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[女性の様子に少し怪訝そうな目を向けたが、知らぬ振りをすることに決めたようだ。
あっけらかんと笑ってネリーの手を取った。]
じゃあ後で地図かなんか書いて教えてくれないかな。
家に帰るなら帰ってからでいいからさ。
[知ってか知らいでか、男性が聞き流してくれた事にほっと溜息をついた。
帰り道の道すがらネリーは話しかける。]
いいですよ。
助けてくれたお礼に何もできてないですもの。何もできてないけど・・・
[ネリーはメモ用紙を破り雑貨店への地図を書いていく。ネリー自身にとってかつての働き場であった場所もあり、非常に正確だった。その正確さにも少しうんざりしながらもその紙を男性に渡した。]
本当にありがとうございました。
[ネリーは特に別れの言葉は出さなかった。何故か発してはいけないような気がしてならなかったからだ。ネリーは自宅の玄関から名前も聞かずに男性を*見送った*]
[自室に篭って、小型犬を撫でている。]
……うんうん。
[妻子のない彼にとっては、家族も同然だった。
ネリーや動物たちは、彼のファミリーだと
認識している時間の方が、多い。]
あの子とあの子がなあ。さすがに全員無事という
わけにはいかなかったようだなあ。
[サングラスの奥の瞳が、潤む。]
[犬はまどろんでいる様子であった。
災害は、動物にもストレスを与えるものだ。]
うんうん……うんうん…。
[夢現で、犬はボブの指を軽く噛んでしまった。
ツツと、黒い指から赤い血が一筋。]
…………。
[物悲しそうな表情が一変する。]
キミも、私を痛めつけるのか。
[穏やかだが、いろいろなものが渦巻く声。
何かを察したように、犬が震え出す。]
許さないよ…私は、もう昔の私じゃあないんだ。
[震える犬の首根っこを掴み、ベッドに*押し込める*。]
[渡された地図を手に女性の家を後にする。
地図はきっちりと分かり易く詳細に書いてあった。これならばよほどの方向音痴でない限り、間違いなく店に辿り着けるだろう。
紙片をポケットに突っ込むと、最後に残った煙草を取り出し、口に咥えた。
ライターを取り出し、火を点けようとして、]
……あ。
[ようやくその時になって、彼女の名を聞くのも自分の名を名乗るのも、忘れていたことを*思い出した。*]
─アーヴァインの自宅─
[帰宅したアーヴァインは、早々に鍵付きの自宅倉庫に物資を仕舞った。運び入れるのも含めて全部を一人でやるのは少々どころでない時間が掛かり、こんなことならば誰かに来て貰えば良かったとしみじみと思うのだった。
ふとあの青年の姿が思い浮かび、手伝って貰うのを口実に自宅に呼べばさして不自然でなかったのに…という思いがちらりと頭を掠める。が、彼はその考えを自分で打ち消した。
何とか荷をきちんと並べ終わると今度は、家の敷地内を点検して回った。一度休んでしまったらもう働きたくなくなるのは確実だったので、後日の修理に備えて徹底的に調べておくつもりだった。
家そのものの損傷は殆どなかった。窓ガラスが2枚ほど割れた他は、古びた家がますます古色蒼然といった感じに薄汚れただけである。
庭の方は、亡母がこよなく愛していたマグノリアの樹をはじめ、殆どメチャクチャになっていた。
母が亡くなってからは手入れする者も無く、彼も放置していたので、元々荒れ放題に荒れていたのだが、それでも母の愛した木の無残に傷ついた有様を見ると心が動かないでもなかった。]
[ギルバートの目、姿を思い起こすと身体が震える。
いったい自分はどうしてしまったのだろうか。
しばらく感じたことのなかった強烈なセックスアピールをローズはギルバートから感じ取っていた]
いけない、そろそろお店をあける時間じゃないの。
[ローズマリーはあわてて店に降りていき開店の準備]
食材をブランダーの店に頼んでおけばよかったわ。
明日は忘れないようにしないと。
[ローズは食料庫にある残り少ない食材にため息をついた]
−自宅・リビング−
[鏡を再び裏返し、少し休むつもりで椅子に寄りかかっていたけれどもついうとうとと睡魔に襲われ、気が付けば時計の短針は大分進んでいる。
また鳴り出した腹の虫に苦笑し、なんとはなしに冷蔵庫を開けてみる。
ハウスキーパーが気を利かせてくれたのか、冷蔵庫一杯に何かが詰め込まれている。長期不在を懸念してのことか、それともこの災害を予想していたのか。目の前にぎっしりと詰まるのは一人ではとても食べきれないというか寧ろ使い道に困る缶詰の山。
一つを手に取り、もはやクセになったため息を一つ]
どうしろってんだよこんなに…。
[一つを開けてみようときょろきょろ台所を見回すが重大なことに気が付く。人が引っ越した後な訳で当然の如く余計なものは何一つ残っていなかったのだが]
…ローズさんとこ、これつかうかなぁ…。
何かヒューバートさんとこはこういうの食べなさそうだし
ルーサーさんは…どうだろ?
