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──ローズマリーの部屋──
[一人になって少しすると、ソフィーの胸は後悔で重く沈んだ。
もっと他の、柔らかい言い方が出来なかったのだろうか。
何も体調を崩すのはこれが初めてではない。
以前流感で寝込んだ時も、行きつけの診療所のお医者様はわざわざ奥さんを寄越してくれ、申し訳なく思いつつもその日一日父の世話を頼んだではないか。
それが何故、今意固地になる必要があったのか。]
『嫉妬──?』
『ステラさん相手に?』
『……まさか。私は彼女を信じている。』
『信じているのではなく、信じたいだけじゃ?』
『違う。』
『───、いいえ違わない。』
『確かに私は、彼女の上辺しか見ていない。』
『けれど、私にはそれで十分。』
『彼女を選んだのは私なのだから。』
『断罪の剣を振るうに相応しい、高潔な人物。』
───……。
[ソフィーは溜め息を吐いた。
自問自答の果てに辿り着く己の内面に。
心から人を信じる事の出来ない自分の汚さに。
だって私は──]
『“私にとっての彼女”がそうであれば、
真実なんてどうでも良いのだから。』
[ソフィーは片手を支えにしてベッドから降りた。
ずり落ちたバスローブを整え、緩んだ紐をウエストで縛り直す。
そして、よろけながらも父の元に歩み寄り]
──無事で良かった。
少しの間とは言え、一人にして御免なさいね……。
[キィ、キィ、と揺り椅子を揺らし続ける男の頬を撫でる。]
お父さん──…。
[筋肉が落ちて細くなった太腿に腰掛けると、
男は反射のようににソフィーの腰に手を回した。
その首にそっと腕を回し、
ソフィーは、恋人に甘える娘のように、父の肩に顔を埋めた。]
[ローズマリーの欲望には気付いておらぬげに優しい抱擁は続く。]
しかし……ステラを帰してしまって大丈夫なのか?こんな時に…。まあ自宅に居た方が気が休まるのかも知れないけど……。
[と眉根を寄せて、少し気遣うような素振りを見せた。]
[仄かなアルコールの匂いに、思考は過去を遡る。
夢に向かって歩み薦めていた眩しい一時。娼婦として地の底で生を啜ろうと暮らしていた暗澹。相反する欲望。縋る思い。]
[罪を犯し一度奈落の底に堕ち切ってしまったわたしは、しかしヒューバートの手によって再度表世界に舞い戻る事となる。
その時わたしは自らの體に犯した罪を刻み付けることによって、二度と過ちを犯さないようにと、それを自戒に変えようとした。傲慢と色欲、そしてもう一つの罪を背負う事によって――]
でも…それは一年と持たなかった…。
[わたしはライト越しに揺らぐ赤い液体を口に含み、一人語ちた。
あれ程蔑んでいた行為は、燻る熱をこの體に宿していて。わたしは半年が過ぎた辺りから、事ある毎にその熱に魘され続けていた。奇しくも自戒はわたし自身を煽り立てる対象に変化していった。塞き止めようとしても歯止めが効かない押し寄せる波。そんな押し問答に疲れ果て、全てを投げ出してしまおうと思ったそんな時――わたしはナサニエルと出逢った。]
[彼に求めたのは色欲を宥め傲慢を飼い慣らす事だけだった。一度全てを失ってしまったわたしにとってもう一つの罪は、目覚めさせるきっかけとなる対象が居なかったし宥め透かす自身もあった。
だからわたしは油断していた。
左腕に宿すこの子の目覚めを…無い物だと思い込んでいたが為に――]
いいわよリック。
ウェンディが行く場所って元々限られているし、見当はつきやすいわよね。
[このまま雑貨屋に長居していいものかと少し悩む。おそらくはいない筈であるが、雑貨屋の主人はどうしても見たくないのだ。]
[ステラのことを口にするギルバートに嫉妬の炎が胸に灯るのを感じた]
そ、そうね…、ステラは無事に着いたかしら。
アーヴァインに気を取られて、車で送りそこねたけれど。
[薄々と気がついていた。ここ最近左腕の調子があまり良くないことは。
でもそれは、この大雨によって参加した復旧作業による疲れなのだと思い込んでいた。
元々力仕事は苦手な方で――そんな言い訳を自分に課していた。今思えばそれは逃げであって、全ての前兆だったと思い知らされる。]
[きっかけは家庭訪問からだった。過去の恋人の変わり果てた姿に疼きを覚えた。でもそれはあくまでもきっかけでしかない。本当の鍵は――]
あの…ギルバートという男の瞳――
[ソフィーを残して部屋を出た際かち合った視線。香染の瞳が訴えかけてきた問いに、わたしの塞は脆く崩れていった。誰にも見せたくは無い、醜い――]
嫉妬――…
――嗚呼、お願い…目覚めないで?どうかこのまま眠っていて?裏切りの血をあなたにあげるから…だからどうか――
[わたしは懇願するように、再び左腕にワインを垂らした。その行為はこの子の渇きが収まるまで、まだ*止みそうには無い*――]
[突然強い口調になった彼女に軽い驚きの表情を浮かべる。]
どうしたんだ、ローズ。
何かまずいことを言った?
