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・・・・・・
[アーチャーはどうやら戦闘継続の意思はないらしい。
彼もライバルを失った感傷に酔っているのだろうか]
悪いが、また改めて挨拶をさせてもらうぞ。アーチャーのサーヴァント。
[久子のほうを振り向き]
君は、この戦争の行方を見守る義務がある。
行くところがないのなら、教会で保護する。ついて来い。
公園の方角だった。
それに、あの一瞬出た剣の形をしたものはいったい。
剣だから、セイバーのもののはず。沖田敬一郎……。
[呟いて今から向かおうとする、*公園の方を見つめた*]
あぁ……"沖田敬一郎"ですわね。
私のマスターが、彼からそういった話を直接聞いているようです。
彼は尋常な存在ではありませんわ。
とても危険な存在ですわよ。
・・・・・・
[その彼女の言葉に、自分の中の逆鱗のようなものに触れたような感覚を覚えた。
その直後、沖田は久子に近寄り、その頬を叩いていた]
・・・・・・
[分かっている。それは矛盾だ。
ランサーは彼女と敵対するように仕向けた。力も与えた。
彼女がその力をどう行使しようが、もとはといえばそれは自身の蒔いた種であり否定する所は何も無い。
だが、脳裏にかすめる生前の自分と重なる。
ただ武器の一つのように扱われ、全てを奪われた自分と]
・・・・・・ すまない。確かに君の言うとおりだ。
殴って悪かった。
ああ、危険だな。
そしてそれ以上に、俺はアイツが気に入らない。
[真剣な顔で静かにそう継げた後、キャスターは思い出した様に苦笑いしながら謝った。]
そういや、ごめんなマリアちゃん。
ランサーとの会話の時…あんな風に俺の真名なんか知りたくなかったろ。
ほら、マリアちゃんそういうところ真面目そうだし。
[気力を振り絞る。
右手にだけ、再び銃を握る。
その銃を見つめる。
…こいつには、嘘はつけない。]
あぁ…、沖田敬一郎よ。
[近付き、しかし、通り過ぎる。]
俺も、この銃で、世界中の人間を撃ってやりたい。
そう思うぜ。
…自分自身で、な。
[左手の中指で、眼鏡をつり上げる。]
気にいらねぇよ。
お前ら、強いんだからさぁ。
やるなら、全部自分の力でやれよ。
聖杯の力を使って望みを叶えようとする、てめぇらの存在自体が、あまりにもくだらねぇよ。
その程度の意思しかねぇ奴が、生きてる意味なんぞ、何一つない。
必ず、お前を、殺してやる。
楽しみにしてろ。
[今の俺じゃ、負け犬の遠吠えだが。]
・・・・・・
[アーチャーの声に振り返る]
中々、見所はあるようだな。
だとしたら今真っ先に撃ち抜きたいのはこの俺という事になりそうだな。
いいんですのよ。
[真面目だから、と言われて苦笑を浮かべた。]
私、忘れっぽいんです。
もう、忘れちゃいましたから。
ね、ヴァイナさん。
私を殺さないの?
義務?
[意外な言葉に言葉を詰まらせると同時に頬を叩かれる。]
!?
[痛みよりその人間くさい反応に驚く。
…湧き上がるよくわからない感情…]
よくわからない…けれど私にその義務があるというなら。
ハハ、そっか。
忘れたなら仕方ないよな。
[マリアの言葉に思わず吹き出す。
なんか久々に、楽しくて笑った気がする。]
ホント昼といい真面目になる事が多かったからなー…。
ったく、俺は真面目とか苦手なのにさ。
[この聖杯戦争でできることはやった。
彼はまだ剣を手にしている、この場で従わなければ殺される可能性が高い。
この場で彼女の世界の滅亡を迎える必要はない…]
[まるで惨状の跡のような、酷い有様の川原で、キャスターとアサシンは、向かい合って笑っていた。
ある意味、聖杯戦争に於ける異様な光景がそこにあった。]
あら、私はいつも真面目で真剣ですわよ。
……うちのマスターほどではありませんけど。
後でセリアを寄こす。
普段俺が居ない離れに連れて行く。
あとは、戦争が終わるまでじっとしていろ。
アーチャー、悪いがこれで今日は失礼する。
また会う日を楽しみにしている。
[そう言うと、公園の木々の中に*消えていった*]
[マリアが最後に言った言葉に、少し考える様子を見せる。]
んー…確かに真面目すぎるのは困るよな。
でもさ、もしかしたらソレしか知らないのかもなぁ…。
そういうのって、俺はスゲー損だと思うんだ。
だから、そういう奴には真っ向からぶつかって、それで手を引っ張って連れ出してやればいいんだよ。
[そうすれば、何か変わるかもしれないぞ?とキャスターは微笑む。]
マリアちゃんが何に悩んでるのか知らないけどさ。
俺から見てもマリアちゃんとマスターはいい奴だと思う。
だから怖がらずにぶつかってもいいと、俺は思うよ。
まー…ウチのボケみたいになられても困るけどな。
[右手に握った銃も、掻き消える。]
おい、ランサーのマスター。
お前もきっと、俺が殺してやる。
その日まで、生きていろよ。
[そう言い残し、
そのまま、歩く。
にげるように。]
マスターは。
感情が、欲しい、と思っているのかしら。
[キャスターの言葉を聞いて、ぽつり、とそう呟いた。]
有難う、ヴァイナさん。
[サーヴァントの魔力のぶつかり合い、そして1人のサーヴァントの消滅が齎した、川原の惨状を見渡しながら]
貴方とは、同盟を組んでこうして話をしてますけど。
情報交換という駆け引きとか、そう言うのを、超越してしまいますわ。
おかしいですわね。
…その欲しいって気持ちにすら気付けないとしたら。
当然過ぎて普通は分からないだろうけど、それは凄く辛い事なんだろうなぁ。
[マリアの言葉に小さい声で答える。]
ん、お礼なんて別にいいよ。
俺が思ってる事を言っただけだし。
[マリアのお礼の言葉に、微笑んで言葉を返した。]
んー、俺としては大歓迎だけどね。
何気ない事を普通に話せて、しかも相手がマリアちゃんときたら…そりゃもう喜び以外でも何物でもないし。
[あとは露葉にも沖田敬一郎が消えた方向にも目をくれず、来た道を、公園の外へ向かって歩く。]
…お前。
[そこに、宗冬の姿を認めた。
目を逸らす。
今の俺の、このみっともない姿を、この男だけには、見られたくなかったのに。]
遅かったじゃねぇか。
クハッ。
もう、終わってるぜ。
戦いはよ…。
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