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文学少女 セシリア に 1人が投票した。
見習い看護婦 ニーナ に 12人が投票した。
見習い看護婦 ニーナ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、文学少女 セシリア が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、流れ者 ギルバート、新米記者 ソフィー、のんだくれ ケネス、踊り子 キャロル、酒場の看板娘 ローズマリー、村長の娘 シャーロット、隠者 モーガン、異国人 マンジロー、医師 ヴィンセント、書生 ハーヴェイ、メイド セリア の 11 名。
【吊り・襲撃先宣言】
貴様らにはこれから地獄を味あわせてやろう・・・・・・
【5日目の犠牲者は、バーサーカーチームだ】
【吊り投票は、本日もセリア委任とする。宣言を頼む】
【襲撃対象はケネスとする。セット後狼リーダーへのセット完了報告をしておけ】
・・・・・・ バーサーカーがどうやって死ぬか、という想像が付かない部分もあるが、まあもがき苦しむが良い。
では、さらばだ雑魚共。
【吊り・襲撃先宣言終了】
【システムメッセージ】
[説明しよう!
現在セリアが搭乗しているのは、超ドカタロボ グレートショベラー52である。
様々な作業用車が52体も合体し、このロボットは完成するのだ!]
いっけーグレートショベラー!一瞬でこんな大断層も平地にしてやりなさい!!
というわけでランサーTさんご苦労様!
これからも楽しんでいってね★
○現在はdays5朝とします。
○6日目の吊り襲撃投票開始です。いつもどおりの手順でお願いします★
よ〜し、あとちょっとよグレートショベラー!
[ちなみにグレートショベラーの全長は55mである。斬撃皇帝が100mまでいってたから全然負けてるね!
まあ夜中でもこんなの動いてたら一般市民起きちゃうけどね!]
【システムメッセージ終了】
−days5朝・自宅・寝室−
[ベッドの中。目を閉じていた。寝た覚えはない。時間も飛んでいない]
眠れなかった、な。睡眠だけはちゃんととらないと、いざって時に困るのに。
[昨日の空が、脳裏から離れない。眠れない理由はそれだったが、それではダメなのだと頭ではわかっている。
目を閉じる。せめて、動かずに体力を持たせようと、朝の内は寝ていることを*決めた*]
― 西ブロック・マンション ―
早朝のひやりとした空気を感じ、僕は目を開ける。
……酷く、頭が痛い……
ぼんやりとした光りを感じるが、よく見えない。
おかしいな、目を開けている筈なのに……
どこだろう、ここは……
昨日は確か……確か……
……そうだ、変な女が声をかけてきて……
……頭が痛いな……
まるで何かに……締め付けられ……
痛い……
……がああぁぁァァアッ!!
[吼えるような声をあげながら、ケネスは滝田真の意識を押さえ込んだ。
必死に自分の中の魔力を練り、自身の意識をコントロールする。
急激に魔力を消費したせいか、体に強い反動が押し寄せる。
酷く気分が悪い。
ケネスは起き上がり、キッチンの流しに駆け込んだ。
嘔吐した後に蛇口を開く。]
……くそぉ……時間が、時間がねぇ……
[起きている時に、「滝田真」の意識が現れるのは初めての経験だった。
もし瞬時に魔力を練らなかったら、どうなっていたか解らない。
傷の治った皮膚から、徐々にかさぶたが剥離していくような感触。
ケネスは蛇口から流れる水を、血走った目で眺めていた。]
昨日は……昨日はどうしたっけ……?
[一時的に「滝田」が浮上したせいか、酷く混乱している。]
ああ、そうだ。
ソフィーと別れた後、大きな魔力の衝突があって……
そうだ…宗冬が戻ってきたんだったな。
[一応、宗冬から話は聞いているものの、目隠しの事も有り、正確な事態は把握できてはいない。
ただ、ランサーは消滅したらしい事は解っていた。
自身の記憶がまとまってきた事に、ケネスはホッと胸をなでおろす。
マルボロの箱に手を伸ばすと、曲がった煙草に火をつけた。]
[嗅ぎ慣れた臭いが煙と共に満ち、体の震えが治まる。]
どうすりゃあ、いいんだ……?
……そうだ、聖杯だ……聖杯戦争の続きだ……
ランサーは消えた、ならば次は沖田だ……
沖田をやれば聖杯戦争は元に戻る……
俺は生贄から争奪者に戻れる……
だが、勝てるのか?……他のサーヴァントから始末するべきなんだろうか……
[ケネスは思考をめぐらせながら、漂い消えていく煙を*見つめていた。*]
[起きあがる。眠れなかったことに代わりはないが、「横になった」ということだけで、随分と体力は戻っている]
シャルロットに、美貴さんとバーサーカーのことは話しておいた方がいいだろうな。
……昨日、ケネスさんは無事だっただろうか。
[商店街の方へと向かっていた気がしたが、その後姿を見ていない。公園にいなければ平気だったろう、と思い直し、リビングへと歩く]
[少し、頭痛がしていた。眠れなかった生だろうか、と思い、額に手を当て、体内の血液循環を調整する]
……治らない、か。
[ただの頭痛であれば治っているはずだった。その内に痛みが引くだろうか、と頭痛を治すことを諦め、位牌の所へと顔を出す]
[黙祷と共に祈り]
お爺様には、聖杯戦争に参加する何か理由があったのでしょうか。
ただ、魔術師としてのつとめだったから、聖杯戦争への参加を勧めたのでしょうか。
願い、とは……。
[シャルロットと話さなければ、と顔を上げる。ふと。彼女の願いは、なんなのだろう、と初めて思った]
―ソフィーの屋敷・朝―
[昨夜は一頻りキャスターと会話をした後、マスターからの魔力供給の流れを追いかけて公園の近くまで走った。
そして丁度公園へ向かって歩いてきたソフィーを、兎に角安全な場所に移動させるべく屋敷に連れ帰った。
……公園には、激しい魔力がぶつかり合った痕跡が色濃く残留しており、魔術師に悪影響があるのでは、そう考えたためマスターを中に入れるわけにはいかない、と感じたからだった。]
……気分はどうかしら。
[屋敷についてもソフィーは気分が優れない様子だったため、昨夜は何も話す事無く、すぐにマスターは寝室へと入っていったのだった。
朝になったら、元気になって居るだろうと思い、リビングへと向かった。]
[リビングへとやってきたシャルロットに気付く]
おはようございます、シャルロット。昨日は、心配をかけたようですね。
話があるのですが、朝食でも取りながらにしましょうか。
といっても、パンくらいしかありませんが。
ごきげんよう、マスター。
……朝食、たまには食べてみるのも、よいかもしれませんわね。
[ソフィーに促されて椅子に座る。香ばしい焼きたてのパンは、生前好きだったものだ。]
まずは、マスターのお話を伺いましょう。
私からも報告などがありますし。
[結局、バーサーカーの所へは、マスター1人で行かせてしまったため、顛末も気になっていた。
もっとも目の前に居るマスターの様子から、その場でバーサーカーが暴れて大変なことになった訳ではない事だけは見て取れた。]
[焼いたパンと、サラダを準備し、テーブルへと着く。パンを一掛け口に運んでから、昨日のことを話し始めた]
ケネスさんがお一人でしたので、話し合いそのものは問題なく終わりました。
少し、あっさりと了承されたので、戸惑いましたが、何か思惑があったのだと思います。
それから、バーサーカーはおりませんでした。
ケネスさんの話によれば、その、バーサーカーと美貴さんが、懇意にしてらした、と。
美貴さんを襲えと言えば、自分がやられてしまいそうなほどだったと仰っていました。
確かに、気が合いそうなお二人ではあります。
[パンを手に取り、その温かさを楽しむように千切って口に入れる。
紅茶を2人分淹れ、飲みながら話を聞いていた。]
そうですか、あっさりと……。
バーサーカーたちも、恐らく事態が変わったのかもしれませんわね。
バーサーカーと美貴さんが親しくても、私は昨日ヴァイナさんとずっと一緒に居ましたので、キャスターとバーサーカーが別に同盟を組んでいるという可能性は、排除してもいいのかもしれませんわ。
[ソフィーの話に、そう相槌を打った。]
同盟を組んでいる、という風には見えなかったのですが、ただ、美貴さんはキャスターのマスターですから、シャルロットの耳には入れておいた方がいい、と判断しました。
ああ。たしか、「愛を育む」とお二人は言ってたそうです。
下手をすると、同盟より手強いのかもしれません。
それから、ケネスさんも沖田敬一郎のことは知っていたようです。ランサーのマスターから聞いたと言っていました。ランサーと沖田敬一郎が手を組んでいるとも。
シャルロット、昨日のあの戦いは、ランサーとセイバーのものですか?
愛を……。
[聖杯戦争中に、敵同士、しかもサーヴァントと人間が愛を。
予想外の言葉に、軽く思考が止まった。]
そうですね、私からマスターへの報告事項も話しますわね。
まず、ランサーの真名は「ラーマ」。
世界の滅亡を願う力の助けとなるべく、召還された、と言っていました。沖田敬一郎の願い、マスターが聞いてきたそれも、同じこと……
手を組んで同じ願いを果たさん、としたのは事実と考えて良さそうですわ。
そして、沖田敬一郎……
マスター。彼は第8騎目のサーヴァント・セイバー。
昨日の戦いは、沖田敬一郎とランサーとの、ぶつかり合い。
そして、ランサー、ラーマは消えました。
ランサーが、倒された……。
[昨日、墓場で会った彼のことを思いだしていた]
……求めるものが、二人で変わったのでしょうか。
それでランサーのマスターは?
あれだけの被害でしたから、ひょっとたら殺されてしまったのかもしれませんが。
保護されたとしたなら、あの教会でしょうか。
[紅茶を口に含む。又お茶をといっていた沖田敬一郎。それは本心なのだろう。そして人類を滅ぼすというのも本心であるのかもしない。
少なくとも、そのことを「正しい」と信じてやっているように見えた]
[それでも、そのことを受け入れるつもりにはなれない。地球の望みだとしても]
シャルロット、それとは別にお聞きしたいことがあるのです。
私には願いが何かわからなかった。だから、といえばいいわけにしかなりませんが、大切なことを聞くのを忘れていました。
あなたの、聖杯にかける願いとは、なんなのでしょう。
[まっすぐ、シャルロットを見つめた]
正確には……ランサーがあの流星のような攻撃を放った時。
既に、消滅間際だった様子でした。
バーサーカーのマスターがランサーのマスターから、ランサーと沖田敬一郎の同盟話を聞いているというのが、まず不可解な事ですわね。
私は公園の戦闘を、現場で見ていた訳ではないのです。ランサーのマスターの顛末は、判りません。
……所で、マスターは、ランサーのマスターと面識がありますか?
[ライダーを倒した時、ランサーのマスターは身体を張って止めようとしていた。
己のサーヴァントを。]
[やっと、己のマスターの口から出た言葉。
聖杯に何を願うのか。
共に戦うようになって、初めて、それが、己のマスターの口から出た事に、胸の奥がチリリと寂しさで痛んだ。]
お答えしましょう。
私は、世界を真の平和へと導くため、この世界と契約を結んだのですわ。
[それは、生前命まで投げ出して焦がれ、手に入れられなかった、真の"英雄"への道を乞うことに他ならない。]
ランサーのマスターの事は存じているわけではありません。ライダーとの戦闘の時に、見かけたくらいです。
ただ、彼女は久仁彦さん、つまりライダーのマスターのことを知っていたように思いました。
少しばかり、彼のことを聞いてみたかったのもあります。
[シャルロットの願いを聞き、目を伏せた]
真の平和、とは、どういうものを指すのでしょうね。
この「平和」と言われる日本ですら、危険は至る所に潜んでいる。
シャルロットの願いを否定しているわけではないのです。
貴女は貴女の願いを英霊となって叶えようとしている。それは信念の強さを表すのでしょう。
ただ、「平和」とというものは個人によって捉え方が違うような気がします。
シャルロットが、本当に願いたいことは、本当にそのことなのですか?
マスター、貴女まで私の行いを認めてはくれないのですか。
[自分の願いに疑問符を打たれ、シャルロットは初めて、声を震わせて怒った。静かな怒りが震える声音に現れる]
それでは問いましょう。
あなたの考える"平和"とは、どういったものなのですか?
私の認識と、同じかどうか、まずはそれを知ってからですわ。
貴女の行いを認めていないわけではありません。
貴女が命を賭して行ったことは、当時のことと、貴女の立場を思えば極当然のことであったと思います。
そして、その時代にいない私は、そのことに対して認める認めないを言える立場にはないと思います。
そうではなくて、聖杯に願うときに聖杯は「真の平和」をどのように捉えるのか、と疑問に思ったのです。
真の平和とは、どのようなことなのでしょうね。
万人が健やかに、幸せである世界、争いなど無く、心穏やかに過ごせる日々。
隣人を敬い愛せるような、そんな世界のことだと思います。
けれど、「幸せ」の形は人によって違う。
「平和」というものは、そこにある人々が皆同じ願いを持たなければ、存続することが難しいように思います。
―朝・自宅―
[目を覚ます。]
宗冬様……。
[目を閉じて、昨夜の出来事を思い返す。
巨大な魔力のぶつかり合いから、手押し車を巧みに操り、またはその身を盾にして美貴を守ってくれた宗冬の雄姿。
その後現れた露葉のヒモを、その根性を叩き直すかのように容赦なく打ち据えるも、決して刃は向けず峰で打ち続ける懐の深さ。
居酒屋からの帰路、酔った美貴を愛用の手押し車で家まで送ってくれるという、英国紳士も裸足で逃げ出す侍魂。
その後のことは、よく覚えていない。]
マスターは、私を召還した時から、サーヴァントがこんな無名な女であった事を、ずっと本当は不満に感じてきたのでは……ありませんか?
