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― 理想郷<Utopia> /Under:遊園地 - Neverland ―
[硝子の劇場の仄かな光の中にゆらゆらと揺れる影。ウサギの耳がついた巨大な赤ん坊が細い女の子の影を押しつぶす。巨大な赤ん坊が娘を嬲る演目は繰り返し続いていた。
定番の一つであるその演目の他に、今は新たな寸劇が加わっている。
十字架にかけられた女性のシルエットが浮かぶ。脇を過ぎゆく無個性な群衆は、通り過ぎる時一度ずつ槍で女性を刺し貫いてゆく。
大きな一つ目のついたピラミッド上に脚を組んで鎮座する女性の影。はいつくばってピラミッドを昇ってくる男たちの影を、片っ端から長い足で蹴落としてゆく。だが、群衆は絶えることはない。やがて、頂上から引きずり下ろされ、荒波のように波打つ男達の只中へと呑み込まれる。
平原でライオンに襲われる女。ライオンの牙から瀕死で逃れた刹那に、檻から出たヒョウが襲いかかる。
次から次へと残酷な演目がかけられるギニョール座。声なき叫びがそこに満ちていた。]
お前たちは少し休んだ方がいい。
[男の言葉に双子は頷いた。男も今は鼻眼鏡を外し、“座長”の役から降りている。
ステラとの戦いとPGMの定着に消耗していた彼女たちは、ハックマン女史との対峙では二人で一つのSwampmanとなって相互補完しながら活動することしかできなかった。それでも単独では足止めするのがやっとだったというのが現状だ。
女史との戦いで受けた疵の修復も行わなければならない。
移動手段を得るため、劇場のスタッフ運搬用の巡回機能つきPGMを呼び出す。
遊園地の前に、sentimental busと書かれたマイクロバスがやってきた。]
おやすみ――
[手を振って男はバスに乗り込んだ。]
― 現実世界<Mundane>/南部電脳街:Boulevard ―
[路上に佇みながら車を待つ時間はほんの僅かだった。すぐにピンクのライトバン型のUGVが姿を現し、路肩に寄って停車する。]
ふぁ……
[俺は我知らず小さく欠伸を漏らす。身体中がズキズキと痛み、筋肉は熱を帯びている気がした。疲れている。そして、ひどく眠い。
ライトバンの後部坐席に身を預ける。
車はすぐに走り出す。
流れゆく眠りに落ちた巨大都市の風景を見るともなく眺めているうち、ほどなく俺は沼のような眠りに落ちていた――**]
――Mundane/中央部――
[ビルの一つへと入り、ロビーのソファへと落ち着ける]
偽善? 負けの分かってる戦いを挑む方がどうかしてる。
自分の持ってる力の大きさを、判らず行使するのもどうかと思うけど。
判ってるって、本人言うんだろうなぁ。
[腰のポーチから、包みを取り出し、中をあけると、左手のユニットが出てくる]
対AI用に頼んでたやつだけど。それだけじゃだめっぽいし。改造しちゃお。
[腕の一部を開くと、工具が現れる。メンテ用のものだったが、一通り揃ってはいた]
それにあのPGM。あれ厄介なんだよね。対人で使ったりはしないだろうけど。それ以外にももってそうだなぁ。
相殺できるようなの作れればいいんだろうけど。さすがにそんな時間も設備もないし!
[右手一本で器用に左手を付け替えると、今度は右手の手首から先をはずし]
レベルあげとこ。消耗は激しいけど。あとは……。
[左手の取り外したユニットをばらし、*細工を始めた*]
── 現実世界<Mundane>/電波塔の外 ──
[都市を走る公共エネルギーの流れを、大まかにスキャンする。]
柱を中心として中央部の動力が──省エネルギーモードに?
クローズドで何かが起きている。あるいは、Morgan Utsumiが、何かを起こしたのかもしれません。
[ケネスに対して、簡潔に電波塔の柱の間とモーガンの説明をした。
モーガンが死ぬ気で、あるいは死ぬ為に──この都市を眠りに落とした首謀者に向かって行くと言うのが、起こりえる事ではないかと思えた。(セシリアがイメージするのは、あくまで老人の姿のモーガンだったが。)]
私は、モーガンに真実の終焉を約束した。
彼のバックアップを破壊するに足る動力をPGMに付与できる場所へ移動します。
あなたはこれからどうしますか?
