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[店を訪ねて来たのはローズマリー一人ではなかった。
件のギルバートという旅人と、もう一人、偶にアンゼリカで見掛ける青髪の男が一緒だった。チャラチャラと鍵をポケットに仕舞う様子から、車を運転して来たのが彼だと推測出来た。
名前は確か、ナサニエル。
ファミリーネームはサイソンと言ったか。]
[どれ位その場に佇んでいたのか。短い時間かもしれないし、かなりの時間をせんせいとの思い出に費やしていたかも知れない。
しかしこのままこの場所に居てもどうかと思い、私は再び歩みを進める。向かう先は…ブランダー家が経営する雑貨屋。わたしは昨日の振り返りたくは無い記憶と、しかし先程すれ違った親子から聞かされた事実を照らし合わせたくて…。覚えのある道筋を辿る。]
「あのね先生…これは噂なんだけど…」
[そう切り出した幼子の怯えるような眸が脳裏に浮かぶ。]
もし…その噂が本当だとしたら一体…――
[わたしは靄のかかるような思考の出口を捉えるべくもがく様に考え得る事を次々と浮かべては自らの指で打ち消していく。]
『有り得ないわ…そんなこと――
この宗教を気嫌う町に限ってそんなことは…。
でも、気嫌うからこそ…』
――馬鹿らしい。
[わたしは吐き捨てるように溜息を吐いた。そして未だ色々と詮索したがる脳を無理矢理宥め付けると、雑貨屋目指して歩くスピードを速めた。]
――雑貨屋へ――
[気分は相変わらずすっきりしないが、せめて体だけでもと気だるさをおしてシャワールームへ。
服は洗濯機へ突っ込み、洗剤を─手元が狂ったのか、かなり多めに─放り、スイッチを入れ、そのまま自分は湯を使う。
背中の傷が流れる水の軌道を更に歪めていた。
服を着替え髪は濡れたまま、ぼんやりと*外を眺める*]
[エレメンタリースクール時代のおぼろげな記憶の中で、ナサニエルはいつも教室の隅で本を読んでいるような大人しい少年だった。
しかし、ジュニアハイに上がる直前だったか、或いは上がって直ぐだったか、都会の学校に転校する為に町を出て行った彼が3年前に町へ戻って来た時には、その頃の面影はなく、何処か退廃的で後ろ暗い雰囲気を漂わせた、内向的なソフィーにとっては少々近寄り難い種類の人間になっていた。
当然此方から話し掛けた事も、口を利いた事もなかった為、ローズマリーと共に来たその人の姿に戸惑いを隠せなかった。]
……とりあえず、
店先では話がし辛いでしょうから、中へどうぞ。
[ソフィーは俯き加減に三人を招き入れた。
ローズマリーに寄り添い、肩を抱くように歩くギルバートの態度がやけに気になったが、何も言わずに扉を閉めた。]
――雑貨屋前――
あら。随分賑わっているのねぇ…。
[わたしは店の近くまで来ると視界に入った車と人影に、苦笑を漏らした。
歩みを進める度にはっきりとする人影。その中には素肌を許した仲の人もちらほらといたが、わたしは気にもとめず雑貨屋の入り口をくぐりながら声を掛ける]
こんにちは…随分人が集まっているようだけど、何かあったのかしら…ってこれは…一体…――
[聞いてきた噂は閉ざしたまま店内へと足を踏み入れたわたしの鼻腔を、血生臭い匂いが容赦なく擽る。素早く白いハンカチで口許を覆い、とにかく店の中の尋常ではない様子に顔を顰めながら事情を知っていそうな人を視線で探す。]
『そういえば──。
ステラさんは彼女と一緒に居たわけではなかったのね…。』
[ニーナの寝室に向かう途中、ステラの事を思い出した。
同時に、ステラとの情事から一日も経たぬうちにもう別の男と恋人のように振舞うローズマリーの事が信じられなかった。]
[人の気配に、悪夢からの目覚めをようやく許された意識は、煙が立ち上るようにゆらりゆらりと静かに浮上して、幽かにまつげを揺らす]
…。
[幾つかの足音に耳をすませながら、ゆっくり上半身を起こす]
──ブランダーの店・ニーナの寝室──
ニーナさん、入りますね。
[コンコン。
声を掛けながらニーナの部屋の扉を軽くノックした時、後方からステラの声が聞こえて来たので、慌てて店の方へと戻った。
ニーナはまだ目を覚ましていないだろうと判断した。]
[暫くぼんやりしていたが、喉の渇きは止まらない。
水は先程全て飲んでしまったし、ぬるい水道水を沸かして飲むのも、それを冷やしてから飲むのも嫌だった]
…面倒くさい……
[車はまだバンクロフト宅に置きっぱなし。歩いていくのは面倒だったが仕方ない。どうせ買いにいかないといけないものだ。ぶつくさ言いながら腰をあげた]
─自宅→雑貨屋─
私に何が出来るかはわからないけれど。
旦那様の居場所や、わんちゃん小屋に放火した人、私にも…な事をした人が誰か確かめないと駄目。
[ネリーは慣れた道を行き、雑貨屋へ向かった。]
─自宅→雑貨屋─
……ステラさん!!
