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[ぽつりとヒューバートからもれた言葉は聞こえたのか聞こえなかったのか。
それは次に発せられた質問の前ではどうでもいいことだったのかもしれない]
…先生、前から聞きたかったんですが…いいですか?
[悲鳴を上げ、身を屈める女の肩を見下ろすと、足を乗せ、軽く後ろに押しやる。
蹴りが入った、という程ではないが、十分に強い圧力となった筈だ。]
―車中―
[軫憂に満ちた夜だった。私は沈黙を嫌うかのように、カーラジオのスイッチを入れていた。
ハーヴェイのどこか真剣みを帯びた口調に、音量をやや落とす。]
ああ。なんでも聞いてくれ。
答えられることなら――できるだけ答えるよ。
[身を屈めていると肩に軽い衝撃が走る。
わたしはその与えられた力によってバランスを崩し、床に両手を着いて座り込む]
[胸元が露になった。]
………このボールギャグ、不良品か?
ちっとも涎が垂れてこねぇし………
どれ。
[ナサニエルは、雌犬の口に入れたボールギャグに指先を伸ばし、それを少しだけずらそうとした。]
[床に倒れ込んだステラの前に片膝をついてしゃがみ込み、その胸元にナイフの切っ先を当てた。
双球の谷間にそれを滑らせ、胸を包むランジェリーを断ち切った。]
う…? う、うぁ…あふ…!
[ボールギャグから糸が落ちる。向きを変えさせられた事もあるからか。]
んむ…!
[ナサニエルの指先に、にねっとりとした液体がついた。
不自然に抵抗感を発する。]
[意を決したように口を開く。少々語気が荒いのは、一気に話さなければ途中でさえぎられてしまうからかもしれなかったから]
何で俺に…こんなに…良くしてくれるんですか?
先生も知ってるでしょう?俺と兄の評判の差とか。
皆…皆、俺を見下してた。
でも先生とシャロは違った。授業の時も個人的に遊びに行った時も先生は一度も俺と兄を比べなかった。
今だって、いつも俺は迷惑ばかりかけてるのにいつも受け入れてくれる。
…俺、それがずっと不思議だった…。
大学に合格した時だって、誰よりも喜んでくれたのは先生だった。
それに…
[一瞬、唇をかみ締めたが]
俺の背中の傷、見たんでしょう?
なのに何も聞かない。先生は何も変わらない。
それ所か、シャロが死んだ日に消えた俺を疑いもしない。
[一気に喋り通してから答えの想像がつかないことに僅かな恐怖を感じながら]
…何で……何でなんです…か…?
[最後は消えそうな声で問うた]
[態度とはうらはらの優しい口調に、わたしは首をかしげながら彼を見つめる]
手…間?
折角こちらもその気になって愉しもうと思ったのに…。
残念だわ…
[わたしは怯える素振りを取りやめ、露になった胸元のまま髪を掻き上げた。]
そのナイフでわたしの首を掻き切るの?
だったら綺麗に切ってね?ほら、邪魔な物はなにも無いんだから…
[そしてにっこりと微笑をギルバートへと向けた]
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