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学生 ラッセル に 5人が投票した
新米記者 ソフィー に 1人が投票した
学生 ラッセル は村人の手により処刑された……
今日は犠牲者がいないようだ。人狼は襲撃に失敗したのだろうか?
現在の生存者は、冒険家 ナサニエル、新米記者 ソフィー、美術商 ヒューバート、吟遊詩人 コーネリアス、踊り子 キャロルの5名。
へぇ…。
[茂みの中、携帯端末を翳して見ながら目を細めて薄く笑う]
テストの名の下、堂々とヒューバートの奴をボコボコにできるわけだ。
面白いじゃねぇか。
[ひょいと立ち上がり、ウォーミングアップとばかりに室内運動場へ。サンドバッグを殴りに行く。
だがその前にメールを送った]
『>To: ヒューバート
>Subject:質問。
あんたに「勝つ」って言うけど、「勝った」とされる条件って何だ。
「参った」って言わせりゃいいの?
それとも、気絶させる?』
[コーネリアスやキャロル、まだ、既に居ないと知らずラッセルにもメールする]
『>Subject:選考内容見た?
ヒューバートに勝てだとよ、面白いよな。
武器やトラップの使用どころか、何人で挑んでもいいとか舐めてると思わねぇ?
それぞれで試してみるのも、面白いと思う。
もしも時間が合ったら、一つの部屋かどっかに誘い出して全員でかかってみたりもするか?
ぎゃふんと言わせてみたいもんだよな。
…まぁ俺の場合罠とか張るのタルイし、大方ナイフ持って突っ込むってとこだと思うんだけどさ』
[送信してからやっと気が付く]
…そうか。
3回目の選考内容が送られてくるってことは、既にもう誰かが…
[ナサニエルは首を振って沈む気持ちを振り払い、砂袋を前にして*構えた*]
[早速質問が来た。
収容所にいる全員に向けて、メールを。]
Subject:勝利条件
「参った」と言わせてもいいし、気絶させてもOK。
(後者は、出来るかどうか楽しみだね?)
他、何か面白い勝ち方があれば採用。
ただし、三途の川行きは御免被りたいね。
Hubert Briggs
[自室。...はコーネリアスの絵を眺めながらぼんやりしていたが、徐に携帯端末を手にし、誰かにメールした]
……これで全て終わるわね。
[メールを送信したのち、再び絵を見てぽつり]
[そういえば、脱落者の発表を行っていなかった。
再び、携帯端末を手に取る。]
Subject:追伸
ナサニエル君、キャロルさん、
コーネリアス君へ
今回が最終テストです。健闘を祈ります。
Hubert Briggs
ふん。
そりゃァ採点するはずの教官を三途の川行きなんかにしちまったら、合格者がいなくなるじゃねぇか。
こんな事メールで寄越すなんて、案外ビビッてんのかもなヒューバートの奴。
[最初の返信にはニヤリと顔を歪ませるナサニエルだったが、続いたメールには無表情で端末を閉じる]
…そっか、ラッセルか。
あいつが居てくれたら…今回のテストだって、随分楽だったんじゃねぇかな。
あの寂しん坊のウサギちゃん野郎…
一人になってこっそり泣いてないだろうな?
[友達になれそうだとちょっと思ったのにという呟きは、サンドバッグに拳をめり込ませる音に紛れていく]
今回が最終テスト…やれやれ。
残るのは一人。
それなのに互いがライバルのはずの残り二人とも協力して良いみたいな条件出すとか、性格悪ィよな…
>>3:371>>1>>4
私ならそもそも、物理戦闘に持ち込もうなんて思わないわね。
闘争と勝利、敗北の意味を論じるところから始めて自分のフィールドに引きずりこむ。
相手の得意な分野で戦うこと、それ自体が戦略的に敗北であるというのは軍事学以前の常識だと思うの。
そして、私もまた同じように“自分の得意な分野で戦おうと”している、と指摘されればその時点で50%の勝率は確定する。
なぜなら、その指摘をすることによって、互いに対等な条件下で競うべき必然性が生まれるから。
ということは論理的に言って、どちらが勝つかは全くの互角。
よって勝率は50%。
ちなみにその場合、明確でいて信頼できる勝敗の決定方法として、丁半バクチを開始するのが第一の案。
演出しやすさと簡便性、趣向が持つイメージの点からね。
/中/
ちなみに究極奥義。
『勝つ』ことの定義を超長期的な視点におき、議論の主題をすりかえて大局的人道的歴史的に勝利する。
詭弁だけど。
[ゆらゆらと揺らめく意識。奇妙な感覚が彼を包む。
浮遊感とでも言うか、身が軽い様な、覚束無い様な]
[或いは自由に成ったという事なのだろうか]
……成っても。
別にしたい事も無かったが。
[自分には何も無かったのだ、そう呟く――]
[世が明けた事にも、メールの受信にも気付かず、木組みのパズルボックスを弄っていた。3歩進んでは2歩戻るような地道な作業を何度も繰り返し、ほんの少しずつだが解答に進んでると言えるだろうか。しかし、時折何をやっても次の工程に進まず振り出しに戻す事もあり、酷く疲労する。日が昇り、それでも開けられるまで続けよう…と思い瞬きをして、初めてその目がぱりぱりに乾いている事に気付く。
ふうとため息をついて、休憩を取る事にした。]
…あ、メール…
[来た順番に見ていこうと、最初にヒューバートからのメールを開き…ふるり戦慄する]
[かすかな呟きのような波が私に伝わる。
どこともしれない遥か遠く、
あるいはすぐ傍らのようなごく近く。
認識の前に距離も時間も隔たりとして無力。
だから私はただ言葉を思惟の表層に浮かべるだけで良かった]
……そう?
したいことも、見たいものも、会いたいひとも、言いたいことも、何もなかった?
ずっとずっと昔、あなたが生まれた時から、何もなかった?
[暗黒の真空に漂いながら発したゆらぎ。いずれ届くだろう。何を変えもはしない*としても*]
/中/
>>+5
うんうん。その通りですね。
完全に正解です(笑)
まぁ中身が観測されてしまったらそれで確定するということも言えはするのですが(笑)
[…ああこれ以上は読めない。
そう、まずは乾いた目を閉じて休ませた。
のけぞるようにベッドに寄りかかり、そのまま眠りに落ちてしまいそうなのをぐっとこらえて、試験内容について考える。
今までの二つの試験と違う雰囲気の試験内容に、ひょっとするとこの試験の後2人落ちるのかもしれないと思う。
しかし「協力してもいい」というのはどう言う事だろう。]
うー…
[というか、どうやって先生を倒せば良いのだろう。
ベッドの下の鉄アレイに意識が行くが、それは上手くハマれば殺してしまう。それは避けたい。
倒す…ということは、言葉通り倒せば良いのだろうか。
それなら、と今まで自分がされた苛めを思い出してみる。
膝を後ろから折るように膝で突つかれて倒れて泣いたな。
扉にフライパンを仕掛けた悪戯なんか、運悪く丁度いい所に入って昏倒して、丸一日倒れていたような気がする。]
…あれ、どうやって仕掛けてたんだろう。
[方針が決まったかもしれない。]
[静邃閑寂の地が、ほんの少しゆらぎを抱く。
彼の世界が、他者の世界と、触れ合った証か]
……いや。あったのだと思う。
[彼が左右に一度、首を振るのに合わせて、
空間が揺らめき異なる景色を映し出した]
[ 高き天に輝く太陽。
木漏れ日の射し込む森。
共に語り合う大勢の人々。
無邪気に笑う赤毛の少年。
在ったのに、
無くなってしまったものたち。
或いは自ら、]
なくしてしまったのだろうな。
[目を覚ますと、端末がメールの受信を告げていた。
一通目を確認し、その次の課題があることに、自分がまだ残されていることを理解する]
また、残っちゃったわね。
[ため息とともに呟いた。
けれど、課題内容については、興味深そうに何度も繰り返し読み、腰に手をあて、*考え込む*]
[不意に、体が痛くなっておき上がった。
眠そうに目を瞬かせ、あくびをする。
ぼんやりと、これから2日間寝て過ごそうか…なんて事を思うが、ふるふると首を振る。
とりあえずできるだけの事はやるんだ。]
…んー、メールの続き…あ。
[ヒューバートのメールの次に届いていたのは、ナサニエルからのメール。よかった、残ってる。そう思いながら返信。
『
おはよ。ちょっとぼーっとしてて、遅れたけど、見たよ!
