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・・・・・・・・・・・・・・。
[クインジーはテラスの隅っこで、珍しく静かに日なたぼっこをしている自分に気付かなかった。
庭の方向を見ながら木陰に向かって行ったから、死角になったのかもしれない。
...は、じっとしているものだからいつぞやはマッチョ像と見紛ったギルバートの気持ち良さそうに寝ているだろうその顔を、まじまじと見ているクインジーを、二重の覗き見のように見ている]
人の寝顔を見るのが趣味なのかな・・・
・・・でも、分かる気がする。
幸せそうな人の寝顔を見てると、こっちまで幸せに・・・
・・・!!
[小さく独り言を呟いて眺めていると、クインジーはギルバートの顔の上に屈みこんだ。
息がかかるほど顔が近付くのを目撃すれば、思わず声を出しそうになるのを両手で押さえて、息を飲みそのまま見ている]
[それは時間にしても一秒も無かったかも知れない。
さっと顔を離すと素早く立ち上がり、衣服に付いた芝や葉っぱを払い落とした。]
[最後にもう一度だけ眠っているギルバートを見下ろし、クククッと忍び笑いを洩らすと、何事も無かったかのように邸内に戻っていった。]
あっ・・・
[かろうじて小さな声で済む]
(見ちゃった〜)
[思わず柵に隠れるようにしゃがみつつ、そのまま覗くべく隙間を探して右へ左へ]
[隙間は見つからず、仕方なく目の分だけ柵から頭を出すと既にクインジーはいない]
あれ?
さっきのは・・・
・・・いや、ゆめじゃなひ
[つまんだ頬がじんじんするのを確かめながら、間違いなく現実だと頷き、ニヤリと笑う]
面白いものを見てしまった・・・。
いわゆる一つの弱味?
弱味は言いすぎかな・・・まあ脅せなくたって。
からかうネタくらいにはなるかな〜♪
〜〜♪
[赤、白、黄、青、……そんな単純な名では表せない、色鮮やかに咲き乱れる花。
難色を示す庭師に無理を言って、少年は手伝いをさせて貰っていたのだった。
花壇の世話をする少年は楽しそうで、人前で見せるどこか無理をした感じはなく、顔には自然と笑顔が浮かぶ。
その様子と手際の良さとにか、老齢の庭師も機嫌が良さそうにしていた]
やっぱり、おれには土いじりのが性に合うや。
……農場の奴ら、元気にしてっかなあ?
[思い浮かぶのは、毎日顔を突き合わせていた野菜たち。
初めての収穫の時には、それはもう、感動したものだった]
[ぼうっと突っ立ったまま思考していたが、思考を払うように首を振り、まだ雑草等の残る花壇の前にしゃがみ込む]
……よっし、もうひと頑張りだな。
[自分に気合いを入れるように呟くと、再び世話に取りかかる。
その熱中具合は、庭師に声をかけられても*気付かない事だろう*]
―部屋―
久々に横になった気がするぜ……
[ソファの上で起き上がり、立ち上がる。]
[ふと窓の外を見る]
……上からだと良く見えるぜ。
[苦笑する]
ん?
何の音……って
[振り向けば、部屋の中、……使用人の男が。]
一寸まてこのからくり屋敷!
だいたい人の部屋に勝手に入ってくるなこの阿呆っ……!
何、全部の部屋を監視してる?
監視されるようなこと俺は別に何もしてねーだろうが!
……嗚呼、もう判ったからさっさと何処かに行け。部屋から出て……
は?
風呂?
風呂なら其処で借りてるが
……露天?
否、俺には興味はな……!
[い]
[……壁にぶつけられるようにしてなぜか隠し通路の中に。]
―隠し通路……というか扉の向こう側―
……しかも戻れないと来た。
進めと。何処へ進めと。
[呆然と呟いた]
[仕方なしに、薄暗い中、地図を広げ]
……ふむ、こっちか。
ここに後で書き込んでおくか。
[手持ちのペンで印を書く。]
[足元に注意しながら向かうは広間の方向に。]
―よくわからない通路・階段―
……本当に何を考えて此処は作られたんだ。
[階段を下りつつ、たどり着いた一階部]
ん、こっから出られるか
[壁をこつこつとたたく。]
[音は返らない。あたりを探し、くい、と糸を引く]
……中庭か。
嗚呼……コーネリアスに伝えておいてくれないか。
隠し扉には本当に気をつけろと。多分、あちこちにあるぞ……
欲しいんなら地図もやるって
[そのあたりにいた使用人に言付け]
―広間―
[玄関から入って、広間の扉を開けて出てきた使用人を見る。]
ん?
誰かいるんかね
[扉を開ける。]
嗚呼、あんたか。
よぉ。
なんか食ってたか?
を、けねふさん。
[テラスからケネスの居る広間へ移動しながら、クッキーをくわえたままで喋るので、半端な発音になっている]
ふっきーだよー、たえる?
はっき、なはにはをはるいてうのがみえあきあすうんらけろ、さんほうるタイプにはみえあいのになぁ、にわみえあの?
……悪い。そんなに食ってるんだな。
[苦笑する]
せめて口のものをちゃんと食べてから喋ればどうだ? 何いってんのかさっぱりわかんねーよ
紅茶とかは……嗚呼、先刻の使用人は其れを取りに行ったのか
[今更納得しつつ]
ま、お言葉に甘えて一枚貰うぜ。
[手を伸ばし]
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