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医師 ヴィンセント に 6人が投票した。
書生 ハーヴェイ に 1人が投票した。
医師 ヴィンセント は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、酒場の看板娘 ローズマリー が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、流れ者 ギルバート、踊り子 キャロル、隠者 モーガン、書生 ハーヴェイ、メイド セリア の 5 名。
【システムメッセージ】
○現在はdays7夜です。
○更新予定は28日3:00予定です。
○本日は墓上は休村日扱いです。
【システムメッセージ終了】
―夜・自宅寝室―
[キャスターに言われたとおり、日中は魔力の回復に努めていた。]
「ワフ!」
[愛犬の吠え声で目覚める。
体内の魔術回路を廻る魔力量を確認して、キャスターの部屋へと向かい、ドアをノックした。]
お爺ちゃん、そろそろ行きましょう。
‐自宅‐
[声に気付きゆっくりと目を開く。
魔力は十分だ、覚悟も出来ている。
懸念と言えばアーチャーの事だろうが、それは幾ら考えても答えは出ない。
宝具さえ使ってしまえば外界とは隔離されるし、横槍で戦況が変わる…と言うことはないだろう。]
ああ、そうだな。
[立ち上がりながらドアの向こうに声をかける。
さぁ、色々な物全てに決着をつけよう…。]
[マスターと共に外に出る…がそこで空の異変に気付いた。
様子がおかしいなんて生易しい表現ではすまないだろう。
直感的に理解する、あの真下こそ今から行くべき場所だ。]
行くぞ、マスター。
[キャスターは美貴に目配せをすると、走り出した]
[キャスターの視線の先を見る。
明らかに周辺と異なる空気。
沖田とはあれほどまでに禍々しい存在なのか。]
また、……もう。
[三度サーヴァントを追いかけて走る。]
−本堂−
くっ・・・・・・
[聖杯が決着の時が近づいている事を告げる。それ程の魔力の躍動を感じる。
あと一体。最後の戦いを迎えるも、その体は限界に近い]
−境内−
[無意識に、ここが自分の望んだ戦いの地になる事を理解している。その為にマスターの元に戻ってきた。
キャスターの気配が近づいている。うっすらと蘇る記憶]
キャスターが、来るのか。
[令呪による拘束だけではない、自身の決着をつける。その喜びに浸っていた]
-寺・境内-
[異変の下…そこにあったのは寺院だった。
教会はあの有様だ、沖田が恐らくここを新しい拠点にしたのだと思い迷わず中に入る。
そこに居たのは――。]
セイバー……。
何で……お前が……。
キャスター、か。久しぶりだ。
所詮、あの小物がこの私の力なく勝ち抜くのは無理だったのだ。だからここにいる。
あの聖杯も、そしてこの世界も。所詮は我が手中。貴様程度のマイナーな創造主にどうこう出来るものではない。
さて。約束どおり、決着をつけようか。
[右手には偽刀・菊一文字。キャスターが出会ったときの異形の剣ではない、禍々しい光を放つ日本刀]
[息を切らせながらキャスターを追いかけて境内に着いた。]
っはぁ、はぁっ、……あれは、……?
[キャスターの前に立ちはだかる“セイバー”と呼ばれた存在。]
[後ろに追いついてきた美貴を手で押しとどめ、キャスターは笑った。
ああ、やはりセイバーはセイバーだ。
この俺様野郎があんな奴に飲み込まれるなんて納得できなかったのだ。
そして今、俺の前にこいつが立っている…約束と言う言葉を持って。
それが……とてつもなく嬉しく、そして愉しく感じる。]
……やっぱりお前はそうでなきゃな。
一応聞いておくぞ。
――力は万全か?
[そういって、キャスターが手に持つ物は蒼き宝玉の如き世界の卵。]
ふん。むしろこれが本来の姿だ。
悪いが貴様に勝機など微塵も無いぞ。
せいぜい、後ろの女が巻き添えを喰らって死なぬよう大人しくこの俺に殺されるがいい。
[剣を構える]
そうか…なら約束通り見せてやるよ。
俺の……"本来の姿"をな。
[今の言葉で確信する。
恐らく奥に居るであろう沖田に、サーヴァントとしての力はもはや無い。
吸収した力をこうやって解放しているのだ、元の人間かそれに近い物に戻っているだろう。
ならば…目の前のセイバーこそ宝具を使うに相応しい唯一の相手だ。]
(世界の扉は開かれる)
" patoluukku -lta maailma " on sailykerasian avaaja
(内に広がるは果てし無き原初の蒼)
alkuperaiskappale edella aallokko levittaa rikki.