何やっても良いとは言われても、自信無いや。
そうだね、協力できる事があったら、教えてね!
私は罠とか考えてみます。
ナイフ。急所に当てないように、気をつけてね。
』]
送信。
[そして、勝利条件については少し見るだけ。倒すだけで駄目な事に、少しがっかりした様子。]
[仮眠を終え、椅子から立ち上がる。]
ううん、よく寝た。
……さて、いつどうやって襲ってくるのやら。
[例の施設で探しておいた『アレ』の回収、移動はできるのだろうか。
まあ、なるようになる……か?
その場で大きく伸びをした。節々がみしみしと音を立てる。]
歳だな。
[2通目のメールは送信者を確認し、後回しにした。
残り2通のメール内容を確認し、僅かに眉をひそめる]
望みは叶えられなかったってわけね。
[課題内容を見た時、脱落者はコーネリアスだろうと思っていた。
適性のはっきりした課題内容と、受験者の顔ぶれには何か意味があるのだろうか?]
聞いても、答えてくれないのでしょうけど。
[保健室を出て、食堂へ向かう。]
食事投げるのは禁止してもいいですかね。
何でもありとは言っても、なあ。
[食堂に辿り着くが、厨房の扉を潜るかどうか迷う。]
[最後、ナサニエルからのメールを確認し、返信する。
『>Subject:Re:選考内容見た?
複数でかかって良いなら、かかるべきだと思うわよ。
あたしは一番楽な方法が好き。
時間あるようなら、コーネリアスも交えてちょっと相談したいんだけど』
返信を終えて、そのメールがラッセルにも送られている事に気づいた]
……誰と話すつもりだったんでしょうね?
[メーラーの送信済み画面に視線を落とし、呟く]
とりあえず、腹が減っては戦は出来ぬ、よね。
[いつものように、身支度を終えて食堂へと向かう。
朝から食べるには少々重いが、昨日のカレーがまだ残っていたはずだ]
…ふぁ。
[いい汗をかき――
否、熱中し過ぎてしまい疲労困憊したナサニエルは、室内運動場のベンチプレス用ベンチで目を覚ます]
あれ?俺…
図書室じゃなくても結局寝るのかよ。
[ごきごきと肩を鳴らし、今度こそは程よい慣らしのつもりで廊下を歩きながら、メールを受信していた携帯端末を確認する]
[コーネリアスへとメールを返した]
『おはようさん。
俺は今まで延々訓練し続けてた。
寝てて返信が遅れたわけじゃないぜ。
違うから。本当。
いやばか、ナイフは参ったとか言わせるために急所に当てるに決まってんじゃん。
まあ、刺す前に止めるけどよ。
お前は罠か。
器用だし、俺と違ってうまいこと作りそうだよな。
でもいい罠張ったって、すごい道具を作ったって、肝心のヒューバートがそこに居なきゃ、かかってもくれないわけだよなあ』
[引き続き、コーネリアスへのメールを送信]
『んで思ったんだけど、どこかお前の罠の張りやすい部屋に、散々罠張りまくった挙句、その部屋にヒューバートをおびき寄せねぇか?
ダメージを受けたあいつに、この俺だって負ける気はしねぇ。ぼっこぼこにして、見事倒してみせるからさ。
…つまりは、協力しないかって話な。
協力してくれる場合のおびき寄せる方法について今考えてること言うけど…お前こういう卑怯なの嫌かな?
俺的には、ヒューバートの弱点であるところのソフィ先か、あの可愛い猫ちゃんらを人質にとれば呼び寄せられるんじゃないかと思うんだ』
[コーネリアスへのメールはまだ続いている]
『まぁさすがに人質にナイフ突きつけたまま、「参ったと言え」はあんまりだと思うし、何よりヒューバートを直接ぎゃふんと言わせらんねぇのもつまらんから、おびき寄せるのにだけ使うとは思うけどさ。
俺が協力を頼むのを考えてる相手だけど、ちょっと癪ながらキャロルにも頼んでみようかと思ってんだよね。
ほら俺ウォーミングアップとか、もしコーネの返事がOKなら、部屋のどこにどういう罠があるかの把握とかで忙しくなるわけだろ。
キャロルも俺ほどじゃないにしても結構身のこなし悪くないから、二対一で直接ヒューバートに立ち向かえばますますあいつもキッツイことになると思うしさ』
『えーと、キャロルも俺ほどじゃないにしても結構身のこなし悪くないから、一緒に直接ヒューバートに立ち向かえばますますヒューバートもキッツイことになると思うしさ、の続きな。
それだけじゃなく、キャロルにゃその人質作戦の人質確保とヒューバートおびき寄せにも役立って貰えそうだと思ったんだよな。
人質とってヒューバートと交渉して部屋におびき寄せるとき、コーネと違っておどおどしないだろうし。
キャロルなら俺と違って、ヒューバートにはまだ警戒されない方だと思うし』
In other words, hold my hand
In other words, baby kiss me
[歌いながら、萎れた花はそのまま、花壇に生えた雑草などを抜いている]
……まさか厨房の扉を開けたらカレーが上から降ってくる、
とかはないですよね。
ない、よなあ。
[まだ厨房に入る勇気がないらしい。]
『長くなって悪いな。
だからまずこの協力要請をコーネが受けてくれるか、受けてくれるならどこの部屋がいいかだとか作戦の助言なんかがあったらそれも、簡単にでも返事くれるかー』
[ようやくコーネリアスへのメールを送り終わったナサニエルは携帯端末を閉じ、所内ぶらぶら歩きを続ける]
…もしOKしてくれたら、キャロルに頼むメールはコーネに送ってもらお。
俺だと要請してんだか喧嘩売ってんだか、わかんねぇことになりそうだし。
コーネの方が、キャロルにも心証良いよな…
[一応の自覚はあるらしかった]
[食堂の戸をくぐれば、課題の対象である人物がそこに。
とっさに戦闘体勢を取る気になれないのは、授業での彼の実力を知っているからだろうか。
キャロルはあまり興味がなかったが、彼女に初歩的な戦闘技術を教えたのは彼だ。
正攻法で戦おうとは思わない]
おはよ。
……なにやってんの?
[厨房の扉を見上げるヒューバートを不信の目で見た]
…………お?
[声を掛けられ、振り返る。]
キャロルさんこそ、何しに来ました?
腹ごしらえでしょうか。
[まさかトラップを警戒して入れなかったとは口が裂けてもいえない。]
[ぶつぶつと呟きながら歩くナサニエルは、ふいに足の裏に違和感を感じて止まる。
ゆっくり足を上げて見ると]
…コインだ。
[会議室付近の廊下で踏んづけてしまったのは、生命の樹だと誰かが言っていた図柄が描かれたコイン]
えーと…
カドゥケウスの杖、だっけ。
ラッセルのやつ…落としたのか?
知恵の象徴だか何だかで…これ、あいつがいつも大事に持ってるやつだったよな。
[ラッセルが落ちた事を示すメールを見てがっくりと肩を落としてから、なんとなくまだ眠いと感じたりして、箱を弄っていた。一度眠ってしまったからか作業ははかどらず、駄目だなぁとベッドに飛び乗った時に端末からメロディ。
ふと開いてみれば、膨大な要領のメール。
瞬き。]
[そ、と頷いて、何やら回答を濁したヒューバートを興味無さそうに見る。
厨房に入ると、昨日の残りのカレーが入った鍋を覗き込み、火にかけた]
あたし達の作ったカレーで良ければ残ってるわよ。
朝ご飯には重いけど、食べる?
