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牧童 トビー に 1人が投票した
雑貨屋 レベッカ に 3人が投票した
修道女 ステラ に 3人が投票した
のんだくれ ケネス に 1人が投票した
隠者 モーガン に 3人が投票した
修道女 ステラ は村人の手により処刑された……
次の日の朝、旅芸人 ドリス が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、牧童 トビー、双子 ウェンディ、雑貨屋 レベッカ、文学少女 セシリア、のんだくれ ケネス、隠者 モーガン、学生 メイ、未亡人 オードリー、藪医者 ビンセントの9名。
だけど、師の誤りを正すのは弟子の役目だから。
今はゲームに参加してる場合じゃない。
ゲームマスターを叩くのが先。
[師の方を向く]
そこを見誤ってる師匠には、わたしが一発蹴りを入れておかないと納得出来ないんです。
≪我、天地を貫く世界の「基礎」なり。
貴様が如き細腕で、終焉を与えられるとでも
思ったか?自意識過剰にも程がッ!!≫
[崩壊。火災。―電波塔周辺の大惨事。
その中で、傷一つなく存在感を示す「柱」]
≪貴様が相手にしているのは、メガロポリス
だということを認識しているのか。≫
[堰を切ったように、電波塔周辺の消火栓、
下水道などから一斉に水が噴き出す。
燃え盛る炎を、消し去っていく。]
[ちらりとブースの中を覗く]
何か調べ物?
何かまでは詮索しないけど。
あたしとしては、今メガロポリスで起こってる状況を、誰が起こしたのかを知りたい。
それには、この地図に映ってる光点、つまり、メガロポリスで動いてる人、の情報を集めるのがいいかなって思ったの。
だから、ここまで来たんだけど。
あれ?
[ステラがやってこない、と辺りを見回す]
―― 現実世界/北部 ... 航空局 ――
[モーガンの烈火の如き怒声に]
<<
あらあら、高血圧が進んじゃったかしら?
それにしても、お達者なのも困り者ね。
>>
【アレには、物理的な攻撃はダメ、ね ... 】
[オードリーは、2発目の準備の手を止めた。]
>>
あなたみたいな人を井の中の蛙って言うのよ。
田舎町の大黒柱さん。きょうは寒さに凍えてお眠りなさいな。
<<
[オードリーは、外套にを包むと、姿を消した ...]
いけないッ
塔に、──行かなくては。
メガロポリスにかりそめの死をもたらした者が──破壊されてしまうかもしれない。
[オーキッドパープルの髪が、強く輝く。
セシリアは、衝撃強化ブーツを履いた脚、全速力で電波塔へ駆け出して行く──]
この場だけじゃなくて、GAME自体から身を引いて欲しいんですけどね──。
[背中には冷汗][勝てるとは思っていない]
けど止めなくちゃ──デバイスを使えなくしちゃえば──生身は別に──
[CUBEを呼び出す][組み合わせに乏しいのが難点]
[赤・赤・赤・緑]
遠慮はしませんからね?
[炎で出来た"矢"][あくまでデータ上での存在]
[内部は無限のforループ]
[リソースを少しずつ削り落としていく]
[対象は銀のタクト]
[指揮者の戦い方は知らない。]
[Kotの其れも。]
【 音域拡張/二重音 】
[二つまでの音を選べるようにと、剣を構えたままに内部調整。]
[選ぶべきは防御/低音のC と 攻撃/高音のG]
[現実では効果は及ばない。現実では、光の剣のみ。]
――南部/電脳街"BruteForce"
人だけじゃないと思うけど。
さっき一緒にここまで来た人は、AIみたいだし。
他にもAIでも映ってるし。
[ケネスの問いにはどこか中を見て目線は上に]
そう。下層から。手紙が届いて、ね。
あなたも、手紙持ってるでしょ? 地図になるやつ。
[そう言ってフィルムをひらひらとさせた]
[電波塔の建物が崩壊するするような大事故が起きても、崩壊後のメガロポリスは静かだ。あらゆる防災設備、水脈のある位置から、水が降り注ぎ──炎を沈下して行く。
セシリアは散水の雨の中、目元にはあの黒いシールド、白いボディスーツ姿で、粉塵の混じった灰色の水滴を弾きながら、現場へ向かって行く。]
あれは──…一体、 な
メガロポリスを支える柱──なの か?
[雨に妨害される視界の中、天高く聳え立つ──樹のような柱が見える。]
―― South/Webcafe"BruteForce" ――
そうか。ならいいんだ。
[メイが尋ねた言葉に軽く肩を竦めた]
ん? ああ。
【ID:07】に登録されてるのが俺だな。
"mortal"――その辺のどこにでもいる、下らない“ヤツ”が俺さ。
―――call φ(ファイ)
≪温温温乾.性質はIgnis.≫
可愛い弟子が向かってくるのだから、手加減しよう。
φを破りたまえ。同系統のPGMだ。
[パイプを取りだし双眸を伏せる]
――そう、それより。情報を集めてるってんなら、まさしくソイツが俺の仕事(ビジネス)だな。
“ゴミ屑の城(junk castle)”には必ず
“回収屋(Scavenger)”が居るものさ。
今もちょうど、――お、来たな。
[そう言う間に、スピーカからドアチャイムに似た効果音。続いて無線リンクが問いかけてきた]
≪――マスター。処理終了したみたいですけど。電送した方が良いですか?≫
[ケネスが言いかけた言葉に、首を傾げる]
07……。
[持っていた地図の光点をポイントすると、番号とIDが現れる]
ふーん、なるほどなるほど。
地図を実際つついてみると番号出るんだ。
Utopiaでつついたことはあったけど。あれはこれを投影してただけだから、だったのかな。
[顔を上げケネスを見ると]
下らないやつなんていない。って。あたしを拾ってくれたばー様が言ってたけどね。
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔付近 ──
光点はあの柱の中にある。
──中に入り込んでさえしまえば、
[セシリアは宇宙樹のごとき柱の近く──残存していた地下道から、内部へ向かう通路を見つけた。崩壊せずに残っていた特殊貨物運搬用のオートコンテナを利用して、内部へ潜り込む事に成功した。]
──電波塔付近 →内部──
[セシリアが足を踏み入れた電波塔の奥に隠されていた場所。柱の内部は、空の帝王の突撃の前となんら変化は無いようだった──。]
[ちょっと待った、とメイを手で制して、メイン画面に向き直る]
いや、構わない。そのまま結果報告してくれれば。
こちらさんにも俺の仕事ぶりを見といて貰う必要がありそうだからな。
『――わかりました。ええと、ですね。結果から言います。
【ID:03/"黒(Kali)"】negative。"anti-Hypnos"は発見されませんでした』
――なん……だと?
ふーん、つまり、ただで情報を渡す気はないってこと?
情報屋としてはそれが正しい姿、なのかもね。
あたしは新たな情報じゃなくて、光点に当たる人物像を知りたくてここに来たんだけど。
この状況を作り出したのが、光点の中に含まれてるか含まれてないのか、どちらにしても。
光点を消して行ってる人がいるみたいだから、それが誰なのか探る為に。
―現実世界/中央部電波塔跡柱の間―
[4体のミイラに囲まれて、脳が柱の中に浮かんでいる。]
【何者かが、私自身のところへ向かっている…。】
[ぼうっと浮かび上がるように、柱に向けて
光が注がれる。暗闇にぽっかり浮かぶ脳。]
≪”輪廻”の世界へようこそ≫
[対象変更──Ignis.]
やっぱり御大自らってわけにはいかないんですね。
あんまりさぼっているとすぐに老化しちゃいますよ?
[言うと同時、"火矢"を放つ]
[Cubeの三面][赤・赤・赤・青][性質変化]
[矢の炎は氷へ転じる]
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
[ブーツの踵を響かせて──その場所にたどり着く。]
[暗闇の中、人間の脳だけが──ぽかり、浮かんでいる。
セシリアは、モーガンが埋め込まれた柱のすぐ近くまで来ると、光点をクリックした時に表示されたIDを読み上げ──、]
輪廻<リインカーネーション>
はじめまして──
貴方が、この都市へ真実の終焉を齎さんとするもの ですか?
[目元を覆ったシールドの奥で、瞬き。]
いや…それは正解なようで外れだな。
[目の前に浮かぶ脳こそ、輪廻の正体。]
真実の終焉は、私に齎してほしいのだよ。
私はメガロポリス。それ故、君の表現も
あながち間違ってはいないというわけだが。
―― South/Webcafe"BruteForce" ――
[スピーカからの声は男の当惑も娘の問いかけも無視したようにそのまま流れ出た]
『――それだけでなく、彼女の存在自体もweb上から消失(ロスト)した可能性があります。
対象(ターゲット)の最終観測地点を現実世界に置き換えると、北部航空局上空が照応します。ですが、その一帯が大規模な蒸発領域(ヒートフロア)と化していました。
探査モジュール送出数16のうち、帰還数1。
探査を続けますか?』
[ブースへと引っ込んだケネスを眺め]
えーと。
mortalって呼ぶのはあれか。
おじさんって言うと被っちゃうし。
名前、なんていうの?
あたしは、メイ。だよ。
[画面を見るケネスへと視線を投げて]
[攻撃性能動型防御壁]
[銀色のタクトを振ると、輝くアンバーの粒子が拡散と収縮を繰り返しながらKotへ向かった]
――― 世界は歌に満ちている。
[88の黒鍵と白鍵がずらりと現れた。
銀色のタクトが三角形(トライアングル)の軌跡をえがき、Requiem C-Daemonをcall.]
――― 奏でられるのは涙にくれる日々への多重聖歌。
[粒子は火→氷の矢を呑み込む]
[粒子の後ろでもたげられる黒く不穏な輝き]
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
[首を傾け、対話相手が埋め込まれた柱の表面にそっと指先で触れた。]
貴方に──…終焉?
貴方自身がメガロポリスで、有るが故に──自らは死ねない…?
[「私は勘違いをしたのですね」と、確認するようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
四方を囲む柱には、それぞれにミイラが置かれ、この状況から目の前の相手が、この巨大都市を人知れず支える人柱であったであろう事が推測された。]
貴方は何時から──このように。
[聞こえてくるのは女性の音声]
黒(Kali)……って。
カーリーってあれよね。
[黒の女神、という名前を思い出す]
消えた?
ああ。まって。
[拡大していた地図を最小まで持っていく。北部区画を映し出した場所に映る点は二つ。その一つが点滅し、やがて、消失する]
……昼間に消えた点は、この黒の女神が壊したのだといってた。
じゃあ、黒の女神を壊したのは、誰なんだろ?
いつからだろうか。もう覚えていない。
それくらい太古の昔というわけか。
[機械が稼働する熱と無機質な冷たさ。]
終わりなき生…あまりにも長過ぎた。
始まりがあれば、終わりもある。
そんなふうに、人間らしく消え逝きたかった。
[コポコポと気泡。]
だが、なんだこのザマは。
人にあらざる姿で、終わりなく使役されている。
苦しい。あまりにも苦しい生だ。
だから、せめて私に「真実の終焉」を。
怖いなあ。
["NOE"展開][CUBE操作][黄・黄・赤・赤][障壁補強]
歌に満ちた世界は好きですけれどね。
もう少し明るい方が好みです。
[黄・青・緑・赤][六面中三面]
[幻影を作る][大量の猫][老人のときの倍]
まあ、騙されてくれるなんて思ってないですけどね?
["猫"はIgnis.と師に殺到]
[その背後から半円を描くようにウェンディが走る]
【オードリーが"罠"を張ったのは誰? 考えられるのは、おじいちゃん、おじさん、それからレベッカも? 後は……黒の女神?
