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私は愛する人や友人、知人、数多くの人を喪った。
なにをしても、彼らは戻ってはこない。
だが、せめて――
理由を知らずにはいられないんだ。
その犠牲がなにによって築かれたものなのかを
………で。
俺があんたの奥方とヤッてたって話?
なんでそういう発想になったわけ。
…………ワケわかんねぇし。
[ナサニエルは、睨み付けるような視線でヒューバートを見て居る――*]
妻が“君”と寝た話じゃない。
妻は、“ネイ”との密会だと云っていた。
死んでしまった“ネイ”との。
君が死者となにか結びつきがあったり
示唆を得ることができるのなら――
そこに手懸かりがある気がしてならないんだ。
[それは、死と、あるいは長すぎる生命の話。
未だ全てが繋がらない断片の先を辿って
私は彼の答えを*求めていた*]
>>55
そう、分かったわ。
[ネリーにとってはそれで100%とは言わないまでも、大部分が自分を納得させるものだった。]
[『コーヒー』と双方から言われ、お湯を沸かす。]
ナサニエルさん、何考えているのかしら…突飛なものじゃないといいのだけど。
[一人になった瞬間、頭の中でまとめ始める。
とは言うものの当然ながら結論は出なく。
気がつくとベストの水温を超え、沸騰していた。]
[不意に、ノックの音がなり、ナサニエルが迎えに行った。
ナサニエルがいなくなるのと同時にギルバートの警戒感がぎゅっと濃縮されて周囲に広がる。
言うなれば蝙蝠の超音波に近いものか。気づかない者は気づかないだろう。ネリーはギルバートの動きを察知し、自らも警戒感を広げる。]
[誰が来たのだろう。ソフィー?ステラ?ヒューバート、或いはローズマリー?
ギルバートは既に気づいているのかもしれないが、ネリーはその足音の主が誰かまだ解らない。
ギルバートが静かに動き出す。獣がテリトリーを誇示するかのように。 私はギルバートの徒手空拳の間合いからは離れるまい、と思った。
[廊下に出たことで音が拾いやすくなった。
二人のいる部屋には近付かずに、このまま離れたところで気配を殺したまま声を聞き取ることに集中する。]
[室内の会話がおぼろげに聞こえてきた。
ナサニエルの激昂が伝わってくる。
だが、ヒューバートが切り出した質問の大半は、ギルバートの知らない事項が多く含まれていて、理解の難しい内容だった。
彼はそれについて考えることはせずに、二人の会話の進展を待った。]
―回想―
[ナサニエルが森の中で「狩り」を観賞する前の出来事。
彼は、とある方向に車を走らせていた。]
………「死」の官能、か。
確かに俺ン所に降って来るのを待つのもアリかもしれないけど、いつまた人が死ぬかもわかんねぇし……。ただ屍体ができるのを待ってンのも面倒な話だからなァ……。
[メンソールの煙を肺に流し込みながら、黒いコートを着込んだ男は車のハンドルを握る。]
例えば、俺がヒトを殺せばどうなるんだろうな。
[それは、全くの思い付きだった。単純に「誰かを殺してみたい」という興味。ただそれだけのこと。]
ギルバートは何を思って人を殺してンだろうなァ……。ま、俺も試してみりゃァ分かるか。
[ナサニエルは考える。先ほどまで共に寝て居た少女を襲えば良かったかもしれない……と。しかし、「おそらく、自分の家のベッドが汚れるのが何かと面倒だと思ったのだろう」。彼はそのことを、そう結論づけた。]
………で、こっちだよな。
[男は「獲物」を求めて、車を走らせる――]
―回想・仕立屋の前―
[仕立屋の前に、1台の黒い車が止まる。黒いコートを着込んだ男はトランクを開け、ナイフを取り出し、コートの奥にしまった。
カーラジオからは、CARPENTERSの"TOP OF THE WORLD"]
Such a feeling's comein' over me
There is wonder in most everything I see
Not a cloud in the sky
Got the sun in my eyes
And I won't be surprised if it's a dream
―――コン、コン。
[扉をノックし、家主を呼び出す。]
ソフィー、いるか?俺だ。ナサニエルだ。
イアンが見つかった。早く来てくれ!
