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私の身体が震えている。きっと車の揺れなんかじゃない。
こう――渦巻いているものの中心が――私の――すぐ側に――
[私は顔を伏せ、周囲の空気の流れを感じ取ろうとする。]
[ギルバートから鍵を投げ返され、男はそれを手で受け止める。鍵が手元に戻った安堵で、男はふと溜息をついた。]
[そして、背中に刻まれた羽根のタトゥーの話に及ぶと、唇を歪めて言葉を放った。]
「天使みたい」じゃなくて、本当に「天使」だ……と言ったら?
……天使?
[おどけてわざとらしく目を丸くして見せる。笑いが止まらないというように]
アンタはどう見たってせいぜい草臥れた堕天使ってところだろ。
──誰?
分からないのか?
[それは音を伴わないのに、何故か笑い声に似た感触を持って響く。……ますます肉声の「声」に近いイメージとなってきた。]
[隣にする気配に、瞼が震える。
違う。自分に話かけてくる気配とは。
だけれども自分に近い、ナニカ。
そして、「知らないのか?」と言う、ハッキリと響く声]
……まさ…か……ギ…ル…バート
[その名前をつむぐのは自分が何かに変わってしまう瞬間だっただろうか]
………まあな。
[ポケットに鍵を押し込み、煙草を手に取る。火のついていない煙草を口に咥え、さらに言葉を続けた。]
ま、俺は別にキリストやらブッダやらの使い走りじゃねぇし。そういうお偉方の元で働くのは、性に合わねぇしなァ……。そういうんじゃなくて……だ。
[さらに、テーブルの上に置いてあったライターで火を付け…]
っと。ここから先はちぃとばかし込み入った話だ。アンタが心寂しくないなり、俺に興味を持ってないってんなら、この先を話す必要は無いんだが……どうする?
―車内―
はい、ヒューバートさん。
私がお世話になってるんですもの。
[ネリーは促されてヒューバートの自動車に体を滑りこませた。隣ではハーヴェイが、そのまた隣は私を助けてくれたソフィーが静かに息をしている。
それにしてもニーナの執拗とも言える私への視線はなんだったのだろう。]
どういう意味だそれは。
まあ興味はあるさ。でなきゃ拾ってここまで連れて来ないだろ。
で? どんな話だ。
[テーブルの上の灰皿を引き寄せ、煙草をもみ消す。]
……不味いなこれ。自分の持ってくりゃ良かった。
…誰だった…?
[隣で顔を隠す少女。勿論隠す仕草など見えないが何故かやはり知った気配と分かる。そう感じるのは、恐らく現実でも近いからだろう。
しかしルーサーの死体は思いのほかダメージを与えてきたようだ。
この意識も、そう長くはもたない]
…本当に…俺の願い…叶えてくれるのか…?
[この感覚。そう、まるで素手でナイフのエッジを掴まされるような――
私は気配を消す事に必死に努めた。
しかし、消そうとしていると言うエネルギーは周囲を照らす程強いかもしれないのだった。]
他人の吸っておいて「不味い」はねぇだろ、おい……。
[不快そうにくしゃりと髪を掻き、窓際に寄り掛かる。]
ま、アレだ。あんたの言う「草臥れた堕天使」ってのは、案外言い得て妙かもしれねぇけど。俺は「相手の好きなように抱かれる」という使命を持った「天使」って寸法さ。
満たされない人間の元に現れては、そいつが満たされるように身体を捧げる。そいつの「失った相手」や「手に届かない相手」の変わりになってみせたり、或いは俺の中に「自分の理想」を投影するも好きにすればいいわけだ。そいつの欲求を満たすための「契約」を結んで、俺は相手の好きな通りに抱かれるなり抱くなりするわけだ。
俺が殺されたり身体切り取られたり改造されなけりゃ、何やっても文句も言わねえし、俺は相手が満たされるように「何者にだってなってみせる」。そういうモンだ。
勿論、金は要らねえよ。そこら辺のがめつい売春婦とは違うからな。天使は奉仕作業を常とするわけだ。……ま、金を払いたいってんなら話は別だけどな。
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