[キャスターの口から、詩が紡がれる。
それに呼応するように……蒼き宝玉はゆっくりと光を放ち罅割れていく。]
・・・・・・
[水の世界。キャスターが生まれた世界が広がっていく]
成る程、そういう事か。
貴様の宝具は創世具だったという事か。
この地ではこの程度だろうが、それでもこの私と決着をつけるフィールドとしては充分だ。
よかろう!貴様の全力、この私がねじ伏せてくれよう!!
(受け売りの正義など捨ててしまえ)
Heitto pois oikeus.
(そこで必要なのは己の決意)
Anomus itDecision
(偽りの信仰など砕いてしまえ)
Erottaa luulo jne.
(そこで求められるのは己の信念)
Anomus itBelief
(世界はお前を試している)
maailma on haastava te.
(「我に従え、さもなくば抗え」と)
Obey we , eli haastaa me”
[詩の詠唱が進むにつれ、卵は眩しいばかりの光を生み出す。
魔力はもはや嵐の様なうねりとなり、キャスターとセイバーのみを包み込んでゆく。そして――。]
(世界の扉は開かれた…蒼世器・深蒼世海)
Vaina-Ilmatar
[最後の言葉と共に、卵は割れ……
――世界が生まれた。]
[セイバーとキャスター、2人だけを飲み込んだ世界。
それこそがキャスターの持つ宝具…「蒼世器・深蒼世海(ワイナ・イルマタル)」の能力。
固有結界でもなく、空想具現化すら超える"世界創世"を行う…。
そしてそれによって構築された世界こそ……、ワイナミョイネンが"世界創造"を行う以前の原初の世界。
ワイナミョイネンの深層心理に刻まれた、彼が始めてみた世界の姿である。]
さぁ、セイバー……約束を果たそう。
この世界なら神、と言うつもりか。
だが残念だな。この世界においてもこの私は神のままだ!
[右手を振り上げる。虚空に穴が開き、竜のようなどす黒い炎が現れる]
さて、貴様の水もそしてこの私の呼び出す獄炎も無限だ。
あとは魔力が尽きた方が死ぬだけのようだな。
[キャスターに静止され、立ち止まった。
セイバーと呼ばれた男が只者ではないことは、その呼称を聞くまでもない。
――と、右手首に痛みが走る。
反応は本堂の方向。]
【サーヴァントがここにいるのに向こうで令呪の反応があるということは……。】
アタシは本堂に行くわ!
お爺ちゃんはそいつと仲良くねっ!!
[声を掛けた方向は空間が歪み、それまでそこにいた人物の姿が消える。
力を急激に持っていかれたが、歯を食いしばって本堂に向かって駆けた*]
そう…この世界でならな。
[静かに腕を振り上げるキャスター。
ワイナ・イルマタルの本当の能力…それはキャスターにのみ意味がある。
ここはキャスターの作り出した"世界"なのだ。
結界や次元のズレという類のものではない。
そしてそこでは…知名度による能力補正が"本来"の値に戻る。
そう、今ここに居るキャスターこそ…神話に語り継がれる創世神としてのワイナミョイネン。]
魔力勝負…負ける気はしない!
[天と地を覆う海から、巨大な剣が現れセイバーへと襲い掛かった。]
くくく・・・・・・ くははははははははははは!!
[目の前に現れた巨大な剣に対し、焔ではなくその刀で迎え撃つ]
”概念武装・無”
魔剣ガーベラ
[その刀は、その巨大な剣を真横に凪いだ。水の剣が剣の形を保てず水に戻っていく]
さすがに不利のようだな、今の一撃で潰せたのは剣という概念だけだったか・・・・・・
だが、この私を滅ぼすならその程度の攻撃では足りんぞ!!
逝けい!!
[突き出した右腕を這い、その先を喰らいつくすように焔の牙がキャスターに襲い掛かる]
概念すらも消滅させる…か。
確かに今の程度じゃお前を倒せないみたいだな。
[眼前へと迫る紅蓮の牙、だがキャスターはその光景を平然と眺めている。
そして…キャスターの"詩"が始まる。]
『Vesiputous johon Kreivikunta -lta kyyneltya puoltaa aine』
[上下から出現する巨大な滝。
それはまるで頑強な城壁のごとく、紅蓮の牙を掻き消した。]
『Aivan aseet -lta jattilais- vakijuoma -lta ehdottoman -lta kyyneltyari hiottu heittaa.』
[そしてその滝は水の巨人へと姿を変え、セイバーへとその豪腕を振るった。]
さすがにこれは剣だけでは間に合わんようだな!