[ラッセル、ナサニエル組のカレーは人数分にちょうど良い量だったので残っていない。
去っていった少年は、そんな所まできちんとしていた]
[キャロルからのメールの中身を確認したナサニエルは、にんまり笑う]
へぇ…あいつも中々、話の分かるやつじゃん。
この分だと案外すんなり、共闘の約束取り付けられっかもな。
[ほっとした様子で打つ、キャロルへの返信]
『一番楽な方法と来たか。
ナマケモノとか言ってやりてぇとこだが、結構俺も同感だな。
コーネがブツリテキな罠張った部屋に、お前が人の心を利用した罠をかけておびき出したヒューバートを、すかさずこの俺様がボッコボコっつう感じの、完璧な作戦たてたんだけどさ』
『コーネ交えて相談すんなら、その時にでも話そうぜ。
とりあえず俺腹減ったんで戦前に腹ごしらえしたい。
食堂行くから、お前も来いよ。
あ、コーネにはお前から待ち合わせメール送っといて』
[既に役者が二人程食堂に居るものとはつゆ知らず。
そんな割と一方的なメールをキャロルに送り終わると、窓から降りて]
飯、飯飯〜♪
[鼻歌交じりで食堂へと向かっている]
[手早くカレーを温め、二人分盛り付ける。
トレイに載せて、ヒューバートの前に運ぶとにっこり笑った]
何が入っているかはわからないけど、それでも良かったらどうぞ?
[皿の隣には水を添えて]
あら?
[撫でていたうでのエリザベスを解放してやりながら、ふと柵から庭をのぞくと、廊下をうきうきと食堂方面へ向かうナサニエルが見えた]
流石に食べ物へ何か仕込むとは思ってませんから。
[ナサニエル君じゃあるまいし、と言いそうになるがこらえて。
聞かれたら逆上される。]
では、いただきます。
[席に着き、手を合わせてから食べ始める。]
[なにやら、時折自分の事を気遣ったかのような…どちらかといえば本心ダダ漏れとも言えるような…文章が混じっているのにくすくすと笑いながら、メールを読み終えた。]
…うん。
[簡単でも良い、という言葉に甘えて、短めに。
『
ありがと。
私1人じゃヒューバート先生を倒すのは
絶対無理そうだし、協力したいよ。
キャロルも一緒にやってくれるかな、
やってくれるといいね。
今どこに居る?会って話した方が簡単そう。
』
送信。]
あら、試験の禁止事項に薬物使用とは書いてなかったけど?
[笑ったまま、肩を竦め、自分も席についた。
手を合わせ、食事を始める。
辛口のカレーを口に運びながら、目の前の男をまじまじと見た]
ねえ、昨日、何故あたしを追って来たの?
[聞きたかったのは、コーネリアスの絵の一件。
ソフィーならともかく、彼がキャロルの精神状態を心配するとは思えなかった]
[そういえば、最近ちゃんと食べてないなぁ、と思った。
まともに食べたのは昨夜のカレーくらいではないだろうか]
おなかすかないんだよね……。
[スキップスキップランランラン。
もしもこちらを見ていたソフィーに気が付いていたなら、さすがにそんな歩き方はしなかったろうが。
誰もいないと思ってやけに跳躍部分の長いスキップでもって、ナサニエルは食堂へと辿り着いた。
メールを受信する携帯端末]
お、コーネからだ。
『協力してくれる気あるか。サンキュー!
今食堂に着いたところだ。
キャロルも抜かりなく呼び出してやったぜ。
奴から来たメールを見る限りじゃ、結構乗り気になってくれんじゃないかと思うな。
お前も来いよ、飯食いながら作戦会議だ』
送信…っと。ヨシ。
[メールの内容を見れば、ため息。
彼にしては考えているのだろうけれど。
目の前で、美味しそうにチーズカレーを口にする男を見て、再度ため息をついた。
さすがに、これを彼に見える場所で返信する気にはならない]
『>To:ナサニエル
>Subject:とりあえず
物理的くらい、きちんと変換したら?』
[食事の手を止め、口に入れていたカレーを飲み込む。]
ああ、あれ。
冷静な第三者が仲裁した方がいいと思って。
……と言いたい所なのですが。
彼女、あの時酷く精神的に不安定でしたから。
代わりに行った方がいいかな、と。
[結局、何もしてませんけどね。と笑って。]
[花壇に再び目を向ける。昨日、花の世話をするラッセルとここで会話したことを思い出す。]
綺麗な花を咲かせる為に、不要な花は摘み取る、……か。
[情に負けて、収容者を生かせば摘み取られるのは教官だ。
自分も誰かの犠牲の上で生きている、踏まれなかった花だ]
[空間に、散ばる色彩。
幾数もの、記憶の欠片。
浮かんでは消えていく]
[遅れて――最早、時間の概念も解らないが――
ナサニエルがあのコインを手にして、仕舞うのが視えた]
……君なら、其の意味は解るのだろうか。
[コイン一枚、残して去っていった教官。
何故其れを持っていたのか、彼に託したのか。
其の意味を語る事は、理解する事は、最期まで無かった]
…敏感な俺が、気付かないはずがない。
これは間違いなく、人の気配…!
[そしてそれ以上に臭うカレーの香り。
たぶん鈍感な人でも、普通に気付く]
いきなりヒューバートでも居やがったら、チャンスだな。
下剤とか仕込んで食わせてやりゃァ…
…下剤ってどこにあんだろ。
[持っていないから薬は無理か。
しかし食事中は誰しも隙ができるものだ。
不意をつくことくらいはできそうだと聞き耳をたてた。
それから少しだけ開いた扉から中を覗いている。
因みにそれ以降来たメールは無視しているのだった。
…見てしまえば片方のメールに対してむかつきオーラを出すことにもなったろうから、丁度良かったろう]
[コーネリアスがこちらへと手を振っている。
一方敏感なはずなナサニエルは。
何やらキャロルと、ギスギスした様子も無く言葉を交わしているヒューバート達の様子を見ている。
コーネリアスに気づくことなく真剣な目で、そして小さな汗の粒をこめかみの辺りに光らせて。
だけども覗く姿はあからさまに変態的]
ぢっ…
[ヒューバートに注ぐ視線はあからさまに熱視線]
[ヒューバートに見られても問題の無い程度の返信を返し、あらためて体術教官を見る]
あら……。
ずいぶん大切にしてるのね?
ヒューバートとソフィーってそんなに仲良しだったなんて知らなかったわ。
[うわさ話を耳にしたかのように楽しそうに笑う。
何もしてませんとの言葉には頷いた]
ええ。
だから、何しに来たのかと思った。
ソフィーの代わりのつもりだったのね。
[ ぐわっ!
とそのように、いつの間にか壁に張り付いていたコーネリアスを発見したナサニエルの口は動いていた。
急ぎ両手で自分の口を塞いだから、かろうじて声は出なかったようだが。
はぁと胸を押さえて息をつき、小声で囁く]
いま、ひゅーばーとが…
なかにいるぜ。
ぶっちゃけてしまうと私情です。私情。
試験開始後からずっと、キミ達とすれ違いばかりで
追い詰められていたのですよ。ソフィー先生は。
[ずいぶん大切にしてるのね、との言葉には少し照れた様子で。]
ええ。
これからも、大切にしたいと思っています。
[ひとしきり喋り終えてから、再びカレーを食べ始める。
熱視線には気付いているんだかいないんだか。]
>>51
[そのナサニエルの様子に驚き自分も声を出しそうになり、慌てて両手で口を塞ぐ。そして、ヒューバートが中に居ると聞けば頷き、そろそろと離れていった。]
……私も出来る限りは生きなきゃ失礼よね。
[とは思うものの、胃は食欲を訴えない。とりあえず食堂へ行ってみれば、何か食べたくなる気がおこるだろうかと、足を向ける。]
ぶっちゃけなくても、アンタってば、教師の義務とかで行動してるようには見えないわよ。
[外の二人には全く気がつかず、ヒューバートの恋愛話に目を輝かせた]
あら、先生ってば結構ロリコンだったのね!
