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[文字通り傷を舐めあう行為。愛撫とは違うそれだとは解っていても、躰は震える。気が…触れそうになる。
嗚呼、わたしはなんて罪な羔なんでしょう。救いにすら欲情してしまうなんて――]
[舐め盗る行為が一通り終ると、ローズはわたしの背中をそっと抱き、耳許でそっと囁く。
でもそれはわたしの欲しい言葉では…ない。]
いいえ…わたしが犯した罪に比べれば…これ位の痛み…なんてこと無いの。
――酷い?どうして…?わたしはただ、望んで…――
[と、その時肩に雫が一つ落ちた。あたたかい雨。]
――なっ…やだっ…なんで?何でローズが泣かなければならないのよ?
[後ろを振り向こうとしても、抱きしめられていて振り向けない。泣かせるだけ泣かせて、涙を拭う事もできない自分が。いま凄く憎らしい――]
罪?
こんな罰をうけなければいけないような罪なんてありえないわ。
人を殺したわけでもないのでしょう?
[ローズマリーは涙に濡れた頬をステラの頬によせた]
あなたの肌はこんなにも美しいのに…。
[ローズマリーの後ろからまわした手がステラの乳房をさぐった]
−雑貨店−
[そのまま終始無言で伯父達のやり取りを見ている。
ヒューに何かあったのかと尋ねられればゆるりと視線を彼のほうへと向けてから微かに間が空いて]
…いえ、何も。
すみません、先ほどまでバスルームにいたので。
それだけです。
[何もなかったかのようなふりをして微笑む。
ただ、決してネリーのほうを見ようとはしなかった]
[わたしはローズの言葉に戸惑った。]
「人を殺したわけでもないのに――」
[そして嘘をつく
今までで一番優しくそして残酷な嘘を――]
えぇ…人は…殺して居ないわ。でもっ――…
[続けようとした言葉は、重なり合う頬の柔らかい感触に奪われて]
美しいだなんて…そんな…ローズの方がよっぽど…あっ……
[後ろ手から包まれる胸。その行為はわたしの一番の好みでもあり弱い感触――]
嗚呼…ローズ…だ…め…駄目なの…我慢できないのっ。
お願い…もっと…もっとわたしに…触れて?あなたが知っている快楽を。
わたしにも…教え…て――
[気がつけばわたしは以前男達にそうしてきたように、彼女にもまた感情の昂りへと誘ってくれるように哀願していた。]
―雑貨店―
[ニーナの微笑みに、そうか、と答える。だが、彼女はネリーの方を見ようとはしなかった。
彼女はネリーと仲が悪かったのだろうか?]
タオルと冷媒を1パッケージ、買わせてもらったよ。
代金はレジの脇に置いておいた。勝手に済まないね。
[シャーロットと共に車に歩みを進めたネリーは、少しだけ離れた位置にいる。聞くか聞くまいか一瞬の躊躇があったが、やや声を低めて質問を口にした]
ニーナ。その……アルバムが誰のか知らないか?
[意識は沈み、フィルタとなっていた壁も崩れた。
響く声はいよいよクリアに脳に響く]
…忘れたい…。全部…なかったことに…。
全て…なくしてしまいたい…
あら、別にこれくらいもっていってくださってよかったのに…って、こんなことを言っていたらリックに怒られてしまうかしら。
[小さく肩を竦めながらマネートレイの上の代金を確認してから仕舞う。
そもそも店にはあまり来ない自分がアルバムがどこにあるかなど知る由もなく]
…アルバム?
伯父様、こちらにアルバムを置き忘れていかれたことでも?
[幾分感情の起伏が薄いまま、ぱちぱちと何度か瞬きをして店の中をくるりと見回す]
鍵………は、
[眉をしかめて考える――が、ナサニエルは何も言えずにしばらくその場で立ち尽くしている。
あの部屋にあるのは、たくさんの本、おびただしい数の『記憶』の『兵士』たち――メモ紙。それと、少々の薬物。それ以外には何もない。何もない、が――]
何だっていいだろう……とにかく、返せ。
そういうわけにもいかないよ。
[持っていって――という言葉に微笑みながら言葉を返した]
……そうか。
ニーナのではなかったのか。いや……
[彼女の返答に迷う。ニーナのネリーに対する忌避の感情は、あのアルバムに由来するものではないかと邪推したからだ。
となれば、彼女のネリーへの感情にはまた別の理由があるのだろうか。]
私のアルバムではないんだが、さっきここに置かれていたんだ。
[目線が、レジの影にこっそり立てかけられたアルバムを示す]
中は……人のアルバムはあまり詮索しない方がよいものだろうね。
[自分がつい中身を見てしまったことをさておいて、そのようにつけ加えた]
[ギルバートは鍵を求めて手を伸ばすナサニエルを揶揄う視線で見下ろす]
へえ。アンタの背中、羽根が生えてるのか。
[面白そうに笑った。]
[拾い上げると、それは『ステラのカード入れ』だった]
ニーナ、ありがとう。
リックとディーが戻ったら、よろしく言っておいてくれ。
また来るよ。
[着替えを終えたネリーから返してもらったブレザーのポケットにそれを滑り込ませた]
[鍵を渡すまいというそぶりを見せているギルバートが、自分の背中に刻まれた羽根のタトゥーを見てさらに笑みを大きくした。]
………だから、どうした。
[口から突いて出た言葉とは裏腹に、自分の肩の裏にチラリと視線を向けた。]
……私?
[自分の後方に向けられる視線に僅かにいぶかしみながら]
…ええ、伝えておきます。
[そういえば二人ともどこにいったのだろうと小さく頭の端で考えながら頷いた]
天使の羽根みたいだなと思ってさ。
[ニィと嗤うと、手にした鍵をナサニエルに向かって放り投げた。]
──悪かったな。アンタがあんまり必死なんでつい揶揄いたくなったのさ。
―車内→アンゼリカ―
ネリー、悪いな。
ソフィーが熱が出ているものだから、先にアンゼリカに寄らせてもらっていいか?
[彼女に断りを入れて、アンゼリカへと車を巡らせる。ハーヴェイの両脇にはソフィーとネリー。両手に花だな、と私は笑いかけたが彼は眠ったままのようだ。
やれやれ、と私は思う。みんな満身創痍じゃないか。
理不尽にもルーサーを恨めしく思った頃、アンゼリカについていた。
だが、そこで見たものは、雑貨店で見たもの以上に私にとって*衝撃的なものだった*]
[私の何かの部分で、何かが、私を突き抜けて行く。
近い。かなり近い。]
何かが…隆起していくような…
[私は誰にも悟られないように、首は動かさず、目だけで探る。]
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