[左腕を横に払う。複数の地獄へ繋がる穴が現れ、その全てから獄炎の竜が噴出す]
喰らいつくせ!!
[その竜全てが水の巨人の四肢に喰らいつく]
【今のすら防ぐかー。】
[名声による補正が無くなった自分の攻撃を危なげも無く防ぎきる。
その様子に感心すると共に、愉しくもあった。
流石は神を名乗るだけはある、この"世界"で自分と対等に戦えるものなど片手で足りる数しか居ないだろう。]
【だったら…。】
『Kyyneltya raivo kuin lapa tervapaasky ajankohtainen -lta kyyneltya etta pukea kangas etta heilahdus hahmottua ja vuota se ala- kansi.』
[2人の周りに突如霧が発生する。
魔力すら篭ったソレは、瞬く間にセイバーの視界を奪い取った。
そして、その霧の向こうから…無数の刃がセイバーへと襲い掛かる。]
・・・・・・ !?
[視界を奪われたと同時に何らかの攻撃が放たれたのを察知し、両腕を前に突き出す。
それに呼応するように、全ての穴からキャスターとセイバーの斜線を妨げるように火柱が吹き上げる。そして格子状の巨大な防壁を即座に形成させるが、その隙間を数本の刃がすり抜け、セイバーを斬りつける。刀で迎撃を試みるが、わずかに彼の頬を切り裂く]
貴様・・・・・・ 消えろ!!
[手を突き出すと、その格子状の焔がそのままキャスターへと迫っていく。その後ろに追従し、刀を構えたままセイバーが突進する]
[迫り来る焔、それを再び滝の城壁で掻き消すが、その後ろに迫っていたセイバーへの反応が遅れる。]
くっ!
[水の上を滑るように交代する…が、その切っ先はキャスターの左腕を傷つけた。
鮮血が深い海へと零れ消えていく。]
……ったく。
流石だなー、この世界で傷をつけられるとは思わなかった。
[治療魔術を自分に使いながら、セイバーへと笑う。
恨みや怒りではない、約束として全力を出す戦いがこれほど面白いとは思わなかった。]
【さて…それじゃ行くぞ、セイバー。】
[心の中で目の前の相手へと語りかける。
そのキャスターの右腕には、いつの間にか一本の剣が握られていた。]
『 kurimus -lta kyyneltya katkea kuningas. Se on palvella sotamiehena -lta kyyneltya etta katkea se. Kuningas kalpa on eksponentti -lta leimata. Aivan tavarat aari edestakainen jotta ei ensinkaan.』
[キャスターの足元が渦を作り、そこから10数体の水の精霊が現れる。
それらは槍や剣を振るいセイバーへと襲い掛かった。]
ふん、この私に剣で対抗するとは!
[その剣を平らに構える。その構えからは光の突きが打ち込まれる・・・・・・筈だった]
な、んだと!?
[誤算。その体からは”沖田総司”の力は失われていた。
予定していた技が発動しない。そしてそれが決定的な隙になる。
精霊達の武器が、セイバーに襲い掛かる]
[水の精霊達がセイバーへと猛攻を仕掛ける。
それを辛うじて凌ぐセイバー、いや…むしろ技量では英霊に遥かに劣っているのだ。
たとえ数が多かろうと隙を突いて出来た優勢は時が経つにつれ劣勢へとかわる。
だが……その精霊達の後ろに居るべきキャスターは、いつの間にか姿を消していた。
今キャスターが居る場所、それは――。]
……。
[――セイバーの真後ろだった。
水の渦を使用しての転移、それへと注意を向けさせない為の精霊召喚。
今……キャスターの剣がセイバーへと突き出される。]
ぐふっ・・・・・・ !?
[後手に回りすぎた。結果的に、最後の一撃の対処に遅れた。
キャスターの剣は、深々とサーヴァントの弱点である”心臓”を貫いていた]
ぐ、ぐがが。
見事だ、キャスター。だが。
[接近したキャスターの腕を絡め、しっかりと捕まえる]
貴様も終わりだ!!
