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[愛犬にハーネスを繋ぎ、再び外出する。]
お爺ちゃんは帰ったらおしおきね。
どうしてやろうかしら……。
[老人への仕打ちを考えながら、魔女の館に向けて愛犬と歩く。]
―魔女の館前―
さ、ついたよ、タロ。
「バフ!」
こんにちはー、昨日はごめ……あれ?
[魔女の館の扉を開けて、店内に入った。]
[トラップを作りにも満足しすることもなくなる。]
…
流石にあんな安い挑発にのってくるような参加者はいないか。
[迎え撃つ準備を始めた自分も同じだという考えが心に浮かび掛けるが押さえ込む。]
ここで待っててもしょうがない出かけようかな。
[昨日ライダーのマスターにもらった受け取った街の紹介冊子を広げ考え始める。]
…すまん。
[もうひとつ呟いて]
…わかっている。
ただ、俺は一言聞ければいい。謝罪の言葉を、ただひとこと。
[受け止める小さな背中、僅かに震えて]
あのサーヴァントは、獅子心王ではない、と?
[辿り付き確信さえ持っていた推測を、己のマスターにあっさりと覆されて、吃驚したように一瞬立ち止まった。]
……あの優しく気品すらある物腰、王族としての嗜みを備えた風貌、あれはまさしくリチャード一世だと思ったのですけれど。
[目を伏せ、先日露葉の店で出会った男の顔を思い出して唸った。公園の放送は頭に血が上っていて聞き逃していたシャルロットは、今公園にサーヴァントが集まっている事には露程も気付いていなかった。数時間前に訪れて居たマンションの前に、再びやってきた。]
……ここです、マスター。
…さっき?
声?
何を言ってる?
とうとう脳髄がイカれちまったか?
ジャパニーズ・プリーズ。OK?
[わざとらしい英語を使い、肩をすくめる。
ここが日本であることは、既に知っていた。]
そして、サーヴァントが話しに、ねぇ…。
雑談にサーヴァントがやってくるわけねぇだろう。
戦闘の空気は感じなかった。
お前を篭絡しようってんじゃないのか、あぁ?
何を言われたか言ってみろ。
……。
[ランサーは振り返った。
水の向こうに見えるのは、気高く儚い少女の影だった。ランサーは、ライダーがジャンヌ・ダルクである事を知らない。裏切られ、殺された少女である事を知らない。]
魔術で飛んできた声が聞こえない方がどうかしてるわ。
[そのまま続きを言おうとしたところで
からん、と階下で木鈴がなったのが聞こえた。]
お客様がきたみたい。
どうするか考えておいて。
一人でいくつもりでも、断るつもりでも、
他の戦いを探しに行くのでも。
説明まだ必要ならお客様がいなくなってからね。
[そういうとガトリングの言葉を聞かずに
階下へ急いで降りていった。]
いらっしゃいませ〜。
あーもう!
ちゃんとしたサーヴァントならなあ……
「ここと、ここと、ここに拠点を発見いたしました。いかが致しましょうマイマスター」ってなもんだよ。
膝をついて、印がいっぱいついた地図のひとつも差し出すってもんだ!
それなのにお前と来たら、宝具は質に入れるわ、ビデオや漫画ばっか見てるわ、挙句に訳の解らない手押し車まで作りやがる!!
お前!……お前もなー……
[そこまで言い切ったところでだいぶ勢いが落ちたのか、言葉を終わらせる事無く、無言で何度か宗冬を指差す。
そうしてから深い溜息と共にケネスは座り込み]
飯にすっかあ……
[そうつぶやいた。]
すみませーーん!
[店内を見渡すが、誰も見当たらない。]
……この時間は準備中かしら。
それとも、あの男の人と……きゃっ!
[昨日ちらと見かけた男性と店主らしき女性との関係をあれこれと想像している。
右手首の痛みには、もう慣れた。]
…は?
