情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
『確かに此処は癒しの場所さ。けどね、結局は自分自身さ。
あの子はまだ若い。此処を終着点にするにはまだ早すぎる。
だから送り出したんだよ。自分の足で踏みしめる感触を覚えさせる為に。歩いて歩いて、あの子自身の道を踏み固めさせるために。
自分の手に包んでね、大事に大事に育ててやることだけが、愛情じゃないんだよ。
そうして、それでも此処がいいと思ったなら…あの子はきっと戻ってくるよ。
だから失ったことを悲しむんじゃない。恨むんならアタシを恨みな。
待っててやんな、あの子は必ず…自分自身の道を見つけるよ』
[細い指を目の前に突き出されたまま、...は茫然と女将の言葉を聞いていた。
と、その手に白い塊を渡され、...はゆっくりと視線を下に移す]
これ…何すか?
『ばかだねぇ、照る照る坊主に決まってるだろう。
気づかないのかい?この雨で、皆不満が溜まってるんだよ。そんな後悔している暇があるなら、「雨を晴らしてください」って相談、解決してやろうじゃないか。
願いが届けばきっと晴れる。雨が上がれば、綺麗な虹が出るんだよ。
たまりに溜まった不満の心を、アタシ達で晴らしてやろうじゃないか!』
雨を晴らす……できるんですかね、そんな事。
『やってみなきゃわからないだろう。出来ることからやる、それがアタシ達の信条さ!』
[大の男と綺麗な着物を着た女将が、必死に照る照る坊主を作る姿は、傍目から見れば随分と滑稽だっただろう。
だが、...は黙々と手を動かしていた。
何かをしていないとまた考えてしまうから。
綿を白い布で括り、丸い部分にサインペンで顔を描く。
不器用な笑顔。間抜けな顔。
けれど、どこか愛嬌のある顔]
女将さん…虹、見れますかね。
[笑顔で頷く女将の姿に、どこか救われた気分になる。
一つ、二つ。女将が口ずさむ]
『照る照る坊主、あーした天気になーあれ!』
昔、誰かこんな事言っていた…
『If one belives in the path before them,they follow it. As this is human nature.』
(信じる道ならば進むのでしょう。それが人の性(さが)なのですから)
…と。
確かにそうなんですね…。
[...は室内のバスルームに向かった]
[...は、庭に面した縁側に吊られたテルテル坊主を指で弾きながら
何処を見るでもなく、ぼんやりとしている]
「ヒューさん、こんなところにいたんですか。
もう番組始まるんで、早くスタンバイお願いします」
ああ、もうそんな時間ですか。申し訳ない。
ちょっと考え事をしてました。
それじゃ、行きましょうか。
[...は、スタッフと共に、ラジオ放送用の部屋へ向かった]
[控えめなオープニングBGMに、ヒューの声がのせられる]
こんばんは。Music Fun Radioの時間です。
生憎今日は一日雨模様。皆さん、どうお過ごしですか?
こんな天気だと、何となく気が滅入ってしまいますよね。
そんな気分を吹き飛ばすようなリクエストお待ちしています。
それでは今日も30分間、最後までお付き合いください。
ヒューのMusic Fun Radio最初にお送りするナンバーは、
こういう天気に良く合う曲です。
吹き飛ばすよりも、こういったアンニュイな雰囲気に
身を任せてしまうのもまた一興ですからね。
私、かなりこの曲好きなんですよ。
Stengで、Englishman in NewYork
[スローテンポのアコースティックな曲が、静かに流れる]
どうでしたか?
流れに逆らわず、身を任せてみるのも大人の生き方の一つです。
そりゃぁ私も若い頃……と言ってもまだ充分若いですが、
ツッパってツッパって、結構とんがってました。
でも、そんな生き方じゃ、疲れてしまうんですよね。
例に漏れず、私も途中で躓きました。
そこである人に言われたんです。
「流されても良いじゃない。
譲れない事は、何があっても譲れないんだから、
それ以外のところは流れに身を任せたって良いじゃない。
そんなずっと張り詰めてばかりだと、また今回みたいに
途中で倒れちゃうよ?
受け入れる大きさ、大らかさ。それを身に着けるべきだと思うな。
特に今の君は」
それ以来、私は生き方を変えました。
そんなすぐに変わったわけじゃないし、
今でもこれで果たしてあっているのか……
でも、これでいいんだって最近思うんですよ。
あるがままの自分であれ。
あの人は、私にそう言いたかったんじゃないかなって。
さ、ちょっとしみったれた雰囲気になっちゃいましたね。
最初にこんな気分を吹き飛ばすようなリクエストを!って言っておきながら。
それじゃ、気分を変えてお悩み相談のコーナーいってみましょう。
今日のお悩み相談は……お魚咥えたドラ猫さんから。
「ヒューさんこんばんにゃ。
我輩、今となってはこんな姿にゃんだけど……
以前は普通の人間だったのにゃ。
ある日、悪い人にこんな姿に変えられてしまったのにゃ!
最初の頃は、人間に戻りたいと思って、色々その為の方法を探したにゃ。
でも、最近はそんな事どうでも良くなってきたのにゃ。
猫の姿でいるのが、とっても楽しいにゃ。
そこでヒューさんに相談があるのにゃ。
我輩、このままでもいいのかにゃ?」
……なるほど。
ドラ猫さんは、人間に戻るべきなのか、
猫のままでいるべきなのか、それで悩んでいると。
いや、何と言うか……答えはもう出てるんじゃ?