[頭をぼりぼりかきながら、幾つかを袋に詰めて食事がてらにでも、とローズマリーの店へと足を運ぶ]
――自宅――
どうしてローズの店を出る時、わたしは笑んでいたのだろう。
[あの後、店を出たその足で細かい用事を片したわたしは、家庭訪問も診察も後回しにして自宅へと戻っていた。
そしてローズの店から出る間際の無意識の内に零れ落ちていた微笑について、まるで何かに捕らわれたように思考を廻らせていた。]
[こちらの意思とは関係なく歪んだ口許。そして込上げてきた哂い。それら全てが自分自身の矛盾点を指摘しているようで、考えれば考えるほど自分自身を嘲笑いたくなる。]
多分思うに…無意識の内に自分自身を蔑みたかったのかも知れないわ。きっとそう…。そう言う考えにして置かないと…――やりきれないわ。何もかも。
[呟く毎に、昼間次々と瞳に移っては消えていった生徒達の眩しい笑顔と弾む声が脳裏を駆け巡る。
「先生みたいな良い人に」の言葉が聞こえる度に、わたしは気が触れそうな思いになりながらも必死になって笑顔を作った。
その反動があの酒場での笑みに繋がったのだと、自分に都合の良い言い訳を考えて捻じ込んで。自己完結へと変えていく。それは逃げではなく悲しいかな生きる術。]
でもわたし…良い人なんかじゃないのに…。
欲に塗れた、醜いただ一人の女…。
それをひた隠しにしているだけ…。綺麗なんかじゃない。
[本当のわたしは、今も尚記憶の片隅で苦痛を与え続ける男達を詰りながらも、彼らの情熱に身を沈めてしまいたいと體は叫ぶ。
裏切られると判っていても彼女の愛を手に入れたいと懇願する心。
そう、わたしの全ては矛盾から成り立っており、また矛盾があるからこそ、わたしは生を全う出来るような気がした。]
だから――
ローズに恋焦がれるのも、彼との契約を施行するのも…。
全てはわたしが生きるために必要な事…。穢れは穢れを持って浄化する為に。
決して自嘲する行為では…ないの。
[慰めるように何度も何度も言い聞かせて。わたしは細波立つ心を静めていく。
傍から見たら屁理屈の何物でも無いだろうが。私にとっては大切な儀式。
これまでも。そしてこれからも。
決して終る事の無い――]
新米記者 ソフィー が参加しました。
──7年前 ヘイヴンへと続く山道──
[その日はよく晴れた暑い日だった。18になったばかりのソフィーとその両親を乗せた車は、父の運転でヘイヴンへと続く曲がりくねった山道を軽快に飛ばしていた。
ソフィーの誕生日プレゼントにと、父の提案でヘイヴンからほど近い(と言っても車で片道数時間もかかる)都市のショッピングモールへと買い物に出掛けた帰り道だった。]
お父さん、お母さん、今日はほんとうに楽しかった。
ありがとう。
[傾きかけた夕陽を背に浴び、戦利品の一つの小さな袋を大事そうに抱えたソフィーは、今日何度目になるかわからぬ礼を述べた。ソフィーの声に振り向いた母は、ソフィーが喜んでくれてわたしも嬉しいわ、と穏やかな笑みを浮かべ細く透き通った声で言った。父は余所見をすると母に叱られるので振り返る事はしなかったが、母同様口元に笑みの形を刻んでいるのが後部座席からでも見てとれた。]
[自身を慰めるように室内で蹲り、静かに時を過ごしていた。
