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[しばらくすると落ち着いたのか、膝を抱えた体勢のまま瞳を閉じ、薄汚れたその身を照らす陽の光が地平線の向こうに姿を消すまで、しばしの休息に身を委ねた──。]
[その後彼がねじ込んできたのはあのアレキサンドのピアス。
光源によって光が変わって見えるのだという。
満足そうに、真赤に腫れた俺の耳にキスをして笑って言った。
─『一つの石に二つの色って、俺達みたいだろう?』
嬉しそうに笑うユーイン。こうすることで俺を束縛したかったのか。だが俺は違った。
赤い光は太陽の下、青い光は影の中でしか見えない。決して混ざらず、同時に見えることもない二つの色は完全に別なもの。
俺はこのピアスを兄と自分の境界線としてつけていたのだ。
だが、今はもうこの境界線が薄れつつある。
自分を見失いそうな、そんな予感が した ]
「兄さん」……?
「ここにいた」………?
おい、ハーヴェイ?
何があったんだ………
[触れられた手の冷たさに、背筋が凍るような心地を覚え、ビクリと肩を震わせた。]
――――
She had no way of knowin' I was leavin' home for good
娘は私がずっと家に戻らないのだということを知るよしもない
I turned around and there she was again
私が振り向くと彼女はまだそこにいた
As she said to me
こう云いながら
Daddy, don't you walk so fast
パパ、そんなに早く行かないで
――
―車内―
[イアンをこれから探しに行くというのに、あまりに不吉な歌詞だった。私は苦笑いしながら、チューナーをいじる。
スコット・マッケンジーの『San Francisco』がかかった。]
Summertime will be a love-in there〜
私は小さな声で口ずさんだ。
…兄さん…
あぁ、この人……この人が……
[ぎょろり、と目だけでナサニエルを睨む]
[シーツの中の左手、チャリンと何かをつかんだ]
──車内──
[スピーカーから聞こえて来た歌詞に、窓の外へと向けていた瞳をチューナーを操作するヒューバートの手へと移す。]
[Daddy, don't you walk so fast
Daddy, don't you walk so fast
Daddy, slow down some 'cause you're makin' me run
Daddy, don't you walk so fast]
[すぐに違う曲へとチャンネルが移されるが、
一度耳に届いた歌詞はしばらくソフィーの頭に留まっていた。]
…………………?
俺が、何だ?
[ハーヴェイに睨まれ、じりじりと後ろに下がる。]
ユーインが……何だ。
言いたいことがあるなら、口で言ったらどうだ。
心配いらないさ。
きっと、すぐ見つかる。
[ソフィーの表情を伺いながら、そう口にしていた]
なにか、イアンの変わった癖や習慣だとか……
よく気にしていた場所だとか、心当たりはないか?
[言いたいことは行動が示したのだろうか。
左手に音を発したのは自宅の鍵だった。
しかし鍵とは時として殺人にも及ぶ鋭い凶器となる。
ナサニエルの喉元目掛け、異常な勢いでその小さな凶器を閃かせた]
[申し訳ないといった風に頭を振り]
──…いえ。
父も、私と同じく社交的な人間ではありませんでしたから…。
[それから気付かれない程度の細い溜め息を吐き]
よく行く所と言えば…、
アンゼリカか雑貨屋くらいだったでしょうか……。
[目を見開いて、ハーヴェイの行動を見つめていたが、彼の左手に閃く銀色に、思わず表情を強張らせる。]
なっ……………!
[ハーヴェイとの距離はあまりに近く、逃げ出すのはかえって危険と判断したナサニエルは、咄嗟に両腕で喉元を防御した。]
そうか……。
[雑貨店はというと、リックが帰らぬ人となったと帰宅した私にマーティンが話していたことを思い出す。
そして、ウェンディはというとまだ帰ってきていないのだと。]
『どうなっているんだ――』
[一人残されているであろう、ニーナも気がかりだった。]
じゃあ、雑貨店に行ってみようか。
[車を雑貨店の方へ向けた]
――!!?
[私は雑貨店へたどり着き、絶句した。
窓ガラスが割れ、そこから覗く店内の様子は荒れている。
ラング牧師の自宅を訪れた時のことが脳裏を過ぎった]
ソフィー、すまない。
ちょっと――
[車を停める間もなく、雑貨屋の中に駆け込んでいた]
ニーナ!!
[極度の疲労で何故こんな攻撃ができたのかわからない。しかし銀色は寸前で空を切る]
……あ…ぅ……
[気力が切れたのか、そのままぐらりとナサニエルの方へと倒れこむ]
…ユー…イ………どう…し……
……約…束……を……
[そのまま、意識を失う。もう涙は出なかった]
[着くなり飛び出して行ったヒューバートに驚き、
後を追うように雑貨屋へと向かう。]
『今度は何が──…。』
[割れたガラスを避け慎重に扉を潜った。]
…………………ッ!
[銀色の一閃がギラリと目の前に入った瞬間、ナサニエルは思わずそこから目を逸らす。]
……………ん?
[下手したら大きな怪我を負うかもしれない――そんな覚悟と恐怖の入り交じった目をしたナサニエルの視界に、手にした凶器を振りかざしたまま、それを当てる寸前の所で倒れ込むハーヴェイの姿が入った。]
なんだ?おい、ハーヴェイ!しっかりしろ!!
[何かをうわ言のように呟くハーヴェイの肩を揺さぶる。]
ちッ………!
ったく……人騒がせな………
[虚ろな表情を浮かべるハーヴェイの目を見て、ナサニエルは安堵と不安の入り交じった心地を覚えた。]
ったく……兄も弟も、揃いも揃って……
[力無く崩れ落ちたハーヴェイの手から鍵を取り上げ、棚の中にしまいこむ。ナサニエルはひとつ大きな溜息をつき、ハーヴェイの身体を再びベッドに寝かせた。]
―雑貨店―
くそっ!!
[拳が壁に叩きつけられる。
ニーナから事の顛末を耳にした私は、怒りに身を打ち振るわせていた。
窓際に寄り、粘着テープが残されたままの板ガラスを外す。忿怒に血が沸騰する思いだった。]
ソフィー……
[辛うじて感情を押し殺した声が彼女を呼ぶ。]
すまない。
これから、どうしても片付けないといけない用事ができた。
できれば……ニーナについて話を聞いてやっていて欲しいが……
イアンのことが気になるだろうし、誰か人を探してその人を頼ってくれてもかまわない。アンジェリカなら、誰かいるだろう。
くれぐれも、できる限り一人であぶない処へ行くのは避けてくれ。
一度はここに戻ってくる。もし、待っててくれそうなら、その時合流しよう。
[雑貨店でいくつかの物を購入し、準備を整えた]
──ブランダーの店・店内──
[中は惨憺たる有様だった。
前に来た時は商品が散らばっているだけだったが、今度は何と、壁といい棚といい、乾いて変色した血で赤黒く染められていた。]
……酷い、何…これ………。
[店内の何処かから生臭い香りが押し寄せて来る。
思わず眉を顰めてハンカチで口元を覆った。]
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