んー。ソフィーはどうなんだろ?
あたしだったら、十以上年上のおじさんはなぁ……
[勝手な事を勢いよく話したあと、少しだけ視線を落とした]
でも、そっか、これからがあるんだ……。
あんた達には、未来の希望があるのね?
[視線を落としたまま、カレーを口にした。
煮込み過ぎたからだろうか、カレーが昨日より少し、辛味を増したように思える]
[「ええ。
これからも、大切にしたいと思っています。」
…あまりじっくりと聞いていたい種の話では無かった。
ナサニエルもそっと扉から離れる。
それからどうやら武器になる物を探してくるつもりらしいコーネリアスに、声を出さない唇の動きと身振りで説明する]
何か見つけたらお前は、この扉から入れ。
俺は、大きく迂回して窓側から入る。
標的のすぐ近くにはキャロルも居る。
完璧な挟み撃ちってやつだ。
[遠くまで探しにいって、ヒューバートが居なくなってしまっていたら本末転倒だ。一番近くにあった掃除用具のある部屋から綺麗なバケツを二つ選び、片方は被る。そして文化帚を一つと、チリトリを一つもって戻ってきた。]
[無言で、ナサニエルに帚とバケツを差し出した。]
>>56
[バケツを被った状態でその意見を聞き、ぱちぱちと瞬き。
うーんと首をかしげた。]
[そしたらこれじゃない方がいいかな?と掃除用具を見る]
[教官の噂話は好きだった。
よく、彼女や、昔はもっと沢山いた友達と、そんな話で盛り上がった。
自分の指定席だった窓際に目をやる。そこは当然空席だ]
……あの。
ロリコンはあんまりじゃありませんか?
[ひとしきりくすくす笑ってから、真剣な顔になり。]
何を言っているのです。
『希望』は、そこらに落ちているものではありません。
自らの手でもぎ取るものです。
違いますか?
私にとってあなたが生きているということは十分に意味があると言ったところで、当の本人に伝わらなきゃ意味がないのね……。
[...は、仮に自分が収容者で、落とされることが決まったとなら、どう感じるだろうかと改めて考えてみることにした]
You are all I long for
All I worship and adore
In other words, please be true
In other words, I love you
[キャロルのナイス口撃。
「あら、先生ってば結構ロリコンだったのね!」には物凄く同意する顔で高らかに笑いながら登場してヒューバートを指差し、やぁいとか何とか言ってやりたかった]
(が、我慢。我慢だ俺…)
[ぐっと握りこむ拳。
ここで騒いだらせっかくの好機が無駄になる。
そう思って窓にまわるべく駆け出すことにしたから、キャロルが真剣に未来の希望についてヒューバートに尋ねる言葉も耳にすることは無かった。
だけどもその窓への駆け出し第一歩目を転ばせかけたのは誰あろう、バケツ人間コーネリアス]
………。
[やばい、笑いそう。
だけどもここで笑ったらせっかくのコーネリアスのやる気に水を差す。引き攣った顔でバケツと箒を受け取る]
な…ナイスだコーネ。
次は食堂の中で会おうっ
[己もバケツ人間へと変身し、箒もしっかり両手で握って風のように迂回し、窓側にまわる。
ヒューバートが振り返りでもしない限り、キャロルからなら目撃されてもおかしくない位置へと到着している]
[プラバケツ兜とちりとり鉄扇モドキを装備した、食堂を覗く不審人物。バケツから覗く長い白い髪と一風変わった服装で、それが誰であるかはすぐにわかる。]
なにやってるの、コーネリアス。
そんな武器じゃブリッグス先生は倒せないわよ??
[けらけらと可笑しそうに笑いながら声をかけた]
[錯覚のような人影から視線を外し、真剣な表情のヒューバートを睨み返す]
あたしの希望は、外に出て、ギルバートや、セシリアや……あんたと同じように大切な人と生きることよ。短くても。
もぎ取れと言うのなら、ここから脱走しろと言うこと?
[彼らがキャロルを残したことには、彼らなりの理由があるのだろう。
しかし、それは明かされない。
願ったこと全てが叶うなんて思っていない。
ただ、叶わなくともせめて、願ったことに返答が欲しかった]
それもありですね。
[真顔で、さらりと言う。
彼女がもっと早くそれを実行していたら、その願いは叶ったのだろうか。]
もっとも。
その前に、荒事担当の僕を殴り倒さないといけませんが。
[のほほんと笑って、コップの水を飲む。]
>>64
ひゃっ
[ナサニエルが行ったのを見送り、ドキドキしながら待っている所での一声に、思わず声が上がり両手で口を押さえる。
しかし、ソフィーに見つかってしまっては意味が無い。
とりあえず振り返って、しーっと人差し指を唇に当てるが、すでに笑ってしまっているソフィーは静かにならないだろう。
うーんと少し考えて]
え、えいっ
[もし避けられなければ、軽いチリトリの平たい面がソフィーの頭に当たる、パコンという音がするだろうか。
軽く証拠隠滅するつもりらしい。]
[窓の人影が、ナサニエルであることを認め、一瞬意識がそちらに動く。
しかし、返された言葉には笑った]
そっちはありだけど、試験で手を抜いたり、出たいと訴えることは、自主性とはされないってことね?
出たけりゃ、アンタを倒さなきゃいけない、と……。
[笑顔を消し、考え込むように、視線を遠く、窓の外に這わした]
いたっ!
[笑っていたところをちりとりで叩かれたのだから、避けるどころか、手で防ぐことすらできるはずがない。
ちりとりは頭に見事に当たってしまう]
いった……。なにするのよ、コーネリアス。
あなたが倒さないといけないのはブリッグス先生!
[少し赤くなったおでこを抑えながら、かるくねめつける]
[窓越しに首を傾げるナサニエル]
…あれ。
キャロルの奴、さっき俺に気付いた気がしたのに…
[何だか「錯覚ね」みたいな顔で目を逸らされた。
多分一斉に行動を起こすのが有利なんだろうから、中のキャロルにも気付いてもらえなきゃならないだろう]
今度こそ…気付いた、かな。
[一枚窓を越えた先で、キャロルがどういう話をヒューバートに持ちかけているとも知らずに。
彼女もきっと自分と同じ、収容所に残る事を目的として共闘してくれるはずだと疑っていないナサニエルは彼女へ手を振る。
キャロルは笑顔を消し、考え込むような目でこちら側を見ている]
ただコーネの方がどうなってるか、こっからじゃ見えねぇしな。もうちょい時間を置くか。
[いつでも中に入れるよう、ナサニエルはバケツ自在箒姿で屈伸中]
>>69
[やっぱりだめ?と問うように見上げチリトリを抱く。]
あ、あのあの、えっと…ご、ごめんなさい、えっと…
[少し体を引きながら言葉を探し、うんと頷くと誠意を込めてソフィーに頼み込む体勢に入った。]
あのえっと、そのヒューバトせんせを倒すためにあの、
ソフィせんせに人質になってもらおうかな…って…
えっと、人質になってください!
…でも言っても駄目かな、と思って、
すみません武力行使なんて…あの、うう…。
あ、人質駄目でもヒューバトせんせには
内緒にしてくださいーっ
[おねがいおねがい、と片手にチリトリを持ったまま両手を合わせて頭を下げる。]
…………はっはっは。
『特定の条件』がなければ、成立しませんよ。それは。
[おそらく薬草スープの一件を指しているのだろう。
やや乾いた笑いで、それに応える。]
『特定の条件』ってなんだったの?