と言うか、そのままでいてください。
なぜかって?それは私が猫大好きだからデスよ!
人間なんかに戻っちゃいけません!
それは私が断固許可しません!
ねこねこばんざいにゃーーーー!!!
…………コホン。
ちょっと取り乱してしまいましたね……
結局のところはアレです。私が冒頭で言いましたように、
あるがままの姿でいいんです。
それが一番あなたらしいって事なんですから。
【お魚咥えたドラ猫さんの前途は洋々ですよ!!!】
お魚咥えたドラ猫さん、これで少しは悩みも晴れましたか?
[...は布団に包まってうなされている]
う〜ん…う〜ん…ひいい、
巨大化したヒューちゃんが…セクシーなヒューちゃんが迫ってくる〜…
次はリクエストのコーナー。
今日のリクエストは、人参市にお住まいのモコモコ羊さん。
「ヒューさんこんばんは。
ヒューさんがいるところは、今日は一日雨だったんですね。
私が住んでいるところは、今日一日雪が降っていました。
今一番、冬の寒さが厳しい季節で、春が来るまで
ずっと雪で覆われてしまいます…………
なので、聞くだけで温かくなれる曲をお願いします」
なるほど。羊さんの住んでいる所は厳しい環境なんですねぇ。
私は元々、暖かい地方の生まれなので、小さい頃には
雪なんて見たことなかったんですよ。
ずっと、テレビの中の世界だったんですよね。
羊さんが住んでいるような、雪国の冬は。
それでは羊さんのリクエストにお応えして……
ほんわか心が温かくなれる曲をお送りします。
Jenny Stigile で、Wind'sNocturne
ん。おお…仲居さんや。いつもすまないねえ。
なーに、昨日はちょっとのぼせちゃっただけじゃ!
心配する出ないわい。
ワシの息子達もお主等も心配しすぎじゃて。
ワシはしぶといからそんなすぐにぽっくり行く事はないわい!
[仲居さんの呆れ顔にカラカラと笑いながら]
ところで、最近働き始めたと言うメイドさんは今日は来ないのかの?
ワシの期待のルーキーちゃんなんじゃ!
[仲居さんは...の言葉にポンと手をつくと一つの封書と絵葉書を差し出した]
どうでしたか?
待ち遠しい春風のような曲ですよね。
っと、残念ながらお別れの時間のようです。
今日も30分間、最後までお付き合いありがとう。
それではまた明日のこの時間に。
Music Fun Radio、ヒューがお送りしました。
Have a good night♪
なんじゃ?この前行った追跡調査結果じゃないか。
……おお。もしやあの娘さんじゃったのか!
そうか…そうとは知らずにのう。
短い間じゃがこの旅館ですれ違ったり、用を少々頼んだ事があるでの。少し名残惜しいわい。
ふむ。何らか迷いで心が揺らいでいたようじゃが…女将さんの計らいもあって新天地へ行く事になったんじゃな。
迷いと言うのはすぐに晴れる物でもない。
ましてや晴れるキッカケなどそうそうわからんものじゃ。何かの、ほんの何かの小さなキッカケでそれまでの心の枷となっていた重りがフッと途切れる物なんじゃ。
時間は無限にはない。
だがしかし…焦るべきではない。お主はワシよりも遥かに可能性が待っている。まずは時に身を任せて新天地でゆっくりと過ごしていけば道は開けるはずじゃよ。
【セリア殿は新天地で上手くやっているようじゃ!】
[写真付きの葉書には鮮やかな花壇の場所で立っているセリアとイリスの姿]
[ロータンゼ(Rhodanthe)-花言葉は変わらぬ想い]
なんじゃ?イリスちゃんまで新天地へ行っちゃったのか!
仲居さんなんで行ってくれなかったんじゃ〜!
この旅館の貴重な若い娘がこうも次々といなくなっては旅館スタッフの高齢化に拍車が…!
[...は仲居さんに首を絞められて穏やかな*眠りについた*]
あるがままの自分であれ…か。
[視線の先には、風に揺られるてるてる坊主。
決して抵抗せず、風に任せて右に、左に]
すべてを捨てて、流れるままに生きれれば、楽になれるんだろうか。
新天地、か…。
[ぼんやりと、とうの昔に消えた足跡を眺める]
[にゃーのるどは、てってって、と館内をゆっくりパトロール]
相変わらず、いい雰囲気の旅館にゃあ。心が落ち着くにゃ。
我輩、そうにゃね…。村長一筋に生きてきて、気がつけば妻と娘ばっかり仲が良くて、たまの休みには「お父さん、パチンコでも行ったら?」にゃんて追い出されて、これと言った趣味も持てず、今までの村長人生はにゃんだったにゃ…とかよく思ったにゃ…。
せめてもの、にゃにか生き甲斐が欲しくて、カウンセラー協会員ににゃろうと登録しに行ったはいいにゃが、今は人手が足りてるからって断られたにゃ…。我輩にゃにをして、これから生きていけばいいのにゃ…
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新