[問い掛ける瞳は微塵の疑いも持っていないようだ。]
いえ、なんでもないわ…。
[ギルバートの瞳を見つめ、独占欲の固まりになる自分を恥じる。自分にとってはステラが一番大事な人だったはずなのに]
[気分を変えるように、無理矢理別の話題に切り替える。]
そうだ。午前中に行った雑貨屋。あそこの家の女の子が急病なんだってな。こんな時に大変だよな。昨日会った時は結構元気そうに見えたのに…。
──アトリエ・自室(回想)──
[取り替えられたばかりの白いシーツが肌に触れる。すこしごわごわとして清潔な感触。
寝転んだまま髪を解き、シャーロットは黙って眼を閉じた。流石に身体の火照りは去っていたけれども。]
──…やっぱり、まだ。
[触れなくとも分かると思いながら、潤ったままの場所に右手の指先を伸ばした。]
…まだ……濡れてる…。
綺麗に剃ってしまったから、いつもより良く分かる…。
[ヒューバートが剃ったのだと思い出す、シャーロットの睫毛が震え、頬がわずかに熱くなる。同時に、今シャーロット自身が触れている場所に、ヒューバートの指の背、関節が触れた瞬間が甦った。それは慣れた自分自身の指ではなく、よく使い込まれた彫刻家の男の手、愛する父親の手──。
また、じわりと沸いてくる蜜を無意識に掬いあげ、隠すものがなくなりあらわになった小さな突起をその指で撫でた。ゆっくりと円を描くようになぞり、また蜜を掬い、撫でる事を繰り返す。小さな突起自身が熱を孕み立ち上がるまで。]
[何時の間にか、放り出していた両脚は1つに揃えられ、爪先に力が籠っている。
目を閉じているにも関わらず、左手で自らに目隠しをしているシャーロットが思い出すのは……。]
…ああ、だめ。
駄目よ……ロティ。
[指先のもたらす快楽は強くなり、細い波がシャーロットの意識を持ち上げる。このまま、このまま──達してしまう前に別の事を思い浮かべなくては。]
[話題を変えてくれたことに感謝しつつ]
あ、あら、ウェンディちゃんまで?
なにか悪い病気でも流行っているのかしら。いやね。
[乾燥機が止まる所を見計らって席を立つと、丁度窓から空が見える。あの豪雨から、傘があれば出歩ける程度の小雨に変わっていた。
丁度遠くからは陽光の筋のようなものも薄っすらと]
晴れた…のか?珍しい。
いや晴れてくれれば嬉しいけど。
[またいつ降り出すか分からない。今のうちに服を返却しヒューバートの所の模写を取りに行ったほうがいいか]
さて俺の車君、また汚れてもらうよ。
[恐らくこの中で晴れたことを恨んでいるとすれば筆頭は自分の車に間違いない。出かけようとカギを手にすると]
そういえば…と。
[ごそごそと荷物の中から取り出す小さな包み。シンプルに包装されたそれは手のひらサイズ。それを鞄に押し込み、車へと向かう]
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