あたしは噂で聞いただけなんだけど……。
ほんとだったのね。
[窓の外は見る必要はない。
動けば物音でわかるはずだ。ただ、そのタイミングを逃さないように気を配るだけ。
だから、早くやるならやりなさいよと心の中で呟いた]
[コップじゃ駄目だ。
こんな鈍角の物体では凶器にならない。
そう思って、空のコップを手放す。
テーブル上にあるのは、皿とスプーンと水差し]
>>75
…ですよねー…。
[人質になれと言われてなる人は居ない…。ごもっともですと頷いた。続く言葉にはうんうんと頷いて]
そ、その点は大丈夫です!
[何を根拠に大丈夫なのかはよくわからないが、とりあえず「人質」も作戦の上なのだと理解してくれるだろうと思っているようだ。]
…うーん…。
[バケツがずり落ち顔がすっぽりと隠れ、慌てて再び頭に引っ掛ける。
…ひょっとしてこっちも使えるのかなぁとバケツを取ってソフィーを見た。]
ご、ごめんなさい
[勢い良くソフィーにかぶせようとする]
[突入までには窓を、音がせぬよう気をつけつつ侵入できるだけの隙間分開けておかねばならないだろう。
そろそろと近付き、しゃがんで念のため死角となる窓の下にしゃがみ気味になって窓に手をかける。
幸い、鍵はかかっていなかった]
(よしよし…)
(…ん?)
[静かに静かに隙間を開けると、ヒューバートの乾いた笑いが聞こえた]
(何話してるか知んねぇけど…。
口の勝負でだったらキャロル一人ででも、ヒューバートに勝てそうだなありゃ)
[キャロルでも構わないものの、いっそコーネリアスが行動を始めたら見えなくとも音でわかりそうだし、すかさず侵入してやろうと思いながら佇んでいるようだ]
>>81
[あっさりと阻まれ、しゅんとして再び謝る。]
ごめんなさいー…。
え、えっと、そ、そしたら正攻法でいってきます!
ソフィせんせは、えっと、中が大変になる…かもしれないので、うんと、外で待ってた方がいいかも…?
[転がっていくバケツを拾って再び頭に被り、ソフィーに手を振ってから食堂の中にこっそり入る。
堂々と見つかっている可能性も高い、
バケツを被った変な人。]
[何故か、ナサニエルのいる方ではなく、キャロルの背後から物音が聞こえた。
予想していた方向とは違っていても、音に反応するよう備えていた体は弾かれたように、動く。
キャロルは、カレーの皿を目の前の男に投げ付けた]
(何かぼそぼそ言ってやがる…
声が聞こえにくいじゃねぇか。はっきり喋れよな)
[理不尽な文句を心中でヒューバートに呟きつつ。
それにしても、誰も行動を起こさないもんだなと思う。
これはいわゆるあれだろうか、お見合い状態?
あるいは――]
ううむ。まさかとは思うが。
コーネの奴、土壇場でびびっちまったとか…
…下手するとソフィ先辺りに、捕まっちゃってるとか。
………。
[また様子を見に行き、どちらかと言えば悪だが颯爽と正義の味方としてそんなコーネリアスを助け、共にソフィーを人質にして…]
もういっか。それってカッコイイけどめんどいもん。
[途中までは燃えていた妄想を、不純な動機で切り捨て御免]
おおっと?!
[空のカレー皿をとりあえず防御。]
ふう。空で良かった。
うん、中身が入っていたらお説教する所でした。
食べ物を粗末にしない子は好きですよ。えらいえらい。
[なぜかキャロルの頭をなでなで。]
ようし。もうやったるぜ。
コーネにキャロル、ヒューバートにかかるぞ!!
[言いながら箒を両手に握ったまま脚力だけで窓を飛び越え、面食らう。
キャロルの手からヒューバートに向かって、宙を舞うカレー皿。きっと最後に入ってくるだろうと思っていたコーネリアスすらも、実は既に侵入済みだった]
(お、お、俺が最後!?
…いやヒーローは、最後に登場する!)
[密かな動揺に襲われながらも、そんな風に自分に言い聞かせ、改めて気を引き締め直しバネのように跳躍する体の勢いもそのままに。
なぜかキャロルの頭を撫で撫でするヒューバートに構わず、箒で体の中心を狙った突きをくり出す]
箒と来ましたか。
確かに柄は長いですが、逆にそれが仇となる。
[箒の柄を、キャロルの頭を撫でていない方の手でがっちり握る。]
[早く動きなさいよ!と、心の中でナサニエルに毒づく。
普段なら、頭を撫でられると言う屈辱的行為に反抗する所だが、俯いた視線は既に次の武器を探して這う。
皿は駄目だ。床に落ち、届かない。
俯いたキャロルの耳に、風を切る音が聞こえた]
[キャロルの頭を撫でているヒューバートの様子に、ぽかーんと呆気にとられる。がしかしそのとき跳躍したナサニエルが目に入り、こうしちゃ居られないとチリトリをぐっと握った。丁度先生はナサニエルの箒を持ち、向こうを向いている。]
え、えーい!
[真後ろに行けば大きく振りかぶり、全体重…とは言っても微々たる重さ…を使ってヒューバートにどうにか痛手を与えられるように振り下ろした。]
[箒の柄を掴んで防御している隙を狙って、テーブルが脇腹を直撃。]
……あいたた。
流石にそれは効きますね。
[が、真後ろからの攻撃には大した反応を示さず。
痛くないのかもしれない。]
…やるな!
[戦闘において呼吸を整える必要が無ければ口笛でも吹いていたのだろうナサニエルの賞賛は、まともに突きを腹に受けるでもなく、自分のくり出す箒の柄をがっちりと掴んだヒューバートに対してでは無かった]
ざまぁ見ろっ
[後ろからのちりとり攻撃を、彼なりの全力で食らわせたコーネリアスはともかくとして。
教官の脇腹へと、あの重いテーブルを直撃させたキャロルへの賞賛だ]
[ヒューバートと箒の取り合いをするよりもそのチャンスを生かしたいと、瞬間的に判断する。
掴まれた箒をあっさり見捨て、テーブルの当たっていない方の脇腹に組み付いた。
この程度のタックルでは倒れそうにもないが、自分とキャロルの押し出すテーブルに挟まれれば結構苦しいかも?
そんな期待を胸に、縋りつくように腕を回している]
もっと潰しちまえキャロル!
効くだけじゃ駄目なのよ。
[軽く舌打ち。
けれど、この教師がどの程度の反応速度を持っているのかは理解出来た。
隙をついたとしても、初手だけで攻撃を当てるのは自分には無理。ナサニエルの速度でも無理。当てるのに三手。
予想してはいたが、手強い]
[無事に当たり、反動でよっとっとと尻餅をついた。
が、パコンッと音がしたにも関わらず、チリトリで叩いた人間は全く痛がっていなくて唖然。]
え?あれ?うそー。
[チリトリ。小さな頃だけど、何度叩かれて泣いたことか!
やはり先生は違うんだなぁと感心して頷くのをはっとして止め、あわてて次の武器を探しに厨房へ。
フライパンを取ってくるつもりだ。]
[箒を手放し、組み付いたナサニエルに肘鉄をお見舞いする。]
組み付いたところで結果はあまり変わりませんって。
まったく、甘いですねぇ。
[ナサニエルを引き剥がし、キャロルからも距離を取ろうと。]
[横向きに押し倒すことよりも放さないことを目的として、横腹からぎりぎりと腕で締め上げる]
これだけでキツけりゃ、もうギブアップしてくれて構わないけど?