[店に戻ると、ステラはハンカチで口元を押さえて立っていた。
ソフィーは大柄な男性二人と奔放なローズマリーの間で居心地の悪さを感じていたせいか、ステラの楚々とした佇まいに安心し、すぐさま駆け寄って事情を話し、無事を喜んだ。]
[雑貨屋へと辿りつき、ドアを開けてみるが客はいれどもいつもの店員…リックやウェンディがいない。何故かソフィーとそしてその客も見覚えのある人]
あれ…ステラさん…と…ソフィーさん…
[名前を呟く顔は相変わらず不健康そうに青白い]
[ネリーは雑貨屋の入り口前までやってきた。
商品売り場、レジの近くで大きく声をあげる。]
誰かいるみたい……
誰かいませんかあ?
ソフィー…?
よかった、無事だったのね…。
[駆け寄ってくるソフィーにわたしは不謹慎と思いながらも破顔し、彼女の額に手を当てる。熱を測るためだ。]
熱も…下がったみたいね。とりあえずこんな状況下でいうのも有れだけど…あなたが無事でよかったわ。ソフィー…。
[彼女から事の顛末を聞き、ほっと胸を撫で下ろす。本当に彼女が無事でよかった。そう思いながら。
そして遅れて入ってきたハーヴェイという青白い顔をした男の姿に、わたしは振り返る。]
…ねぇ、あなた大丈夫なの?顔色…随分悪いみたいじゃない…
[心配そうに伺うも、距離はある程度保ったまま。表向きは男に不慣れな女を演じなければならないために]
なんか一杯になっちゃったわね。
どうしようかしら。
ソフィーのお父さんは見つかっていないようだし…。
リックとウェンディを探しに行くべきかしら?
[無意識のうちにステラの後ろに隠れるように移動する。]
どうしましょう……、
この人数で行ったらニーナさんを起こしてしまうかも…。
[そう言った処で、ハーヴェイとネリーの声が耳に届き]
………あれ、ハーヴェイさん…。
それに、ネリーさんまで……。
[驚きに、集まった面々の顔をぽかんと眺めてしまった。]
[ステラがこちらを振り向いた所を軽く会釈する。
確かヒューバートのホーンブックを作る際、彼女も同席して話し合っていた。
そのときの修道女のような黒い服と違う姿に少し目を細め]
どうも。アンゼリカでお会いしたきりでしたね。
顔色は…いつもこうなんですよ。ありがとうございます。
[やんわりと当たり障りのない返答を返す]
[後ろに隠れたソフィーを苦笑しながら眺めつつ、更にドアが相手入ってきたネリーに対しても淡い微笑を。]
あら、随分と集まってきたわねぇ。やっぱりあの噂は本当だったのかしら…。
[誰に言うわけでもなく呟き、わたしは辺りを見渡した。]
[ネリーは見慣れた顔や挨拶を交わす程度の顔など、たくさんの人がいる事に驚いた。ニーナがまだ体調が優れなさそうというのを小耳に挟み、どかどかと上がるのは少し気が引けた。]
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