[自分の願いに疑問符を投げかけ続ける目の前の"マスター"。
自分がサーヴァントとしてここにある、その全てを否定されたかのような心地がして、手すらもわなわなと小刻みに震える。]
つまり、マスターはこういいたいのですね?
「平和なんて実現する筈が無い。何故なら全ての人がみな、同じ状態を幸せと感じる訳が無いから。」
確かに私が生きたフランスでは、民の立場でその理想が異なったため、争いが起きましたわ。でも、だからこそ、私は私の信じる平和を求めた。フランスを混乱に陥れる存在に天誅を与える。
神の御心に沿い正しき道を求む。
それこそが、私の求める平和。人々を救う道。
それは、全てが共存し得る"理想郷"なのですわ。
[そこまで一気に興奮してまくしたてると、すっと息を吐いて静かに言い添えた。]
……マスターは、私が話した「願いたい事」が、本当なのかと先ほど、私の言葉を、疑いましたわね?
貴女を呼びだしたことを、不満に感じるはずがないでしょう。
でなければ、私は貴女に自分の命を預けない。
私は貴女を信頼するといいました。その言葉に嘘はありません。
願いにしてもそうです。
ただ、その言葉の裏に、何かあるのではないか、と思ったのです。
真の平和が、叶えられるものかどうか、それはわかりません。
今までの歴史を紐解いてみても、永久に続く平和はなかった。
叶えられるものであれば、そうある世界が望ましい、と思います。
シャルロット、貴女は私に自分への不満があるのではと聞きました。
貴女も、私に対し不満や不安があるのではないですか?
私は、このように気もきかず、感情もなく、貴女の怒りすら実感として感じることが出来ません。
貴女は英霊ですが、私よりも充分人間らしい、と思います。
……貴女が私に対し不安を抱くことは仕方ないでしょう。
だからこそ、私と貴女にはもっと話し合うことが大事なのでは、と思います。
自分の言葉が足りないことも、貴女のことを思いやる事が出来ていないことも、わかっているのです。
ですが、今の私にはどうすればいいのか、それがわからない。
[頭を抑える。頭痛が先程よりも激しく、考えることを邪魔しているように思えた]
私の言葉の裏を勘ぐる。
それが、"信用していない"何よりの証拠なのではないのですか、マスター。
[悲しげな瞳で、凡そソフィーには理解できない、剥き出しの感情をもって、目の前のマスターを見た。]
不可能すら可能になる。
それが"聖杯"ではないのですか?
今まで実現し得なかった事すら叶えられる。
だから、こんな血みどろの殺し合いを起こしてまで、求められるものなんじゃないんですか?
この戦争に参加しているマスターもサーヴァントも、人の手で叶えられない願いを叶えるため、この戦いで命をかけているのですわ。
そんなもの叶う訳が無い、と切り捨てるのであれば聖杯など要らない。
実現し得ないものを願って仕方が無いというのは、余りにもこの聖杯戦争に対して、矛盾があり過ぎる発言ではないんですか?
何故、命がけで、数人が聖杯を奪い合うのか、マスターには理解出来ませんか?
[不満があるのかと聞かれたが、今ぶつけている言葉こそが、マスターに対して感じた気持ちだった。]
だから、私は英霊になって願うのです。
人の手では叶えられない平和を、聖杯に願うのです。
悪しき力の干渉を受けた聖杯を、正しく導くために……!
[興奮して一頻りまくし立てると、目の前のマスターは頭を抑えて具合悪そうにしている。
感情が欠落している
その事を思い出し、ふと、我に返った。]
ごめんなさい。少し、感情的になりすぎました……。
裏を勘ぐる、ということではありません。
シャルロット、落ち着いてください。
真の平和を願う、それが貴女の願いであることはわかりました。ただ、その中に貴女個人の願いも含有しているのではないか、と思っただけです。
言葉通りに受け取ることが、信用しているというわけではありません。
私は、貴女を理解したくてそう聞いただけ。
……ハ、ハァ。
[片手で押さえていた頭を、両手で抱えるように包む。血流ではなく、魔術回路が脈打っているのがわかる]
……そう、ですね。願いのない私には、「聖杯戦争」がどのようなものなのか頭で理解していても、心で、理解することは、出来ないのでしょう……。
[やっとの思いで口にすると、両手で頭を抑えたまま、その場に*崩れ落ちた*]
−教会・朝−
[昨晩の戦闘で消耗した体力を回復するために自身に魔術を掛けて睡眠を取った。
失った魔力はある程度の回復を見たが]
くっ。
[昨晩の”トリシューラ”迎撃で負った右腕の火傷はまだ回復しきっていなかった。
事実、あそこでアーチャーとさらに戦う事になっていたら左腕のみでの戦闘になっていた所だ。現時点で動くほどの回復を見せただけでも収穫と言える]
だが、このままでは・・・・・・
[残るサーヴァントは自分を除いて4体。そのうちバーサーカーは警戒する必要が無いが、いまだにその能力を全く知らないアサシン、遠距離からの連続放火が可能なアーチャー、そしてアンリ・マユの記憶を参考にすれば実力だけでいけば今回の本命格であるキャスター。ここから連戦はかなり厳しい]
言葉を相手に伝えて、それの裏を勘ぐられ、どうして信用や理解を得られましょう?
私の願いは初めから、私個人の願いなのですわ。
私はランサーとは違う。
私は私が信ずる平和を実現するために、この身を賭すことこそが、自分の使命だと思っているのですもの。
つまり、理想の平和を叶えたいというのは私個人の願い。
[突然、マスターの様子が変貌する。
がっくりと倒れこんだソフィーを慌てて抱きとめ、寝室へと*運ぶ*]
[あれからマリアと別れたキャスターは公園へと足を向けた。
ぶつかり合った魔力の痕跡。
これでもかと言うほど荒れた地面。
だが、そこにはもう誰も居なかった。]
この地面…ヤツと見て間違いないな
[ランサーのマスターの事は気になるが、探しても見付かる当てはない。
それに、ランサーを失ったヤツにとっては利用価値も無ければ殺す価値も無いだろう。
どちらにせよヤツが勝てば世界は滅亡だ、戦力に成り得ない者が生き残っていても何の問題も無い。]
…いったん戻るか
[そう呟き、キャスターは家へと戻った。
美貴の姿は無かったが、怒る気にもなれなかったのでスルー。
今から探しに行くのも面倒だし、魔力の供給はあるから無事なんだろう。
なにか危機が迫れば自分にも分かるだろうし、令呪ぐらい使うだろうと呆れながら諦める。
そのまま自室に戻り睡眠をとる事にした。
翌日起きると、美貴の気配を感じた…が。
酒のにおいと共に、部屋から
ウフフアハハ…○○様…。
などと訳の分からない声が聞こえて来たので声をかけずに外へ出る。
というか、そんな状態のボケに絡む元気は無い。
戦力どころか足手まとい確実なので好きにさせておくのがベストだろうともはや悟りに近い結論に至った。]
−『魔女の館』・朝−
[開店したばかりの店内。
露葉はネトルとオレンジフラワーのマフィンにショウガジャムを塗り、
セージとルッコラのチーズサラダをつくり、
ローズマリーとローズヒップ、ベルベーヌの茶を入れて
リチャードに差し出す。]
……だから、わたしをおいていくなんてひどいと思わない?
こっちは彼のせいで魔力が尽きかけてて
立ち上がるのもつらかったのよ。
それなのに無駄に宝具だすし。
確かにあそこでランサーに見せたい気持ちは
なんとなく……わからないわけではないけど。
だからこそわたしだっていやなの我慢してたけど。
[拒絶も気絶もしないように昨日握り続けていた手のひらに残る爪の跡をなぞる。]
だからって最後においていくのって最低よね?
何とか追いかけていったらあなた気絶して倒れてるし。
おいて帰ろうかと思ったけど公共の迷惑になりそうだったから
しょうがなくタクシーを呼んでつれて帰ってあげたんだから。
あなたを店の中まで運んでもらうのだって大変だったのよ。
ちょっと、聞いてる?
気絶するならもっと人の邪魔にならないところでしてちょうだい。
[デザートのブラックベリーとセントジョーンズワートとジュニパーベリーのパウンドケーキも差し出した。]
‐川原→魔女の館‐
[家を出た後、川原辺りを見ながら歩いていたキャスターだったが、
特に何も無い事を確認すると足を別の行き先へと向けた。
目的は昨日マリアとの会話中に聞いた"魔女の館"。
あのボケが死んでいない所とマリアの話を聞くと突然襲ってくるような相手ではない様だし、真正面から堂々と行く事にした。]
…ココみたいだな。
[店の名前を見て、目的地に着いたこと確認すると、扉を開けた。]
うむむ…。
[脂汗。
昨日は宗冬のおかげで気絶したままだった。
本格的な治療を施し始めたのは目覚めてから。
しかも、二階に運べなかったからかなんだか分からないが、目覚めると自分は店の床に寝かされていた。
身体の節々が痛む。
あのまま飲みに行かされずに済んだのは、助かった。
助かったが、この小言を言われる役は勘弁して欲しい。
何度も言うようだが、戦ったのも置いていったのも僕じゃないわけ。
と言いたいのだが、感謝の念もなくはないので、黙っていた。]
…。
[代わりに、そっとケーキに手を伸ばす。
僕を癒してくれるのは、こいつだけだ…。]
[木の鈴がからんと音を立てる。]
いらっしゃいませ〜。
[リチャードに向けていた顔はすぐに影を潜め、
入ってきた人に向けて笑みを浮かべる。]
……。
[この店に老人がはいってくるのは珍しい。
何しろ扱っているものがものなのでなかなか認めてもらえないのだ。]
お一人様ですか?
[店主らしい女性に声をかけられる。
ここが拠点…というからには彼女がマスターと考えていいだろう。
それに目の前にいる男もチラリと見た覚えがある…公園でランサーに向かって銃を撃っていた男だ。
あの時とどうも感じが違うが、アーチャーで間違いは無いだろう。]
んー…確かに一人だな。
マスターは連れて来ていないし。
[マスターをつれてくるという言葉と
昨日聞いたキャスターはおじいさんだという情報が頭の中でかみ合う。]
……ではあなたが
美貴さんのところの居候のキャスターですね。
お店の中での戦いはご遠慮いただきたいんですけど……。
お話をなさりにいらっしゃったのでしたら
よろしければこちらに座ってください。
[ヒース、リコリス、ローズピンク、マルベリー、カモミールをポットに入れ、熱湯を注ぐ。
かおりが立ち上ってからカップに入れ、
洋ナシのコンポートを添えてカウンターにおいた。]
お嫌いでなければ、こちらもどうぞ。
ん、客か。
[脂汗を垂らした男が店にいてはまずいだろう。
そっと退散しようとする。
が、ちょっと妙な雰囲気が感じられる気がしないでもない。]
ん…?
なんだろう。
ま、いいか…。
[それでも、これ以上店にいてまた小言を言われてはたまらない。
カップと皿を持ったまま、退散しようとし、
しかしそこで「マスター」という言葉が聞こえた。]
ん、あっ、ちょ、あう、っと、サーヴァントか!
ああ、そこまで知ってるなら話は早いね。
心配しないで欲しい、戦う気は全然無いよ。
今日は話と…まぁお礼をしに来ただけだから。
……仕掛けられたら話は別になるけど。
[そう言いながら、キャスターはカウンターへと腰掛けた。]
そりゃ美人に煎れてもらったお茶を嫌いだなんていう奴はいないさ。
[キャスターはそう言って笑うとお茶を口にした]
ん、確かにいい店だ。
あのボケマスターの言う事もたまには正しいってことだな。
っておい、アーチャーだろアンタ。
敵の前にマスター残してどっかいっちゃだめだろ。
[ガトリングならけんかを売っていただろうから
今ここにいるのがリチャードのほうでよかったとほっとする。]
キャスターは口がうまいのですね。
おだてても何も出せませんよ?
でもありがとうございます。
[笑みを浮かべて褒め言葉に礼を言う。
それからリチャードのほうを向く。]
ほら、リチャード。
キャスターだって置いていくのが悪いって言ってるでしょう。
今度から気をつけてね。
[賛同者が現れたので強気になっていた。]
ん…まぁ、その通りだな。
はっはっは。
[この人がキャスターなのか。
正直、気付いていなかった。
だが、戦う気がないのなら、ありがたい。
こちらが仕掛ける?
何を馬鹿な!
戦闘になったら逃げるぞ!僕は!
しかし、なんだ。
うちのマスターは、美人というカテゴリになるんだなぁ。
単なるお世辞かもしれないが。
そのキャスターらしき男と二つ席を空けて座る。
警戒するに越したことはない。
…ま、いざ戦闘となれば、今の状態では逃げられる気すらしないが、話が聞けるなら、損にはなるまい。
腹を括ろう。]
いや、俺は別に素直な感想をいっただけだよ。
…なんかアレだなー…こないだ見かけた時と全然印象が違うな。
狂化でももってるのか?アーチャーなのに。
[そう言ってカップを置く]
こういう空気も嫌いじゃないが、とりあえず本題に入ろう。
まず始めに聞きたいのは…ランサーのマスターがココへ尋ねてこなかったか?
[それは「夢」だった]
[「彼」がゆっくりと手招きをする。手に持った一枚の絵。駆け寄ると、それは女性の絵だった]
「綺麗な人だろう? これはレプリカだけどね、パパがずっと探していたものなんだ」
パ、パ……。
[自分はまだ幼かった。思うように言葉を発せず、「彼」の腕に体重をかけて、その絵を覗き込んだ]
「ソフィーも気に入ったのかい? じゃあ、そのうち本物が手に入ったら、これはソフィーにあげようね」
ほんとう?