[最後の力を振るう。自身の体から”獄炎”が吹き上げ、その肌をたどってキャスターの体に迫る]
【ぐっ……!】
[セイバーを貫いた剣を伝い、焔が自分へと喰らいつく。
己の体全てを燃やし尽くさんと紅蓮の牙をキャスターへと突き立てる。
キャスターはソレを、声にならない叫びを上げて耐えていた。
世界が崩壊する…名声の修正値によって宝具の展開時間は最大で十数分が限度となっていた。
その限界がここで訪れた…周りの景色が元に戻る中、キャスターは口を開く。]
なぁ…セイバー。
礼を言うのを忘れてたな……あの時、助けてくれてありがとな。
助けた、だと?
ふん、貴様の最後を見届けるのがこの私の役目だ。ならばあんな事でくたばってもらっては困るからな。
[その体が少しずつ光に包まれる]
つまらん事をした。だがこれもいい。
己の欲に忠実な事も、この私にとっては正しい行為だ。まさに貴様らの業を背負うアンリ・マユにふさわしい結果だと受け入れよう。
・・・・・・ だが残念だ。この私を満たしていたこの世界も跡僅かで消える。
貴様がこの戦いの結果生き残ったとしても、聖杯は即座に目覚めるぞ。なぜなら。
今から消えるこの私こそが、6体目のサーヴァントだからだ。
もう儀式は始まっている。
間に合うとしたら、お前のところのマスターだけだろうな。
この結界が消滅した後に待っているものが地獄か現世か、楽しみだ。
ハッ、最後まで俺様理論かよ。
だけど、ソレがお前らしいね。
[元に戻った世界の中、炎に包まれながら笑う。
異様な光景かもしれないが、それでも自然に笑ってしまった。
なんと最後まで"らしい"事かと、どこまでも自分の意思を貫く奴だと。]
お前が6体目……そうか、アーチャーはもう……。
[セイバーの言葉の意味を理解する。
もはやサーヴァントは自分とセイバーのみだった。
つまり……もう聖杯は現れる。]
あのボケマスターが最後の頼りか、不安だなぁ。
不安すぎて……今すぐ追いかけなくちゃ駄目みたいだ。
ふっ。
だが、前回といい今回といい中々楽しめた。
貴様にはまたどこかで、この借りを返させてもらうぞ・・・・・・ この私を永遠に愉悦に浸らせる光栄をくれてやるぞ、人間・・・・・・
[そういい残し、笑みを浮かべたまま*光と消えた*]
ああ、お前が借りを返しに来るのをのんびりと待たせて貰うぞ。
[セイバーが消えると共に、キャスターを覆っていた焔も消える。
黒く焦げた肌でセイバーが消えた場所を眺めながら、その場に座り込んだ。]
いってぇぇ……しんどいっつうんだよ。
[魔力はほぼゼロ、ダメージもほぼ限界。
まぁ、後者にいたってはわざとと言う所もあるので自業自得だ。]
さて、マスターの方に行きますかね。
[そう呟くと、痛みを堪えてゆっくりと立ち上がる。
手のかかるボケマスターだが、放って置くわけにはいかない。
やれやれ…と溜息をついて*キャスターは寺の中へと向かった*]
−本堂−
ぐっ・・・・・・
[体がきしむ。だが目の前で聖杯の魔力が強くなっていく。
もうすぐ決着が付く。どちらが敗北しても構わない。たとえセイバーが敗北したとしても魔力の充填は完了する。
あとは、その瞬間に願いを叶えるだけ]
まだだ、あと少しだけ持ってくれ。
―本堂―
[令呪の反応があった方向へ駆ける。
その先には見覚えのある男の姿。
忘れもしない、愛しい人を奪った憎き仇。
強大な敵を前に、いつでも魔術を発動できるように構えながら駆け寄った。]
宗冬様のかた……き……?
[あの日教会で見かけた時は、恐ろしいほどの威圧感を感じた。
しかし、今は威圧感どころか生命力すら危い。]
・・・・・・ 来たか、キャスターのマスター。
[静かに剣を生成する。だがもはやあの強大な剣を生成する魔力も、振る力も残されていない。右手に姿を現した通常のサイズの剣が鉛のように重い]
こんな体でも、君一人くらいなら何とでもなる。
[重苦しそうに足を運ぶ]
[とても苦しそうに見えるが、男は武器を実体化させ、戦意を向けて近寄ってきた。
相手の弱りように一度は戦意を挫かれかけたが、宗冬やマリアのことを思い出し、湧き上がる感情を抑えることもせず、男に食って掛かる。]
あなたが、沖田某ね。
聖杯戦争の管理者であるはずなのに、宗冬様を亡き者にした憎き男ッ!
