。]
──三階・江原の部屋──
『旦那様にも、お若い時が有ったって事で。』
[瞬きをするうちに、話は現在と繋がる。]
[屍鬼の影] [悪意を感じる] [手応え]
[水滴が首筋に触れた。]
──三階・江原の部屋──
[温かい、水滴…。其れは。
自分は今、重要な話を聞いている。
仁科は両の目を半ば閉じ、江原の背にゆっくりと腕を回す。]
江原様ァ。
──…続けて下さい。
―玄関―
[苦しそうな、
切なげな表情を浮かべる望月の髪に触れる。
羅刹で、屍鬼かもしれない。
天鵞絨の眼を、望月の眼と合わせて。]
私が、鞘にはなれませんか。
望まれるなら、
……もし貴方が違えてしまいそうになったら、
止めます。
屍鬼であれば、
……私、貴方の首を―――
[唇を噛む。
先は言葉に出来なかった。]
―――それまで。
其のときが来るまで、
私は刀を、手放します。
それでは、いけませんか……。
[最後の方は、自身無げに、消え入るようになっていった。]
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