「パパ、だいすき」
[意識が、「自分」から離れるのがわかった。離れる瞬間、「幼い自分」の感情が少しだけ流れ込んできた。
それがどんなものであるのか、言葉になど出来ない。ただ、自然と、笑顔がこみ上げてくるような――]
ランサーのマスター?
久子さんは、ここにはいらしてないけど……。
昨日、商店街でお会いしました。
いろいろと情報を教えていただきましたわ。
あー、やはり会ったのか。
と言うことは…八騎目のサーヴァントやふざけた願いも知っていると思っていいかな?
俺から彼女に教えた情報も全て伝わっているとしたら、まぁ手間が省けて楽なんだけど。
[目を覚ました。割れるような痛みだった頭痛は治っていた]
今のは、夢?
……ここは。
[ベッドにいる自分に驚く。先ほどはリビングにいたはずだった。憶えているのは、シャルロットと言い争ったことと、頭痛がどんどんと激しくなっていったこと]
やはり。私が聖杯戦争に出ることが、間違いだったのかもしれない。
[呟く。それでも、ここでやめてしまうわけにはいかなかった。何より、シャルロットへの裏切りになる。それだけは避けたかった]
沖田敬一郎が己のサーヴァントを吸収したことと
人類の滅亡のこと、ですね。
わたしにはどこまでが彼女の持ってた情報で
どこからがあなたからの情報かはわかりませんけど。
[他になにかあったかなと考え込んだ。]
今日か…?
なんか、よく分からないけど、まぁ。
それは単に、二人いるからだ。
この、
[自分の身体を指差す。]
一つの体にね。
隠してもすぐ分かることだろうから、言ってしまうけど、あなたが見たのは、もう一人の方だろう。
…いつ、見られたのかな。
「彼」が…もう一人の方がしっかり認識してくれないと、記憶として残らないから、僕にも分からない。
…思い当たるのは、初めてランサーと戦った時か。
あの時撤退していったサーヴァントの中に、あなたはいた?
ランサーのマスターには、もう一人の方も昨日会った。
…ランサーと戦う時にね。
ランサーとも沖田敬一郎なる人物とも対立しているようだったな。
彼女はまだ、生きているはずだ。
…ランサーはもう、いないけどね。
その沖田敬一郎についての話は、僕も聞いた。
その願いも知っている。
まぁ、この身体の中にいるもう一人の方は、その話自体には、特に興味がないようだったけどね。
[夢の内容を思いだす。既におぼろげになっていたが、もう一度思い出そうとしたことで徐々に思い出してきた]
……あれは、シャルロットの絵だった気がする。
お父様は、やはりシャルロットのことを知ってたんだ。
それに。
[最後に感じたもの。それは確かに「感情」というものではなかったのか。それがなんという気持ちであるのかはわからなかったけれど、懐かしく感じるものだった]
絵を探してみよう。遺品なら、地下にあるはず。それに、それが触媒だったのかもしれない。
[ベッドから起き出して、地下へと向かった]
ああ、俺はヤツの名前までは知らなかったが…大きいものはその二つだな。
あとはランサーが自分のマスターから離れヤツの方に付いた事…は当然聞いているだろうな。
昨日の様子じゃそっちの方はもう意味が無い情報だと思うけど。
[昨日の様子を思い浮かべる。
あの様子じゃランサーの消滅は確実だろう…散る時、アイツは一体何を思ったのだろうかと考える。]
なんだ、狂化もしらないのか。
バーサーカーのクラスの固有スキルみたいなもんでな。
簡単に言えば、戦闘時に軽く理性が吹っ飛ぶ代わりに戦闘能力が上がるんだよ。
[呆れた様子でアーチャーに説明をする。
が、その後に続く言葉に納得したように頷く。]
…なるほど、戦闘担当の人格が別に形成されているというわけか。
そりゃ確かに印象も違うわな。
その通り、あの時お前が攻撃してくれた隙に退かせてもらったよ。
そういう意味でも、お礼を言わなきゃいけないかもなー。
― 西ブロック・マンション ―
[ケネスはうっすらと目を覚ます。
早朝に色々あった事で、疲れていたのか、どうもうたた寝をしていたらしい。
部屋を見回すと、宗冬の姿が無かった。]
……あいつ、また勝手にどっか行きやがったのか……
[わずかに嘆息し、沈黙に満ちた部屋の中で、しばし宗冬を待ってみる。
しかし、今のケネスには、どうにもそれが耐え切れなかった。]
いざとなりゃ令呪もあるか……
[そうつぶやくとコートを取り、教会のある場所へと*向かう事にした。*]
ランサーのマスターがランサーや沖田敬一郎と対立している風だったのはそれでだったんだろうな…。
[ランサーが「彼」に対しその実力を発揮できなかったのは、マスターによる制約があったのかもしれない。]
僕の記憶には、ランサーの笑った顔が強く残っている。
僕には理解出来ないことだけど、もう一人の方はそれをどう思うかはともかく、納得しているようだったな。
狂化、か。
「彼」は確かに戦闘中は、ひどく楽しそうだけどね。
だから「彼」は、逃げたサーヴァントに対してひどく怒っていたよ。
ってことで分かってもらえるかもしれないけど、別に最初から戦闘担当、それ以外担当とかっていう風に分かれているわけでもない。
僕が人として生きていた頃から僕の身体の中に「彼」はいたしね。
性格と特性の問題なんだと思うな。
なるほどねぇ…なんつーか面倒なサーヴァントだな。
こういう日常生活で、突然好戦的な人格になられたらマスターもたまったもんじゃないだろ。
…っていうか、そんな風に色々しゃべっていいのか?
ココで戦うつもりはないが、外でなら当然敵同士だぞ。
[自分がそんな事を心配するなんて何かおかしいが…まぁ一応聞いておこう。]
[キャスターの言葉に苦労しているのだと無言で頷く。
そして続く言葉に首をかしげ。]
この人がしゃべりたいならいいと思うわ。
戦うときにはしゃべっちゃったことや
聞いたことなんて、この人関係ないみたいだもの。
わたしが何か言ったところで聞かないんですよ。
[あっさりとした反応を返した。]
[突然鳴る鈴の音。]
あら、柳生さん、いらっしゃいませ。
何かお飲みになりますか?
[笑顔で迎えてからリチャードのほうを向く。]
ちょっと、リチャード、柳生さんとなにかあったの?
あぁ、そうだなぁ。
[キャスターの言葉に頷く。]
でも、まぁ、僕が今話していることは、聞かれても困りはしないから話していることではあるからね。
僕が全く戦えないわけじゃないし、
[っていうは嘘だけど、]
もう一人の自分がいるってことを説明しておかないと、あなたは警戒を続けなければいけないはずだ。
もう一人の方の好戦的な姿だけをその脳裏に焼き付けたままじゃあ、満足に話せもしないかもしれない。
「彼」はどうでもいいと思っているようだったけど、僕にとってはこれまでに得られた情報ってのは、あまりに常識外でね。
聞ける話は、聞いておきたいんだよね。
って。
[宗冬。
なんだか緊張感が飛んでしまった気がする。]
[あーやっぱ苦労してるんだな…と、相手が頷く様子と言葉に同情する。
…このマスターに召喚されてれば、自分もこの人も平和だったのかもなーと思ったり。]
さて、それじゃ話も伝わっていたみたいだし俺は出て行くとするか。
っと…そうそう、お礼を言うのを忘れてた。
ウチのマスターがのこのこ一人で来た時、殺さないでくれてありがとうな。
あのボケ、ここが敵のサーヴァントの拠点だと知らずに来ていたらしい。
…そもそも令呪の反応すら忘れてたくらいだからな。
[溜息を吐きながら言葉を続ける。]
後腐れなく、なにかお礼をしたいんだが…。
治療や解呪の魔術・魔法ならある程度は使えるが、必要あるか…ってなんだ!?
[突然の乱入者…それもサーヴァントに驚き距離を取る、がアーチャーのマスターの落ち着いた様子に首を傾げた。]
調子、良くはないよね。
普通はね。
あっはっは。
[ヤケクソで笑う。]
いや、昨日、公園を出たところで遭遇して、えらい殴られてね…。
[そのまま殺されなかっただけ、良かったとは思うが…。]
すみません。
ここはハーブ専門なので……。
コーヒーはこれしかないんですけど。
[タンポポコーヒーを入れて差し出した。]
お店で揉め事を起こすつもりはありませんから。
お礼を言われるようなことではありません。
わたし、美貴さんもタロちゃんも好きですから。
でも、治療……もしできたら、
リチャードを治る少し手前まで治してくださいます?
そうするとわたしが楽になるので。
……敵同士だから無理でしょうか。
[そっと目を伏せる。]
いやいや、昨日のことであるが、戦いが終わりアーチャー殿が倒れられたので、応急処置をしたでな。
しかし、やんごとなき用があったため、応急処置しか出来なかったので、心配になり来てみた次第でござる。
…あーもう、何がなんだか分からん!
[キャスターの出した結論"開き直る"。
とりあえず座りなおす事にした。]
あ、お茶もう一杯貰える?
御代はアーチャーの治療ってことで。
あ。
[自分が弱っていることは隠しておけるものなら隠しておこうと思っていたのだが、調子悪いとか言ってしまった気がする。
…まぁ、とっくにバレていたようだったが。
そりゃ、そうだよな。]
…。
おほん。
[わざとらしい咳。
少し冷めた茶を、ずずっと啜る。
ケーキを少し、口に入れた。]
はい、同じものでよろしいですね。
[キャスターの分のお茶を注ぐ。]
……そういえば、柳生さん、
美貴さんとはあのあとどうなったんですか?
[昨日のカフェでの美貴の奇行と状態を思い出して尋ねてみた。]
[なんかもう、空気がおかしい。
正直、バーサーカーは例の件で好きじゃないのだが…ここで戦うのも迷惑がかかる。
女性に迷惑がかかるのはキャスターとしても嫌だし、
そもそもマリアから停戦協定の話がどうなったかの話を聞いていない。
…というか、なんかそういうことをする空気じゃない?]
あー、ありがとう。
…てかなんで回復一歩手前?
[疑問を口にしながらお茶を口に含む…が、その後の言葉に吹き出しそうになって咳き込む。]
ちょ…なんだアレか、うちのマスター居ないと思ったら…バーサーカーと一緒にいたのか!?
すみません。
わたしとしたことが無粋なことを聞いてしまいましたわね。
[柳生に頭を下げる。
そしてキャスターの言葉に。]
……完全に治したら
リチャードの存在意義がなくなるじゃないですか。
[にっこり微笑んだ。
それからキャスターがむせたのを見て、
3人の前に蓬のシャーベットを置く。]
よろしければお召し上がりください。
[そしてさらに鳴る鈴の音。]
美貴さん、いらっしゃいませ。
[一応言ったもののすでに美貴には聞こえていないような気がする。
そっと、柳生に出したのと同じタンポポコーヒーと蓬のシャーベットを美貴の前においた。]
柳生さんがお召し上がりになってるのと同じものですから。
美貴さんもどうぞ。
[えぇい、もうヤケクソだ。]
僕より、もう一人の方が存在が強くてね。
怪我が完治し状態が充実すれば表層人格がそちらになる。
そうしたら、この場で戦闘になってしまうかもしれないから、それは困るって話でね。
「彼」は好戦的だから。
はぁー…。
[重く溜息を吐く。
と、そこに、もう一人の客が飛び込んでくる。]
あ、ん、え?
何これ?
[完全に、理解の範疇の外。]
あ、どうもありが…。
[シャーベットのお礼をそこまで言いかけて、頭痛を覚える。
頭痛と言うか、もうあのボケをシバき回した方がいいんだろうか。
あー、なんかもうヤツ倒す前にマスター倒した方が色々楽かもしれないなー。]
………とりあえず、アーチャーの怪我治すか。
[自己封印・現実逃避(モウ・ドウニデモナーレ)発動。]
美貴殿、食べるでござるよ。
それがしはキャスター殿にご挨拶してくるでござる。
[そして宗冬はキャスターの前に正座をし、礼儀を正す。]
お初にかかるでござる。それがし柳生宗冬と申すもの。
生前は柳生新陰流の当主などをやっておりました。
美貴殿とは、此度の戦が終わりましたら、一緒になろうと誓いあった仲でございまする。
つきましてキャスター殿には、仲人をお願いしたいのでござる。
[逃避した現実が向こうからやってきやがった。
なんだこれ、逃げられないのか?
しかし回り込まれた!とかそういうことか。]
あー…なんか色々言いたい事はあるんだがな。
[うん、あるんだ。
どうやってサーヴァント2匹で残るんだ…とか。
あ、あのボケが願えば出来るのか?
てかそもそも俺結婚してないって、彼女すらできた事ないって。嫌味かソレ?
まぁなんでもいいんだけどさ…てか逃げたい、現実から。]
…とりあえずヤツ倒さなきゃそんな未来もないんだけどな。
まーなんだ、もう好きにしてくれ、頭痛い…。
おぉ受けてくださるか!!
この宗冬、美貴殿を幸せにすることでこのご恩を返させて頂き申す。
しかし、その我らの祝福されるべき未来の障害となる「ヤツ」とは一体!!
[地下を探る。両親の遺品は、祖父が管理していたはずだった。その場所は教えてくれなかったし、自分も聞こうとしなかった]
でも、この辺りは本を読むときに全部見ていったはず。
じゃあ、何処に?
[「アトリエ」内を見回す。大きな書棚と、机一式、魔術に使うための道具などが入っている戸棚、そして床に描かれた魔方陣。呼び出すときに、それが触媒として機能したのならば、近くにあるはずだった]
あ、こういうの、修羅場って言うんだよね。
はっはっは。
[目の前の光景はひとまず無視し、自分の身体に神経を向ける。
何もしなくても傷が治っていく。
楽だ。
…とりあえず、ここに宗冬のマスターが来ないことを祈る。]
この場合、僕とキャスターの反応が普通だと思うんだ。
だよね?