[ヒューバートに軽口を叩きながら、横目で二人の仲間の様子を窺う。
キャロルは舌打ち。やはりあの程度のダメージでは満足できないか。中々頼もしい女だとこっそり呟く。
コーネリアスは…]
えっ…逃げる気?
[尻餅後すたこらさっさと厨房へ向かうコーネリアス。
思わずそりゃあんまりだと勘違いで隙ができ――]
…ぐ、
[見事にヒューバートの肘鉄を食らう。
引き剥がされてしまった]
ま…マジ遠慮ねぇな…
[染み出た苦い唾を飲み込んで、吐かぬよう口を拭う]
[手頃な鉄製のフライパンを発見、手に取って振ると重たくてあまり素早くは動かせない。うんと頷いてぱたぱたと食堂へ戻るが、バケツがズレてストンと視界が真っ暗になる。]
あれっ!
[あわててバケツを頭に引っ掛けるがまたストンと落ち、良い防御だと思っていたのだが上手く行かなかった事に気付く。]
…えーいっ
[そして、ひょっとしたら先生にとってもバケツは邪魔かもしれないと、ヒューバートに被さるようにイメージしながらバケツを投げる。]
あたし、めんどくさいこと嫌いなのよね。
潰すなら、プレス機を使うわ。
[前に突き出したテーブルを引き、定位置に戻す。
距離を取られれば、最初からやり直しだ。
さらに不意をつくことは、先ほどより厳しい]
[投げられたバケツは背中に当たる。
やっぱり痛くない。]
……ううん。てっきりトラップを二重三重に仕掛けてくるものだと。
えらく場当たり的ではありませんか?
[ナサニエルとキャロルから距離を取る事に成功。]
ま、試験ですから。
これでもまだ本気じゃないですよ?
[くすくす。]
[余裕ぶって甘いですね等とのたまうヒューバートに挑発されないよう、大きく深呼吸。
そもそもコーネリアスだって、逃げてなどいなかった。
鉄製のフライパンなどというまさしく凶器をあっさり持って来る辺り、実は怒らせたら怖い奴かもとか感想を抱きつつ口にはしない]
(まぁ…コーネならあれを直撃させたって、三途の川送りにしちまうこともないだろ、うん)
[コーネリアスからのバケツが背中に当たっても、やはり平気そうだ。
落ち着いてそんなヒューバートの動きに気を配っていると、一つ気がついたことがあった]
今に本気にさせるさ、なぁヒューバート…
[口に出すのはそこを狙うとの宣言のようなもので、黙ってそうすれば良かったかもしれない。
だが弱点と見えるそこを、二人の仲間とも共有するつもりでヒューバートの刺し傷にも見えるそこを見ながら]
掌をどうした?
もちろん場当たりよ。
相談してこんな馬鹿な格好をしてるとでも?
[そらした顎で、コーネリアスを示す。
肘鉄を喰らったナサニエルの体勢が戻るのを待ち、どうすると言うように目で問いかけた]
>>99
[だってー!と少し頬を膨らませてフライパンをぎゅっと握るが、その姿はキャロルが言う通り、少なくとも体術のテスト中には見えない。]
[ハンカチが巻かれた掌を、ちらりと見やる。
……気付かれたか。]
ああ、ちょっとした不注意で怪我をしてしまって。
[しれっとした顔で返す。]
確かに。
相談した結果だとしたら、あまりにお粗末だ。
[くつくつと笑う。]
……いや。
どうなんだろう。本気でやるかも。
[普段どんな評価をしているんだ。]
ちょっとした不注意、ね。
[それにしては随分と深い。
だがそれがどのような理由でできたかなど、どうでも良かった。
ヒューバートにニッコリと微笑み、それでいてキャロルの問いかけるような目に答えるかのように]
人体の弱点を突くのは、体術の基本だよな。
元々は無い弱点だとしても、そこを突こうがまさか卑怯とは言わねぇだろ。
[その場に落ちていた箒を拾う。
せっかくのコーネリアスが探してきてくれたものだし器物破損ってことになるかもしれないが等と一瞬躊躇しながらもそれを半分に折る。
きれいには折らず敢えて折目が鋭く尖るよう折った。
フライパンのあるコーネリアスには必要ないと判断し、半分をキャロルに向かって放り投げ、渡した]
さて、もっと風通しでも良くしてやるかね?
……ふふ。
やれるものなら、やってみればいい。
[言いながら、距離を取り。
食堂の中で、使えそうな武器を探す。
テーブルの上に、胡椒の瓶。]
[くつくつと笑うヒューバートの背中に、ひょっとしたら油断してる?と思う。
いまだっとばかりにぱたぱたと駆け寄るが、なんとなく頭にそのまま当てるのは憚られ、横にして体に当てようとした。
丁度、野球のバットを振るような動き。]
あれっ
[丁度二人が別の事をしようとしていたのには、どうやら気付かなかった様子。]
いや頭でいいじゃねぇか、コーネも遠慮するな!
[気の優しいコーネリアスにはそれが一番難しいのだろうが。
言いながら、ヒューバートへまっすぐ駆ける。
キャロルは早くも、もう一つの同じ凶器を手にヒューバートへ向かっていた。
最初と比べ有効間合いは半分ほどに減ったとしても、先の尖った棒と言うものは受けにくいはずだ。
防御するとして、どうしても腕や手で受ける事になる。
そしてヒューバートの傷はその手にあるのだ]
室内だぜ。逃げても無駄だ!
[距離を取るヒューバートへ、構わず迫る。
遠慮も躊躇も無く、尖った方を前にして突き出した。
狙うは喉。
柔らかく、鍛えようがなく、少しの傷でも出血と呼吸の苦しい急所。
直接与えられるダメージが僅かだったとしても、動き回ることが必要な戦闘では大きな助けとなるはず]
食らえ!
[ナサニエルはともかく、コーネリアスとキャロルは周到に罠を用意してくると思っていたので、今の状況は予想外だった。
面白そうに、ヒューバートと、彼に思い思いの武器で挑む収容者達を見ている]
[ダメージの少ないコーネリアスの攻撃をそのまま受け、
ナサニエルとキャロルの攻撃に備える。]
それくらいしないと僕は倒せませんね。
ん、上出来上出来。
[キャロルの攻撃は胡椒を持った、負傷していない方の手でガード。
必然的に、ナサニエルの攻撃はもう片方の手でガードする他方法がなく。
……ざくり。]
うん、いい作戦でした。
武器の使い方は心得ているようで。教えてもいないのに。
[くすくす笑う。]
[尖った箒の柄が刺さり、ハンカチ越しであっても血が滴り落ちる。
深く刺さったのかもしれない。]
……ま、この辺りでゲームセットにしてもいいかな?
どうする?
………ッ!
[負傷したヒューバートの手に、折られ鋭利な武器となった箒の柄が刺さるのを見、顔を顰めた]
ヒュー!
[思わず叫ぶ]
大丈夫、この程度なら致命傷にならない。
利き手でもないし。
[痛みを感じているようには見えない。
が、傷は深そうだ。]
ん、どうしようかな。
他の二人の動きを見てから試験の終了を決めようか。
[そう言って、キャロルの攻撃を捌いた手を引き戻す。
手には*胡椒の瓶が握られたまま。*]
………。
[教官の口からは褒め言葉。
ヒューバートの手から血が滴り落ちても、彼自身は表情を変えない。
まだ余裕のある顔で、笑ってすらいるのだ。
満足はできない]
(足りないか…)
[深く刺さった柄をより奥に捻じ込むことを狙うように、まだ箒から放していない手に力を込めようとして、ソフィーの悲鳴にハッとする。
先ほどまでむしろ面白そうに見ていたはずの彼女の叫び声はよく耳に響いた。思わず手を放す]
あっ…。
[しまったと舌打ち、だがヒューバートの問いかけは]
「ま、この辺りでゲームセットにしてもいいかな」?