黒の女神は好戦的、だと思う。じゃあトビーに攻撃を仕掛けて返り討ち、とか? でも、北部航空局付近なら違うのかも】
[地図を見たまま、考えだけめぐらせて行く]
【それより、二つの点ってことはもう一つは……】
[北部航空局から去って行く点をポイントする。記されたのは]
オードリー……。でも。現世でいえばそこなだけで、Utopiaでやられたのなら違う、カも知れないのか。
[いつの間にか、口に出してるとは気づかずに]
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
[指先に触れる壁面は、機械熱の温度と無機質な質感。]
…メガロポリスの成立期。
不死社会の黎明期──でしょうか ね。
私がMasterの手によって作り出されるよりも、ずっとずっと昔。
[想像し得ない過去の世界に想いを馳せ、セシリアは小さく息を零す。
そして、輪廻と呼ばれる者に微笑んだ。]
長過ぎる市民の生──死の概念を忘れた都市の人間たちの、すでに生とは呼べぬ生──に。ただしき死をもたらすのが、AIとしての私の“第一の使命”です。
[オーキッドパープルの髪が輝き、セシリアは己の胸元の教団のマークを指し示した。その仕草には、ロストしていた使命に辿り着いたある種の熱狂があった。けれども──、]
嗚呼。でも。
貴方が終わると──この都市のすべてが終わる、のですか?
[そう答えると“地図”をホロ投影させ、状況を確める]
昼間に消えたのは【ID:08/"rose mary"】だな。
そのとき攻撃したのは"黒(Kali)"だ。"Celia"が――
『――わたし、見てましたよ。逃げてきちゃいましたけど』
ということだ。
だが彼女――"黒(Kali)"を誰が壊したか、そこまでは分からん。
ただ間違いないのは、それをやった野郎が"anti-Hypnos"PGMの保有者だってこと、だ。
さあ……私亡き後の都市がどうなるのか。
それは私にも想像がつかない。
[ランプが青く*点滅*。]
だが、私は終わりたい。君が終わりを齎す
存在なら、この私を救ってはくれないか。
対価ならある。君には力を与えよう。
君には「狂喜」を与えよう……。
きっと似合うと思う。
それは、あたしのIDであって名前じゃないもん。
Utopiaでそう呼ばれるのは気にしないけど。あたし自身は現実のものだから、そのIDで呼ばれたくはない。
確かに符号だけど。
大体憶えやすくなんてないじゃない。それ。
[明らかに気分を害したように、ケネスをみた]
anti-Hypnos"PGM……?
[その単語に考え込む]
【この状況を作り出せるのは、ウイルスかPGMかと思ったけど。Hypnos……調べる必要あり。かな】
[猫も何もかもを呑み込んでアンバーの粒子の渦はKotに向かう。――が、NOEの前で阻まれる]
影(シャドウ)側の攻撃をよく見破った。
[そして、おもむろに背後へ銀色のタクトだけを回した]
―― South/Webcafe"BruteForce" ――
[眼前の娘が呟いた名前を聞きとがめ、口に上せる]
……オードリー? 君の関係者かい?
[メイの視線を追いかける。地図の示す光点。
今しがた話題にした北部を移動する軌跡]
[円弧を描き疾走]["猫"と"ウェンディ"][三面分の幻影]
["ウェンディ"に重なり走り][分離]
[左右一対][師に向かい]
伊達に弟子してないですからね!
[走る][踏み込む][踏み切り][跳躍]
秘技☆弟子キーック!!
[勢いを乗せて、とび蹴り]
関係者じゃないよ。
会ったことがある。のと、なんか罠張ってるっぽいってだけ。
それに、罠を張ってコンダクターを狙うような人が、黒の女神を襲うはずが……。
[ないとは言い切れず口篭る]
でも、用心した方がいい相手ではあるよ。
……ふむ。
俺にとっては電脳(ウェブ)も現実(マンデイン)も大差ないんでな。
“存在しない場所(ユートピア)”なんてのは超越的にしか存在できない。非AがAでなければならないんだから。AがAであるうちは、俺は電脳世界をUtopiaなんて呼ばない。それと似たようなものだね。
まあ、君の事は君の流儀に合わせるさ。メイ。
[オードリーについて語るメイの言葉にふむ、と頷いた]
なるほど。……けどな。用心しなくていい相手、なんてのはこの世のどこにもいないんだぜ、嬢ちゃん。
甘い!
[――銀色のタクトを振り上げる。Kotの左足の裏を阻み、黒い獣の形をした霧状PGMが同時に遅いかかろうと――、]
―――
[後方から風を切る音。上空で一回転したKotの右足の蹴りが綺麗に頭部を*捉えた。*]
ふーん。
でもあたしは、よく知らない人を、下らないとか、罪深いとか、呼びたくないし。
[少しだけ迷い]
お兄さんって柄でもないよね。
もう、おいちゃんでいいや。
Utopiaは便宜上そう呼んでるだけだけどね。
あたしにとっては情報を得るためだけの空間だから。
でも、実際そこをメインに生きてる人からすれば、Utopiaって呼んだっていいと思うけど。
用心はするけどね。誰に対しても。
でも、接してればその人が危険かどうかは大体判ってくるよ?
判らなければ、自分の目が曇ってただけ。
だから、それを見極める為に、動いてる人を探してるんじゃない?
人からの伝聞だけじゃ、その人を判断することは出来ないから。
―― South/Webcafe"BruteForce" ――
そうか。まあ、良いさ。
何よりも一番信頼すべきなのは自分、信頼できるようにしておくのも自分、だからな。
[テーブルに向かい、接続ログの消去作業に入る。一時租借したデータ領域の白紙化(フォーマット)を行う前に、振り返った]
そろそろ俺はここを出るつもりだ。他に、メイの用事は?
探したい人物だとか情報だとかいった手がかりはあるのか?
他の情報、ね。
まだ知らない点を当たってみたいけど。
後は、今電波塔にあるこの点ね。
[電波塔にある点を指す]
それ以外にも欲しい情報があるから、あたしはここに残るよ。
もしUnderに来れるなら、"Scavengers' Nest"の座標(アドレス)とキイワードも教えておこう。その辺で小一時間もクロールすれば見つかるようなもんじゃあるが。
[メイとすれ違いざまに二つの単語を送信する]
≪――insomnia,outsomnia≫
じゃあ、また。
[男が店を出た直後。
ホロ投影機に再び電源が入った。
金色の長い髪をした少女の姿が浮かび上がり、メイを見つめる]
『――はじめまして。わたしの名前は"Celia"。
お見知りおきくださいね』
≪――マスターの名前は、ケネスですよ。メイさん≫
[それだけを告げて、映像は薄れ*消えていった*]
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
[終わりを望む相手の言葉に、セシリアが頷くとオーキッドパープルの髪が輝きながら揺れた。]
私は、貴方が終焉を望むのならば、たとえ、貴方と共にこの都市が滅びたとしても、それを齎しましょう。
[頷いたのち、環境を確認する、セシリア。
セシリアの顔の上部を覆う黒色のシールドに、ランプの青い点滅が映る。「【inc.】かしら」と言うのは、バックアップシステムを想定したセシリアの呟き。]
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
貴方を真実に終わらせるには、バックアップシステムを破壊する必要がありそうですね。空の帝王よりも、強い力が──確かに力が必要そうです が、
力を与えると言う貴方は──
[目元を覆うシールドが薄い羽音を立てて解除される。
Orange Fluorescentが発動されるわけでは無いが、目の前の特異な存在をより正確に把握しようと言う衝動のあらわれだろう。
溢れそうに大きく見開かれたセシリアのオーキッドパープルの瞳が強く輝く。睫毛を揺らし──]
私は、貴方の記録を──何処かで…閲覧した。
思い出しました。
Closedの図書館に常時接続して──学習をしていた頃の──“私ではない私”が。死によって分断された──もう1人の私の記憶に、貴方のことが残っています。
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
[この柱の間の空間は、メガロポリスの中心部である所為か。
自然、電脳界へ接続されやすい環境でもあるらしい。微弱な電波が飛び交い、セシリアが口にした“私ではない私”のメモリーが蘇り、ホログラムの幻影として浮かび上がる──]
[集められた子どもはFemaleばかり]
[一般社会とは隔絶された場所にある特別養成施設]
[少女達は誰とも交わる事無く、清らかなまま産むための器官となる為に育成される]
[彼女達は将来、生体(女)のまま、公共機関における1つの機能になる]
[──“スクール”──]
[すでに死亡したと有る少女──Ceciliaが育った場所]
[今、輪廻<リインカーネーション>の前で、人間らしい表情を見せて立つのは、ライトブラウンの髪、ライトブラウンの瞳。自然な色を纏い、“スクール”の制服を着た“第三のセシリア”──すでに死亡したCeciliaと言う少女の人格再現プログラム。]
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
“スクール”で育った私は、有限ではあるものの──輪廻<リインカーネーション>、貴方と同種の孤独を味わう公的な存在になるはずでした。「対価」は、本来、教団AIである第一の私には、必要の無いものですが──受け取りましょう。
[瞬き]
力を与えると言うのは、原始の神話を思わせるPGMね。
今、ここに人柱としてある、貴方と言う人間が。
もう一度新しく生まれるために──還す為の、ただしき器──ヨーニには、AIの私は成れぬでしょうけれど。
夜毎の小さなかりそめの死と快楽であるならば。
セクサロイドとして存在する第二のセシリアが、真実の死までの絶望の乾きを紛らわす一滴の水を──貴方に差し出し得るかもしれません。
[オーキッドパープルに、“スクール”の生徒──Mamの娘だった少女のホログラムが重なり溶け込んだ。]
― 現実世界<Mundane>/
南部電脳街:Theater内 Machine Room ―
「う〜 う〜うー くるしー こんなんなるって聞いてねーよ……」
[戻ってきてしばらく、マノンは加速された「誕生」にのたうちまわっていた。活発な変換作業が収束した後もしばらくPGMの最適化のための書き換えは継続し、その間AIの言語モジュールは苛立たしげにエラーメッセージを吐き続けた。
元々、老人がヴィンセントの電脳に効果をもたらすように発したPGMだ。多少は存在するだろう不整合な部分を補完しなければならない。]
「まじだりぃ。やってらんねー」
[大きな不具合が発生するならば初期化が必要だろうかとの考えも浮かんだ。一人だけに“受胎”を求めたのは、いざとなればカノンで上書きして不具合を除去することが容易だからだ。]
[だが、カノンの申し出をマノンは頑なに拒否した。]
「そっちこそ、あたしで書き換えてやるよ」
[そう言って、マノンは不敵に微笑んだ。確かに、PGMが定着し、結果マノンの動作が向上したと判断されれば、その内容はカノンに上書きするもくろみになっていた。
ふざけんじゃねーよなにきばってんだよむりすんじゃねーようっせうっせ二人はつかみ合いの喧嘩をはじめる。ああもういいからやめてくれと間に入る。
マノンの吐き出すエラーを見続けるのに耐えられなくなり、マシンルームのサーバ群で分散処理することにした。演算は瞬く間に終了した。やれやれだ。]
[ひとまず動作不良を生じさせないことを検証し終えたところで、カノンは私もなにか別物が欲しいと言い出した。どうしてもただ上書きされるのは納得がいかないらしい。
かといって爺様のところへまたねだりに行くのも、芸がない。
対になりそうなPGMで他に思いつく心あたりといえば……。
万華鏡を覗き、その者のIDの位置を特定する。
ゲートが再び開かれ、世界は*変容した*。]
潔白、違うってこと。
[考える、が思考は途中でそれる]
kotはあのこか。そしてDeath Maiden。
白、ね。本当に、白だったのかな。
信じてないわけじゃないけど。一口で安全だと言うのもおかしい気がするし。
うん、有効利用させてもらう。
[ケネスが出て行くと、少し後にモニタに映像が映る。金髪の少女はCeliaと名乗り、ケネスの名を告げる]
ふーん。そんなにおいちゃんて呼ばれるの野だったのかな?
まいっか。覚えとこ。
さてと。ここのブースでそのまま潜ったっていいけど。……別のブース行こうかな。
[少し考えてからブースを*移動した*]
――Mundane/南部・"BruteForce"――
[別の個人ブースへと入りゴーグルと端末をケーブルで繋ぐ。レンズを片方だけ上げて、キーボードへと指を走らせる]
あっと、手紙も、もってこ。
underに来られればと言ってたけど。今は情報を探るのが、先。ま、行くとこ一緒だけど。
[ログインのためのIDを打ち込み、続いてpassを打ち込み、自分のClosed spaceへと]
underに行くためのPGMあったはずだけど。どこやったっけな。
[端末から覗くそこは、一面のGray]
[画面中央よりやや右をポイントすると、textが展開される]
あった。
まだ、大丈夫、かな。ん?