あー、もうそんなんでよければ幸せにでも何でもしてくれ…。
[手をヒラヒラさせて勘弁してくれという意思表示。
気を紛らわす為にやっていたアーチャーの治療も終わってしまった…さてどうしよう。
いや、そもそも魔法クラスの治療を片手間にやる方がおかしいのだが。
……うん、話題逸らすか。]
ってかお前バーサーカーだろ?
ヤツ…つまり沖田とかいう奴の話聞いてないのか?
あ、どうも。
[新しく注がれたお茶に対してお礼を言う。]
あー、ヤツの望みは世界の破滅だからな。
そんな事になったら、結婚どころじゃないだろ。
[めんどくさそうに説明しながらお茶を口にする。
…癒されるなぁ。]
…なぁアーチャー、俺らが普通だよな?
自信なくなってくるんだけど。
[「彼」のことを思い浮かべる。
ランサーの姿。
沖田敬一郎の姿。
今の状況。]
…いや、もはや僕には、分からない。
[今度は熱い、茶を啜る。
あー、落ち着く…。]
許しておけぬな沖田とやら。我らの結婚を邪魔しようとするとは。
キャスター殿、そやつの住処を教えてくだされ。それがしが成敗してくれる!!
リチャードを治してくださってありがとうございます。
[治癒にごっそり魔力を持っていかれる感覚が軽減されて深く礼をする。]
お茶には心が落ち着く効果もありますので
たくさん飲んでくださいね。
キャスターもいろいろ苦労なさってるみたいですね。
[優しい笑みを浮かべたまま慰めた。]
[アーチャーの言葉に、無言でお茶を飲む。
お茶は和の心、心を落ち着かせてくれる。
日本茶でもないし、俺フィンランド出身だけどな。]
…今いるかどうかは知らんが、元は教会の管理者だからな。
もしかしたら教会にまだいるんじゃないか?
お爺様が、隠してるってことはあるんだろうか。
それならば……。
[床に、水を撒き散らす]
Projetez un vrai chiffre.
[手をかざし、呪を唱える。魔方陣の上にあるからか、魔術は容易に通った。
魔方陣の中に、わずかに浮かび上がる、切れ目]
あった。こんなところに隠していたなんて。でも。
[見つけようと思わなければ、何もしなかっただろう]
な・・・・・・
[最悪の状況。右手の使用が困難という現状において、剣を得意とするバーサーカーが単身乗り込んでくるとは。
確かに他のサーヴァンと比較して、優位かもしれない。だがそれにしても不利は揺るがない。
ただ、彼が一体何を言っているのかは分からなかった。とりあえずセイバーの討伐に乗り込んできたのだろう、それだけだった]
だが、やるしかないか。
[そうなると勝機は獄炎のみ。剣は生成するが彼の攻撃をいなすだけに留まるだろう。
アンリ・マユ程の魔力が無いのが口惜しい]
[切れ目に手をかけて、ゆっくりとあけた。中に入っていたのは、それほど多くなく、一枚の絵と、手紙、それにアルバムが一冊]
この絵は、夢に出てきたレプリカの方だ。
結局、お父様は本物を手に入れることが出来なかったのか……。
[全てを取り出し、アルバムを開いた。そこに、写っていたのは、幼い少女の写真。自分の、写真だった。どれも一人で写っていて、両親の姿はない。けれど、明らかにそれは自分の記憶がないときのもの。
そして、どの自分も、表情豊かに写っていた]
教会でござるか!キャスター殿かたじけない!
では、美貴殿行って来るでござる。
危ないから美貴殿はここで待っているでござるよ。
[別れの口付けを交わすと、宗冬は店から飛び出していった。]
あ、……待って宗冬様っ!
アタシもご一緒します!!
[飛び出す宗冬を追い掛ける。
しかしサーヴァントの移動速度に追い付けるはずもなく、遠ざかる宗冬。
目的地はわかっている。
美貴は懸命に走った。]
えっ、あ、ちょっと、二人とも…。
[止める間もなく、飛び出していく。]
いいんだろうか…。
[放っておくと、「彼」が怒りそうな気がする。
宗冬が勝っても、負けても。
だが、傷はともかく、魔力の充実には時間がかかる。]
あーもう、くそっ。
……いったな。
あー、頭痛い。
[机に突っ伏して溜息を吐く。
そして、アーチャーの言葉に投げやりに答えた]
いいんじゃねーの…。
はぁ…なんであんなのがマスターなんだろ。
[手紙を開く。そこには祖父の字がつづられていた。ここを見つけた自分に対する、謝罪が書かれていた。そして、遺品のほとんどは遺体と一緒に埋めてあるのだと。墓の場所も書かれていたが、それは見つけたところであっていた。
写真には触れず、絵については絵の裏に書かれている通り、空穂への贈り物だと書かれている。
裏を返すと、祖父のものではない字が書かれていた。
「ソフィーへ」それは、恐らく父のものなのだろう]
……シャルロット、の絵。何故、お父様はこの絵を欲していたのだろう。
わからないけど。
[以前のようにどうでもいいと、切り離せなくなっていた]
― 教会 ―
[ケネスは1人、教会を訪れていた。
令呪の使用を考慮しつつ、中へと忍び込む。
自身の令呪を見るが反応は無い。]
いや、もしかしたらここでは反応が抑えられるのか……?
[沖田の姿を探し、歩みを進めた。]
[飛び出していく二人に頭を下げる。]
またいらしてくださいませ。
……止めるのは無理でしょう。
まだ、「あなた」なんだし。
わたしも今動くのは無理よ。
無事で帰っていらっしゃればいいけど。
−教会・礼拝堂−
[この右腕のまま外を歩き回るのは不利だ。
今日一日はこの教会内で魔術による治療に当てるべき、そう判断した。
とりあえず心を落ち着けること。覚醒した今においてこの宗教においての神は崇拝すべき存在ではなくなっていたが、それでも一つの儀式として祈りを捧げた]
…あれ?
代金…
ま、ま、まぁ、いいか、それは…。
[突然周囲が静まり返った気がする。]
しかし、僕より、あなたは行かなくても?
一応その、マスターなんじゃないのかい。
[が、キャスターの態度を見て、口をつぐんだ。
…なんか、色々、あったんだろう。うん。]
[それでも。この絵が自分に託されたものであるのなら、やはりシャルロットを呼べたことは、必然であったのかもしれない。
絵を返し、そこに描かれた肖像画を見る。綺麗な、女性だった。シャルロットよりもわずかに年上に描かれた絵]
言葉では信じてもらえないのなら、行動に出るしか、ない。
でも、どうすればいいのだろう。
[わずかに迷い、そして立ち上がる。絵とアルバム、そして手紙を机の上に置くと、上へと戻り、そのまま外へ出る]
――あの空気の中に単身混ざって来い、と。
アーチャー、お前はそう言うのか。
[キャスターは真剣な顔で、目の前の男にそう呟いた。]
[リチャードの言葉にぽんと手を打つ。]
そういえばお金もらってなかったわね。
美貴さんからは以前多めにいただいていたし……
柳生さんには先日おごっていただいたから、
まあいいでしょう。
……キャスター、
お昼ごはんも食べて行きますか?
[なんとなくかわいそうになってそう訊いた。]
[足音を忍ばせ、教会を移動するケネスは礼拝堂で祈りを捧げる沖田の後姿を確認する。
令呪に触れ、宗冬を呼ぼうとした時]
……待てよ、これはチャンスなのでは無いだろうか。
[一瞬そんな想いが胸をよぎる。
彼自身の体は人のはずである、ならば音も無く実行できるケネスの魔術が有効なのでは無いか。
そう想いポケットの中のパチンコ玉を握る。口の中のみで素早く呪文を唱える。
玉はケネスの手の中で鉄鉱石の塊となり、ゆっくりと浮かび上がる。
いくつかの鉄鉱石の弾が、沖田の後頭部をめがけ、弾丸のように飛んだ。]
……ああ、分かってくれればそれでいいんだ。
[アーチャーの返答に静かに頷くと、キャスターは再び溜息を吐く。
そして、マスターからの言葉に"ありがとう"と口を開いた。]
・・・・・・ ?
[かすかだが魔術が発動する感覚。巧妙に気配を消しているが、ほんの僅かの違和感]
誰かいるの・・・・・・
[振り向いた瞬間、沖田めがけて弾丸が襲い掛かる。
危機一髪の所で回避するが、その先には男が一人]
貴様、誰だ!!
[斬撃皇帝の生成を始める。だがその右手の感覚は正常に戻っていない]
・・・・・・ くそっ!
[生成を続行したまま、左手を突き出す。
ケネスの足元が裂け、どす黒い火柱がケネスの身長と同じ程だけ吹き上がる。アンリ・マユほどの魔力を持たない彼が放つ獄炎はきわめて心細いが、マスターに致命傷を与えるに充分の威力がある]
− 教会 −
[到着した宗冬は、早速教会の回りに灯油を撒いていた。火計である。昨日買った灯油がそのまま手押し車に入っていたのであった。
柳生一族は、剣術指南役と同時に刺客であった。剣だけでない。様々な計略も併せ使い、標的を死に陥れたのであった。
柳生宗冬もまた例外ではない。故に風を見て建物を見て油を撒くことができるのだった。]
−自宅→西ブロック教会付近−
[裏道を通り、教会の前まで出る。そして……油をまいているバーサーカーを見つけた]
……バーサーカーは何をやっているのでしょう。
[突如現れた火柱と共にケネスは吹き飛ばされた。
体にまとわりつく黒い炎と共に、体中を巡る激痛。]
ぐ…ぐァアア!!……
[あまりの痛みに鈍い悲鳴をあげる。]
……くそぉ……見誤ったか……
[ケネスは沖田敬一郎の力を見た事は無い。
そして彼のサーヴァント「沖田総司」の正確な力も見た事は無かった。
ケネスは自分の甘さを認識し、令呪に手を伸ばす。]
[バーサーカーの方に歩いていきながら、話しかけるように]
バーサーカーは、侍でしたね。火責め?
そうではなくて。いくら敵を叩くためと言っても、教会を火責めだなんて。
バーサーカー、何をしてるのですか。
[無謀かとも思ったが、声をかけてみた]
[今日のランチである
ローズマリーと白味噌のチキンリゾット、
エシャロットとオレガノとコリアンダーのスープ、
ハイビスカスとグレープフルーツの2層ゼリーを
楽しそうに*作っている。*]
アサシンのマスター殿であらせられるな。
火計にござりまする。
赤壁の戦いの再現を致しますれば!!
[そう言ったところで、宗冬は光に包まれる。]
− 教会の中 −
ってあれいきなし中に!?
じゃ、ご飯ができるまでに、真面目な話。
僕達の武器は、銃だ。
銃は、神や魔法の時代と人が決別するべくして生まれたものだ。
銃は意思だけで扱われる、無機質な機構だ。
どんな力よりも、意思が持つそれは、上回るべきだ。
そう思って僕と「彼」は銃を扱っている。
僕自身は、後悔している部分もあるけど…。
だから、魔術の粋であるあなたを撃ち抜くことを、「彼」…もう一人の方は、望んでいるかもしれない。
もし戦闘になったら、よろしく。
[…何がよろしくかは、分からないが。
少し参った、という表情で笑う。]
僕自身は決別と駆逐は、違うと思うけどね。
[灯油缶を手に現れた宗冬に、ケネスはしばし痛みを忘れる。]
……お前、何やってんだ……
前見ろ、前……サーヴァント兼マスターの沖田が怖い顔してこっち見てるぞ……
[うめくようにそう言うと、壁を手に体を引きずり起こす。]
はぁっ……、はぁっ……、宗冬様っ……。
[懸命に走ってきたが、身体が悲鳴をあげた。
途中の自販機でお茶を買い、しばしの休憩。
日頃の運動不足がここにきて足を引っ張る。]
宗冬様に、嫌われないように、がんばらないと、……。
[噴き出す汗を拭い、お腹をふにふにと触った。]
……武士の妻に弱音は禁物!
さぁ、もうひとがんばりっ!!
[再び走り始める。]
[こちらに気づいたとたん、光に包まれ姿が消えた]
ケネスさんが、令呪でも使ったのでしょうか。
それより、あの油を何とかしないと。
灯油の分解なんてやったことないんだけど。水みたいなものだし、大丈夫か。それか、分解せずに元の場所に戻してしまえば。
[急いできたはずだったが、バーサーカーに毒を抜かれたのか、緊張が解けたようだった。
灯油缶をさがしたが、どうやらバーサーカーが持っていってしまったらしく、代わりに教会の外に置いてあった掃除用のバケツを手に取る]
Huile qui devient la source dans une boite.
[唱えると、灯油が無重力空間にあるかのように集まりだし、バケツの中へと入っていった]
む、お主が沖田か!!
[沖田という言葉に鋭く反応する宗冬。]
して真殿。それがし教会に火をつけようとしていとこでござる。ここはそれがしに任せて、代わりに火を放ってきてくだされ。
これでいい。
いくら敵の陣地とはいえ、あまり、焼きたくない場所だから。
でも、バケツに入れた灯油をどうしよう。
[バケツからこぼれそうな灯油を見つめた]
銃か、俺個人としてはいいと思うぞ。お手軽に、誰でも使える強い力。
確かに魔術や魔法の中にはそれを凌駕するものが幾らでもある。だがそれを使えるのは限られた者だけ。
修行や才能、そして血統が物を言う魔術なんかとは比べ物にならない程便利に発達した力だ。
新しいものが古いものを駆逐していくのは当然とも言える。
俺だって、生前それを受け入れて消えたんだからな。
[お茶を飲みながら、ゆっくりと言葉を紡ぐ。]
火を放つってお前……
[近隣も巻き込むつもりか、と言おうとしてケネスはやめる。]
まあ、いいや……
俺はちとドジ踏んで……やばいんでな……
悪いが、後は頼むわ……
[体を動かすのも辛いが、この状態では何もできない。
壁に手をつきながら、ケネスは外へ出ることにした。]
―ソフィーの屋敷―
マスター、具合はどうですか?