それはどれ位の時間を掛けて行っていたかは定かではないけれど、次に意識がはっきりとしたのは、リビングにおいていた電話機が自らの存在をしきりにわたしへと訴えてきた時だった。]
――はい。えぇ、そうですが…。
[受話器越しの相手は、契約を取り付けた相手。その揺らぐような声にわたしは静かに目を伏せながら、必要事項を脳内へと記入していく。]
えぇ、そうよ。今日は「わたし【を】"売って"あなた【を】"買う"女」では無いの。
――判ったわ。車は…そうね、貴方の方が詳しいものね。
ではまた…よしなに。
[用件だけを述べて途切れる電話。甘い余韻も無ければ期待に心を弾ませる嬉しさも、無い。それは向こうも同じ筈。
わたし達は契約の名の元に躰を重ね合うが、心までは重ね合わせない。全ては欲望を満たす為。それ以上でもそれ以下でも無い、これもまた生きるための儀式。]
彼が来るまで後数時間…。
それまでに全てを整えてしまわないと…。
[わたしはまるで自身を奮い立たせるかのように少し大きめの声で独り言を呟き。その場で身に纏っていた服を脱ぎ捨て、結い上げていた髪を解いた。
するり―ー左腕以外何も纏わない背中に描かれた今にも羽搏きそうな獅子と蠍に、黒糸のような長い髪は滑り落ちた。]
さぁ、あなた達。お目覚めの時間よ?
[わたしは背中を見遣るように視線を動かし、彼らにそっとおはようのキスを投げかけて。
シャワーを浴び、野暮ったいコットンの下着を身に着けて、ナサニエルの到着を本を読みながら*待っている*]
[3人で他愛ない会話を交わしながらヘイヴンへの長い道のりを辿るうち、はしゃぎ疲れたソフィーは、座席を通して身体を揺らす心地好い振動とラジオから流れる男性ロックシンガーの甘い歌声に誘われるように、いつの間にかウィンドウに凭れて寝入ってしまっていた。]
キキーーーッ!!
[夢の中で、買って貰ったばかりのワンピースに袖を通したソフィーがボーイフレンドのジャックと手を繋ごうとしていた時、甲高いスリップ音と共に車が急停車した。驚いて目を覚ましたソフィーが慌てて車外に出ると、父と母は道路の真ん中に落ちた小さな塊を挟んで、言葉もなく立ち尽くしているようだった。]
……どうしたの、大丈夫?
[恐る恐る近づいて見ると、そこには無残な姿で横たわる野うさぎの姿があった。破けた胎から赤い物を覗かせ、血を吐いて地に伏した野うさぎの血走った眼は、普段生き物の死に接する機会のない少女の身体から力を奪うに十分なもので、思わず腰砕けに倒れそうになったソフィーは母の腕に縋るようにして車中へと戻って行った。]
[しばらくして一人遅れて車に戻って来た父は、妙に据わった眼をしていたように記憶している。
ソフィー同様青褪めた顔で不安げに父を見上げる母に声をかけるでもなく、さっさとシートベルトを締めると無言で車を発進させた。]
──…?
[何かが起きると真っ先に妻を気遣い、放って置かれたと娘に焼きもちを妬かせるのが常であったべたべたの愛妻家である父の、いつもとは違ったその様子にソフィーは言い知れぬ不安を感じた。
しかし旅の疲れは余程深くまで入り込んでいたのか、ソフィーが再び眠りに落ちるまでに長い時間はかからなかった。]
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