[一面のGrayの中に、10ホワイト値の落ちた箇所を見つけて、開ける。やはりtext文書が展開され、下の混乱のことが書かれていた]
……下で、何か起こったの?
うーん。途中で切れてるし!
下に戻るなっていっても戻れないし!
PGMが撒き散らされた、のは分かる。でも。
それでどうなったのかまではかかれてない。
ある宗教施設への住民の暴動とか。
みんな、大丈夫、かな。逃げるの早いし、大丈夫と思いたいけど。
[textを閉じる]
この状況じゃ打つ手なし、かな。
あたしはあたしに出来ることしなくちゃ。
[入手したPGMを使ってunder領域へと潜るレンズは両方おろし、潜っていく感覚は緩い]
――Utopia/underのどこか――
[降り立った場所は薄暗い。端末との相性が悪いのか、と思い、自身の調子を確認する]
暗いだけかな。
underには入れるって事はここは生きてる。
まずは、"Hypnos"について、かな。
[検索をかければ、そこへと誘導される。どこかの資料室のようだったが、開放されているらしかった。そこから紙片状の資料を取り出し、目を通す]
HypnosPGM、"都市型" memento mori、単語だけ並べられても。
でも、memento moriは知ってる。どこかの図書館で読んだ、気がする。
S2……。SSS……。不可侵領域への鍵。
鍵。
[トビーの言葉を思い出した。過去、不可侵領域へ行く方法があったこと]
単語しかないからよく分からないけど。
ちょっと、考えてみよ。この資料が、どうしてこんなところに開放されてるのかも。
[その場に座り込むと、*資料を見ながら考え始めた*]
― 電脳世界<Utopia>/領域定義中 ―
<<< ドコォォォォォォォォォン!!! >>>
<<< キィイィィィィィン ピー ガガガガガ! >>>
[突如轟音が鳴り響いた。
集音マイクの音割れ。閾値を超えた音量が目の前に起きている出来事のインパクトを伝える。
コンクリートは地響きをあげながら雪崩となって崩れ、鉄骨は甲高い軋みと共に倒れてゆく。
山が崩れるのに等しい衝撃だった。]
なんだ!?
なにが起きている!!?
[メガロポリスの姿を映し出すウィンドウに意識を向けた刹那、視界は兇変の様相に置き換えられた。]
[中央部はもうもうと立ちのぼる粉塵に覆われてゆく。灰色に覆われた視界の彼方で、幾つかの光が明滅した。
メガロポリスの象徴のように聳え立っていた電波塔は崩れ去っていた。
だが、白煙と降り注ぐ水沫の向こうに巨大な柱の影がおぼろに見える。]
爺様はどうなった――
[万華鏡の多層地図を呼び出すと、光点は健在だ。
ほう、と安堵とも感心ともつかない息が漏れた。]
[茫然とその場の有り様に意識を奪われていたのはわずかなこと。薄曇りの中の視界に大きな変化は見られない。
火災や破壊が拡大していく気配がないことを確認し、ウィンドウを縮小させた。]
「天を目指した夢の塔もいつか――」
「――崩れ去る時がくるのです。」
[双子はぽそりと口にした。]
「ねえ、ボス――」
[突然、マノンが俺の方に向き直る。]
「Dreams Come Trueって――何人でしたか?」
[俺は厭な予感がする。]
さ、さァね。二人なんじゃないか?
[声はわずかに強張っていた。]
「へえ……」
[マノンは口を噤む。そこになにかの気配が横たわっている。それは、黒く、重く、冷たい。]
「私、三人見ました。古いデータで。」
「――二人でしょう?」
[カノンが首を傾げる。
俺は、いいじゃないかその話は、と双子の間に入る。
元から二人だったように、触れられないことがあるのだ。目指す道筋が変わって、別の旅路へと向かう人だっているさ――言葉は絞り出すように発せられた。]
「夢の終焉……
私たち三人も――」
[誰かが欠けなければいいですね、とマノンはクスクスと嗤った。
なに言ってんのよ、とカノンが詰め寄る。お払い箱になるとしたらお前なんだよ、と諍いが始まる。俺はまた二人の間に割って入った。
だめだ。危険だ。Biscuitはミラーリングによって常時双方の異常を検知し書き換えながら、安定性を保ち続けることに意義がある。このまま二人が融和を拒んだまま時間が経ったなら、とりかえしのつかないことになるかもしれない。
一刻も早く、対になるPGMが必要だ――。
渇望に突き動かされ、俺はその者のところへと赴いた。]
― 理想郷<Utopia> / Under:Ruins of Abbey ─
[廃墟と化した寺院の前に、聖女は佇んでいた。かつての大伽藍は今は崩れ去り、栄華は一場の夢。天蓋はなく、石壁や列柱、アーチがモニュメントのように残されていた。
頭上の虚空には、島のように巨大な岩塊がぽっかりと浮かんでいる。それは、基準面グリッドの定義に失敗した作りかけの大聖堂だった。
何処へ配置される予定だったものか。あるいは、自己満足の手慰みにつくられたものか。作り手に忘れられたまま残骸となって、その領域に置き去りにされていた。
<<< ……バサ、バサバサ… バサ――ッ >>>
[闇を深めた黒い鳥。鴉の群れが虚空の聖堂の影をかすめ飛ぶ。
それを合図としたかのように、ストリートオルガンのノスタルジックな音色がどこからともなく響きだした。]
― 理想郷<Utopia> / Under:Ruins of Abbey ─
[カラコロとストリートオルガンの台車を押す“座長”の姿が黒い羽の中から浮かび上がる。]
<<< ブンワッパ ブンワッパ♪ >>>
<<< ディロディロリ〜 ディ〜ラ〜ララ〜 >>>
<<< ララ ブンチャッチャ♪ >>>
[修道女の首が小さく、音の鳴った方へと傾けられた。ストリートオルガンを押す男と、アコーディオンを奏でながら付き従う二人の老婆の姿があった。
現れた三人は、一定の距離を隔てたまま立ち止まった。]
やァや。シスター。
新世紀の救世主が降誕すると聞いて三博士がご機嫌伺いにやってきたよゥ?
[座長は山高帽を取り、その場で恭しく一揖する。]
あなたに黄金も乳香も没薬も捧げもしよう。
だが、私が捧げるのは音楽と踊り。
[ステッキをくるくると回し、カツと地面を鳴らす。
傍らに、ぴょんと三脚を弾ませ幻燈機-Phantasmagoria-が現れた。
投げかけられた光が、聖女の周囲を浮かび上がらせる。]
千年王国の始まりだ。
眠りについた者も甦るさ。
福音を耳にするために、迷える羊たちが押し寄せてくる。
さァさ、音楽を奏でよう――。
[パチンと指を鳴らす。双子のアコーディオンの音色と共に、幻灯機から影が溢れ出した――**。]
─ 現世<Mundane> / 中央部 ─
[すとんと着地][満足そうに笑う]
弟子は日々着実に育つものなのよ、師匠。
それともすべて見越して敢えて受けてくれたのかしら。
師匠ならそれもあり得なくはないけれど。
[Cubeを一振り]["ウェンディ"が消える]
―― 現実世界/中央部 ――
やれやれ。
"約束"は"約束"だ。
この場は引こう。
[緑の短髪を撫で、緑の双眸を閉じる。目尻が吊り上がり、不機嫌なようにも複雑な想いを抱いているようにも見えた。]
幻の認識は簡単だが
まさか一回転するとは思わなかった。
自分でもちょっとびっくりです。
いざとなれば何だって出来るってことかもしれないわ。
とりあえずは「ありがとう」ですけれど──
[すぅと目を細め笑う]
──師匠。
邪魔、しますからね。
このままプレイヤーとして参加するって言うのなら、
徹底的に邪魔しますからね?
お椀いっぱいの唐辛子じゃきかないくらい。
Player...ねえ。
そうだな。Playerとして参加し続けても良かっただろう。
[Wendyに体の側面を見せるように歩き、ふと止まる。]
すぐばれるような悪戯だな。
[唐辛子に哂笑。]
どういう意味ですか。
ただのプレイヤーではない、或いはそもそもプレイヤーではないと?
[真意を量りかね、疑問符がひとつ]
……わたしは、まだ子供だもの。
だからこそ、やっていいことといけないことの区別は、つけられるんですよ。
――ボクには
Game Masterがやはり似合っているようだ。
元々、裏方が専門だからね。
[一人称の発音は何ら変わる事なく。ただ、Kotへは文脈において、何を指し示すのかは分かった事だろうか。]
何、Kotの言葉でGameに興じるのを止めたと言っただけだよ。
[Rebeccaへ苦笑するように。お手上げだというように両手を上に向けた。]
────。
[息を詰める]
そう、ですか。それなら。
止めます。絶対に。何があっても。
わたしの言葉が引き金だというのなら、尚更。
[Cube操作][黄・黄・黄・緑][モードは捕捉]
[対象は、かつての師へ]
Kot.僕はこの場は引くと言ったのだし、Gameに興じるのを止めたと言っただろう?
[パイプからはホログラムの煙が立ち昇る]
まだ、何か続けたいのかい。
――Utopia/under――
[Hypnos、と書かれた紙片。それをじぃと見つめ]
HypnosPGM。これが、この状況を生み出してるってこと。ケネスが調べてた事とあわせると、そうなる。
"anti-Hypnos"PGMの保有者がいるんだといってた。黒の女神を倒したのが、その保有者。
ケネスは、その保有者を探していた。
つまり、動いてる人が"anti-Hypnos"を皆持ってるわけではないって事。
じゃあどうして動けてるの? 別の要因?
[ひらりと、仕舞ったはずの紙片が落ちてくる。書かれた単語は"S2"]
S2……。これが、何かわかれば――。
― 理想郷<Utopia> / Under:Ruins of Abbey ─
[defile de idiot -愚者の行進-。ステッキを振りながら、シルクハットの紳士たちのシルエットが足早に修道女の方へと向かってゆく。]
「汝らの心に平安を――」
[STELLAが発動させたBenedictusの効果範囲に入った途端、男たちの影は力を奪われる。がくりと身を屈め、その場に倒れ伏していった。
しかし影の後ろにまた影。いくらなぎ倒されようとも尽きることがないかのように、群衆は次から次へと湧いてくる。漆黒の影の隊列が色濃く地平を覆う。]
<<<――la…la――――>>>
[高らかな歌声が虚空に谺する。音波は円錐状に広がりながら、人波を洗っていった。
影の行進は瞬く間に汚泥となって溶けた。]
ハハハ……
――この程度では効果がないようだねェい。
[座長は水槽に手を翳す。そこに牛の姿が浮かび上がる。]
これならばどうだ――
Encierro――アバレウシ!!
[幻燈機が明滅すると同時に、無数の雄牛の影が飛び出した。]
<<<…ドドドドドドド……>>>
[雄牛の影は、幻燈機から離れ修道女に近づくに従って大きくなってゆく。角を振り立てた巨大な雄牛の群れは大地を揺るがし、狂濤となって修道女の姿を呑み込もうとしていた。]
ええ。わたしの目的はゲームマスターを押さえてこの馬鹿げたGAMEを止めること。
わたしだって、SSSはいつか挑戦すべき対象だけれど、こんな形は許せない。
[言いつつ、違和感]
[SSSのためのGAMEの首謀者と、彼女の知る"師匠"の人物像が噛み合わない]
(或いは、ほかに目的が?師匠のキャラクターを考えるなら、誰かの計画に乗っかったとも考えられるわ)
(GMはひとりとは限らないかも)
[考えは奥底に押し隠して]
今ここで行動不能にしてしまえば、師匠がこれから誰かを"停める"ことは出来ないわよね。
おとなしく捉えられてはくださらないかしら?