[今すぐにでも駆け寄りたいのだが、試験はまだ完全に終了していないようなので踏みとどまった。
ヒューバートの大丈夫という言葉に、*こくりと頷いた*]
[渾身の力を籠めたにも関わらずアッサリと、避けられもせず受け止められたフライパンに呆然とするが、肉が何かに突かれる音と視界に入った赤に、ぐっと顔を背けた。
…想像しちゃいけない。そう思うが冷や汗が流れ落ちる。
でも、こんなことで周りの足を引っ張っちゃだめ!…そうして彼はキッとヒューバートを見、両目をつむってフライパンを*振り上げた*。]
それって、「ナサニエル様参りました」って意味かよ?
[期待に目を輝かせ、口の端が持ち上がってヘラリと笑いそうになるのがどうしても我慢できない。
きらきらする瞳で問い詰めようとしていたナサニエルは、胡椒の瓶を握ったまま油断のない目の動きで二人を捉え続けるヒューバートの姿を見て取って、黙って引き下がる。
食堂の端まで後退すると、壁に背を預けた]
そりゃ利き手でも無けりゃ、致命傷じゃあねぇだろうけど…「大丈夫」って。
…あのまま戦う気か?
[どう戦うか見せてもらおうじゃないかと*腕を組む*]
あら、もう終わり?
[滴る血に視線を落とし、少しだけ、拍子抜けしたように呟く。
傷は深かった。だが、ヒューバートが戦闘不能になったとは思えない。
まだ、タイムリミットまでの時間もある。
意図の見えない提案に、しばし逡巡する。
敵の情報収集のつもりで始めた戦闘だったが、これで終わるのならそれも楽で良い。
そう思ったとき、これが最終試験であることを思い出した。
終われば、合格者が決まってしまう]
それは、ナサニエルの合格ということ?
それなら、良いわ。
>>118
あまり調子に乗るんじゃありません。
今の連携攻撃は及第点を与えてもいいとは思っていますが、それでもまだ詰めは甘い。
[言いながら、手傷を負った左腕でコーネリアスのフライパンをガード。
同時に、握っていた瓶の蓋を開ける。]
現状、キミが後退したことにより、三対一ではなく二対一になった。
離れるべきでは、なかったね?
[瓶の中身――胡椒をコーネリアスとキャロルに向かって撒く。]
その場にある物の本質を見抜く……簡易武器を扱う基本です。
直接打撃を与えるものだけが『武器』ではないのですよ。
[胡椒の瓶を捨て、コーネリアスとキャロルの隙を突いて
彼等の間をすり抜ける。
そのまま、ナサニエルに向かって疾駆。
一度右手をポケットの中に突っ込んで何かを握り込み。
腹部を抉るように右の拳を打ち込んだ。]
やられっぱなしでは、性に合わないものでね。
ま、キミならさほどダメージはないでしょ?
[拳を引き戻し、握っていた手を開く。
銀色に鈍く光る、安物の鍵束。]
こんなものでさえ、使い方によっては武器になります。
覚えておくといいでしょう。
……では、改めて試験終了としますか。
シェルターに行く者を決める前に、話したい事があります。
身支度を終えたら、生物工学実験室までいらしてください。
空腹でしたら、食事も済ませておいてくださいね。
ああ、そうだ。
ソフィー先生、保健室で治療をしたいので手伝ってください。
では、後程お会いしましょう。
[そう言い残し、食堂の外へ向かう。]
[目を瞑ったまま振り下ろしたフライパンから伝わってくる、何かに当たった確かな手応え。しまった本気でぶつけちゃった!?と恐る恐る見上げると、なんと怪我をしたほうの腕で防がれている。]
え、えー…
[ぽかんと口を開けて、フライパンを手元に戻す。
この辺りで終わらせるという声に即座に気付けず凶器で叩いた事が、たとえ全く効かなかったとしても少し申し訳なくて、心配そうにヒューバートの事を見た。]
…うあなっくしゅっ…いたいっくしゅん
[しっかり胡椒が目に入り、涙をぼろぼろと零しながらくしゃみをする。目を押さえるべきか口を押さえるべきか。体をくの字に曲げ、訳が分からない状態のまま教官の教訓的言葉にうんうんと頷いた。
横を通り抜ける教官の動きの速さに違和感さえ覚えられず、普通に試験終了で去ったのだと思った。が、不意に聞こえた打撲音に、はっとナサニエルのほうを見る。]
あー!っけほ、ふしゅっ、だいじょー…くしゅっ
[ナサニエルに声をかけようにもかけられない。涙目の状態で、食卓での考えを改めさせられた。]
はぁっけほ、いー
[ヒューバートの、生物工学実験室へという言葉に頷くのが、その時の彼の精一杯だった。]
[...は、保健室でヒューバートの左手の治療を終えると、保健室を出て、生物工学実験室に行く前に自室へと戻った]
……………。
[なにやら感慨深そうに、2年間過ごした部屋を見渡している]
[自室。
擦り寄ってきたエリザベスとヴィクトリアを抱き上げる。]
おお、よしよし。
キミ達も随分大きくなったなあ。抱えて歩くのが大変だよ。
[エリザベスとヴィクトリアを大事そうに抱きしめて、
生物工学の実験室に向かう。]
ふっ…覚えとくよ、ヒューバート。
…でもなァ、何が「キミならさほどダメージはないでしょ?」だ。
すげぇ痛かったっつうの…
[コーネリアスのくしゃみだか何だかよく分からない声が耳に届く。気遣いの言葉をかけてくれたのだろう。
たぶんそんな感じなので、手を挙げつつ]
ああうん、大丈夫。
もうカレー食えちまうくらい、大丈夫。
…て言うか、お前…お前らこそ、大丈夫?
[どうやら胡椒爆弾をぶちまげられたらしい二人の為、一応食堂の中の無事な席を引いてやってから、カレーをよそいに行く]
生物工学実験室…
ううんそりゃまた、妙なところに呼び出しやがったな。
[カレーを食べられるくらいに大丈夫との言葉どおり、ぱくぱくと皿の中身を平らげていきながら]
身支度か。
俺はこのまま、生物工学実験室に向かうと思う。
…食事時に人が居ないと寂しくて食べられないようなんて言わねぇから、お前らも好きにしてるといいぜ。
[やがて部屋の片隅のチェストに近づくと引き出しから、菫の刺繍がされた青いハンカチを取り出した]
これ、忘れちゃ恨まれるわよね?
[くすくす笑いながら、それを大事そうにポケットに入れると自室を出、振り返らずに生物工学実験室へ向かった。]
[生物工学の実験室に向かう途中。
猫を抱えていない方の手で、左ポケットを探る。
ひやりとした、金属の感触。……よし。]
忘れ物はないみたいですね。
[そのまま、早足で実験室へ。]
[とりあえず水道で目を洗い、さっぱりした所でふと考えた。ひょっとして生物工学実験室に行ったあと、部屋に戻らずに直にシェルターや外に出るのだろうか。
そして、じっと何かを悩んでいたが、うんと頷くとカレーの準備をしないで食堂に戻ってきた。]
…えっと、ごめんね、やっぱり身支度してくる。
[ふるふると手を振り、自室へ]
[...は、やがて生物工学実験室に到着。手身近な椅子に座ると、上着の内ポケットを確認する。ひんやりとした鉄の塊がそこにある]
………。
ああ、お前の部屋に戻るのかコーネ?
ヒューバートの野郎なんて、いくら待たせても構わねぇさ。
ごゆっくり。
[どんどんとカレーを口に運びながらも、最後の一口で止まっている。
器から目線を上げて、コーネリアスに手を振った]
俺もついでにネリーからの箱の中身とか見てぇしな!