[ただ眠り続けるソフィーが気になり、寝室へと訪れると、そこに彼女は居なかった。]
……一体……どこへ。
実際、銃と同じ威力のガンドを使えるような魔術師になろうと思ったら何代・何年かかるか分からないだろ。
そういう意味では、俺は銃と言うのは人間の可能性を広げた物とさえ思う。
銃だけに限らない、さっきの治癒魔術だって進化し続ける技術はいつか科学で可能にするだろう。
そう、人は自分では届かない"神秘"に追いつき、追い越そうと進歩を繰り返してきた。
どちらが優れているかじゃない、魔法や神なんていうのは"手の届かない場所"じゃなくて"手を伸ばす場所"なんだ。
だから、追い越そうとする場所にいる者として…戦いになったら真っ向から答えよう。
まぁ…その時になったら"よろしくな"。
[体を動かすたびに、体に激痛が走る。
皮膚のあちこちが焼け爛れている様だ。]
くそぉ……全く、何やってんだ……俺ぁ……
[這いずる様に教会から出る。]
真殿……あの傷ではもう長くはないか。
[教会から這い出てゆく真を見て宗冬は決意を新たにする。]
沖田!真殿の仇!そしてそれがしと美貴殿の未来の為お主を成敗する!!
な・・・・・・
[最悪の状況。右手の使用が困難という現状において、剣を得意とするバーサーカーが乗り込んでくるとは。
確かに他のサーヴァンと比較して、優位かもしれない。だがそれにしても不利は揺るがない。
ただ、彼が一体何を言っているのかは分からなかった。とりあえずセイバーの討伐に乗り込んできたのだろう、それだけだった]
だが、やるしかないか。
[そうなると勝機は獄炎のみ。剣は生成したが彼の攻撃をいなすだけに留まるだろう。
アンリ・マユ程の魔力が無いのが口惜しい]
[駆け寄る。一瞬迷ったが、怪我をしている相手を放っておけなかった。焼け爛れた箇所へと手をかざす]
Priere de l'eau.
[火傷からまず手をつけ、癒していく。完全には無理だが、痛みが引く程度には治りそうな気配だった]
ソフィーか……よく会うな……
ああ、沖田にやられちまった……判断ミスって奴さ。
とうとう博打が裏目に出ちまった……
まあ、しょうがねぇやな……
[壁に手をつきながら、その場を離れようと歩む。]
…僕が悔やむのは、そこだけどね。
弱い意志でも、銃は強い力を生むようになってしまった。
それは意志を通すためのものじゃない。
単なる、虐殺機構だ。
[僕も、「彼」や、このキャスターのように、もっともっと強く、人の意思を信じられたなら。
…でも、歴史は、それとは違う事実を語る。
だから僕は、「彼」を消そうとしている。
身勝手だよな。]
手を伸ばす場所、か。
いつか、そうなればいい。
銃もまた、いつか、もっと強く人の意思を表すものに取って代わられるのかもしれないな。
そうだな、そうなればいい…。
中で、バーサーカーと沖田敬一郎が戦っているのですね?
……彼には、聞きたい事があったのですが。
[火傷の場所を癒していきながら、教会のほうへと視線を移す。教会の中の様子はよくわからなかった。けれど、入っていって止められる、とも思っていなかった]
ああ、「癒し」か…すまねぇな……
少し楽になったぜ……俺は本とその手の魔法が苦手でな……ついに覚えられなかったぜ……。
[ケネスは歩みながらソフィーに礼を言う。]
[宗冬は、刀を抜き、目隠しも外した。狂化が始まる。膨大な魔力が一時に身体に集まるのを感じる。]
お主、剣術にも相性というものがあるがご存知か。
昨日の光速三段突き、そして沖田という名からして沖田総司と見た。
天然理心流であるな。近藤勇が言葉を覚えているか。「薩摩の初太刀は必ず外せ。」
[そうして宗冬は刀を大上段に構えた。示現流である。突きで我が勢いが止められることはない。宗冬と刀は考えた。]
三池典太よ、愛と士道を行く我に力を貸すがいい!
参る!
……はっ、はっ、はぁっ、はっ、……っはぁ。
[ようやく教会に辿り着く。
身体はとっくに限界の悲鳴をあげていた。
呼吸を整える努力をする。
――と、人影を見つけた。]
……そこにいるのは、……ソフィーさん、と、……ヒモ?
……私は、憶えることは出来ても、「得意魔法」にはならないのです。魔術学校でも、散々先生に言われました。
何かひとつ、得意なものを身に着けろ、と。
[寂しげに笑う]
ケネスさんは、バーサーカーと離れて何処に行くのですか?彼を、援護することは、しないのですか?
[わいた疑問をそのままぶつける]
それはきっと、試されてるんじゃないか?
自分達が生み出した力にさ。
この"力"を使っていく資格が人間にあるのか。
この"力"を律する意思が人間にあるのか。
そこは悔やむべき結果じゃなく、乗り越える過程だ。
そういうのは銃や科学だけに留まらない。
魔法や魔術でも強すぎる力は己を滅ぼし、そこから新たな物を生み出し前に進んできた。
[だから…といったん言葉を区切る]
きっと、その虐殺機構さえ踏み台にして…人が笑って暮らす為の技術へと、手を伸ばす道になると俺は思う。
人の意思は破滅を望むんじゃない、平和な未来を望むんだと俺は思うからな。
・・・・・・ 行くぞ。
[左手を突き出す。剣での決着が厳しいなら、この一撃に全てを賭けるしかない]
獄炎!
[そんなバーサーカーの読みとは全く違う一撃が放たれる]
−教会・同時刻−
賊!?
[礼拝堂が騒がしい。これはきっと一大事!
アーヴァインに他のみんなの避難をお願いし、周りに注意しながら進む。
そこに見えたのは、まさに沖田に切りかかろうとする侍の姿!
沖田さんピンチ!!きっと強盗に違いない!なんてジャパニーズクレイジー!!]
沖田様、あぶなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっっ!!
[セリアの持つ銃が火を噴く! ガオォォォォンという爆音が礼拝堂に響き渡った]
宗冬様の、妻、ですか?
あの、美貴さん、その、彼は、サーヴァントなのですが、本気、なのですね。
それには彼を限界させるだけの魔力が必要だと思うのですけど……。
それか。
[聖杯に願えば、それも叶えられるのだろうか]
大丈夫ですか沖田様! あ、他の人は久子さん共々アーヴァインが避難完了しているので安心です★
[説明しよう!心の清らかな良い子は何が起きたか分からないだろうが、いつも馬鹿やっている彼女だが実は第八秘蹟会に籍を置いている代行者であり沖田にとって人間の割にははかなり優秀な部下である。
そして彼が教会から与えられた装備がそうっ!! 今握っているぅぅぅ!
”黒い銃身”ブラックバレルである!
まあこのブラックバレル凄い。何が凄いかをさらっと説明するとこの銃は第五真元素を弾として発射しそれは概念武装・天寿に相当し・・・・・・・ま、まあ簡単に言うとすごい銃である!! ]
−教会・視点戻って−
・・・・・・
[獄炎はすんでの所で発動せず、戦いは終わった。
正に事故だった。だがあと一歩遅かったら、確実にやられていた。
いや、そもそも人間の射撃能力で命中した奇跡について熟考すべきだが、今はバーサーカーを撃退したという事実を受け入れたい]
[息を切らせながらソフィーの言葉に応える。]
女は、……理屈じゃな、――っ!
[宗冬の身に降りかかった災いを、女の感でマスターより早く察知する。]
宗冬様!……宗冬様ぁっ!!
[目の前でバーサーカーは消滅していく。
まさに紙一重の勝負だった]
とりあえず、セリア。もうここは大丈夫だ。
下がってくれ。
[右腕が痺れる。このような戦いが続くのかと思うと先が思いやられた]
[ケネスは教会から離れ、折りを見て宗冬を呼び、出直すつもりであった。
だが、その願いも令呪の消滅と共に潰えた事を知る。]
……宗冬が……死んだ……
ハハッ……
[すべてが終わった事を知り、乾いた笑いをあげると、ケネスは*意識を失った。*]
[愛の力で全てを悟る美貴。
その場で膝をつく。]
……宗冬様、……貴方様の仇は、必ずや、……。
沖田、……許すまじ、っ……。
[ソフィーの声は届かない。
憎悪に燃える瞳で教会を見つめていた*]
[支えていたケネスから、笑いとともに力が抜けたのがわかり、崩れ落ちそうになるのを捕まえる]
ケネスさん? 大丈夫ですか?
[返事はなく、気を失っているようだった]
美貴さんに手伝ってもらって運ぶか……。
[ケネスを肩で支えて、美貴の方を見る。バーサーカーが亡くなったことに悲しみ、沖田敬一郎への怒りを燃やしているようだった。恐らく、こちらの声は届きそうにない]
−教会−
[まだ外に気配がある。先ほど逃れたマスターが待ち伏せているのか、それとも別のクラスが陣取っているのか。
窓から外を覗くと、女性が泣き崩れている]
[教会のほうを眺め、気を失っているケネスと交互に見比べる]
病院が先、か。運んでから、また教会に戻ってこよう。
美貴さんも心配だけど、どうしようもなければキャスターを呼ぶだろうし。
シャルロットは、心配してるだろうか……。
私にあれだけ感情をぶつけてきたのだから、家に戻ったらまた言われそうだ。
[自嘲気味に零し、美貴の方を気にかけながらも、病院の方向へと歩き出す]
[窓から顔を出した沖田に気づく]
沖田、敬一郎。
やはり、中にいたのは彼なのですね。
と言うことは、バーサーカーは彼にやられたのでしょうか。
・・・・・・
[泣き崩れる女性を支えているのは、どうやら空穂のようだ。視線が合う。どうやら彼女は沖田に用事があるようだった]
[沖田の方へと声をかける]
沖田さん、お聞きしたいことがあります。
貴方にこれを聞くのは、どうかとも思うのですが。
聖杯は、本当にどんな願いでも叶えるのでしょうか。
魔術の世界は等価交換。
聖杯は魔法の世界かとは思います。でも、本当に、何の見返りもなく、奇跡は起きるのでしょうか?
・・・・・・
[近くにサーヴァントらしき影が無いのを確認した上で扉を開き、その身を晒す]
君の言うとおりだ。聖杯の力は魔法の域の力であり、奇跡は起こる。そして聖杯自体が見返りを要求することは無い。
願いをかなえること自体が、聖杯の役目だからだ。
だが、君にとっての見返りとは何だい。
この間も言ったとおり、この世界は天秤のようなものだ。
願いの内容によっては、君が何かを得ることによって何かが失なわれるかもしれない。
なるほど、ね。
その通りだ。
[心強い言葉。
人間の意思を、心から信じられるような。]
でも、僕は。
それで死んでいった人を、踏み台にはしたくない。
生きている限り、必ず死ぬ。
むしろ、死んでいる期間の方がずっと長い。
それでも、意思は残る。
生きている間に紡がれた意思が。
[残った意思は、どちらを向いているのだろう。]
ありがとう。
…僕は、それを作る立場にあった。
いつか人の意思が銃を乗り越える日を、楽しみにしよう。
ああ、見返り、と言うのはおかしい言い方でしたね。
たとえば、私が身に合わないような願い事をしたとき、そのしわ寄せがどこかに来るのでしょうか?
今、沖田さんは「何かを得る代わりに何かを失うかもしれない」と仰った、その意味を知りたいのです。
私はいまだに願い事を決められない。そして聖杯への願いの件で、いえ、それだけではないのかもしれませんが、マリア、アサシンとの信頼関係というものが崩れかけています。
だから、私は聖杯がどういうものか、文献だけではなく知りたかった。願うことの意味を。
[キャスターは目の前に出された昼食に礼を言うと食べ始めた。]
ああ。
乗り越えるということは捨てたり忘れるという事じゃない。
何かを乗り越える度にそれを背負って、ゆっくりと進めばいい。
間違ったり悔やんだりする事もある、それは当然だ。
人間は未完成の象徴みたいなものなんだから。
だから、ゆっくり進みながら先を目指す。
そう未完成故に…人は先へと手を伸ばそうとするんだ。
別に例を言われるほどの事じゃないさ。
俺も、また創った立場だからな。
なんとなく言いたい事は分かるさ。
ならば君に聞こう。
もし、目の前に自分の知人が複数人いて、その全ての人間の命の灯火が消えかかっているとする。
聖杯は、君の願いを叶えるだろう。だが助かるのはただ一人だ。
誰を助ける?
……それは、とても意地悪な質問ですね。
全員は助けられない、と言うことですか。
いや、つまりは、そういうことを言いたいのですね?
聖杯は魔法の世界。人を助けることはたやすいはず。そうではなくて、何かを求めれば、何かを失ってしまうと。
過ぎたる願いならば、それがより顕著に現れる。
私がもし、世界の平和を願ったとしたなら。
……人類が滅びることになるのでしょうか。
そりゃ、そうだ。
完成ってのは、デッドエンドだ。
成長の余地がない、それじゃ生きていてもすることがない。
[同じく、昼食を食む。
…一緒に何かを食べたり飲んだりすることが、多いな。]
意思を、貫き通すのは、思いのほか難しい…。
[人の意思、と言っても。
それは、本当は、エゴでしかないのだ。
人それぞれのエゴを貫き通した先に、未来があるなら。
銃は、悪い武器じゃない。
僕の生んだものの方向性は間違っていたかもしれない。
だが、人の意思もて全てを貫く、銃そのものを否定はできない。
それくらいなら、最初からあんなものを作ろうとはしなかっただろう。
「彼」を少し、尊敬する。]
君にとっての平和とは何だ?
