情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
集会場は不信と不安がない交ぜになった奇妙な空気に満たされていた。
人狼なんて本当にいるのだろうか。
もしいるとすれば、あの旅のよそ者か。まさか、以前からの住人であるあいつが……
どうやらこの中には、村人が8人、人狼が2人、占い師が1人、霊能者が1人、狂人が1人、守護者が1人含まれているようだ。
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。
この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。
当日、現場に出入り出来たのは今ここにいる者で全部だ。
とにかく十分に注意してくれ。
[部屋を出てきた翠に声をかけられ]
いや、どういたしまして。ここにいる間はお世話になるわけだし。
改めて、よろしく。
[会釈をひとつ。]
―三階、客間―
さて、それでは行くとしようか……皆様にご教授せねば、ね……
[年季物の旅行鞄から煤けた燕尾服を取り出し、埃を払う。
それに袖を通し終えると、一端の楽師の貌へと変わっていた。
たとえ、それが外面以上のものでなかったとしても、だ]
では、参りましょうか。
[誰にともなく呟くと、楽譜を抱えたまま客間の戸を開けてホールへと向かった。]
[会釈をされて、翠は深々と頭を下げた。
同僚から話は聞いている。
此の男性は由良様だろう。]
はい、御用がありましたら
何なりとお申し付けくださいませ、由良様。
[と、微かに柱時計が時を告げる音が響いた。
使用人たちが晩餐の準備が整ったことを
客室へと知らせに回っている。]
いけない、急がないと。
由良様、雲井様、まもなく晩餐会が開かれます。
食堂までお越しくださいませ。
[それでは、と翠は半ば走って立ち去った。
先ずは服を置いてこなければ。]
天賀谷さん以上に識っているかどうかはわからないが……。
[夜桜の問いかけに思案しながら記憶を辿る。]
私は戦時中は軍医でね。
中国に居たんだ。
そこでは様々な死の事例を調べる機会があった。
戦争中の混乱した時期とはいえ、実に様々な死があるものだよ。
その中で、常識では考えられないような死に様を迎えた死体と対面する機会があった。
──食堂──
[蝋燭とシャンデリアの仄暗い室内。
馳走が並ぶ食卓の端に、何時の間にやら天賀谷の姿が有る。仁科が見て驚いた様に急激に痩せ落窪んだ貌を隠すためか、何故か白塗りにされた顔面に舞台役者の様な朱が頬にさされている。]
──…時が来た。
望んでいた時が…。
[天賀谷は未だ人の集まらぬ室内で、独り悦に入った様な笑いを浮かべ乍ら葡萄酒の入った杯を掲げた…──。]
―三階廊下―
[走り去る女中を一瞥すると、形ばかりの礼を交わす]
「全く、揃いも揃って不躾な連中だ。所詮、成り上がり者の其れか……たかが知れている」
[悪態は、柱時計の残響に解けた。]
―二階/廊下―
[客室で着替えたのだろう。
ディナージャケットに正装して、階段を降りてきた。
ホールの前には、今宵の客たちが集まって賑やかだ。
その顔ぶれに素早く目を走らせて、眉をひそめた。
彼らの背後から、水盤を一瞥する。
話を披露している枚坂の横顔に、真意の掴めない強い視線を当てた。]
[走り去る少女の後姿に軽く手を振ると、]
──はて。晩餐会ともなると、それなりのなりをしていくべきなんだろうなぁ。
…………似合わないんだよなぁ、俺。そういう格好ってのは。
[深々と溜息を吐くと、ここに来る事になった原因である知人に言われて持ってきたタキシードに着替えるべく部屋に入った。]
──使用人部屋──
[運転手の自分に晩餐会は無縁である──と、仁科に割り当てられた部屋で、独りまた酒でも…寝台に腰掛け寛ごうとしていた仁科は、響いてきた柱時計の音に目を細めた。]
──…おや。
[使用人を呼び止めて]
オイ、貴様、天賀谷は食堂にいるのか
[使用人が肯くと来海は自分の席が用意されていることを確かめ食堂へと足早に向かった]
尋常ならざる力で引きちぎられたような。
猛獣に襲われたかのように無惨に喰い散らかされたような――
[言いかけ、私は我に返る。女性を相手にする話ではなかった。ましてや食事の前には――]
ああ、いや、忘れてくれ。
いずれにしても、そうした謎めいた検体を調査する過程で自然、そうした伝承を耳にする機会があったんだよ。
[その時、柱時計のベルが鳴り響いた。]
―二階・水鏡の前―
[枚坂の話を聞いているのかいないのか、水鏡から目をそらしながら呟いた]
……可哀そうに。
きっちりと引導を渡してもらえなくて、彷徨っているわけか。
[柱時計の音が響く。使用人達のざわめきも聞こえてきた]
[使用人の部屋が連なる棟は既に静かだ。
皆準備に追われているのだろう。]
「翠、急いで」
ええ、直ぐ行く。
[自室に服をそっと置くと、
翠は髪を手早く整えて晩餐会会場へと向かった。
久しく遠ざかっていたざわめきが近づいてくる。]
[杯を傾け乍ら──、]
ロクでも無い話なら、今までも散々寝物語に聞いて来たもんだが、どうにもいけないね。──…聞いた直後の数日はやはり自分でも薄気味が悪いが。
其れだけじゃあなく。
何かこう──…屍鬼なんてえのが、流石に此処に来てはじめましてな所為か。否、旦那様が急にお窶れになったのが気に掛かるのか…。
妙に不吉な。
─3F廊下→2F食堂前─
……ああ、首が苦しい。こんなもんつけて飯が咽喉を通るもんかね、果たして。
[ぼやきながら食堂に向かう。先ほど自分を案内してくれた青年もこのような硬いなりをしていたが]
あれは慣れなのかね。なかなか板についてたな。まだ若いのに、えらいもんだ。
[枚坂に頷きかけた。]
そう。
そう云う話はなさらない方がいい。
ご婦人方の前というだけではなくてね。
向こうに居たなら、ご存知かもしれないが。
こう云う諺も有りますよ。
曹操の話をすると曹操が現れる。
[すっと、食堂へ入っていった。]
――黄昏時・二階――
[時を告げる重々しい音色が廊下に響く。傍らの少女がさつきをちらと見て、思案げな風にしたものの、何を云うでもなく背後へ控えた]
いつだったか、お父様が仰っていた通りだわ。
この水盤が此処に在ると云う事は――けれど、これは、屍鬼を――
『――災いを招くもの、なのに』
[真白いドレスの袖を両手で抱き、さつきは身を走る悪い予感に躯を震わせた。戦前にまだ長彦が上海に居た頃に聞き及んだという怪奇事件――其れは実業家の父らしくもなく、事実であったと知る者の確信と共に聞かされた出来事だった]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新