何故アタシたちの幸せを奪ったのっ!?
[憎しみを込めた目で沖田を睨み付けた。
感情の暴走により、周囲の温度が下がっていく。]
幸せ・・・・・・
そうか、君はあの侍のサーヴァントを想っていたのか。
君には悪い事をした。
だが、彼はサーヴァントだ。現世に現れたのは英霊の座に君臨する彼の複製でしかない、いわば泡沫の夢。それにこの戦争が終われば遅かれ早かれ彼は消える筈だった。
いや、それでも君達が一緒にいる時間を一分一秒でも奪ったのは僕だ。恨まれても仕方が無い。
だがすまない。俺は君に聖杯を渡すわけにはいかない。
もし君達がここで刹那的な願いを聖杯に託したとしても、この世界は近い未来に滅ぶ。人間も、そしてこの地球も。人間共の手によって、な。
だから、今俺は聖杯に願う。人間の根絶を。それこそが真の平和だ。
[しかし、同時に脳裏をよぎる苦悩。果たして彼女を斬れるのだろうか。
生前、彼は外敵とだけ戦い続けた。それは自分と同じ姿の人類種を救うため。現世に生まれた後も人の世界に溶け込んでいた。
この戦争においても、彼はマスターと対峙してもその剣を振り下ろす事が出来なかった。いや、必要なかったから振り下ろさなかった。
今回は、違う]
[種族としての外敵があった。だからこそ同種族に対しての思い入れも少なくは無い。
目を瞑って、聖杯に願う。目を開ければ全てが終わっている。きっと彼は、そういう事を願っていたのかもしれない。
そして彼にとってはそれは矛盾ではなかった。
だが、もし聖杯を手に入れる為に必要であればマスターたる人間を斬る覚悟もあった。
ならば、今は斬るべき]
謝られても、困るんだけど……。
[まじめな話は苦手だった。
精神の暴走は収まり、気温の低下が止まる。
気持ちが落ち着くにつれて、沖田の願いがとても悲しく聞こえた。
ぽつりぽつり、と話を始める。]
アタシはね、タロ……アタシの大切な犬を助けるためにこの聖杯戦争に参加したの。
タロはお爺ちゃんがババンと助けてくれたんだけどね。
でも、聖杯戦争に参加したおかげで宗冬様と出会って、夢のような時間を過ごすことができたわ。
相手がいつか消える存在だから最初から恋をしないで我慢するなんて、自ら未来の選択肢を狭めてるだけじゃない?
アタシはそんなの嫌よ。
[思いつくままに話を続ける。]
それに、聖杯戦争で出会えたのは宗冬様だけじゃないわ。
マリアちゃんやソフィーさんと一緒にお爺ちゃんの悪口を言い合いたかったし、露葉さんのお店でいただくハーブティはとても美味しくて、気持ちが休まるのよ。
それと、あの時はまさかサーヴァントだとは思わなかったけど、鼻クリームの男の子やインド人にも、いつか梅納豆クレープを食べさせてあげたいな。
そんなささやかな願いを力ずくで奪ったあなたは絶対に許せないと、さっきまでは思ってた。
でも、あなたの願い……いえ、ボロボロの姿になってもそんな悲しい願いにしか支えてもらえないあなたを見て、ちょっと出鼻を挫かれちゃったわ。
……アタシも滅ぼされるわけにはいかないから、あなたに聖杯は渡せないんだけどね。
[どうしたものか、と困っている。]
俺が生きていた世界は、みんなそうだった。
君達から観れば遠い未来だ。
君達が死に絶えた後に残されたものは、死んだ大地と生き残った種族同士の戦争だけ。
今俺はここにいる。聖杯を手に入れ、原因を取り除く事で俺達のいた世界が変わるかも知れない。
君が出会った人たちを想うように、俺にだって護りたいものがあるんだ。
・・・・・・ 悪いな、俺はやっぱり君を斬らなければならない。
君は自分の未来の為に、俺を倒せ。
[沖田の言葉を聞いて、さらに悲しくなる。]
あなたには、アタシたちが夢見るのとは違う未来しか見えないのね。
誰もいない世界を護るために戦うなんて、悲しい人……。
……わかったわ。
宗冬様の仇!マリアちゃんの仇!