それは人間にとっての平和か、それとも君単体の平和か。
それとも・・・・・・ 僕の言うガイアにとっての平和か。
平和という概念は人それぞれだ。
君も魔術師ならば人間の歴史を学んだだろう。
戦争の繰り返しばかりだっただろうが、そこに善も悪もありはしない。お互いに手に入れたい平和の為に戦い、勝った方が史実において正しいと定義されただけだ。
つまり、君の平和という概念は他の人間にとって混沌でしかないかも知れない。その溝は決して埋まらない。
もし聖杯に平和などという漠然たる願いを伝えたらどうなるか。少しは予想がついたかい。
貫き通すのは難しい。
でも…折れなければ何度でもまた挑戦できる。
大事なのは貫き通す事じゃなく、折らない事さ。
そうすれば…きっといつか壁の向こう側まで穴が開く。
[そう言って食事を終えると、キャスターは席を立った]
思ったより長話してしちゃったな。
そろそろ帰る事にするか。
[沖田敬一郎の答えは、今朝の問答と同じ答えにしかならなかった。それでも、シャルロットは、理想を追い求めるのだろうか、と思う]
そんなことは、わかっているのです。だからこそ、聖杯への願いがどうなるのか、知りたかった。
わかりました、沖田さん。
その答えをいただいたことで、私の願いが決まった気がします。
でも、それでも、聖杯にすがりたいと、少しばかり思っていたのですけど。
ありがとうございました。
彼を病院に運ばなければなりませんので、これで失礼いたします。
[沖田敬一郎へと頭を下げる]
分かっている、か。
[彼女の口ぶりからすると、多分誰かと似たような話をしたのだろう。そうでないと今の会話からその言葉は出ない。おして、彼女が一点において理解出来ていない事があるのも分かった]
それでも、かなえたい願いがあるんだよ。
君にとっては愚かな事かもしれないが、本人にとってはかけがえのない・・・・・・ 全てを犠牲にしてでも手に入れたい、たった一つの願いが。
君には、それが無いんだな。だから理解出来ないのさ。
[そう言い残すと、教会の奥へと消えた]
あぁ、色々と情報も整理できたし、助かった。
次に会う時は敵かもしれないけどね。
「彼」は、きっとあなたと戦うのを楽しみにしているだろう。
僕は、傍観するだけだろうけど。
そのためにも、人類が滅びないことを願ってる。
…もう、「僕」とあなたとは会えないかもしれないな。
それじゃ。
[握手は求めない。
短い別れの挨拶をする。]
ああ、俺も面白い話が出来て楽しかった。
次会う時は容赦はしないぞ?
[そうして、キャスターは扉まで歩くと振り返る。]
お前が銃を作ったように…俺は世界を創った。
――この身は創世の英雄。
だからこそ、お前と同じように…
人が世界すらを超える日が来るのか…見てみたいんだ。
[笑ってそれだけ告げると、キャスターは*去っていった*]
[いつだったか、誰かの言葉を聴いた。その人はとても平和主義者で、けれども願うことは平和ではなく、「わが子の健やかなる未来」だった。それが、彼にとって譲れない願いだったのだろう]
私にはそれがない。それは確かです。だからこそ、私の願いはその人のために使う、と、決めたのです。
彼女は願いの結果を見ることなく座に戻るのでしょう。それがその結果がどうなるのかまだわかりません。
聖杯の事を聞いた今でも、希望は残っていると思う。思いたい。
けれど、そうでなかったときのために。
私は願うのです。
彼女の目指した形に近いものを。
[姿を消したのも構わず、自分に語りかけるように口にする。願いは、誰かのために。
そして、教会に背を向けると、病院に向かって*歩き出した*]
世界を――
神と魔法、か。
いいね。
人は、強い。
信じよう。
ガトリング砲でも、滅ぼすには足りない。
世界が自らの意思に反するなら、撃ち貫く。
それで、いいのかもしれない…。
少なくとも、人類の滅亡を願おうなんて連中が目前にいる、今は。
[「彼」は、その象徴だ。
そして、その先に未来があることを、*僕は祈る。*]
― 病院 ―
[うっすらと目を開けると、見知らぬ天井が目に入る。
自分が目を覚ましたことを知り、自身の名前を口に出してみる。]
ケネス・グランド……
[どうやらまだ、意識はあるらしい。
ホッとしたのもつかの間、令呪が消えたのを思い出す。]
……終わった…か……。
[令呪のあった部分に、何も無いのを確認し、ケネスはそうつぶやいた。]
[壁にかかった時計を見ると、倒れてからそう時間は経っていないようだ。
体を起こすと全身に鈍い痛みが走る。
だが、先ほどより大分ましになっているようだ。]
癒しの呪文が効いているのかね。
[おそらく、ここに運んでくれたのはソフィーである事を予想し、ケネスは心の中で感謝する。
体を見ると包帯が巻かれており、入院患者用の服を着せられているようだ。
ベットの脇にある棚を見ると、自分の服が目にとまる。
運が良いのか、今なら周りに誰もいないようだ。
ケネスはこっそりと病室を抜け出す事にした。]
― 中央ブロック・駅前 ―
[体の痛みにやや顔をしかめながら、ケネスは歩く。
時折、意識と共に風景が明滅し、記憶が曖昧になる。
その瞬きは、ケネス自身に消滅を予感させるに充分だった。]
もってあと半日ってとこか……
[もはや何をするにも遅すぎる。
だが病院のベッドの上で、ただ天井を見つめたまま消えたくは無かった。
とはいえ、やるべき事も思いつかず、ケネスはただ、あてども無く*歩みを進めている。*]
[医者の話を聞いてから、病室へと戻ってくる。けれどそこはもぬけの殻だった]
いない。あんなケガでどこに……。
[すぐに後を追う。廊下や入り口でケネスの特徴を話すと、すぐに思いついてくれるらしく、病院の外へと向かった、ということだった]
[外に向かい、走り出す。それほど遠くには行っていない、はずだった。魔力探知がそれほど得意でないことを後悔する]
何故、私は走ってるのだろう。
[人の死を哀れむとも、再会を喜ぶことも、怒りをぶつけられてそれに何も感じないことも、無いというのに。不思議な感覚が、身体を包んでいるのがわかる]
[ウィークリーマンションの方へと行ってみたが、戻ってないようで、そこを後にする。溜息を一つつき、駅前までの道を歩き始めた]
令呪も、消えていた。教会で保護をして貰うために向かった、というのも考えにくい。
なら、どこに。
[病院で、身元などを示すものがないか探したときに、免許証が一枚でてきたのを思い出す。そこに書かれていたのは、バーサーカーが呼んでいた名前だった。
その本籍まで戻ったのだろうか、とも思ったが、彼は「滝田真」であることを否定していたように思う。その彼がその本籍に向かうとは考えにくかった]
[探しながら、自分のサーヴァントのことを思い出していた。今頃、自分を探しているだろうか、と気に掛かる]
ごめんなさい、シャルロット。まだ、私は戻れない。
[上がった息が落ち着いた頃、又*走り始めた*]
―教会―
[憎悪に燃える瞳で教会を見つめていると、男が出てきた。
見覚えのある顔だが、名前までは思い出せない。
するとソフィーがその男に「沖田」と声をかけた。
あれが沖田、宗冬様を亡き者にした憎き敵、決して忘れない。
今すぐ殺してやろうかとも思ったが、聖杯談義に興味をそそられて耳を傾ける。]
【アタシにとっての平和、全てを犠牲にしても手に入れたい願い、すなわち宗冬様との甘いひと時。
聖杯に望めば、宗冬様を取り戻せる……。
そうだ、タロにご飯をあげなくちゃ。】
[誰もいなくなった後、美貴はゆっくりと立ち上がって家路に着いた。
胸に新たな決意を持って。]
−ウィークリーマンション→駅前−
[心の中はいつも空虚だった。何を言われても、感じることがない。そしてそれを苦痛に思うことすらない。
だから、あきらめていた。自分はそう言う人間なのだと。人間、とはいえないかもしれなかったが、そこすら投げ出してしまったら、本当に、「廃人」になっていたのだろうから。
息をつく。駅前にはいつものように人が溢れ、この町で聖杯戦争が起きているなどとは感じさせないほど、活気があった]
……見当たらない、か。どこに、行ってしまったんだろう。
−噴水−
[しばらく探したが、見当たらず、噴水傍のベンチへと腰を下ろす。先日ここであった戦闘の跡は、もう*目立たなくなっていた*]
[マスターを、地下に探しに行った時見つけたもの……
自分が最初にサーヴァントとして召還された部屋にそれはあった。]
(あれは……死の直前に描かれた……)
[そして傍に置かれた、古いフォト。あの幼い少女には、ソフィーの面影が残っている。
何の変哲も無い、幼い少女がそこで笑っていた。
待てど戻ってこないマスターを気にする一方で、どうしても探しに出る気にはなれなかった。
感情が無い、そう自分に告げた彼女に、あれだけ興奮して怒鳴ってしまったのに、どんな顔をして探しにいけばいいというのか。
今はマスターに身の危険が及んでいない事だけ確認出来ればよかった。
シャルロットは、玄関を開けるとひとつ跳躍し、屋根の上に上った。]
[寒空の下、白いワンピースの裾が僅かにはためく音の他は静かだった。
静かに目を閉じ、魔力の供給源を探る。
ソフィーから、危険な兆候は特に感じられなかった。
屋根の上に佇んだまま、じっと、北の方角を眺め呟く。]
……マスター。どうして私の絵を。
-住宅街-
[店を出たキャスターは、適当に歩いていた。
大きな魔力のぶつかり合いもなかったし、なにより魔力の供給がされている。
もし教会に沖田がいれば、この間のような大騒ぎ…もしくは自分が令呪で呼ばれたりマスターが危険になったりすると思っていた。
故に教会は既に蛻の空だったのだろうと思い、そろそろマスターを探す為適当に町を歩く事にしたのだ。
……まさか、既にバーサーカーが消滅し自分のマスターが家に戻っているなどとは夢にも思っていなかった。]
いねぇなー…でも見つけたら見つけたで何か嫌なんだよな。
[そんな事を呟きながら、キャスターは住宅街を歩いている。]
[仕方なく魔力探知に集中しながら適当に歩いていると、ある地点で違和感を感じる。]
…こりゃ結界か?それに魔力を感じるな。
[沖田の新しい拠点かとも思い、そちらの方へ向かうキャスタ−。
そして、違和感を感じた建物へと辿り着くと周りを眺めた。]
あれ、あそこに居るのマリアちゃんか…?
[屋根の上に見知った人影。
ああ、ここはマリア達の拠点だったのかという結論に至り納得する。]
(……しまった。)
[考え事をしていて、近くにサーヴァントの気配を感じるのが遅れた。
気配遮断を行っていなかった事も思い出したが、屋敷の結界は有効だろうかと不安に思いながら周囲に注意深く視線を……
ヴァイナと目が合った。]
(ヴァイナさんでしたのね……。)
[少しホッとしながら、やんわりと微笑む]
ごきげんよう、最近美貴さんと一緒ではないのですね?
[目の前に下りてきたマリアに微笑んで挨拶をする。]
やぁ、マリアちゃん。
結界があるってことは、ここがマリアちゃん達の家ってことかな。
あー…あのボケはバーサーカーと結婚するとか言って二人でどっかに走っていった。
[マリアの問いに疲れた顔で答える]
違います、なんて、その結界の上に涼しい顔をして立っていた私が言っても、説得力もありませんものね。
[続く言葉に、一瞬表情が固まった。]
………………え?
いや、魔女の館だっけ?
アーチャーの拠点に行って、ちょっと話をしてたらさ、突然バーサーカーが飛び込んできて。
その直後にあのボケまで飛び込んできてね…。
[ああ、思い出すだけでも頭が痛い。
頭を軽く抑えながら話を続ける。]
なんか二人の世界を展開した後、突然俺の前に正座して結婚するから仲人して欲しいとか…。
[あ、マリアの表情が固まってる。
でも本当なんだぞ、嘘になるなら俺だってして欲しい。]
てか仲人って結婚してるヤツがするもんだろ!
結婚どころか彼女すら居た事のない俺に対する嫌味か!?
…まぁそれはいいや、落ち着こう。
それでまぁ、その後2人で"結婚に邪魔な沖田を倒す"とかいってどっかに走っていった。
ああ、あのお店に行かれたのですね。
[それだけ言うと、続く話に暫く固まったまま、ヴァイナを見ているようで見て居ないような視線を送っていたが、暫く押し黙った後、ゆっくりと考え込むように口を開く。]
……ええと、「再契約するから仲違いしてくれ」ってことでは、なかったのですか?
美貴さん、ヴァイナさんではなくバーサーカーのマスターになりたいって、ヴァイナさんにお願いに来たのでは?
[マスターとサーヴァントの結婚などと言う概念は、シャルロットの脳には凡そ受け付けないものだった。ヴァイナの言って居る事を考え合わせれば、それしかこじつける事が出来ない。]
まだそっちの方が俺も頭痛が軽かったかもなぁ…。
[何処か遠いところを見る目で語るキャスター。
というか、マスターの交換と言う話ならもしかしたら応じたかもしれない…流石に今より気は楽になるだろう。]
そういう話一切無しで仲人してくれ…っていわれてね…。
もう、個人的には好きにしてくれ。
むしろ俺を巻き込むな、勘弁してくれ…としか言いたくなかったし、とりあえず了承したけど。
[ハァ…と溜息を吐く。]
あら、了承されたのですか。
[何がなにやら理解出来なかったが、兎に角目の前の老人が途方にくれてさらに黄昏て居ることだけは理解できた。]
まあ、マスターの交換というか、再契約というのは聖杯戦争では有り得ない事ではありませんからね。
ひとつ、質問。
再契約では無いとすると、ヴァイナさんとバーサーカーは、果たして戦えるのでしょうか?
