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私は今までこうしてやって来れたのは、
あなたが居てくれたからでもあるんですよ──…?
[多くを訊かれる事を畏れてはぐらかしてしまったが、隣に座る男から感じる深い悲しみを帯びた気配に、思わず励ますように、*小さく呟いていた*。]
[男が店の扉で派手な音を立てて入ってきたのと、犬が狂ったまま自分に襲い掛かろうとするのと、どちらが早かったかなんて上手く分からなかった。
けれど、今の気がすっかり動転しているニーナにはギルバートはたとえ頭では理解できていても彼が自分を何時でも守ってくれた兄以外の誰にも見えなくて────]
…兄さん…っ、助けて兄さん!!
[その言葉は自然とギルバートへと*向かっていた*]
─自室─
[ほんの僅かな時間であっただろうか。自分のベッドに突っ伏していたネリー。やがて伏せているのを止め、立ち上がった。]
ああ……起きなくちゃ。旦那様、帰ってきてないのね…
わんちゃんの散歩にも行かないといけないし。どこへ行ってしまわれたのでしょう。
[狂犬がニーナに飛び掛るその瞬間、置いてあった清涼飲料水の壜を掴み、犬の頭に向かって投げつけた。
鋭く重い一撃を頭に喰らい、犬は甲高い鳴声を上げてよろめいた。弾かれた壜は床で砕け、ガラスの破片と泡立つ水を撒き散らす。
犬は頭部に加えられた衝撃に朦朧としていたが、獲物のニーナの側に撒かれた水に気付くと、弾かれたように後ずさる。]
[その隙に、ギルバートは殆ど一飛びでレジスター側に近付き、脱いだレインコートを犬の頭部に巻きつけた。
狂犬は新たな敵──ギルバートに牙を剥く暇も有らばこそ、頭部をぐるぐる巻きに拘束され、くぐもった唸り声を上げた。]
[彼は更に、レインコートの一端を握ったまま犬の首を後ろから片腕で締め上げた。苦痛にもがく獣の四肢が宙を掻く。
その腹に、ギルバートは手にしたナイフを幾度も突き立てた。
鮮やかな血が飛び散り、店の床や陳列物を、レジ側にへたり込んだニーナを、赤く染めた。]
[やがて、弱々しく四肢を震わせるだけになった犬の頭を掴んで床に押し付け、その頚部に切っ先を捻じ込み、頚椎を断ち切った。]
[──血臭の漂う店内に、奇妙な静寂が訪れた。]
[ギルバートは浅く肩を上下させながら、顔に飛び散った血飛沫を手の甲で拭った。
擦られてかえって広がった血の汚れを肌につけたまま、ニーナに顔を向けた。]
……大丈夫か、ニーナ。怪我は無いか。
─翌日─
[その後は、強いショックを受けていたニーナを宥めて寝かしつけ、一晩中側についていたのだった。
何とか眠りに落ちたニーナを寝室に置いて部屋を出ると、家中を捜索して顧客名簿が無いかどうか探し始めた。
ようやく目当てのものを探し出し、ある人物の自宅と、他に何箇所かの住所を調べ、メモ用紙に書き留めた。
ついでにヘイヴンの地図も一緒に失敬して、目当ての場所に印をつけた後、小さく折りたたんで、ポケットにしまった。]
[最後にもう一度ニーナの部屋に戻り、別れの挨拶をした。──彼は店を出た。]
[彼は狩り獲るべき対象を捜し求めて*歩き出した。*]
─自宅─
[ネリーは簡単に自宅およびその周辺の掃除をした。2度目の水害も大きな被害は出なかったが、犬小屋が荒れたりしたからだ。]
早く旦那様帰ってくるといいのだけど…
─???─
[今更ながらにローズのことが思い出され、一度「アンゼリカ」に戻ったが、ローズの姿は無かった。気配があるのに姿が見えないのを訝しく思ったが、彼女を探している暇は無かった。
客室で手早く身支度を整え、衣服を着替えると、電話脇のメモ帳に一度戻ったことを書き残して再び出掛けた。]
[地図を頼りに目的の場所に向かったが、果たしてその家は留守だった。人の居る気配はなく、しんと静まり返っている。
しばらく考え込んでいたが、ふと思いついてもう一箇所回って見ることにした。]
[ギルバートは、ヘイヴンの標準的な家屋とは全く異なる、近代的な造りの邸宅の呼鈴を押した。]
── →ボブ・ダンソック邸──
[ネリーは呼鈴が鳴る音を聞いた。自宅そのものには現在おらず、ネリーは動物たちの世話に当たっていた。はっと顔をあげる。]
帰ってきたのかしら?
[ネリーは庭のほうから、側面から扉の方へ近づいていった。そこで目にした人は──]
何の御用でしょ──
[ネリーは驚いた。いつだったか、自分が暴漢に襲われた時、颯爽と現れ、暴漢をのしていった男だ。改めて見ると体格にも恵まれているのが見て取れる。]
あ、あの──
[地下の部屋で目を覚ますと傍らにはステラの姿はなく、その部屋に時計も窓もなく、ローズマリーは時間を把握することができなかった]
[のろのろと身体をおこし、散らばった衣類を身に着ける]
今、何時かしら。
[どうしよう、つっ立っているだけでは埒があかない、何か言わないと、とたちまちネリーは混乱しそうになる。]
あの…この前は大変ありがとうございました。
ギルバートさん…ですよね?
[ネリーはギルバートに問いかけた。慌てると意味もなく体面ばかりになる。]
[自分の部屋に戻り、ソフィーとその父親の姿がないことに驚くが、あたりが特に荒れた様子がないことで、だれかと自宅に戻ったのだろうかと、深く考えることを放棄した。]
シャワーを浴びたいわ。
[『ギルバート』はネリーの内心の動揺を読んだかのようにニヤリと嗤った。]
そう。ギルバート。ギルバート・ブレイクだ。
よく憶えていたな。
[ネリーはギルバートに会うのは2度目だ。だが前回とは違う笑みがそこに伺える。ネリーは必死に取り繕う。]
はい…この前は本当にありがとうございました。覚えているでしょうか…? 名前も聞かずに別れてしまった。
あっ、順番が違いますよね、すみません。私はネリー。ネリー・ウィティアと言います。
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