[――子どもじみた嘘だ…と、内心で自嘲しながら。]
[――しばしの後。
血相を変えた家主――ソフィーが、大慌てて扉を開けた。]
[男の口許が、歪む。]
――――――。
[扉に手を掛け、抵抗できぬソフィの腹めがけ、鈍い音を立ててナイフを突き立てた。]
………なァんてな。
俺、あんたの父親の顔なんて、ロクにしらねぇし。
[ソフィの身体に蹴りを入れて薙ぎ倒し、続けざまに何度もナイフを刺してゆく。]
「………………………」
[口を開けて何やら抗議している彼女のことなど、お構いなしに。]
[仕立屋の玄関先に、夥しい量の鮮血が舞う中、カーラジオは呑気に世界の頂上を歌う。]
I'm on the top of the world lookin' down on creation
(私は世界のてっぺんにいる 全てのものを見下ろして)
And the only explanation I can find
(そして私が気付く事のできた唯一の理由は)
Is the love that I 've found ever since you've been around
(あなたが私の近くに存在してから見つけた愛)
Your love's put me at the top of the world....
(あなたの愛が、私を世界のてっぺんに連れていってくれたのよ)
[―――数分の後。
ナサニエルの足下には、無惨に刺し殺された金髪の女の遺体が転がっていた――]
[男は返り血を拭い、コートとナイフをトヨペットクラウンのトランクの中に放り投げた。]
…………………へぇ。
人を殺すのって、意外と………
[ナサニエルは煙草をふかしながら、エンジンを掛けた。無惨な屍体を残し、男は導かれるように、森へと向かった――*]
[ナサニエルと、誰かが会話をしているらしいというのはどことなく掴めたが、内容はおろか誰かもまだ分からない。
少しでも身軽になり、ギルバートの足手まといにならないようにしなければならない。
コーヒーを淹れに行った時に、キッチンナイフのひとつでも失敬しておけばよかったと思った。
歯軋りもしたくなったが、余計な音になるので*それは慎む*]
いいか、ヒューバート。
あんたが俺に言ったことを、「俺が俺の耳で聞こえたままに」言ってやろう。
あんたはまず、娘を殺したのは俺じゃないかと嫌疑をかけた。
次にお前は、「何の根拠も提示しないまま」、「天使とは何だ」と聞いてきた。
……何の話だかさっぱりわかんねぇよ。
あんたの話を聞いてると、俺にイチャモンつけて嫌疑掛けてるようにしか聞こえねぇ。そのくせ「俺に頼るしかない」って、どういうこと?
だいたい、「ネイ」って誰?
ミッキーなんて全然知らねぇし。
墓ごっこって何のこと?
悪ィけど、昔話がしたいなら、余所あたってくんない?
俺、3年かそこら前に車で事故って、頭打って記憶機能がブッ壊れたらしくて、3年前くらいからの記憶飛んでンだよね。……それ知らないンなら仕方ないけど、それ知ってて俺に聞きに来たンならアンタどんだけ残酷な人間なんだよ。
なァ……
偶然来たにしちゃあ、随分とでき過ぎてンな、ヒューバート。お前が言いたいことを、イチから説明してもらおうか。……きっちり、「理由を明示して」な。
ああ、すまない。
嫌疑をかけた――そう感じたとしても仕方ないだろうな。
[私は眉を蹙めて、髪を掻いた]
シャーロットが、エリザと君とのことを気にかけていたのは話した通りなんだが、それはこれが切欠になっている。
[私は、テーブルの上に、エリザの日記を置いた。その隣に、シャーロットの部屋から見つかった地図を重ねる。
そして、エリザの日記にナサニエルとの“契約”のことが書かれていたこと、シャーロットが殺された晩、彼女の机にそれが広げて置かれていたこと、その隣にはナサニエルの家に印をつけたヘイヴンの地図が広げて置かれていたことを最初から順立てて話していた]
まるっきり疑っていなかったといえば、嘘になる。
これらのシャーロットが殺される寸前の状況から、一番最初に気にかかったのは君だ。
それは事実だ。
――だから、君に直截訊いて確かめたかったんだ。
ナサニエルさんに…ヒューバートさん。
[緊張感で充満しているようなピリピリ感がある。
取っ組み合いになると分が悪いのは明らかだ。
私は喉をならすのも抑えて空気を感じる。]
記憶……
……事故……
悪い、そうだったのか。
“ネイ”のことを知らないのか?
エリザの日記には、彼女のことが書かれていたんだ。
んっと……そうだな…
訊き方を少し変えると……
君の“契約”についてなんだが――
君は……求めがあればどんな者にでも“なる”ことができるんだろうか。
それとも、……それは生者は除いて死者に限られるものなんだろうか……
[常ならば、死の世界のことも、霊の存在も簡単には信じることのできない事柄なのだろう。
だが、今や私の愛する人の多くは鬼籍に入っていた。むしろ、信じたいという気持ちすらあったといっていいかもしれない。
また、それだけでなく私自身も通常の五感を超越した“啓示”といっていい感覚を時折感じさえした。その今の私には、彼の答えがどれほど驚きに満ちたものであれ、心に落着しそうな予感があった。]
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