それは、永久停戦協定という事?
ああ、協定と言えば、こちらとバーサーカーとの協定は反故にしましたわ。
…あれ以上あの二人に関わりたくなかったしな。
あー…むしろ向こうの口振りからするとだな。
[マリアの質問も最もだ。
むしろそれが普通の思考、ああ普通って良いなぁ。
でも、あの二人にそんな言葉はないな。
そんな事を考えながら言葉を続ける。]
そういうこと全く考えてないぞ、確実に。
てか何も考えてないな、アレ。
他の事一切見えてねーわ。聖杯の事すら覚えてるか微妙。
ってわけで停戦と言うよりむしろ居ない物として扱う事に俺の中では決定したし、それで問題ないと思う。
つまり…残る敵はアーチャーと沖田だけって事になるな。
[てか、あいつと戦いたくない。
苦戦とかそういう次元での話ではなく、なにか自分が壊れそうだから。精神的な面で。]
……考えていない、居ないものとして、いい?
[先ほどから、この目の前の偉大な魔法使いは、自分に言葉と言う魔術を使って、凍結の魔法でもかけているのだろうか……
そんな疑問が浮かぶが、どうやら違うらしい。
面倒臭くなったので、シャルロットはこれについて悩む事を放棄した。]
アーチャーと、沖田だけ、ですか。
私が接触したアーチャーは、とてもサーヴァントとは思えない位紳士的でしたけど……。
[リチャードの、人の良さそうな喋り方を思い出した。]
うん、というかアレは考えるだけ無駄と言う結論に至った。
[むしろ、考えると精神的な意味で此方が行動不能になりかねない。
色々な感情を込めてマリアの肩を叩く。]
アーチャーに関しては俺も最初、あまりに印象が違って疑問に思ったんだが…色々話して俺も納得がいった。
簡単に言えば、人格が二つあるんだ。
温厚で紳士的な人格と、好戦的な人格。
そして、体力や魔力が少ない時には前者。
多いときには後者の人格が表に出てくるらしい。
【システムメッセージ】
○投票はお早めに!今晩深夜27時更新予定です☆
墓下の方々も投票をお願いします♪
○【重要なお知らせ】村に入っているメンバーのうち「アナログゲーム同好会」オフに参加される方が多いようなので、予定は以下の通りとなります!
※最終日までの日程です。途中で投票の結果村側勝利もしくは狼側勝利の場合はエピ突入の予定が変更になります。
・22日 27時 コミット予定(残5組→4組)
・24日 27時 コミット予定(残4組→3組)
・27日 27時 コミット予定(残3組→2組)
※ここだけ72h更新になります。
・29日 27時 コミット予定(残2組→残1組)
・30日〜エピローグ
【システムメッセージ終了】
[ヴァイナの無言の仕草から、取り敢えず何かを察した。]
二重人格者、という事ですの?
リチャード……二重人格者。
私の特技は、相手に"治らない傷"を与える事なのですわ。
ほんの小さな傷だとしても、ある条件下で与えたものならば治りません。もし、私が好戦的なアーチャーにそのような傷を負わせ続けたら……
紳士的なリチャードさんだけしか、現れて来なくなるのかしら。
[それは素朴な疑問だった。
シャルロットは、アーチャーの戦いぶりを目の当たりにしていないため、それが可能かどうか、という事はまだ考慮外だった。]
― 中央ブロック・噴水 ―
[ケネスは噴水近くのベンチに腰掛け、ぼんやりと水の流れを見ていた。
ショーウインドウに映る自分の姿に目をやり、どう見ても失業者だと、独り苦笑する。]
随分と静かだな……この町ってこんなに静かだっけっか……
[そう思い、宗冬の事が頭をよぎる。]
そういやあいつ、いて欲しい時にいなくて、いなくて良い時にいる奴だったな……
[ここ1週間を振り返ると、いつも怒鳴っていた気がする。]
最後の1週間が、変な侍と同居で終わるとは、全く笑えねぇ……
昨日も「どこで油売ってやがる」と呼んだら、油持って出てきやがったからな。
全く変な侍だった……
[宗冬がやられた事にあまり恨みは無い、ただ、自分の落ち度で彼がやられた事を思うと、心が痛んだ。]
…それは、ちょっとわからないな。
[マリアの言葉に少し考えこむ。]
でも、可能性は十分にあるな。
アーチャーが俺に言った言葉が全てなら、確かに可能かもしれない。
[アーチャーは嘘を言っている感じではなかった。
だが、全てを喋ったという保証はない…もしかしたら更に何か条件がある可能性もある。]
もう少し、兄貴への土産話を作ってやるべきだったかな……
まあ、「沖田総司」と殴りあって負けなかった事を誇ってくれや。
[そう言うと、ケネスはしばし*空を見つめた。*]
そう、ですか。
対沖田敬一郎にも、同じ事が言えますわ。
[そう言うとまっすぐにヴァイナを見つめた。
もしも最後に残るのがこの魔法使いと私なら、戦わねばならないのか……という感傷に近い感覚が沸いてくる。]
貴方の願い、お聞きしてよろしい?
あー、願いなぁ…。
[そういえば、その為に戦ってるんだったなーなんて間の抜けた事を思う。
どうも途中から色々と起こって、戦う理由が変わっていった気もする。
とりあえず、あの俺様野郎に借りを返さなけりゃ気が済まない。
でもそれは願いじゃなく、目的だ。]
そうだな、願いといえば…あー、笑わないでくれよ?
[そう前置きをおいて、苦笑する。]
若返ってな、もう一度生きたいんだ。
俺は生まれたときから老人の姿でな、まーその…なんだ、普通に生きてみたいんだよ。
生まれた時から老人。
[驚いてヴァイナを見た。
なるほど、それは一体どんな気持ちなのだろう。
若くして亡くなったシャルロットには、それは想像し難い感覚に思われた。]
笑ったりなどしませんわ。
私の願いの方が、ある意味滑稽かもしれませんもの。
マスターと、その件で言い争いまで……。
[自らの心の中に、"平和"を実現する事による"英雄願望"があることは、自覚すらしていなかった。
一頻りヴァイナと話すと、再びマスターを待つため、*屋敷に戻った*]
[屋敷へと戻るマリアの姿を見届けてから、キャスターは空を見上げて呟く。]
平和…か。
[それはきっと誰もが夢見て…誰もが目指す願いだろう。
キャスターはアーチャーとの会話を思い出す。
そう、人が目指す…『 』に近いものなのかもしれない。
だからこそ、その願いは当たり前すぎて、改めて言われると滑稽に映ることもある。
だが、キャスターはそれを滑稽とは思わない、むしろそれをずっと願い続けられる事はどれだけ尊く美しい事か。]
でも、それは……。
[そこまで呟いてキャスターは首を振る。
この言葉の続きは、出来れば自分で気付いて欲しいが、無理ならば自分が教えても良いのかもしれない。
願う事は間違いじゃないのだ、それは断言できる。
気付くべきはその先、]
……いったん戻るか。
[キャスターは静かにその場から*去った*]
[噴水の水面を見ていた。初めて、水を使って魔術を使ったときのこと。水を自由に扱えるか、を試すためのテストだったように思う。
その傍にいたのは、祖父ではなかった。
手で触れて、瞬間的に触れた周りから凍らせていく。指先で熱を吸収するために、指の触れている部分だけは凍らない。
まるで、遊んでいるように教えてもらったそれは、気づいたら身についていたように記憶していた。今は、「教えてもらったこと」をおぼろげながらも憶えている]
どうして今になって思い出してるのだろう。
[疑問。今朝の頭痛や夢と関係があるのだろうか、と考え、顔を上げた]
ケネス、さん。
[ケネスは、すぐ近くのベンチに腰を下ろしていた]
[ぼんやり空を見つめていたケネスは、声をかけられて我に返る。]
ああ……ソフィーか……
さっきは、すまなかったな。
悪いな、せっかく担ぎ込んでもらったのに抜け出してきちまったぜ。
まあ、痛みはさっきよりか大分ましだわ……
[少し笑いながら、そうつぶやいた。]
[立ち上がり、ケネスの前まで行くと、彼を見下ろし]
ケネスさん、どうして病院から逃げ出したのですか?
まだ、貴方の怪我は治ってないのに。
いくら動けるからと言っても、それでは治るのにも時間がかかります。
ちゃんと傷口を消毒して、火傷にだって薬を塗らないと。
ご自分で治せるなら別ですが、苦手だと仰ってましたよね。
……なんだか、死に急いでるように、見えます。
[そこまで言って、隣へと腰を下ろす]
死に急いでるか……違いねぇ
[ケネスはハハッと笑い声を漏らし、しばらく考える。]
……そうだな、お前さんには話しても良いか。
俺の人格と記憶はな…「滝田真」と言う人間の、記憶と人格を魔術で封印した上に成り立ってんのよ。
「滝田」が封印されたのは5年前でな……実は5年間しか記憶無いんだ……俺。
その封印が解けると同時に「滝田」は元に戻り、おそらくだが、俺の記憶と人格は消える……
だから、まあ…じっとしていたくなかったのさ。
解っちゃいたんだよな、ずっと前から……
もうあまり時間がないってよ。
聖杯戦争に参加しているとき、宗冬を召喚した時……いや、もっとずっと前かもしれない……
その時から、もう時間は無いって解ってた気がする。
……でもなあ、解りたくなかった。解らない振りをし続けたって感じかな。
がむしゃらにやってりゃ、足りない時間だって補える。間に合わないことだって間に合うって思い込んでやって来た。
……まあ、結果はご覧の通りだけどよ。
[そう言って、笑う。]
[ケネスの話を黙って聞いていたが]
……そう、ですか。だから、バーサーカーは真さんと呼んでらしたのですね。
ケネスさんが、この5年間の人格ということですけど、本当に忘れてしまうのでしょうか。
5年前に現れたケネスさんは、じゃあ何処から来たのでしょう。
ケネスさんには、滝田真としての記憶はあったのですか?
ケネスさんは、消えたくないのですね。
……真さんは、どうなのでしょう。今消えている彼は、どんな、思いでいるのでしょうか。消えているのですから、思いなどないのかもしれませんけど。
人が記憶障害に陥ったとき、また記憶が戻ったときになくしている間のことを覚えている場合と、なくしてしまう場合とあるようです。
だから、いなくならないかもしれない。
ケネスさんの記憶を持ったまま、消えることがなく、元に戻る方が一番いいのでしょうね。
ケネスさんは、ケネスさんのままでいたいのかもしれないですけど。
真さんにも、待ってる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
家族や友達。そんな人たちが。
滝田の記憶は無いよ。
いや…記憶の断片は夢の中で見る事もあった。
ありゃ、家族なのかな?よくは解らないんだけどよ。
5年前の俺か……何ていうかな人形みたいだったよ。
必要な時に知識は出てくるんだ、記憶に無い知識が……だどけ周りの反応にどう対応して良いかわから無くてな、始めはただコクコク頷いていたよ。
今の俺の人格はオードリーが……ああいや、俺の師匠で滝田を封じた張本人なんだけどよ、その人が教えてくれたものだ。
喋り方、振る舞い、考え方、酒、煙草、まあほぼ全部だな。
言うなれば、俺は師匠に育成された人形ってとこか。
お前も自分の事そう言ってたけどよ、感情が無いのだけが人形って訳じゃない。
こう言う形もあるってことさ。
……そうだな、今まで考えないようにして来たが、真も無念だったろう。
いや…本人は気づいて無いのかも知れないが、5年が空白になれば悩むと思う。
今の俺が結果的にどうなるかは解らないんだけどよ……俺は……滝田の記憶の消滅を聖杯に願うはずだったんだ。
[自分を、待ってる人はいるのだろうか。ケネスに投げかけた言葉を、自分へと返す。
シャルロットの顔が浮かんだが、聖杯戦争が終われば、彼女は座に帰ってしまう。
待ってる人もおらず、人としての心が欠けた自分は、彼にそんな言葉を掛ける資格などないのかもしれない]
ごめんなさい、ケネスさんの気持ちもわからないのに、偉そうな事を言いました。
でも、消えてしまうならなおさら。
「真さん」に戻ったときに、何故「自分」がここにいるのか、伝えた方がいいように思います。手紙でも、何でも。
それに「真さん」に戻ったら魔術の使い方なんてわからなくなるでしょうから、体はしっかり治した方がいいと思います。
教えられた人格でも。
自分で考えて行動できるなら、失いたくない自分があるのなら、それはやっぱり「ケネス」さんという人間だと、思います。
最初がなんであれ、ケネスさんはちゃんとこの5年間を生きてきたのですから。
消滅ではなくて。
記憶の融合を願った方が、ケネスさんにとっても、真さんにとっても、よかったように思います。
いまさら言っても仕方ないことですけど。
[視線を落とす]
美貴さんが、バーサーカーの仇をとるんだと、すごく悔しそうにしてました。
バーサーカーは、消えてしまったけど、ケネスさんに呼び出されて、幸せだったように思います。
手紙……滝田への手紙か……
それは、考えもしなかったな……
何せずっと否定したくて仕方なかった相手だ……
……だが、ソフィーの言う事は解るぜ。
自分で考えて行動できるなら…か
なら、お前さんも立派な人間だな。
わざわざ探してくれたんだろう?
まさか、俺に言っといて、自分は違うとか言うんじゃないよな?
