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………ごめん!
人助けだと思って、ベッド半分貸して!
[ローズマリーを寝かせたベッドに潜り込んだ。全身を硬直させ、真っ赤になって慌てるローズマリーの身体を抱き締め、耳元で囁く。]
あっ……あの、いきなりそういうことするのはやめとく。ま、俺としてはお預けくらってるようなモンだけど……。
うん。今日の所は我慢するから。……うん。大丈夫だから。安心しろって言うのが無理だとは分かってるけどさ。
[自分の胸の鼓動が早まるのを感じながら、ベッドの主の頬を指でくすぐる。]
………可愛い。
近くで見ると、なおさら…ね。
[何度もくちづけをするうち、ほどなくして眠気が襲ってくる。それに抵抗することなく、ギルバートはゆっくりと深い眠りに落ちていった――*]
[青の瞳を見詰めたまま視界の端に映り込む手の気配に瞬き
撫ぜられた碧い髪はさらり零れて頬を伝い下りる指を追う
ゆっくりと紡がれる言葉に見開かれた碧い瞳はゆらり揺れ
瞬きも忘れて青の瞳を凝視して触れられた頬は淡く染まる]
えっと………
[桃色の唇は幾度か開きかけ続く言葉に嗚呼、と溜息を零す]
ナサニエルが触れたら、消えちゃうかな?
頭を撫でられる以外で、人と触れ合った事なんて、ナサニエルと手を繋いだ時だけだけど、未だ消えてないよ。
只…ナサニエルが凍えちゃうから…
[其の様子を見詰める青の瞳は不思議そうに瞬かれて、
けれど仄かに柔らかい色を湛えて、唯、其処に在る]
[問い掛けるような言葉には、解らないと首を振り]
…如何、だろう…
でも…俺は、大丈夫、だよ…?
[凍えないと続けようとして、けれど続きは紡げずに]
[ゆらり青の眼差しは移ろいて、白いカップを持ち上げる]
…………もう、遅いね。如何しよう、か。
[紡がれなかった言葉を想ってか碧い瞳はまたゆらゆら揺れ
緩緩首を振れば視線は癒え切らぬ其の左手へと下ろされて]
…凍えちゃうんだよ。
ナサニエルが忘れてても、心が迷子でも、ナサニエルは温かいから。
ナサニエルが、大好きなの。
この手が、この腕が、この身が、温かければ、抱き締めたいのに…
[移ろう青に無意識に伸ばされた白い手はそうっと服を摘む]
そっちじゃないよ…でも………こっちでもないの…
[俯いて囁くように小さく小さく紡がれた言葉は届いたのか
摘んだ手を離さずに空いた手をテーブルにつき立ち上がり]
…如何、したい?
ナサニエルと一緒に居れるなら、何でも良いよ。
[口唇を微かに動かしたけれど言葉は出ずに、
触れようかと持ち上げかけた手も碧の視線に止まり]
[服を摘む白い手へと青の眼差しは向けられて]
[囁く声に瞳は細められ眉が僅かに顰められて]
メイ…………
[唯、名前を呼ぶ事しか出来ずに、下りる沈黙]
[ややあって、小さく、息を吐いて、顔を背ける]
…ん、…集会所、戻ろう…か。
…家の掃除は、終わった…から、明日は、…雪像の方も、あるだろうし…ね。
[そうして、片付けようか、とメイに声をかける]
[家を出れば月と雪明りの下を歩んでゆくだろう]
[手袋越しに手と手を繋ぐ様子は、
まるで*薄い膜一枚隔てた遠い世界のように*]
[沈黙に顔を上げれば泣き出しそうな白い結晶の微笑み]
…大好きだよ、ナサニエル。
[背けられた横顔を碧い瞳は只静かに見詰めこくりと頷き]
そうだね、戻ろう。
ん、明日は、雪像、作りに行かないとね。
…大まかなところは終ってるし、もう少しだと思う。
[部屋を片付けて家を出れば何時もと同じように手を繋ぎ
はらはら舞う白の結晶の中をゆっくりと歩いて集会所へ]
[やがて集会所に辿り着けば繋いでいた手を束の間見詰めて
解かれない手にか下ろされる青の眼差しにふんわり微笑み
睫毛を下ろしそうっと白い頬に引き寄せてから手を解くか]
明日、会場まで、連れて行って貰っても良い?
[小首を傾げ問うて眠りにつくのにおやすみ、と声をかけて]
[暫くは窓の外で深深と降り積もる白の結晶を眺めて居たが
小さく息を吐けば緩緩と首を振って室内へと視線を戻して]
寝よう…
[呟いて*部屋へと戻っていく*]
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