[無駄だろうな、と思いつつも尋ねてみる]
<<<キイィイィイイィィィン――>>>
[刹那にBenedictusの波長が強まる。]
《高出力のattenuate PGMが前方で発生中――》
kenon fieldの複層防壁をfrontに最優先で展開!
急げ――
《――来ます!》
<<<ゴオオォオオ!>>>
[厚みを帯びた大気の壁が、空間を歪ませながら巨大な牛を消し飛ばしてゆく。前方に張り出された傘状の防壁によって散らされた衝撃波が、周囲の位相空間を撓ませ通り過ぎていった。]
ハハハハハハ!!
[男は呵々と笑う。目の前には、動く影は一つもなかった。
否――。コイフを揺らす聖女を除いては。]
―現実世界/中央部柱の間―
[甘美な誘い。気泡がコポコポと。]
ふむ…実に興味深い。君の言葉は私には
非常に真実味にあふれる心地がするよ。
だが、できれば我が部屋に来てくれるか?
[個人スペースのPASSを発信する。]
[パズルのピースが合う様に、かちりと]
不可侵領域への、鍵。それが、S2?
その鍵を誰かが集めてる?
だから、黒の女神は倒された。黒の女神がrose maryを倒したのはどうして?
鍵を探してる人を探してた? そうだ。審問所にいたAIだって言ってたっけ。Irvineが死んでいたのを調べてたなら、その行動にでてもおかしくは、ない。
うー、頭ショートしそう。しないけど。
不可侵領域を目指してるのが、"anti-Hypnos"PGMの保有者。鍵がS2、S2を持ってるのが、今動いてる中でPGM保有者以外の者?
S2を持ってれば、HypnosPGMの影響を受けない?
じゃあ。
あたしにもそれがある、のかな。他の人にも。
不可侵領域、SSSには興味あるし。その為に上に来たけど。
誰かを倒して、壊して、殺して、開けようとするのは解せない。それしか方法がないんだとしても。
じゃあ、誰がその人なんだろう。おじいちゃんは、この状況に対して憤ってたような気がするし。ケネスも違う。後は……。
[地図を取り出すと、Mundaneのものを映し出し、そこに映る光点を調べる]
01、02、04、05、06、07、09、10、11、12。
10があたしで07がケネス、01・02・04が一つのところにある。電波塔にあるのは09と06。
実際の地図で見れば名前も出るんだろうけど。
そういや、ステラどうしたんだろう。彼女なら、ここまでだってついて来れるはずなのに。
[光点を一つ一つ確かめる]
この中に、何人いるんだろう。
考えたって、それはわかんないか。
HypnosPGMが結局どういう状況にしてるのかよくわかんないけど。言葉でわからなくても状況で判ってれば十分、よね。
[立ち上がり辺りを見回す]
さーてと。少し、うろついてみようか、な。
じゃあ、遠慮なく。
……レベッカさん、巻き込まれないでくださいね。
[Cube操作]
[展開中の捕捉用メソッドに強化ルーチンをロード]
ちょっと、派手かも。
[範囲は師を中心とした半径5m]
[内側に向けて三重の網]
[更にCubeを操作][赤・赤・赤・緑][火矢]
要はスタックさせればいい話。
捉えて!
[火矢を放つ][同時、捕捉網が拡大]
["師"の現在アドレスの固定を試みる]
― 理想郷<Utopia> / Under:Ruins of Abbey ─
見事だ――。
素晴らしい歌声じゃァあァないか!!
ぜひともうちの劇団に招聘したかったくらいだよゥ。
今日の用向きが別にあるのが残念だ……。
[男はククク、とほくそ笑みながら聖女を見つめる。
STELLAは、タールのように粘り気を帯びた漆黒の汚泥の海に膝まで埋もれていた。汚泥は意志があるもののように蠢きながら、女を闇の底へと引きずり込もうとしている。
男の幻燈機は物理的な制圧より、足止めの副次的なものとして今は効用を発揮していた。]
カノン!
[男は掌を上にし肩の高さに踏み台とする。
敏捷な影は男の掌を踏んで高く頭上に跳躍した。
舞い上がった白い少女の手の中に、虚空の闇が収斂され捻れた槍が形作られてゆく。]
「――とった!」
[長槍は聖女の真芯を刺し貫き、暗黒の泥濘の中に突き立った――**]
[視覚素子は轟音こそ聞こえぬものの飛来する炎の矢と煌く網が、視界一杯に広がるのを映し出している。]
Kot.
相手のPGMを確認し解析しておかなくてはいけないと教えただろう?慌ててはいけない。
[ひたひたと迫る圧力を知りながらも]
── 現実世界<Mundane>/東部・教団本部 ──
[セシリアが所属する教団の本部には2つのゲートがある。
1つのゲートは地上側──メガロポリス東部の電脳街の端に、もう1つのゲートは下層に。
普段、下層側にあるゲートは貧民への奉仕活動の為、警戒の強い地上ゲートと比べて、比較的容易に出入り出来るようになっていた。
だが、ヒュプノス直後の混乱時期、「粛正が教団によってなされた」と言う噂を発端とする下層の中でも最も貧しいエリアの住民達の暴動以後、Satyamの中に暴徒と信者たちの屍を閉じ込め、ゲートの扉は硬く封印されていた。
そして、地中に埋まった黒十字に寄り添う11の赤い繭(コクーン)の内部は、防護壁によって封印された再奥の第2と6を除いて、薄暗く病み──内側から急速に爛れ腐敗し、土に転じ、原子分解されつつあった。]
── 現実世界<Mundane>/東部・教団本部 ──
[中央部の電波塔崩壊の余波を受けて、幾つもの赤い繭が内側から腐臭の酷い赤茶色の液体を流し──崩れる。溶解した繭は、下層エリアに沁みだし、不気味な雨を降らせた。
教団施設内部と、暴動を起こした下層民へ向けて、報復の為。
アレックスが散布したPGMは、粛正の日に備えて信者たちが製造していた──原子分解PGMの試作品だった。]
「ねえ──、あそこに崩れて見えてるのって、もしかしてメガロポリスの基盤の一部じゃ…」
「違うわ、黒い十字架みたいな形よ」
「やだ、汚い 雨──酷い臭い」
「この辺り、地盤が沈下してない?気のせい?」
── 現実世界<Mundane>/東部・教団本部 ──
「上には行けなくなっちまうし、変なPGMはバラまかれちまうし、あれに当たったヤツは、腐ってゾンビみたいになって死んじまった。」
「取りあえず、東はもうダメ。」
「通路を閉鎖して、西側に逃げるしか──」
「ねえ、ママ、これからどうなるの?」
[黒十字の通路跡と、セシリアのMasterだけを再奥のSatyamに残し、教団本部はセシリアが戻れぬうちに崩壊し、*墜落しかかっていた*──。]
師匠のPGMは解析するだけ無駄、という噂もにはあるんですよ。
主にラボの台所から半径2mくらいでですけれど。
[言うが、内心に渦巻くのは恐れ]
(確かに、そそっかしくて確認を忘れちゃうのは悪い癖って言われてたけどー!)
[Cubeを操作]
[三重の網はトビーを捉えようと殺到する]
[酷く冷たく紡がれる声音は雨の如く]
あなたの攻撃はあなたに返る。世界は反旗を翻す。
[待機PGM/受動的防御壁]
[指揮者を中心とし捻れた三角の環が発現。光を放射。]
――Möbius Ring.
[トビー=コンダクターの身に殺到しようとした全てのPGMはその環に乗ると弧を描き、Kotとその周辺に居たRebeccaへと跳ね返された。指揮者は右の腕を掲げ、銀色のタクトの先をKotへ向けている。]
宿題だ。次に会う時までに対抗するPGMを作製するか打開策を考えておきなさい。名は体を現す。
うわ、うわわわわわっ!?
[跳ね返された火矢と網が眼前に迫る]
[慌てて"NOE"の展開範囲を拡大]
[矢は九重の二重目で、網は三重目で相殺され消滅]
まだ宿題は出るのか。
間違えてるらしい師匠を持つ弟子としては、
複雑な心境です。
[トビーが立ち去るのを見送り]
……このままじゃ、勝てないってことね。
── 現実世界<Mundane>/中央部・電波塔(柱の間) ──
…──部屋?
[ふせた睫毛をゆっくりと上下させる。
疑問の言葉に合わせ、鎖骨の下の肌が震えた。]
《──…》
[PASSを受け取る。]
何処へでも、行きましょう。
―現世/中央部・どこか―
[重なるように見える風景を見る。]
[いつでも動けるようにという状態は変えず。]
―― あ。
[見ている先で、コットが師匠の頭に蹴りをいれた。]
[見事なまでに入っていた。]
── 電脳世界<Utopia>/Closed・Morgan's ──
[その場所では、接続を行わなくても跳ぶ事が出来た──]
《...PASS:REINCARNATION》
[セシリアは瞳を閉じ、モーガンのClosedスペースへ]
[振り返る]
弟子は師匠を超えるのだろう?
超えてボクにその先を見せてくれ。
生と死を超越し遥かなる星幽界をもまた超えた更なる更なるその先を。
でなければ僕は実験を行うだけ。
種を芽吹かせるだけだ。
[善意溢れる笑顔を浮かべた]
[その背景には、無骨で無垢な白き巨体が静かに空から降りてくる。側面の一部に切れ目が走り、無数の小さな矩形ブロックとして内側へ折り畳まれてゆくように入り口が開く。指揮者はその中に*乗り込んでいった。*]
ゲームに興じるのを止めた――?
[オネイロス/破壊対象ではないのか?]
[疑念は、消えはしないが。]
[Kotの攻撃は、弟子による挑戦というものに分類/否、違和感。]
[手助けは出来るようにと体勢は整えている。]
――大丈夫ですよ、お嬢様。
[巻き込まれないようにという少女に、レベッカは微笑んだ。]
―電脳世界/Closed Morgan's Space―
[さざめかぬ空間。その中に老人は立っていた。]
さて…君は私に何を与えると言うのだね。
[無表情のまま。]
[When?]
[Dorisの光点は既にない。しかし――]
[Utopia/Closed.]
―― Utopia/魔窟 ――
[暗渠たる空間に仄かな光が差し込む。淡い燐光は、珍しく姿を現している補佐AI――蒼黒の布で包まれた巨体な何か――従えたまま歩き/移動し、銀色のタクトと88の鍵盤を鳴らす指揮者。]
[underの町並みはどこか無機質な印象を与え、ようやく見えた草の生える地面を見て、微笑む]
めずらしい。ちょっと弱いマシンだと処理に手間取りそうだけど。
牧場、かな。
[見渡せば、小さな牧場らしき敷地と、劇場があり]
何かのアトラクション?
―― Utopia/魔窟 ――
[周囲には白い蜘蛛糸のようなものが。会話を盗聴されないものなのか、何かを遮断する為なのかは分からない。]
やあ――Doris。
[鮮やかな笑みを浮かべる]
駄目だな。
手紙を失っては――僕からの折角の招待状だったのに。
[B/U(バックアップ)によって魔窟で再生されるであろう黒い女神。皮肉げにトビー=コンダクターは口元を笑みの形に歪める。]
── 電脳世界<Utopia>/Closed・Morgan's ──
[静寂の中、ただずむ老人の元へ、セシリアは睫毛をふせて近づいて行く。]
今の私に──
貴方に与えたいものが、与えられるのかはわかりません。
あたたかな闇にうずめたとして、リンガを生まれた場所に還すことは、私には出来ませんから。
ただ、ちいさな泉の潤いが、乾きに触れ──
貴方が私に力を与える時、燃えるかりそめの火花を包むとともに、小さな一瞬の死を、せめて貴方に差し上げる事が出来るように──
私は、貴方を抱きましょう。
[再び両腕をのばし、モーガンの肩に巻き付けようと]
―― Utopia/魔窟 ――
僕が直々に手を下そう。
黒き女(カーリー)が精製したDataが必要だ。
どうも共有Systemが上手く働かなかったようなので、僕としては機械仕掛けの神となるしかなくてね。舞台装置には何時もながらに手間がかかる。
[番犬というには獰猛な姿の影..........哂笑。]
あなたが舞台に相応しくなるよう修正に来た。
そう思っていれば間違いはない。
しかし、AIとしての名前を見ていると思い出すよ。
僕のある実験がスムーズに行かなかった事をね。
[牧場の柵へと腰掛けて劇場の方を眺める]
誰かいるなら、出て来て欲しいものだけど。自分から行くにはちょっと無用心、だよね。
よく考えたらここってunderだし。何が落ちてるかわかったものじゃないもん。
欲しい情報は手に入れたし。用がないといえば用はなくなったんだけど。
[underで行われているゲーム、それがどんなものかも少し気になりはした。調べる、まではしようと思わなかったが]
― 理想郷<Utopia> / Under:Ruins of Abbey ─
<<< ディ〜 リ〜 リリリラリリ〜 >>>
<<< リリリラリラ〜ラ〜 リリリ ラリリ〜 >>>
[ストリートオルガンの奏でる『夢のあとに』が廃寺院をバックにもの悲しく響いていた。
球体の水槽の中には汚泥と、上澄みの光の粒子が浮かび上がっている。]
<<< …ぐちゃぐちゃ…… …ニチャ…… >>>
[粘り気のある液体を攪拌する音。なにかを咀嚼する音が生々しく音色に混じって響いていた。]
<<< …ゴク……ン… >>>
[少女が首をもたげ、赤黒い液体にまみれたなにかを嚥下する。]
それか?
[男の言葉に、少女はしばし答えない。]
《ピーッ! ――PGM、着床。》
[アラートと共にPGMの取得が確認された。カノンは振り返るとにっこりと微笑んだ。その口もとも手も、真っ赤に染まっていた――。]
【さすがに"師匠"であるということか】
[だから"そんな事態"になった時も、レベッカはすぐに反応に移る。]
[矢/網が、透明な壁に阻まれ速度を落とす。]
[僅かであれど、その身を後退させる時間にはなる。]
―― 【音域補正:高音】 [C][E]
[セイレーンは音を奏でる/唄ではなく。]
[生じた波が幾つもの刃となり、炎と網を消してゆく。]
― 電脳世界<Utopia>/Under:遊園地 - Neverland ―
[それは小さな移動遊園地だった。
メリーゴーラウンドにビックリハウス。ミラーハウスにゴーカート。ささやかながら古びたアトラクションがいくつか備えられている。
傍らには小さな劇場と、牧場。そして、これまた古いゲームコーナーが設けられていた。
アスファルトの道の脇には、なぜか半分埋もれた大根が群生している。]
[目の前の女が、腕を巻きつけるのを受け入れる。]
なるほど。刹那的快楽よ……。
生身があった太古の昔以来、経験がない故、
とっくに忘れてしまった欲動だ。
[女の体に、こちらも手を回しながら。]
ならば、私を満足してみせよ。
三大欲求のすべてを忘れた私に
そのいずれかを思い出させてくれ。
動くなら、君が動くが良い。
[しばらくの後]
今言うのもなんだけれど、ちょっとついていけない趣味だわ。……頭の花とか花とか花とか花とか。
──この街をフラスコにでも見立てているのかしらね。
[呟き、レベッカへと向き直り]
本当にごめんなさい。師匠がご迷惑を……。
[しゅん、と目を伏せた]
― 電脳世界<Utopia>/Under:遊園地 - Neverland ―
― 牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
[ガクランを羽織った猫が隣のエリマキトカゲをつついた。]
「なあ、おい。あれ、客……じゃねえか?」
「――まじかよ。珍しいね。」
[牧場の柵に腰掛けているショートカットの少女を仰ぎ見ている。]
「お、おねいさん―― 客かい?」
[ガクランの猫は思い切って声をかけてみる事にしたようだ。]
いいえ、大丈夫ですよ。
コットお嬢様は大丈夫ですか?
[その様子に、微笑み。]
――花は、 お似合いだと思いますけど。
[少し考えたようだった。]
[警鐘。体が跳ねる。何事かと思うと、目の前に地図が展開された。under領域の地図上に、05と12の光点がある。そして、消えて行く05の光点が一つ]
また、誰か倒れた?
05と12……。戻れば名前まで見られるんだろうけど。
[不意にかけられた声に、びくりとした]
へ? 声? 客?
[きょろきょろと見回し、下からだと気づいて見下ろすと、ガクランを着た猫が一匹]
……古い資料を図書館で見た気がする容姿だけど。だけど。
[そのセンスは一人の男を連想させた、が]
客って、あたしのこと?
ちょっと通りがかっただけなんだけど。ここって興行やってるんだ?
[人のいない遊園地を眺めて、そしてまた猫へと向き直る]
うん、外見には似合っているのだろうと思うんだけれど、なんか、慣れなくて……。
わたしはだいじょうぶ。"NOE"が防いでくれるから。
でも、師匠が下さったものがわたしを守るのはこんな状況下では皮肉だわ。
[一拍の間]
レベッカさん。
レベッカさんは、この事態についてどこまでの情報を得てらして?
"鍵"については、もうご存知なのかしら。
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
「おいらはネコキチ。姓はヤザワ。」
[ガクランの猫はつい、と前足もとい右手を差し伸べた。]
「それとも、うちの団長に用?」
[問いかけ、「通りがかっただけ」という言葉に少しうなだれた。牧場の草むらがざわざわとざわめく。]
「まあな。こんなとこ、誰も来やしねえと思ってたんだよ。興行やってることだって、ほとんど知られちゃいないんだ。」
[どれほどの年月をあの柱の中で過ごしたのか。
想像も及ばぬ──その軌跡があらわれたかの様な、老人の貌に刻まれた年輪を、セシリアは丁寧に手のひらでなぞった。
「動くなら」と言う言葉に頷いて、相手の身体を静かな場所に、横たえる。体温が移れば良いと、ぴたりと身を寄せ──やわらかな乳房で、腕で、内腿で──抱く。]
きっと、思い出せます──
貴方には、槍があるのだから
[微笑。密着した身体を離さずに、手のひらでその場所──に触れる。その存在/形を確かめ、慈しみ、育てるように、]
──温かい。
[普段は違う格好だったのかと思えど、問わず。]
あら、そうなのですか。
お師匠様が…。
[NOEは恐らく先ほどの防御だろうと予想。]
[本題/この状況への事になると、レベッカは頷いた。]
――"鍵"という話も伺いました。
オネイロスを扱うもの。ヒュプノスを手に入れたならば、この状況を打開することもかなりありえることだということも。
そしてもう一つ、
――消えた光点は、犯人ではなかったということでした。
ふうん。
猫さん、ここの団長ってどんな人?
眼鏡かけてて変な駄洒落とか、ふるーいネタとか喋ったりしない?
そりゃ、時間があれば見て行ってもいいんだけどね。あたしには時間というものがあまりナイノデス。
[やや畏まったように言葉にして、猫の出した前足に手を乗せる]
誰も来ないっていうか。
仕方ないよ。上とか人動いてないし。Utopiaなんて入れるとこのが少ないし。
オネイロス・ヒュプノス。どちらもわたしは初めて聞く単語だわ。
ヒュプノスは神話の世界の眠りの神の名、だったかしら。昔何かのデータで見た覚えが。
ヒュプノスがこの状況を打開し得る、つまりヒュプノスというモノがこの事態──眠り──を引き起こしている、ということかしら?
そして。
消えた光点は、犯人じゃない。
首謀者=狩る側ってことかしら。
[しばらく考え、レベッカの目を見る][真直ぐに]
レベッカさん。
師匠の言葉を信じるならば、あの人は首謀者、「ゲームマスター」ということになります。
そして、たぶん首謀者は一人じゃない。
(この方を、どこまで信用してだいじょうぶかはわからないけれど)
レベッカさん、わたしはゲームマスターを止め、この事態に終止符を打つと決めました。
手伝って、頂けますか。
[槍が飛び出る。それは、相手に作用する武器としての
槍ではなく、単純な生理的機能としての槍。]
まさか…おお…私が…ううむ。
[もはや槍もはだけた状態になる。]
素晴らしい…。良ければ、咥えてみてくれないか?
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
「あれ。おねいちゃん、やっぱり座長の知り合いだったんだ。
よく知ってるね。
でも、鼻眼鏡つけてっ時はあんまりダジャレ言わねえよ?
あいつ。」
[時間がない――というメイの言葉にネコキチは少し寂しそうに頷いた。]
「しょうがねえよ。みんな忙しいんだもんな。俺らだって忘れ去られるのはあっという間よゥ――」
[その時、エリマキトカゲが草むらの中から飛び出し、メイの前でバタバタと走り回った。
あ。ずるいぞ―― 抜け駆けすんなよと草むらの中で動物たちがざわざわとざわめく。]
「やめろよ。必死になったら逆に客がヒくだろ? そういうのがイタイんだってば。」
[ネコキチは、エリマキトカゲの首に手をまわし、止めた。トカゲはバタバタと足を掻いている。]
「ええ!? 上ではそんなことになってンの?」
[猫はぽかんと口を開き、しばし唖然とした表情で瞳を瞬かせた。]
[名前を聞いてこなかった。]
[何ゆえその情報を知っているのかと聞いてこなかった。]
[行動基準と照らしあわせ、コットへの疑いはほぼ消える。]
そのあたりは詳しく聞いてはいませんが、ヒュプノスがあれば、元に戻すことも――と。
オネイロスを扱うのが、犯人だという趣旨でした。
あなたの師匠が。 あの人が?
――ゲームマスターにはそのような意味があるのですか。
[彼女の言葉を記録/トビーの行動について]
[それから、要望を聞き、頷いた。]
お嬢様。
わたくしは、この事態を打開することを第一に動いています。
――ホテルの中に、"主"がいるのです。
あなたを手伝うことで、犯人――オネイロスを扱うものを見つけ、ヒュプノスを手にいれることになるのなら
わたくしはあなたを手伝いましょう。
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
やあやメイちゃん。
こんなところで会うとは奇遇の土偶なのね。
[男が遊具の影から姿をのぞかせ、手を振る。]
[モーガンの目を見つめ、にっこりと微笑んだ。]
勿論。
[曝け出された槍の形を確かめなおすように、くちびるで触れ。
そして、睫毛をふせ、小さなくちびるの内側へ──
孤独を溶かすために、舌先で、喉奥で包んだ。]
…ん
[相手の指先を、セシリアの太腿の内側──熱をおびはじめた場所に、触れさせる。]
《メガロポリスと共に、一夜として眠る事無く
与える他に、交わる事も無かった──
それでも── 今でも、あたたかいです…》
そう、助けなきゃいけない人がいるのね。
ひとつには、師匠を止めること。
そして、どこかに居るもう一人の首謀者を捜すこと。
それが、この事態に対する最良の対応策だと思うの。
……ありがとう。
どこまで出来るかわからないけれど、わたし一人ではきっと出来ないことだと思うから。
[安心したように、くすりと微笑む]
[戻ってくる、という言葉に顔を上げて、すぐに掛けられた口調はヴィンセントのもの。
そして、目の端に映った光点、自分の10の傍にある光点は12]
おじさん……。
【おじさんが、05の人を。あっれー? ひょっとしてあたしやばくない?】
お……おお…。
[太古の昔に失われた三大欲求の一つが
老人のもとに戻ってきたようだ。
今は、無性にむらむらするドライブを抑えきれず]
若い頃に戻ったようだ。あの熱意に溢れた若者だった頃に。
[乳房を弄るように揉みしだき、中央に花開く
花弁を赤子のように夢中に吸う。]
老いて尚盛ん…いや、奪われた青春を取り戻したというべきか。
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
どしたのね、メイちゃん。
怪訝な顔しちゃって。無言……ん、色っぽいてなものよ?
[ニコニコ笑いながら近づいてゆく。顔には鼻眼鏡はつけられておらず、現実世界での顔にほど近いアバターだ。]
メイちゃんはアンダーになにか御用?
それとも俺に御用?
ここはなかなかおもしろいとこなのよ。古くさいものしかないけンども。ケンドーコバヤシ。
あの方と、そして誰か。
――オードリー様を怪しいとも思いますが、
もし首謀者同士ならば、疑いを向かせてしまうことをするかどうか。
[目を伏せ考え。]
いいえ、わたくしだけの方が出来ないことでしょう。
わたくしはAIですので、応用性がないのだと"主"に言われることが多々ありますから。
[微かに笑って、それから声を潜める。]
――ご老体と黒の方。
現在わたくしは、このお二人を犯人でない可能性が高いと推測します。
それ以上はわかりません。
[そうしてホログラムを開き、――瞬く。]
[警戒を解くことはしない]
おじさん、一つ、聞いていい?
[指が、動く]
地図の点が、さっきまた消えたんだ。05番。その傍には12番がいた。
そして12番は、今ここにいる。
おじさんが、誰かを殺したの?
あたしがここに、underに来たのは情報を得るためだけど。
用事も済んだしうろついてたらここに辿り着いただけ。
殺した理由は問わない。
誰だったのかを教えて。
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
殺す……? ロス疑惑?
疑惑の銃弾…って疑いの目を向けられてるのね? 俺ってものはさ。
[少し首を傾げる。AIにとってあれは修復不可能な破壊と定義されうるのだろうかと。]
おなかがすいたっていうものだからちょいとばかりネ。
背に腹は代えられないっていうかハラハラどきどきのそんなトラブルはあったかなあ――。
――シスターだよ。
ハックマンさんは、……微妙なところね。
師匠はハックマンさんに気をつけろと言い、ハックマンさんは師匠が黒幕だと言った。
それは、正しかったわけだけれど……。
目的のために手を組んだだけだったとしたら、お互いを売るのもない話ではないと思うわ。
お爺様と、……黒の方。お会いしていない方ね。
["地図"を見る]
確実に減っている。
[光点をひとつずつ確認して]
ステラさんの名前がない?
……消されてしまった、のね。
── 電脳世界<Utopia>/Closed・Morgan's ──
[乳房を遊ぶ手のひらの動きに、セシリアは今度は、くすくすと心の底から楽しげな笑い声を漏らした。熱をほの紅く染まった花弁を吸われると、]
──…あッ ん
[笑い声は嬌声に変わり──。
指を噛んで声を抑えるかわり、モーガンの舌先、その場所に蜜がわきいだす。赤児のような無心な姿を、リンガを愛撫する舌先を止めることなく、慈しむように──すっぽりと覆い抱きしめ、]
…貴方はどうして、人柱に?
[一度、抱きしめたまま、向かい合う。
濡れた花弁を槍先に沿わせながら、そう──問うた。]
……シスター。ステラ、だね。
[俯く。彼女はAIで、バックアップがあるはずで、メガロポリスが元に戻れば、復活するのだろう]
その理由はあんまり気持ちいいものじゃないけど。
怒ってるんじゃなくて、ちょっと寂しいだけ。
そうですね――
【人は、わからない】
[光点に触れ、確認した中に、同意を返した黒の名がない。]
ドリス様も。
先程お話した、犯人でないと予測する方です。
……破壊したならば、犯人か否かがわかると。
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
[寂しい、という言葉に少しだけ眉根を寄せた。]
でもね、メイちゃん。
メイちゃんはどうするの?
街を襲って大騒ぎを仕掛けた人がきっとどこかに隠れてるのよ。
みんなそれぞれに、眠らせるのだか殺しちゃうのだかわかンないけども、データをもきもきっと攫っていってる。
メイちゃんだって、誰かに襲われるかわからないわさ?
他に適任がいなかったからだ。
[乳房を揉む手に、激しい握力。]
10人の同胞のうち、結果的に飼いならされたのが
私のみだったというだけだ。憎たらしい。
[その手は、リンガと対になるヨーニを陥落させようと。]
脈動はリンガの専売ではないわ。
人力でヨーニの奥に控えるものも脈動する。
それはまた、なかなかに豪快というか。
ユニークな方みたい。
その方が、消された方は犯人ではないと仰ったのかしら。──残念ね。
お話を伺ってみたかったわ。
……現場に行ってみれば、何かわかるかしら。
それは、知ってる。
誰が襲ってるのかは判らないけど。
鍵を集めてるんだと思うし。あたしにもその鍵が含まれてるのなら、やばいのは覚悟の上、だよ。
でも、やられるつもりはないけどね。
でも、隠れてるんじゃないと思うよ。この光点の中に、犯人はいるはず。あたしが犯人なら、わざわざ自分を映すような真似はしない、と思ったけど、逆に映すことによって被害者だって演じられる。
犯人は、anti-HypnosPGMっていうのを持ってるらしいから、それがもっと簡単にわかればいいんだろうけど。
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
[やられるつもりはない、というメイの言葉に少し改まった顔になる。やがて、確然とした表情で頷いた。]
そうでなくてはいけないよ。
キラキラのピカピカはそうでなければ浮かび上がってはこない。
ねえ、メイちゃん。
そのanti-HypnosPGMを解析できるっていう人に心あたりがあるのかな。
そうかもしれませんが…
現場が、どこなのか。
[目を細め。]
そして誰が。
――……ドリス様は、不可侵領域の為の贄と聞いたと。
あなたの、お師匠様に。
不可侵領域の鍵を手に入れるための贄が、わたくしたちであるという結論に達しましたが、
もしもそのままの意味ならば―― あなたのお師匠様は、破壊を望むのでしょうか
[顔を上げて、ヴィンセントの方をみる。僅かに警戒の糸を解いた]
だって。あたしは死んだら終わりだもの。
やばかろうと、望まれようと、あたしはまだ死にたくないよ。
他の人が死んでしまうのも嫌だけど、ね。
anti-HypnosPGMの解析が出来るかどうかはわかんないけど。調べてる人なら知ってる。
でも、おじさんには教えてあげない。
ステラを殺したんだもん。それくらいは覚悟して?
[にこりと笑い]
SSSを開く鍵は、なんらかの形でわたしたちに付与されている。そう聞いているわ。
正しくは、"鍵"のかけら。……これは確率の高い推測。
わたしはおそらく、血の中に。
[手紙をレベッカに示す][かけらは血に/SSSを開け]
どういう理屈でそうなっているのかはわからないけれど……。
[薄い胸を押さえる]
"鍵"を得るには、"消"さなきゃいけない。
師匠が消した可能性はあるけれど、ハックマンさんもこの辺りのことは察しているようだったわ。
だからGMでなくとも、或いはこの事実を知ってGAMEのプレイヤーとなった方が消してしまった可能性も残る。
……師匠がゲームマスターなら、破壊するでしょうね。
別のことを考えているのだと、
──信じたい気持ちもあるけれど。
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
[ネコキチが傍らの塀の上に、缶ジュースを置いた。
はちみつレモンと鉄骨飲料だ。
ヴィンセントはどちらがいい? とメイに差し出した。]
ちぇ、教えてはくれないのか。
[しょうがないな、と頭を掻く。]
最終座標、もしかしたら割り出せるかもしれないわ。
地図をルースに常時投影させていたから、ログが残っているの。
ログから消滅地点の座標を見つければ。
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
じゃあ、メイちゃんのことなら聞いてもいいかい?
メイちゃんは普段、どんなことをしてるのかな。
[ジュースを開けて口をつける。]
よく考えたら俺、メイちゃんがどこから来たのかもろくに知らなかったよ。
鉄骨飲料とか。いつの時代の飲み物よ。
んじゃはちみつレモンの方。
[はちみつレモンの缶を受け取り]
嫌なことをされたら、ペナルティがあるのは当然。……おじさん、ここには双子は連れてきてないんだ?
[そういえば見ない、ときょろきょろと見回す]
[彼女の師匠の行動を、彼女の視点からという注釈付で保存。]
それでは、わたくしにも――?
そのような自覚はまったくありませんが……
本人は知らずとも、"手紙"を出した人は知っている?
[鍵を得るために。]
[つまりは"贄"]
――誰かが、わかっていて破壊したのでしょうね。
…………まだ、誰かはわかりませんよ。
── 電脳世界<Utopia>/Closed・Morgan's ──
[「10人も居たのに貴方が」口元に微笑みを浮かべたまま、怒りに同調するように眉を顰めた。
加えられた握力に従い、柔らかな乳房はぐにゃりを姿を変える。]
…ぁ、あッ
──ん、 だ めです。
[セシリアの内腿が震え、そのまま──喉元を反らせて堕ちそうになる。]
…これじゃ、私がッ
[きつく目を閉じた瞬間──セシリアの頬に涙が流れた。
紅潮した頬。奥にまで触れ蠢く指を引き剥がすように──駄目、です、ともう一度、甘く濡れた声で咎める。身をよじって離れる時に、花弁がきゅと絡んだ。]
指ではなくて、貴方を ──
あなたを ください
──この場所に
[細い指先を弾くものを内腿に沿わせながら、セシリアは、一度崩れかけた腰を震わせながら落とす。
あたたかな闇の奥へ──怒りもすべてふくめての、モーガン自身をいざなう様に。]
あたしのこと?
あたしの事なんて知っても知らなくってもいいと思うけど。
あたしは下から来たの。下って言っても、ここじゃなくって、下層のこと、ね。
前にも何度か上に来たことはあったけど。
ううん、昔は上にいたんだけど。
下で稼げる職なんて早々ないから、情報屋やってる。それくらいかな。
何にも、語るようなことはないのよ。
もう生きてはいないか。知り合いにHawk.Kという
者がいてな。彼から教わったものだ。
[老人の指が、黄金の輝きを持つように
フロンティアしていく。鷹のように。]
天は人が上になり下になり人を作るよう
我々人間に教え給うた。
[老人は寝転がり、リンガが*天を衝く*]
貴様が上、私が下だ。
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
そうか。メイちゃんがシスターと仲が良かったのなら悪いことしちゃったな……。
[彼女の言葉に頷いた。鉄骨飲料―そのレシピを再現したPGMだが―を口にしながら。]
ここは、忘れ去られたものの終着駅なんだよ。
[いつの時代の飲み物――という言葉に笑って、移動遊園地を見渡した。]
あの子たちはねえ――
[双子のことに少し眉を寄せる。]
食べたものが悪かったらしくてへたってる。
[そう言って苦笑した。]
いや、メイちゃんはおもしろいよ。
[そうか――と、下層という言葉に少し目を見開き息を漏らした。納得がいったかのように。
普段接する人間とは違った雰囲気をそこに感じていたからだ。]
メイちゃんはまた上層に住んでみたいと思う?
情報屋はやっぱりおもしろい話が集まるのかい?
仲が良かったっていうか。そんなにいいわけでもなかったけど。でも、ステラがまた復活した時に、あたしのことが忘れられてるのは寂しい。
[はちみつレモンを口に運ぶ。Mundaneで飲むものとあまり変わらない、味]
食べたものが悪かったって。
AIだよね。――。そゆことか。
[納得したように頷いていたが、面白い、という言葉に首を傾げる]
そう?
上層はあんまり住みたくはないかな。下層に住みたいって訳じゃなくってね。
それに、あたしが上にいたのは小さいころだからほとんど覚えてないし。
情報屋は面白いよ? 色んな知識を蓄えられるから、すき。売ってもなくならないしね。
ねえ、もし――
どこかにとても大きな力が眠っていて、それを手にできるとしたら……
やっぱりその謎を紐解いてみたいと思う?
[情報屋だという彼女は職業的な関心からも不可侵領域の謎に惹きつけられるだろうかと思いながら。疑問は口をついて出ていた。]
――そうだね。
忘れ去られてしまうことは寂しいものさ……。
[メイの言葉に、心のどこかに置き去りにしていた感情がかすかに疼いた。それは寂寞とした思いだった。塀にもたれていたネコキチがそっと顔を伏せた。
メイの子供の頃の話。自分自身の懐かしい記憶をも呼び覚まされるように、一瞬だけ遠くその眼差しは彷徨った。**]
── 電脳世界<Utopia>/Closed・Morgan's ──
Hawk.K 誰、で しょう──?
[皺だらけの指が触れ、振動するたび、黄金の輝きがセシリアの身体の内側を伝播し、開かれて行く──。
セシリア自身、おのれのしろい肉体の奥に、生命が溢れていることに、驚き、戸惑いながらもそれを受け入れ、それでも戸惑うのか、咲いた花びらが散らばる様な──悲鳴を上げる。]
──あ、嗚呼
人に成り得るのならば、地に根付く器に…
[貫かれた天は、リンガを絡めとり、揺さぶり、絞り上げ──
やがて、天は、リンガから溢れる力を受け入れるための地の器に転ずる。セシリアは滴る涙で濡れた両頬を寄せ、]
今は、貴方が上です モーガン
[幾度もの反転によって創造された小宇宙が弾け──死ぬ瞬間。
輪廻<リインカーネーション>の身体を*強くつよく抱く──*。][暗転]
大きな力、謎、手に入れる……。
[復唱し、溜息をつく]
うん。
その謎に迫れるのならって思った。
でも――。誰かを犠牲にして掴みたくはないよ。
どうせ暴くなら、自分の力で、が一番楽しいんじゃない。頭使って解いた方が絶対楽しい。
だから今の犯人のやり方には、あたしは断固反対する。
ひょっとしておじさんがその犯人だったりして?
[冗談めかして言ったあと、ヴィンセントの呟きにふ、と真面目な顔になる]
あたしの両親は、きっとあたしのことなんて忘れてるんだろうなぁ。
あたしを育ててくれたばー様は、体に何一つ手を入れてない人だった。あたしはそのばー様の考えにだいぶ影響されてるんだと思うけど。
[目を閉じて浮かぶのは、空中庭園から見た自然の姿]
上層でも下層でもなくて、あたしは緑の中で暮らしたい。
夢物語みたいな話かもしれないけどね。
[また瞼を上げればそこはunderの一画で。はちみつレモンをまた一口、*口へと運んだ*]
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
[誰かを犠牲にして掴みたくはない――メイの言葉は小さな痛みを胸に残した。
犯人だったりして、とからかうような言葉に小さくかぶりを振る。]
メイちゃん。その答えはいつも決まっているよ。
俺が犯人でも、犯人じゃなくても、「違う」としか言わないさ。
[そうして、苦笑した。]
けれど、メイちゃんの言葉はおじさんには堪えるな。
犠牲なくして手にできないの――か……。
なにかを得ることは、誰かがそれを手にする機会を“奪う”ことなんだ。――きっとね。
だから、なにかを得る人に“奪われた”ように感じて敵意を向ける人はいる。それは、なにかを得た人が“奪った”という意識があってもなくても生じ得る。
“犠牲”は隔たりの中にいつも存在している気がする。
――俺も知りたいな。
幸せは“犠牲”なくして得ることができないのか――
その答えを……。
けれど――
メイちゃんが言うように、争いが避けがたいこの“ゲームコート”が趣味のよくないものだというのは、俺も確かだと思うよ。
[そうして、自分自身は“奪う”意識をもって行動していることも明瞭に自覚していた。]
俺は“犯人”でなかったとしても、犯人のようなものさ。
[ぽそりと呟く。]
この状況は今のところ俺には割と好都合に働いているようだからね。
先のことはどうかわからないけれど――さ。
[メイの祖母の話に、ああ……と納得がいったように小さく呻いた。
――体に何一つ手を入れてない――その人の影響。「死んだら終わり」という先ほどの言葉に結びつく。
彼女はバックアップをとってはいないのだろう。]
子供を忘れる親はいないよ。
――その逆はあっても。
[微笑みながら、忘れてるという言葉にかぶりを振る。それが願望に近い感情だったとしても。一瞬だけ、エイミー・マーシュのことが思い出された。]
緑の中か――
いいね。俺も随分見ていないなあ……。
[切り出された人工的な庭園でなく、大自然の緑。遥かに遠い記憶が仄かに浮かび上がった。
むせかえるような草木の香りを含んだ風を一瞬感じた気がした。ここはUnderの作り物の牧場だというのに。]
行ければいいね。――この事件に決着がついた時に。
[その風景を共に見ることになるとは思えない。けれど、その声はほんのわずか少年の頃のような瑞々しさを帯びていた。ひとときの夢に誘われるように――*]
――Utopia/under・遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdo――
おじさんが自分が犯人ですって言ったら、あたしのPGMが火を噴くとこだけど。
犠牲を伴ってまで手に入れたいものなら、それはその人にとってとても大切なものなんだろうって思う。
犯人は「犠牲」だって一時的なものだと思ってるのかもしれないけど。
あたしにとって、「犠牲」は永遠に失われるもの、だから。他の人にしても、あたしにしても。
あたしは18年しか生きてないから、考えが子供っぽいとこだってあると思うよ。
んでも、あたしが止める方法だって、「犯人を昏倒させる」「犯人を壊す」って事なんだよね。
難しいなぁ。
奪われることが嫌なんじゃないの。奪われても存在してるなら、いい。奪われる事によって消滅してしまうものがあるのが、嫌なんだよ。
でも、失いたくないものがほとんど失われて、その上で犯人を見つけたら。
あたしは犯人をとめることは出来ない気がする。もう、止めるに足る理由がなくなっちゃうから。
おじさんは、おじさんにとって大事なものを探してるんじゃないの? その過程に「奪う」事があっても。「奪う」現場に遭遇したら、止めるかもしれない。とだけ言っておくね。
[「子供を忘れる親はいない」という言葉に苦笑を浮かべる]
そう、かな。
あたしは忘れられたから、下にいるんだよ。
もう昔のことだからいーけど。
んもう、「この事件に決着がついたとき」とか言わない! そういうのって死にフラグなんだから。
おじさんくらい、昔の作品とか知ってるなら、それくらい判ってよね。
[飲み終わった缶を猫に渡し、大きく伸びをする]
それじゃ、あたしもそろそろいこっかな。
おじいちゃんとこに行ってちょっと聞きたいことあるし。ああ、でも見返り要求されたらどうしよ。
ま、いっか。
じゃ、おじさんまたね!
[ふわり、と体が浮いてunderから意識を引き上げる。自身のClosedSpaceへと向けて*上昇し始めた*]
[小宇宙を旅する間──セシリアはめずらしく、饒舌に話した。
それは人柱の話、あるいはスクールの話。
時代は、“スクール”の卒業生の公的機関への配備の成功を受けて、ゴーストの管理者を民間にも配備すると言うところまで来てしまった事。それを受け、昔からバックアップを担って来た【inc.】らの各社黒幕が、ゴーストを制限する為の法案、“ゴースト管理法”が施行されるよう、裏で莫大な資金を動かし──取り急ぎ、仮議決まで持ち込んだと言う話をした。]
──ハックマン・ファンドの名前は、そこでも見たのだったわ。
メガロポリスが眠りに落ちてから、当のオードリー・ハックマンから、S2を探していると聞いて──私はとても驚きました……。
バックアップの管理に加えて、特殊機関スクールの少女たちだけではなく、もしも民間人の魂(ゴースト)までもが管理されるようになったら、どうなってしまうのでしょう。
かつての私自身や、モーガン──貴方のように。
オードリー・ハックマンがS2を探しているのならば、政治権力と財政に関連して──メガロポリスの大物が、S2を求めていたのでは無いかしら。
[ゴースト管理法の仮議決については、ヒュプノス前に意識のあるMasterが、セシリアに病床で切々と話していた。故に、ヒュプノスがMasterが独断で行った「粛正の日」ではないかと、最初、セシリアは勘違いしたのだったが。
市民には浸透していない。
一部関係者にのみ広がっている情報──けれども、それはデストピアを加速させる法案。]
[PGMを孕んだ、セシリアの意識は電波塔の柱よりはるか上空に浮かび上がり──メガロポリスの人工の*空へ舞う*。
夢を見ているのかもしれない。]
…………。
[太古の昔以来の宇宙の旅。
老人は、賢者のような面持をしている。
人は事後、賢者のような気分を味わう
ということを思い出したようだ。]
愚かな。すでに、生き人形と化した人間を
今度は生ける屍へと移行させようか。
[怒りすら賢者の風格。]
そこまで堕落した獣が、この社会を牛耳っているか。
それならば、この世界を一度無に還そうか。
この世界を白紙に戻し、再びやり直す。
不可能ではない。世界の輪廻は不可能ではない。
[悲哀に満ちた目の色。何を思うか。]
私こそメガロポリス。メガロポリスを護る者。
これこそが、私に与えられた役割にして
未だに終焉を迎えられずにいる所以。
[ローブが靡き、老人の顔を覆ってしまう。
一瞬、老人の目に2筋の煌きが見えたかもしれない。]
その私がそのようなことを思って良いのだろうか。
護る者が、この世界を白紙に戻そうなどと。
[*慟哭*]
誰か私の名前を呼んでくれ……
私はMorgan……Morgan Utsumi………。
世界は死んだ。
[濃い絶望すら漂わせ、指揮者はタクトを振るう。鋭き呼気/気迫にも似た動作。左手が緩やかにRythmをとる。]
嘗て/今からも。限りなく死んでゆく。
[奏でられる旋律は流れゆく光の帯を作り出してゆく]
光と闇すらもまた死に、高みへと昇ってゆく時代があった。
[漆黒の空間は光を吸い込んでいくかのようだ]
三つ首の魔獣、ケルベロス。
そう言えば、五つ首を持った犬の像の話を知っているかい。
否。答えは不要だよ。
[call.]
―― Requiem C-Daemon.
[指揮者の背後で仄かな燐光を撒く補佐AIと、指揮者の目の前に発現する膨らんだ黒き十字、4つの等しい長さを持つ靄の黒星。]
鎮魂歌は誰が為に歌われるのか。
獣が知る必要性はない。
[顎を引き、流し目をするように地獄の番犬を翳りを帯びた双眸で見やる]
『指揮者(コンダクター)、この空間の一時的隔離及び情報透過の設定が完了しました。』
よろしい。女神に捧げる演奏会を始めよう。
[光の奔流がケルベロスを襲い、同時、人には理解不能な構文で編まれた強靭な四肢によって跳躍する三つ首の獸。上下左右からの光の奔流は、解析とAttack.だが、ケルベロスをかすめる事はあっても捉えられず、奔流を抜けて黒き弾丸は指揮者に躍りかかる。]
Bow.
[その身を横へ長く変じた靄の十字が、左肩上部に浮かび、放たれた。]
[スロウモウション]
[黒き靄/粒子は、獸の胴体を穿ち、直線に駆け抜けてゆく。幾多のクラスタ。暗渠の宮殿はカナしげな音と共に/もうもうと立ち込める煙に似たものはなく、侵入者を胎内へ迎え入れる道をつくる。]
[背後の補佐AIを振り返り、双眸を半眼に笑み浮かべた後――漆黒の闇の中へ。]
[星の輝きは宝玉]
[星の輝きは集まり星曇となる]
[小さな宇宙にも似た闇の中浮かぶのは、PGM達の美しくも力強いData/命に酷似す]
[黒から白へ]
[繊細に織られた揺り篭]
[鋼の強度を持つという蜘蛛の糸]
[半ば空間に埋もれた三つ首の獸はだらりとし、胴体を鎮魂の矢で貫かれたまま。銀色のタクトの指示により、光の奔流は揺り篭たる繭を取り囲むように。糸の一本一本まで照らし出され/調べられ、―――しゅるり]
お帰り、世界に。
そして、さよなら、世界へ。
[チューリップが咲うように、繭は天へ向けて細く細く]
[白を破る黒]
[黒曜石の眸]
[視線の交差――黒/緑]
ねえ、殺戮の女神。
僕はどちらだって良いのだよ。
どちらも興味深いものだから。
[主語は不明]
何故生まれてきたのかは分かるかい?
[銀色のタクトは鎮魂の矢を終了させる]
誰も解き明かせない謎。
――人間達への同じ問いかけは長年討論の対象だった。
...根源か(アルケー)。
[黒が魔獣達を率いる――周囲のざわめきは激しく]
死も、人生も成功も失敗も“何故“起こるのだろう。生きているのは夢であり、死こそが本来の状態である事もありえる。
[演奏と光の奔流は絶える事なく]
『指揮者(コンダクター)、Works of FG/AMの使用を提案します。』
仕方ないね……。
[真横に並ぶ補佐AI。蒼黒の布に分け目が出来、その隙間からは氷が覗く。氷の内側から手が近付き―― 一冊の本が持たれていた――本だけが氷を出て指揮者の手に触れる。]
[布は閉じられた]
*涙が出る程美しい夜空を知っている――…‥
[透き通るような聲に透き通る刃のない鎌]
[光の奔流と魔獣達の狂宴が終わった頃、魔窟そのものがClosedからなくなっていた。
そしてただ、――手紙にDataが送られ複雑な様相を見せ始めた。]
かなた(テレプレザント)にいる者達に、よろしく。
[――→*Dive out*]
―― 現実世界/南部 博物館 ――
[オードリーは、サーと待ち合わせたあの場所に戻っていた。そして、彼から手渡された紙幣をじっと視ている。]
虎穴にいらずんばかしら、ね ...
[彼女は、観覧用のベンチに腰を下ろすと、静かに電脳世界へと降り立った ...]
―電脳世界/Closed Morgan's Space―
さて……。
[ローブを整え、宇宙樹を眺めながら。]
私は、メガロポリスを「護る」者。
たとえ世界が堕落しようとも、護り抜かねば。
それこそが、私が今ここに存在している理由。
[顔つき、雰囲気が変わる。]
世界中のクソテキトーなヤツらにも、
まとめてピースだ、コノヤロウ!!!
[老人が、リンガを掲げると稲穂の形になり
三つ叉槍<トライデント>の形になる。]
その他に。どうやら、アイツと雌雄を決さねば
ならんよな。そうだろ、旧友よ……。
[これが本来の形。]
これは私の…俺の個人的な問題だぁ。
第九としてヤツとやり合いてぇなあ。
第八ィ……。
[電気信号を送信する。その相手はかつての友人。]
≪よぉ…久々に会ったんだ。ちょっと遊びに来いや。
世の中のボケどものことはどうでもいい。≫
[狂ったような笑み]
≪Closedの俺の空間だ。待ってるぜ。
………第八<ホド>よ。≫
―― 電脳世界/Closed Dealing Room ――
[周囲を見渡して、いつもと変わらないことに安堵する。]
ここは、まだ、無事のようね。
ただ、それもいつまで保つか ...
[オードリーは、電子化した紙幣のオリジナルコピーを取り出し、リバースエンジニアリングを始めた。PGM "Due Diligence" が超高速で演算する間、彼女は考えていた。]
[メガロポリスへの無差別テロ][生存者][手紙の存在][なぜメガロポリスは攻撃された][なぜ彼らは呼び集められた][なぜ彼らは生き残った]
私が "不可侵領域" なり "S2" を求めるだけなら、こんな大規模な、そして目立つ破壊活動を行うかしら ...
そんなことしないわよね ...
なぜだ、なぜ、ヤツらは ...
[堂々巡り]
→Examinee A.Hackman.
→Morganへの攻撃 決断力は素晴らしかった
→称賛に値する
→S2が欲しければ"力"で奪う
→見事な行動だ
→ところで
→紙幣を渡したのは本当に会長だったかね
→記憶は確かかな
[開封と同時に消滅してゆくメッセージが何時の間にか、A.Hackmanの元へ。*差出人は不明。*]
――Utopia/Closed"Gray space"――
[辿り着いたのは灰色の世界。否、自身のClosedSpace]
後は、おじいちゃんとこに殴りこみ……じゃなかった。ヒュプノス関係のことを聞きに行かなくちゃ。
ま、大体の効果だとか想像はつくけど。
そんなものを、作れるとすれば誰なのか。
[以前に聞いたPASSを打ち込み、扉を開く]
Dr.Utsumi、<輪廻>、Morganさん……
いろいろ呼び名はあったが、これが
やはりしっくりくるぜェェェェェ…。
[狂った獣のように。咆哮のように。]
俺は第九<イエソド>なんだッ!!
「基礎」としてのM.Utsumiなんだッ!!
ハッハッハッハ!!久々に肉ゥ食らったからかね。
失われた情熱が甦ってきたぜ…最高にハイだ。
―― 現実世界/北東部 ――
[機内]
≪――― Hod ≫
≪それは一体誰を呼んでいるんだい≫
[白く硬質なシートに横たわり問い返す]
≪ならばそちらが来たまえよ≫
[ホログラムの出現は可能。機内は白く、今座るシートしかないようだ]
── 現実世界<Mundane>/メガロポリス上空 ──
[BRAHMAによってPGMを孕んだセシリアの意識は、メガロポリスの夜闇満天の星空に浮かび上がる。ヒュプノス半壊気味ではあるものの、まだ整然とクリーンな姿を残す不死者たちのデストピア。
──セシリアは、人工の空を背に俯瞰する視点でドーム型の都市を見下ろす。]
【身体の内側に力が満ちている──】
【この右腕に 左胸に 臓腑に 女の肚に】
[セシリアの背には、セシリアを中心として巡る11の赤い惑星。
そして両腕には、何時の間にか現れた──「┫」と「┣」の形──合わせると大きな正╋字となる漆黒の大鎚が握られている。]
── 現実世界<Mundane>/メガロポリス上空 ──
[セシリアが片腕を軽く振り──大槌を振るうと、赤い惑星が1つ流れた。]
[深紅のメテオライト][粛正の──]
[教団がまだ作り得ていなかった原始分解PGM]
[深紅の軌跡を描く惑星は、東部地帯に広がる宗教エリア──カテドラルを一瞬にして、土に還した。]
―現実世界/北東部―
[機内に老人のホログラムが現れる。
手には三叉槍<トライデント>]
あァ?誰を呼んでいるんだ、だとォ?
[首がグルンと左に傾いたヴィジョン。
表情は夜叉のよう。]
テメェも食えねえヤツだなァ。
本気出しゃァ、こんな街の1つや2つ、
消し飛ぶくらい造作ねェんじゃねェのか。
[カラカラと笑う。ガリガリと爪を噛む。]
そういうとこ、俺ァ昔から大嫌いだったぜェ。
―現世/中央部―
確か、ご老体も――"破壊"を奨めていましたが。
元に戻すには、やはり其れしか
[言いかけ、電波塔の方を見る。]
[高いビル群に阻まれた先――]
[ビルの向こう側を見る目を使う。]
[見えたのは、塔が破壊された跡。]
── 現実世界<Mundane>/メガロポリス上空 ──
【Master──このメガロポリスには、まだ
バックアップを持たない少女“Kot”
メガロポリスの礎となり都市に使役されそして都市を守護しながらも、真実の終焉を求める“Morgan”
ただしき、人が残っているようです。】
【Master──貴方は、貴方のAIとしての私に、残酷な命令をPGMに組み込まれました。】
【私は死の床についた貴方を生かす事を望む事が出来ない。】
【Master──貴方を。
私をスクールから攫い、私を殺し、私を創った──Masterを
私は深く憎む。】
― 電脳世界<Utopia>/
Under:遊園地・牧場 - Mudskipper Animal Kingdom ―
――そうだね。奪われ損なわれるのは哀しいことだ……。
[メイの言葉を反芻し呟いた。]
たとえ誰かから奪われなくても、時間の残酷さはいずれすべてを過去へと押し流していく。俺たちは一日一日、奪い去られてゆく。
だからね――
[彼女にまっすぐに向き直る。]
求めずにはいられないんだ。探さずにはいられない……。
“今”を、今生きているこの時間を明瞭に意識できる光を――。
[眼差しの強さは一瞬のこと。やがて、はぐらかすように微笑んだ。]
絶対やるなよ!って言われたらやりたくなっちゃうのが性なのね。S・A・G・A 佐賀〜♪なんつって。
[忘れられたから、下にいる――メイが親のことを考えたこれまでの時間の重みは、到底他の者には計り知ることのできないものだっただろう。
俺はただ、きっとなにか理由があったんだよ――としか言うことはできなかった。]
ありがとう、メイちゃん。
もし時間ができたらまた遊びに来てよ。こいつらだってきっと待ってるからさ――。
[缶を受け取ったネコキチが苦み走った笑みを浮かべる。草むらの中から動物たちが手を振った。]
じゃあね――
「そうして、彼女の姿を見送った。位相の書き換えによって、彼女の姿は薄れてゆき、やがて消えた。」
[セシリアの頬には慟哭の涙]
[左腕の大槌を振るう──]
[赤い惑星がもう一度、東部に墜ちる──]
[彼女のMasterが眠る──教団本部のゲートをめがけて。]
[暗転]
[一瞬入るノイズ]
……何?
通信系に異常とかやめてよ?
それとも。
メガロポリスに何か――。
[指が動き、映像を送る。元は付近にある防犯用カメラなどから、一番範囲の広いものを]
何? これ。ノイズでよく見えないし。
[映し出された映像は、東部区画方面を映し出していて、数瞬のノイズの後、そこに現れたものは、何も存在しない光景だった]
―― 電脳世界/Closed Dealing Room ――
[PGM "Due Diligence" が高負荷に耐え切れず、フリーズしたそのときだった。彼女の "Dealing Room" を守る強固なファイアーウォールをトンネリングしながら謎のデータが電送されてくる。オードリーは咄嗟に警戒した。そして、メッセージが自動的にロードされて、消滅した。]
また、天の声、ねえ。
あれがサーだったかですかって?
[サーは会うたびに違う姿をしていた。初めてオードリーが面会を許されたときは、非常に壮健な男性の姿をしていた。2度目に会ったサーは、とても陽気な幼い女の子だった。オードリーが少し考えて、前あった男との関係を尋ねると、彼女は答えた。]
『私は、サーよ。そして、あなたが以前会った彼も私、サーよ。』
[オードリーは、BANK の会長が "誰" なのかを本質的には知らない。]
これは、どういうことかしらねえ。
私が担がれたってことかしら? フフフ
それとも親切にメッセージをくれた人が、
嘘つきなのかしら、嫌ねえ。
[そのとき!]
―現実世界/北東部-機内―
ほォゥ。確か、前に会ったときテメェ言ってたよな?
「僕はあなたの望む姿になろう」ってよォ。
やっぱテメェ嫌いだわ。欺瞞のカタマリみてェなヤツだ。
[トライデントから青白い光が出現し、3つに分かれる。
そして、老人の周囲を飛び交うビットとなる。]
俺が「基礎」<イエソド>だからか?
こんな貧乏籤引かされて、くそったれの
ボケどものお守りさせられてよォ……。
こんな俺に比して、のうのうと遊戯に興じる
テメェの姿は、吐き気がするほどロマンティックだぜ。
なァ「栄光」<ホド>…なんで俺なんだよ。
なんで俺だけこんな貧乏籤引かなきゃなんねェんだよォ!!!!
―― 現実世界/中央部 ――
[無人制御のタクシーを下りて、中心部にそびえる塔を見上げる]
どうなってんだ、一体こりゃあ……。
[眉間に皺を寄せて見上げる先には崩壊した電波塔の姿]
……何が。っと、地図!
[叫ぶように口にすると、地図が現れる。地上ではなく、上空に点が一つあった。番号は、06]
これは、おじいちゃんとこにいた番号。06って、確かDeath Maiden……ってケネスが言ってた気がする。
でも、誰だろう。
[少し、悩み]
― 電脳世界<Utopia>/Under:遊園地 - Neverland ―
[缶とビンのPGMを分解し、塵に返す。
遊園地の中をしばし彷徨った足どりは、ゲームコーナーへとたどり着いていた。
中には、まだコンピューターのゲームが席巻する以前の旧世界のゲーム台が置かれている。電脳の発達した現代には、地上のどこにもおそらくは存在しないもの。それはデータとしてそこに収集されていた。
ベルトコンベアで道路が流れてくるドライブゲーム。影絵の回転灯篭風シューティングゲーム。国盗りゲーム。ピンボール台……]
ははは。死亡フラグ……か。
[コインを一台の機械に投入する。メイの口ぶりに苦笑しながら、少しの間だけゲームに気を紛らわせた。]
――ドリス様は、彼方<Utopia>で?
[コットの精査が終わった後、レベッカは尋ねる。]
[そちらに行くのはあまり望まなかった。]
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