覚悟しなさい!!
[一歩距離を取り、再び精神を集中して大気の支配を試みる。]
行くぞ、人間。
[平正眼の構えをとりながら、一歩一歩ゆっくりと迫っていく]
光速三段!
[既にその剣には力は無い。だが彼の信じる未来の為最後の輝きを放つ]
[沖田の掛け声に合わせて飛びのこうとするが、近接戦闘の訓練など受けたことの無い身ではかわせるはずもない。
しかし、沖田の動きには本来のキレがなかったようだ。
必殺のはずの突きは急所を逸れ、美貴の皮膚を浅く切り裂いた。]
くっ、……レディの肌に傷をつけるなんて、紳士失格だわよ……?
[強がりを言いながら再び距離を取る。]
氷結・獅子舞ッ!
[大気の温度が急激に下がり、沖田と美貴の間に氷のライオンが次々現れた。
愛らしい百獣の王が沖田を取り囲む。]
外し、たか。
[多分これが答えだったのだろう。神々を斬った剣神アド・エデムは、人間に敗北するのだ]
さらばだ。
[美貴の攻撃の全てを受け入れた]
[次々と沖田に突進しては砕けていく氷のライオン。
それを避けようともせずに受け止めるボロボロの沖田。
完全に意表を突かれ、全てのライオンが砕け散るまでその姿を呆然と見守ることしかできなかった。]
……ちょ、ちょっと!少しは避けなさいよ!!
[はっと我に返り、的外れな文句をぶつける。]
[その攻撃の全てを絶える事が出来ず、とうとう地面に突っ伏す]
ぐ・・・・・・
[沖田敬一郎という人間としても。そして英霊アド・エデムとしても。その終わりが近い事を知った]
[マスターの気配がする方へと急ぎ走る。
まだ魔力の流れがある…ということは最悪の事態にはなっていないという事だ。
それが安心感と共に一刻も早くという焦りも齎す。]
【無事でいろよ…?】
[そして、キャスターがたどり着いたとき…倒れていたのは沖田だった。]
[予想外の反応を経て倒れ込む沖田の挙動を見守る。
――と、令呪を通じて、キャスターが近付く気配を感じた。
振り返ると、確かに己がサーヴァントの姿が視界に飛び込む。]
お爺ちゃん!あいつをやっつけたんだねっ!!
さっすがお爺ちゃん!!
[見慣れた顔を前に、張り詰めていた緊張感が緩んだ。]
…弱ってるとは思ってたが、お前にやられるほどとは思ってなかったな。
[セイバーとの同化を解いた事で人並みになっていると予想をしていたが、それでも封印指定クラスの力は残していると思っていた。
それがまさかここまで弱っているとは完全に予想外だ。
……アーチャーが最後に何かしたのだろうかとも思うが、今となっては答えなどわからない。
今重要なのは…もはや戦う相手はいないということだ。]
ああ、もう俺以外にサーヴァントはいない。
あとは……聖杯を手にするだけだ。
[瀕死の沖田をちらと見やる。
何故攻撃を甘んじて受けたのか、その表情からは推し量る事もできない。]
失礼しちゃうわね。
アタシだって、やればできるんだから。
[キャスターの言葉に軽口を叩く余裕を取り戻すが、その先を想像して口篭もる。]
聖杯を、……アタシたちは、手に入れる資格を勝ち取ったんだよね……?
そうだ、セイバーから聞いた…アーチャーも既に居ない。
そしてそこの沖田もセイバーを失った。
この聖杯戦争の勝者は紛れもない、俺たちだ!
[不安げに聞き返してくる美貴にキャスターは微笑んでそう告げた。]
[勝ち誇るように告げるキャスターの言葉を目の当たりにしても、それが宗冬やマリアの犠牲の上に成り立ったものだと思うと素直に喜べない。
――が、喜ばない事こそが敗者への冒涜だということを、目の前のマスターが身をもって教えてくれた。
胸を張ってサーヴァントに告げる。]
行きましょう、お爺ちゃん!
ああ、行こうマスター。
[美貴と共に奥にある聖杯へ。
しかし、そこにある聖杯は想像していた物とは違い…黒く染まっていた。
解る、あれは呪いだ。
どのような願いにも形を変える無色の力たる聖杯が、呪いによって黒く染められている。]
ちっ…マスター。
令呪は残っているな?