[セシリアが持ち歩いたままになっているキーに反応して、シャロンの車がすぐ近くに待機していた。セシリアは、キーを翳し車に乗り込む。]
── 現実世界<Mundane>/中央部→北部 工業系エリアへ ──
【それに、さっきNO.11を示す光点がNO.12の目の前で消えた】
【NO.12は──ヴィンセント・キャロ】
【Underでショーをしていると言っていたけれど。】
[プラグを挿しこみ、運転出来る程度の浅いダイヴ──。
セシリアが、座標を設定場所は、モーガンのclosedに移動を開始し始める前に*バスが居た場所*。]
― 理想郷<Utopia> / Closed:Morgan's Space ─
[男は微睡みの中で、淡い夢を見ていた。鮮やかな緑を湛えた巨木が天空の彼方に向けて聳え立っている。]
<<< ……REIN…CAR… ……NATION… >>>
[夢うつつの中、無意識がその場へといざなったのだろうか。
寝入り端に老人に話をしなければと考えていた所以かもしれない。
いつしか、マイクロバスはガタゴトと揺れながら原っぱの只中を走っていた。
暗澹たる深い闇の天蓋とどこまでも広がる渺茫とした草の海の間を漂う孤影は、赴く先を見いださぬまま彷徨っている。
虚空にぽっかりと浮かぶ紅の月が血に染めゆくように赤い光を投げかける中、漆黒の巨木の影が縁取られ彼方に見える。
マイクロバスの車中で睡郷に迷う男の横顔を、窓外で遠く明滅する光が時折浮かび上がらせた――**。]
[俺はふと、俺をとりまき、それどころか俺自身に深く食いこんで動かしてさえいるこの世界の機構について思いを巡らせていた。
こうして移動する間通り過ぎる建物も、意識を傾けさえすれば電脳上で自動的に検索される。それらはただちに、刻々と情報が更新される空間マップに反映されて表示される。
ある場所へと向かいたいと考えた時、目的地までの経路と時間が瞬時に判明する。そこへ至る過程に存在する店舗や公共施設、高低差や階層の有無、空間構成の詳細までも――文字通りありとあらゆる情報が詳らかにわかる。
そこになにが存在し、どんな景色が広がっているのか。電脳へのアクセスの深度によっては、実際に脚を運ぶ前にその場所を実感することが可能だ。]
[経済動向も、流行の流れも、各社が血道を上げて計算による割り出しにつとめ、その行方はある程度の誤差の範囲内で十二分に予測可能となっている。
義体の髪や肌の色、骨格のデザイン、流行は開発スケジュールに則った各社のプロモーション戦略によって数年先まで決められてゆく。
メガロポリス内の温度や気候は常に一定に保たれている。衛星によって張り巡らされた防空システムや都市を囲んで敷設された早期警戒網は、突発的な事故や外界からの攻撃を悉く阻んできた。
そこでは、不確定な出来事を生じさせる因子は徹底的に排除される。]
[俺たちは、訪れる前から既によく知っている場所へと常に進み続ける。世界が、未来が、あまりに遠くまで見通せるがゆえに、俺たちは常に予告のあとを引く残影として生きざるを得ない。
俺たちは“過去”の住人なのだ。――電脳化され隅々まで糸の巡らされたこの世界の中では。
俺は時折、そんな世界を無性に息苦しく感じる。
眼鏡を外し、電脳との接続を切り、予告されない世界をぶらつくことがある。完全に予想のできない出来事に遭遇することなど、ほんの僅かだ。だが、それでもそこになにかを期待する。
ひとしずくでいい。自分の知ることのなかったなにかが、心に波紋を投げかけることを。そこに、筋書きにはない、世界に予告されないものが生じることを――。]
[だが、都市-まち-を今、未曾有の災害が襲っていた。
この街全体が眠りにつくことなど、誰も予想できなかっただろう。
それでも――これは“何者か”によって起こされた事件なのだ。
指揮をした者にとってはあるいはこれもまた“予定調和”だっただろうか。
俺が、送りつけられた“手紙”についていた地図であまり人の居場所を確認したがらなかったこともまた、“糸”から自由になりたい――そんな生来の逃避性向の表れだったのかもしれない。]
― 理想郷<Utopia>/Closed:Morgan's Space ─
<<< ディ〜 リ〜 リリリラリリ〜 >>>
<<< リリリラリラ〜ラ〜 リリリ ラリリ〜 >>>
[ストリートオルガンの『夢のあとに』――。
不意に、よく馴染んでいる筈のその音楽が――意識の底で響いた気がした。手ずから奏でていないにも関わらず。
俺はいつか見た過去をまたなぞっているのだろうかと、ふと思う。]
――Helas! Helas! triste reveil des songes,
ああ、ああ……。夢よりの哀しき目覚め。
Je t'appelle,o nuit,rends-mois tes mensonges,
夜よ。私に、お前が形作ったあの人の幻を返してくれ。
Reviens,reviens radieuse,
戻れ、戻ってくれ。素敵な人。
Reviens,o nuit mysterieuse!
戻れ、ああ、神秘に満ちた夜――
[俺は夢の中に手を差し伸べる。
幻の輪郭をつかみ取ろうと。
だが、その姿は微光を散らしながらするりと逃げる。
明瞭な象を結ばぬままに。
幾度も、幾度も――]
―― Utopia/Closed x Morgan's Space ――
ああ。まるであなた自身のようにこの流星は歪んだcodeに満ちている。――哀れな事だねえ。
[どれだけの時間が経ったのか]
[交響曲の調べが静かに流れる。小川のせせらぎのように緩やかに同心円の光として流れてゆく。指揮者を中心に半円を描く88の鍵盤は、Podium(指揮台)のように。]
歪んでいるのは。
[流れる光の同心円に従い、ジリジリと下がっていく。]
テメェだけには言われたくねェな。人のこと言えねェだろ。
[トライデントの先から、新たに複数の霊魂。
光とは逆の波紋を描き、流れていく。]
[左手の指をばらばらの方向に]
[黒と白の鍵盤を鳴らす/触れていない鍵盤の音]
今更の事を言われるとは。
褒めないでくれるかい。
だけれどね。
歪んだcodeも正しいcodeも等しく愛しているよ。
[戦場の場は拮抗する力の中心だけではない]
[至る所で隙を互いに狙ってもいる]
同じく、人もAIもね――…‥。
[此方が解析したと同じく彼方も解析されている事だろう]
フンッ…ならば、全力で俺を愛するんだなッ!!
[次々と感じられる「新手」の気配。
子宮より赤子が産み落とされ続けるが如く。
かつ消え、かつ結ぶ泡沫が如く。]
見えたッ!それが「子宮」かァッ!!
[第八<ホド>の後方から、霊魂が降り注ぐ。
鍵盤に向かって、怨念の流星群。]
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