[ソフィーの到着から遅れること少し。
エリザベス達を抱えて実験室に入ってくる。
抱えられた猫達が、にゃあと鳴いた。]
お待たせしました。
身支度は済ませたみたいですね。
[にっこりと微笑んで。]
[暫く眺めていた最後の一口も、食べ終わった]
ごちそうさん、キャローネリアスカレー。
美味かったぜ。
[ネーミングは妙なセンスではあるが、目は少しだけ寂しそうに空の皿を見た。
次いでポケットから、廊下で拾ったコインを取り出す]
甘めのトマト入りカレーだって最高だったのによ。
お前がもうちょい余裕持って材料投入してくれりゃ、今日も食えたんだぞ。
量ぴったりってとこまで、しっかりしてやがんだから。
ま、そういう奴だったよな…
[かつての持ち主の代わりに知恵の象徴に八つ当たりするように、ピンとそれを弾いた]
[...は顔を上げ、ヒューバートに微笑み返す]
ええ、終わったわ。
それにしてもヒューは随分大荷物なのね??
[腕に抱えられた猫達を見て笑い]
どちらかお手伝いしましょうか?
[顔だけはとっさに庇ったものの、髪に、服に降り掛かった胡椒に軽く咳をする。
なるべく息をしないようにして、粉末を払った。
十分に振り払われるまで、口は開けない。
口を開けるようになった頃には、既に教官は部屋を出ていた]
あたしも、部屋で着替えて来るわ。
胡椒、髪にもかかっちゃったみたいだし。
[カレーを食べるナサニエルの脇を抜け、寮の自室へ]
ふふ。
それじゃ、ヴィクトリアの方をお願いしてもいいですか?
[そう言ってヴィクトリアを放す。
放されたヴィクトリアはソフィーの足元まで行き、擦り寄る。]
何だよ。
塩辛い粒が髪についてるくらいのこと、お前の性格のキツさに比べりゃ全然どってことねぇのに。
[そんな軽口を叩きながらも、脇をすり抜けて行ったキャロルにも手を振った]
ああ、一張羅でも何でも着て来いキャロル。
けどソフィ先を待たしちゃ悪ぃ。
サクッと着替えて来な。
[自室。ベッドの上に置いてあるネリーの箱は、置いた時のままの形。メールを待ちながら、またひたすら解いていたパズル。…おそらく、最後の…残りの一手を間違わなければ開くだろう。]
[それをぎゅっと抱きしめ、ベッドの下から出したリュックサックのポケットに入れる。
いつでも使えるように綺麗にしていた、大きめのリュックサック。その中身が、スケッチブックや絵の具等の画材道具と、額に入れられた数枚の作品で一杯になる。]
…うん。
[自分は…おそらく、いやほぼ確実に外に出ることになるだろう。
だから、これは持っていかない。…小さな部屋の奥の、大きな絵を見た。
もしシェルターに高名な画家の絵が保存されるなら…この絵も混ぜて貰えるだろうか。]
[シャワーを浴び、服を着替え、自室のベッドに腰掛ける。
窓の向うに見える景色に、姑くぼんやりと視線を彷徨わせた。
シェルターに入るつもりはない。
このまま、収容所の外を目指し、出ていくのが自分の望むこと]
希望の子、ね。
[視線を落とし、口を歪ませて笑った。
それは、シェルターに入る為に集められた子供達の呼び名。
けれど、キャロルの希望はもう、ここにはない]
[――嘗て、自らの手で生命を生み出した事が在る。
然し其れは何れも不完全なもので、本物には遠く及ばない。
理論は当っている筈なのに、何が足りないのか。解らなかった]
……態々、奇妙な場所を選ぶ。
[そして、何故自分は未だ此処に在るのだろう。
檻から解き放たれた今、何処にでも行けるだろうに。
外の世界を知らないからだろうか、其れとも、]
さて…
[再びコインをポケットにしまって、食器を片付ける。
終わると食堂を出て、窓の外に目をやりながら廊下を歩く]
この景色を見るのも、もしかしたらもう最後になるのかもな。
代わり映えしねぇ、つまらん景色だと思ってたけど…
[改めて眺めれば毎日見た緑葉も目に鮮やかだった。
ゆっくりゆっくりと、生物工学実験室へと向かっている]
[まだ少し香る胡椒をとるべくシャワーを浴び終えると、窓と扉を全開にする。
最後に、遺す絵にニスを塗るのだ。]
もし…もし終わりが終わりでも…
[後悔しないように]
[…しばらくして彼が部屋から出てきた。体に不格好な大きさのリュックサックを背負った彼の様子は、ピクニックが楽しみな子供のようだった。]
[個人端末から、自分に必要であると思うデータをいくつか携帯にダウンロードし、端末を閉じた。
窓を開けると、育てていたエアプランツを放り投げる。
誰もいない部屋に放置するよりはきっと、外にいた方が長生きできる。たとえ、数年後に消えてしまうとしても。
放り投げた空の、そのまた向うにいる終端の王を思う。
シェルターに入れば、確かにそれからは逃れられるかも知れない。
けれど、それは自分で掴みたいと願う希望ではない。
知識を、種を、残したいと思うのなら、残したいものがかってに残せばいいのだ。
希望は自分でもぎ取れと、あの教官は言った]
意外と、先生らしいことも言うのね。
[少しだけ微笑んで、窓を閉めた。
ポケットには携帯と口紅]
[廊下に出ると、まるで遠足に行く子供のようなコーネリアスの姿を認め、眉をしかめる]
あんた、どこ行くつもり?
[思わずそう、声をかけていた]
何入ってんだ、それ?
おーもそう。
[重そうに揺れるコーネリアスのリュックを押して持ち上げながら、遠足前の子供のような顔につられて笑った]
どこってそりゃ、お前…
[キャロルのコーネリアスへの言葉に肩を竦めた]
生物工学実験室だろうよ。
聞いてなかったのか?
まあなァ、この荷物じゃ…
[ぽんぽん膨らんだリュックを叩く]
今から遠足にって言われても、俺だって信じるけどな。
[同意を表している感じのキャロルにも笑いながら言う]
>>126
[不意な問いかけに振り向き、小首をかしげて困ったように笑った。]
ほら、えっと。私今回全然駄目だったから…。
えっと、そう。準備万端!
[言うと満足そうに頷き、再びまっすぐ前を向いた。]
それって、ここを出ていく準備なの……?
[相変わらず、前向きなのか後ろ向きなのかわからない。
それでもちょっと面白そうに首を傾げた]
意外とあんたが合格することになったらどうするの?
おとなしくシェルターに入る?
[口の端だけ持ち上げた意地の悪い笑顔で楽し気に問う]
[...は、生物工学実験室に設置されている教官用の端末から、収容者達の動向を見守っている。
そのうち、なにか気づいたのかヒューバートと二言三言会話を交わし、彼に頷き、キーボードと叩き始めた]
[肩に乗せられたナサニエルの腕を振り払う]
ちょっと!
止めてよ。あたしは……。
[もう、試験結果を聞く気すらないのだと、説明しようとして何故か少し躊躇った]
……あら、私は忘れていいわよ。
あんた、忘れて欲しくないの?
>>151
うんうん。
…えー!?ないよー。
[自分がシェルターに入る可能性に関しては、一度は一蹴する。…が、それでは答えにならないかと、少し天井を見上げて考える。]
…実際そうなら、ジャンケンで勝った人に譲りたいな。
[...はやがて、収容者3名に宛ててメールを発信する]
『Subject:選考結果発表につき
ナサニエル、コーネリアス、キャロルは
速やかに生物工学実験室まで来ること。
こちらには、全ての質問に回答する用意があります。
今後自由に生きたければ、
黙って出て行こうなんて考えないで、
素直に言う事を聞いたほうがいいわよ?
限りある命は大事よね?
なお、このメールは、読後各自で消去してください。
Sophie Stuart』
>>154
…ととと。
[振り払われた腕が空に落ちるが、腹を立てるでもなく]
そりゃ…、そりