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[このような感覚を屡次感じるようになったのは、いつからだっただろうか。]
『ギルバート・ブレイク ―― カウボーイ』
[彼の顔を初めて見た時、その時流行っていたSF小説の登場人物が頭に浮かんだ。火星人の旅人。
彼はその登場人物と同じく、見知らぬ、そして根源的なドグマを持ち、それを運んでいるような気がしたのだ。なぜそんな感覚を得たのかは、合理的な説明がつかない。
その、琥珀色の瞳を覗いたためだっただろうか――。
それが事の起こりだったのだろう。――今にして思えば。]
[ヒューバートから差し出された日記を手に取り、しばし読む。]
………ふぅん。
あの奥方も、マメなこって………
わざわざ俺との「契約」を、日記にねぇ……。うわっ、何ヤッてるかも書いてあンじゃん。
[日記をテーブルに置き、ナサニエルは髪を掻いた。]
………いいだろう。
本来なら、俺は「契約」相手とのことは秘密にしてるンだがな……証拠があるんなら。
いかにも。俺はエリザ・バンクロフトと「そういうこと」をしていたよ。何やら「墓ごっこがしたい」とかいう、あちらさんのご要望に沿ったカタチでな。バンクロフト夫人は、「ネイ」とかいう乙女趣味なブリッコにもう一度逢いたいとかいう話だった。だから俺は、「ネイ」の様子を聞いて、バンクロフト夫人の前で「ネイ」を演じた。
正直、それは俺が小さい頃に関わってた何かがあるとかいう話だったけど……あいにく、覚えてねぇんだ。3年より以前の記憶が無いのは本当のことだ。
だが……
あいにく、シャーロット・バンクロフトは来てねぇよ。それどころか、俺は直接長話したこともねぇし。
だいたいあんたさァ……いつもシャーロットを連れて歩いてるようなイメージが俺ン中にはあるぐらいだ。だから、俺みたいな悪い虫がついたら、すぐ気づくだろうに。
[煙草を手にし、火をつける。]
そうだったのか。
日記を読んだのがあの日の夜だったなら……
確かにナッシュの自宅を訪れるタイミングがなかっただろうな。
[ナサニエルの言葉にその時の状況を思い浮かべ、頷く。
シャーロットがなにかにショックを受け、その目を涙で泣きはらしていたのはあの日の晩だった。日記を読んだタイミングはその時だったと解釈するのが妥当なのだろう。
私は、よく考えればナサニエルに生じた疑いの根拠が希薄であることに思い至っていた。]
いつも、連れて歩いてるってことないさ。
[表情に苦笑いが浮かんだ。その後に少しだけ物寂しさが混じり――]
シャーロットは夜、時々出かけたりもしていたようだから。
[その全てを知っているわけではなかったが]
「契約」の内容、ねぇ……
[ティーカップの中身をほぼ飲み干し、それを灰皿替わりにしている。]
……ま、生者だろうが死者だろうが、「なって欲しい」モンになるのが俺の「役割」だ。確かに死者の方が、ホンモノさんが死んでる分、ラクにやりやすいが……必要とあらば生者の役割もやるよ。
[ヒューバートの目をじっと見て居る。]
………で?
ひょっとしてアンタ、俺と「契約」結びたいの?
演じて欲しいのは、亡くなったエリザ夫人?それとも、愛娘シャーロット嬢?
カラダは改造できねぇけど、投影するならご自由に。
……人間の想像力ってのは、案外すげぇぞ。
望めば、目の前の男が10歳に満たない娘にも見えるくらいだからなァ。
だが、“ネイ”のことを覚えていないのに、彼女に“なる”ことができるものなのかい?
様子を訊いたとは云っても、簡単なことではないんじゃないか?
いったいどうやって――
[ひどく渇きを感じる。暑い。ポロの襟元を引き、喉元を外気にあてた。
掠れた声が喉の奥から絞り出る。]
できることなら――
――聞きたい
……彼女の言葉を……
喪って悔いばかりが残る。
彼女に伝えたいことがたくさんあった。
私の娘を――
ふぅん……
ま、娘も父親から離れる時期なンかね。
あんたの娘……歳いくつだったっけ?
[微かに褐色の水が残るティーカップの中に灰を落とす。]
……まあいいや。
ああ、「ネイ」の話な。
「ネイ」の様子は……多分、あんたが想像しているより、もっと深く訊いてる。好きなモンや嫌いなモンだけじゃなく、もっと細かい所もな。……ま、その辺の詳しいことはいわゆる「企業秘密」ってヴェールに包ませて貰うが。
あとは、「契約」相手がどれくらい相手を激しく求めているかにもよるな。ポイントは、「いかに正確に再現するか」じゃあない。「いかに相手の『理想』を具現化するか」にあるんだ。相手の想像力に頼り、それをさらに掻き立てる。
……そういう意味じゃあ、あんたの奥方はすげぇ人だったがな。
………残念ながら。
俺は直接「あんたの娘の声」を再現できるワケじゃァない。どっかの島国のシャーマンとやらは、祖先の霊をその身に下ろすことができるらしいが……あいにく俺は、そういう類の人間じゃねぇ。
俺が演るのは、「あんたの理想」に過ぎない。
あんたが「許して欲しい」と言って欲しいならそう言うし、「許さず罵倒して欲しい」ンならばそうするまでだ。
結局、全ては「契約」相手次第ってヤツだ。
それに………
その日記を読んだなら、分かるはずだが。
[間を置き、紫煙を吐き出す。]
俺との「契約」は、必ず「肉体関係」を伴うモンだが……なァ?
あんた、それ知ってて俺に「娘を演ってくれ」って、言ってンの?
[ブルーグリーンの瞳で、ヒューバートの目を凝視する。]
[ナサニエルの言葉に耳を傾ける。“契約”についての一言も聞き漏らさぬように。
今は、追うべき“人狼”のことよりも事件の謎のことよりも、契約のことで頭が一杯になっていた。
「どれくらい相手を激しく求めているか」――
――ああ、それは疑問の余地がなかった。
私は呪わしいほどに彼女を求め続けていたからだ。]
ああ、わかった。
霊を下ろすわけではないということも――
だが、私はそれでも……
ただ、言葉を聞きたい――
そそ、そうなのか――っ
[「肉体関係」と聞いて、思わず目を白黒させた。瞬時に顔が紅潮する。]
あ、っと……
えぇ……っと……
……そいつは…考えてなかったな……
[少しだけ、眉を蹙めた。しばしあって、動揺に声を上擦らせながら、おずおずと問いかけた]
へ、変則的だが……
SMの一種でその代わりとすることはできないだろうか
[我ながら、何を云っているんだと思った]
……すまん
私は娘に懲罰を与えたいらしい。
[今までの人生で、これほどまでに羞恥に満ちた瞬間があっただろうか。恥の多い人生を送ってきたとはいえ。
内心、消え入りたい気持ちでぽそりと口にしていた]
オーケイ。
[白いシャツを脱ぎ捨て、タンクトップと黒いズボンという姿になった。左腕に薔薇のタトゥー、背中には羽根のタトゥーが現れる。]
………なんなら、今すぐでもいいけど、ね。
道具欲しい?必要ならば、あるけど。
ま……俺を殺したり身体のどっかを奪わないなら、好きにすりゃァいいさ。
[カップの中に、煙草を放り込んだ。]
[肩からかかっているホーンブックに一瞬手を触れ、
すぐに手を離すと、ふるふると首を振った]
ああっくそっ!
で、できるなら頼んでもかまわないだろうか――
[シャーロットの服装・格好を伝え、右手には包帯を巻いていたことを語っていた]
りょーかい。ちょっと待ってろ。
[ナサニエルは部屋を出て、救急箱から包帯を取り出し、ヒューバートが指定した通りに巻いた。]
服、は………
[準備時間が足りない……と、ナサニエルは舌打ちした。そこにいるネリーから服をはぎ取っても良かったが、ギルバートの手前、それはできない。]
………………。
[上半身を裸にし、しばし考え込む。そして――]
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