[舌打ちをして横のマスターへと呼びかける。
キャスターの持つ魔法のひとつ…”解呪”
だが自分の魔力はもはや残っていない、あれほどの物を解呪するとなると宝具使用時の能力が必要だろう。
ならば、外部からのブーストに賭けるしかない。]
[キャスターに続いて進むと、目の前には空に感じたのと同じ禍々しさを撒き散らす存在。
キャスターの言葉に頷き、令呪に魔力を流し込む。]
新条美貴の名において、創世の魔術師ワイナミョイネンに命じます。
“貴方の全力を以ってその澱みを消し去りなさい”
[右手首に宿る回路が例外の魔力を生成し、パスで繋がる相手に流れ込ませる。]
[令呪により、キャスターの体に魔力が奔る。
全身を覆う微弱な輝きは、次第に右手へと集まり眩い輝きを放ち始めた]
それじゃいくか…。
『Wawa iankaikkinen ja aito - munanvalkuainen munanvalkuainen etta tulokset jotta kiroaminen colorlessness 』
[詩を紡ぎ、その輝く手を聖杯へと押し当てる。
ゆっくりと闇の様な漆黒から開闢の如く光を取り戻す聖杯。
だが、それも中ほどで変化が止まり始めた。]
【くそっ…足りねぇ…!】
……っ、もう一発だ!マスタァァァ!
[令呪を以ってしても尚足りない呪い。
“おかわり”を求めるサーヴァントに、苦笑いを返す。]
もう……、これが、最後だからね。
……“聖杯のよるべに従い、命ず。
この意、この理に従うならば、
――応えよ。我が力を、我が僕へ。”
[再び理外の力が美貴の中に宿り、そのままキャスターへと注ぎ込まれる。]
[最後の一画が消え去る。
同時に、自身の力も根こそぎ奪われて、その場に倒れこんだ。]
……おじぃ、ちゃん……。
あと、は……、まかせ、た……わよ、……。
[再び送られる魔力。
これで決めなければならない。
別に願いなどもはや関係ない、最後の令呪すら使った自分のマスターと己自身への意地でだ。]
『 taivas -lta haavoittaa siipeen untying aamu hehku -lta ankea ja aito - munanvalkuainen Wawa 』
[最後の詩が力強くキャスターの口より詠み上げられる。
それでもなお屈しない聖杯の呪い…だが、此方とて屈するわけには行かない。]
いい加減…飛びやがれぇぇぇ!!!!
[気合と共に、自分の魔力すべてを流し込む…その余波によって突風が巻き起こり、そして――。]
……終わった。
[倒れこむキャスターの前に、純白に輝く聖杯の姿があった。]
[朦朧とする意識の中、邪気を祓われた聖杯が姿を現す。]
これが、聖杯……。
[願うはただ一つ。]
宗冬様!宗冬様!宗冬様ッ!!
[最後の意識を振り絞り、目の前の願望機に願った。]
[横で必死で叫ぶマスターの声に叩き起こされる。]
【ハッ…必死だな。いいねぇそういうの。
そこまで思われればあのバーサーカーも幸せだろう。】
[最後の力を振り絞り、その場に座る。
見上げる先には聖杯…。]
じゃあ願うとするか…。
[ああ、願おう。
長年積もり積もった渇望する願いを。
そのとき、ふと思うは一人のサーヴァント。]
【そうだな、責任とってもらわなきゃな。】
"キャスターとアサシン…この2体のサーヴァントの願う形での受肉を。”
[ああ、責任を取ってもらおう。
俺に女を殺させた責任だ、一言謝ってもらわなければ気がすまない。
そして……人の願う平和への道をその目で見てもらおう。]
【ただの我侭だが…元から俺は我侭だからな。】
[そんなことを思って自重するキャスター。
そして…キャスターの体に変化が現れる。]
[体がむず痒い。
手足が伸び、髭が消える。
顔に刻まれた皺は姿を消し、肌に張りすら宿る。
そして…キャスターの姿は一人の青年に変わっていた。]
あー……感動とかよりも今は寝たいね。
[その変化をうれしく思うも、それすら上回る疲労感。
キャスターは仰向けにその場に倒れこんだ。]
は、はは。悔いることがないだって?
何も成さなかった。この世界に命を受けても、ガイアの死は回避出来なかった。
やはり俺達は、忌み子として生まれ、神に蹂躙されるだけの命だった。
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