[ケネスはそう言ってにやりと笑った。]
[シャルロットは、自分に呼び出されたことを後悔していないのだろうか。
今頃、心配しているかもしれない。いや、しているだろうと思う。目の前で倒れた自分が、いなくなってるのだから]
美貴には気の毒な事しちまったな……
まあ、宗冬は、その場その場でいつも幸せそうな奴だからな。
……向こうでも幸せにやってるさ。
私には、物事に対する感情がありません。
だから、教えられた知識をもとに判断することしか出来ない。でも、それは私の判断ではない。自分には、本当はそのことが、いいことなのか悪いことなのかわかってないんです。
でも。そうですね。私は「人」であることを捨てたくない。
それだけが、私が人である証です。
だけど、聖杯戦争が進むにつれて、失っていたものを思い出すようになりました。
昨日と今日の私は違う。当たり前のことなのに、今はそれを実感できるのです。
変わらず、そこに感動があるわけではないのですけど。
バーサーカーは、おかしな方でしたね。
敵であるのに、憎めない方でした。
キャスターは、彼の言葉に怒ってしまったようですが。
私が、ケネスさんを追ってきたのは、せっかく病院まで運んだのに、すぐにいなくなってしまったからです。
いくら魔術で多少の軽減は出来るとしても、結構重かったんですから。
でも。私はそうと認識してませんでしたけど。私が誰かを助けたいと思うのは、「知識」から得た答えでないのは確かです。
ケネスさんはやっぱり、優しい方なのですね。
[笑う。作るつもりはなかった]
やれやれ、頑なだな。
でも「人」であることを捨てたくないか、それで充分だよ。
ところで、俺は病院に帰るべきなのか?
せっかく抜け出したのになあ……
出来れば戻っていただきたいですけど。
その間に真さんに戻ったとしても、病院でしたらケアもしてくださるでしょうし。
戻るなら、ついていきますけど、どうしますか?
[立ち上がり、ケネスを見て*聞いた*]
そんな凛とした態度で問われたら、断れねぇよ。
[ケネスはそう言って苦笑する。]
……解ったよ、散歩は終わりだ。
だが、その前に便箋でも買わせてくれや。
[妙な事になっちまったと思いながらも、ケネスは少し心が軽くなったのを感じていた。]
便箋だったら、病院の売店の方にも置いてるとは思いますけど……少し、地味ですね。逃げないように見張ってますから、好きな柄を選びに行きましょうか。
[そう言って近くに見える文房具店を指す]
逃げないようにって犬じゃねぇんだから……
まあ、柄は何でもいいかなー
男が男に出す手紙だしよ、しかも受け取るのは自身なわけで……
[何だか微妙な気分を抱きながら、とりあえず便箋を購入する。
清算を済まし、ふと「魔女の館」の事を思い出した。]
……なあ、もう一軒寄って見て良いか?
そこにも挨拶しておきたくてよ。
[ケネスはそう言って歩き出す。]
―自室―
む。
[こき、と首を鳴らす。
纏うは、剣呑な空気。]
ふん。
こうなると、奴は本当に役立たずだな。
クハッ。
[今回治療を施したは「彼」ではなくキャスターだ。
しかも「彼」はほぼ無抵抗で宗冬に殴り倒されていた。
魔力は完調とはいかないが問題はない。]
自分に出すからこそ、です。
好きな柄を選べば、受け取った真さんはその柄が気になるかもしれないし気にならないかもしれない。
それをきっかけに、ケネスさんの存在を思い出すかもしれない。
きっかけは、大切ですから。
[もう一軒、というケネスを不思議そうに見たが、そのままついていく]
― 魔女の館 ―
[香野の店が見えて来た。そこまで来てふとソフィーの方を振り返り]
そういや、ソフィーがそこに行くのはまずいか。
ちいと顔出してくるから待っててくれ。
[そう言うと店の方に歩みだす。]
さて。
宗冬がどうなったか、確かめに行くか。
[立ち上がる。
と、「彼」が宗冬を追うか追うまいか悩んでいたのを思い出す。]
ふん。
構わねぇさ。
宗冬が負けようが、あの沖田敬一郎って男が負けようが、それは、意思が足りなかったってことだ。
−『魔女の館』−
[からん、と木の鈴がなる。]
いらっしゃいませ。
あら、ケネスさん。
[はいってきたケネスに微笑みかける。]
お一人ですか?
―自宅―
[キャスターを召喚する時に使用した部屋で、複雑な術式を組み上げている。]
宗冬様、……………………。
[美貴は魔術の師匠から聞いた話を思い出していた。
3回目の聖杯戦争の折、始まりの御三家でもあるアインツベルンの手によって、通常とは異なるクラスのサーヴァントが召喚された事がある、と。
そのクラスは復讐者“アヴェンジャー”。]
[店の外で待つ。この前も訪れたお店だった。店主がマスター。おそらく、それを考慮してケネスは一人で入っていったのだろう、と思い]
そのうち、顔合わせるのかもしれないけど。
サーヴァントもいるだろうから、ここで待ってた方がいいか。
[店の中をちらり、と覗う]
………………だったら。
[美貴の手には、宗冬との思い出の品――算盤が握られていた。
それを魔方陣の中心に置いて目を閉じ、深呼吸を一つ。]
もう一つくらい増えたって、…………いいじゃないっ!
[魔方陣に右手をついて魔術回路を開き、ありったけの魔力をそこに流し込む。]
きてっ!……宗冬様――!!
[そう、美貴は2体目のサーヴァントを召喚しようとしているのだ。
第8のクラス、商兵“マーチャント”として。]
[流れ込む魔力を飲み込む魔方陣。
部屋中を包み込む眩い光は、一条の影すら許さない。]
……。
[やがて影が伸びるとともに光が収まる。
シン、と静まる室内。
額に汗を浮かべ、息も絶え絶えの美貴。]
っはぁ……、はぁ、……はぁっ。
[しかし、無情にも魔方陣に変化は見られない。
当然と言えば当然の結果だった。
崩れ落ちる美貴。]
宗冬様ァァ――――――――っ!!!
[悲壮な声が響いた。]
[一階へ降りる。
と。
そこに見覚えのある客の姿を見つける。]
あぁ、ちょうどいいじゃねぇか。
お前、宗冬のマスターだろう。
いつぞやは、世話になったな?
クックッ…。
[抑えた笑い。]
おい、あいつ、昨日会ったんだがよ、戦いへ行くと言って出て行っちまいやがった。
どうなったんだ?
勝ったのか? 負けたのか?
それとも他の結果か?
[エルダー、ローズマリー、ショウガ、エキナセアのお茶を入れて
ケネスに差し出したところで彼が降りてきた。]
店にでてこないでっていってるのに
どうしてでてくるの。
それにお客様にそういう言い方をしないで。
[ぽこんとガトリングの頭を叩く。]
柳生さん、美貴さんとの未来のために
沖田敬一郎を倒すって出かけていったんですけど。
……ケネスさん、あなた令呪……。
[力無く立ち上がり、部屋を出てリビングに向かう。
戸棚から酒瓶を取り出して、そのままグラスに注いだ。
誤って愛犬を凍らせて以来、宗冬に誘われるまで断っていた酒をあおる。]
ゲホッ、ゲホッ……。
[久しぶりの強い刺激に喉が悲鳴をあげた。]
「ワフ?」
[心配そうに主人の顔を覗き込む愛犬を引き寄せ、抱きしめる。]
宗冬様……。
「ワフーン。」
てめぇ…。
[ぞわぞわと殺気が脳髄へ浸透していく。
がくがくと右腕が震える。
こいつ、ひとつも俺のことを理解しやがらねぇ。
空想で壊すものがもうこの街にはあまり残っていない。
数少なくなってきた建物を穴だらけにする想像で、なんとか銃を出すのを我慢する。
逃げ惑う人々。
残さず撃ちつくす。]
フシュー…ッ。
[息を吐く。]
何不満そうな顔してるの。
悪いことしたんだから怒られて当然でしょう?
[そういいながら作りおきのラタトゥイユを温めて差し出す。]
店にいるのならせめて客の振りしてちょうだい。
[ハーブティではなく水をおいた。]
[ケネスは、お茶を飲みつつ香野とリチャードを見つめ]
宗冬は沖田にやられちまった……
リチャードの話は宗冬から聞いてるよ。
何か、あいつが色々迷惑かけちまったみたいで、すまねぇと伝えておいてくれ。
……もう一度くらいやりたかったんだけどな。
刀対銃でよ、どちらが早く獲物抜けるかってな……
[そう言いながら、リチャードの方を見た。]
そうか。
クハッ。
残念だな。
奴と戦うのは、楽しかった。
次は、殺してやろうと思ってたのに。
あぁ、そうだ。
「彼」…リチャードのことは気にしなくてもいいぜ?
奴は、「この身体を使う二人のうち、何にもできねぇ方」さ。
クックッ。
宗冬も、リチャードは斬る価値がないと思っていたんじゃないか?
いやあ、あいつは価値とか考えねぇ男だ。刀を振りたい時に振るって奴さ。
リチャードには切る価値とかより、ただ単にぶん殴りたかったんだろうな、全くひでぇ話ではあるが……
[ふと外を見て]
さて、ちょっと人を待たせちまってるんでこれで失礼するわ。
香野、あんたはまだ聖杯戦争に参加しながら、大勢の人間に居場所を知られている。
聖杯を見守るのも良いが、自分も店も無くさねぇようにな……
できりゃあ、安全なうちに降りる事を進めたいが……まあ、余計なお世話か……
[静かに笑う。]
まあ、達者でなってことさ。
次会うときは、俺は気づかずにすれ違っちまうかもしれないけどよ、許してくれや。
[ケネスは会計を済ますと、店の外へと歩く。]
あぁ、最後にもう一つ!
今は、撃てないがよ。
お前も、いつか俺が殺してやるよ。
覚えとけ。
俺は忘れないぜ?
あの時邪魔をしてくれたことをな。
[ぶる、と右腕を震わせる。]
だから、その時まで生きていろよ。
[ケネスは振り向かずに、リチャードに手を軽く振り]
ああ……覚えておくよ。できればな……。
[と告げて、その場を去った。]
[暫く待ちくたびれて中へ入ろうか、とした頃。出てきた姿を見つけた]
何か、挨拶でも?
ここは、アーチャーの陣地、ですよね。
[店の中をみつめ]
[ふん。
できればなんて口にする弱い意思じゃ、
生きてすらいられねぇよ。
とは口に出さず、見送る。
自分は忘れない。
それでいい。]
すまねぇ、かなり待たせちまったようだな。
……ああ、そりゃあ、あんたなら知ってるか。
そう、アーチャーの陣地だ。
1番始めに戦った相手でよ、その後もちょくちょく縁があってな……
ちと挨拶しておきたかったのさ。
さて、思わぬ長居をしちまった。
病院へ戻るか。
[そう言って歩き出す。]
[少し、店の中を覗いていたが、ケネスのほうへと視線を移し]
……そうですね。
早く、病院に戻らないと看護婦さんも心配しますから。
[何かを言おうとしてやめ、病院に向かって歩き出す]
― 病院 ―
[医者にこっぴどく叱られた後、病室のベッドに座り、脇にあるテーブルの上に便箋を広げる。]
何から書くべきなのか……何を書くべきなのか。
[自分に起きた事を思い、ケネスは滝田に伝わるのか不安になる。]
魔術師と5年暮らした後、騒がしい侍と組んで、聖杯奪い合ってたなんて信じるのかね?
[目を丸くする滝田を想像し、ケネスは笑った。
だが今は時間が惜しい、とにかく思いつくままに言葉を並べ、自分に起きた事を書き綴っていく。
そして次に自分の思いを書き綴る。
今まで目をそらしてきた存在への独白。
それは予想以上に時間を要したが、ケネスの意識は何とか持ってくれた。
独白は、滝田への詫びの言葉で締めくくられる。]
[聖杯戦争という中で出会わなければ、皆が何事もなく付き合えていたのだろうか、とわずかに思う。
その仮定は仮定として成り立たないのだから、考えるだけ無駄なのだと頭の一部が答える。
シャルロットの願いが、頭を掠めた]
聖杯戦争をやってる身で、こんなことを言うのはおかしいかもしれませんけど。
……みんなが、幸せになれる世界があれば、どれだけいいのでしょうね。
[病室の片隅で零すと、便箋へと向かうケネスの方を見た。恐らく彼はもう限界なのだろう、と書いている間の様子を見て思い]
真さんの目覚めた世界が、長く続くように、私もがんばらないといけませんね。
沖田敬一郎を止めなければ。
たとえ遠い未来に滅びが待ってるのだとしても、だからといって今滅びていいはずがないのです。
頑張ってくれ……としか言えないのが心苦しいけどよ、滝田には幸せになってもらいたいからな……
よろしく頼むわ……
[ケネスは静かに息をつき、ソフィーに改めて礼を言うと、自分の服からひしゃげたマルボロの箱を取り出した。
箱の中に残った最後の1本。
それを取り出したケネスは、その煙草が真っ直ぐである事に気づく。]
曲がってない煙草も残ってたんだな……
[周りの景色がかすみ始める。
意識が飛んだ後、目を覚ますのは滝田なのだろう。
ケネスは指にはさんだ煙草に火をつけることなく、*静かに目を閉じた。*]
クハッ。
[笑う。
食事を一気にかき込む。
水を飲み干す。
…お前と戦えて、俺は、光栄だったぜ?
楽しかったよ。
お前は満足したか?
俺は、まだ足りない。
また時空のどこかで会おうぜ、柳生宗冬。
今度は俺が、*殺してやる。*]
[目を閉じたケネスを暫く見つめていた。死んでしまったわけではない。けれど、もうあの男には会えないのだろう、と思い、その場を離れることが戸惑われた]
おやすみなさい、ケネスさん。
また、お会いできるのを、お待ちしています。
[手に持った最後の煙草を、そっと指の間から抜き取り、手紙の横へと置く]
[寝顔をもう一度見つめてから、病室を後にする。医者へは記憶障害があることを伝えておいた。
病院を出る頃、既に日は低く、赤い日が西の空に*沈もうとしていた*]
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