[思わず声がもれる。
そりゃそうだろう、だってアンタそりゃ神の名前ですよと。
しかし、この場で嘘をつくような性格ではないだろうし、考えるとまだ納得は出来る。
元々セイバーの戦闘能力は沖田だと説明できなかったのだ。
悪を司る神ならば、あの程度造作もない…能力が低いのも自分と同じ弱体化か、もしくは別の制約があるのかもしれない。
召喚されたことについても、伝えられている伝説とは別に、実は人間だったという可能性もあるのだろうと納得する。]
はー…また大層な名前が出てきたなオイ。
そりゃそれだけ偉そうにもなるわ…。
てか、マジで本気出さないと勝てそうにないな、お前には。
……。
[沈黙。
鳩は飛び、子供は遊びに興じ、女たちは楽しそうにさざめき笑う。
そんな世界の中で不意に感じた孤独に、思わず膝を抱えてしまう]
…。
[膝を抱える腕に、僅かに力が篭って。
小さい背中は更に小さくなっただろうか]
[たどり着いたウィークリーマンションを見上げ、わずかに腕に痛みを感じ]
確かに、ここにマスターがいるようです。結界も何もないのか、これでは駄々漏れもいいところですね。
[半ば呆れながらも、その部屋を見つめた。
ふと、思い出してシャルロットのほうを見る]
そういえばマリア、先ほど何者かが魔力を持つものに対してメッセージを飛ばしてきました。
公園で待っていると。
恐らく罠でしょうから、行かないほうがいいと思いますが、気づかれましたか?
……。
[――バササ。強く羽ばたく平和の象徴。]
[幸せそうな広場の中、]
大きな怒り、だったのだな。
なら私は、お前の願いを否定出来ない。
[ランサーは、ライダーの前まで歩いてくると、膝を抱えているライダーの目線まで身を屈め、肩に手を置こうとした。]
ふん、貴様が本気を出して勝てる私ではないぞ。
この沖田とかいう体も中々面白いしな。
魔力を失い全力を出せてはいなかったが、マスターが覚醒したのでな。ここからは地獄だ。覚悟しておけ。
で、愚民はどこにいるんだ?
[トントン、と階段を降りる軽い音が近付くと共に店主の声が聞こえた。
続けて笑顔で迎えてくれた女性にこちらも笑顔で応える。]
こんにちは。
昨日は急な用事で何も言わずに帰ってしまってごめんなさいね。
昨日のお茶はおいくらだったかしら?
[申し訳無さそうに頭を下げて、財布を取り出す。]
まだここに、居るのですね。
[ウイークリーマンションの2階を見上げる。髭面マスターの顔を思い出し、今度こそ勧誘を成功させなければ、という熱い思いが沸々と沸いてくる。]
判りました。ここはまだ拠点として有効なようですし、今はその挑発の主を確認しに行きましょう。まだ、把握出来ていないサーヴァントも多い。上手く行けば情報を多く得られるでしょう。
……私はそのメッセージを、受け取っていないのですわ。恐らくマスター宛てに放たれたものではないのかしら。
[気配遮断を行うと、女性の二人連れに見えるよう、ソフィーの傍に立ち、ゆっくりと公園に向かって歩き出した。]
― 中央ブロック・噴水 ―
あれあれ。なんだろうねいったい。
[ マンションを出てほどなく、あっさりとライダーの気配は見つかった。そのまま気配に近づいてみれば、なにやら捨てられた子犬のような風体でベンチに丸くなっている娘の姿を見つける。]
おーい、なにやtt、、、
[ 近寄ろうとしたところで、自分よりも先にランサーがライダーの傍へと寄るのを目撃し、呼びかけた声を止めた。]
ええと、本当にどんな状況なんだ?
[ それ以上近寄らないことにして、観察することにした。]
急な用事……ですか。
それは大変でしたね。
あのお茶はこちらで飲んでしまいましたの。
ですからお金はいただけません。
気になさらないでください。
……ワンちゃん、かわいいですね。
[犬に微笑みかけつつ窓の外をうかがう。
マリアはいないようだった。
他にもサーヴァントらしき人影もない。]
今日はお一人なんですか?
[もし彼女が一人で出歩くマスターだとしたら
リチャードの言い分を認めるようでなんだか悔しかったが
マリアはサーヴァントではないのかもしれないと思った。]
…。
[ぞわぞわ、と、誰彼構わず銃をぶっ放してやりたい、そんな衝動が脳髄から全身に広がっていく。
あのクソ女、大事なところを何一つ話してねぇぞ。
がくがく、と震える右手を左手で押さえようとして、左手も震えていることに気付く。
眼鏡の位置を直そうとしたが、手が震えていたため眼鏡ががくがくと震えるだけで終わった。
銃を出そうとしたところでようやく抑止が働いたが、なかなか震えが止まらない。]
ちっ。ちっ。ちっ。
あの野郎が粘ってなかなか俺を出させやがらねぇからッ!
ストレスが溜まってんだよ、なぁ!
クハ、ハハハッ。
あぁ、早く、戦闘にならねぇかなァ?
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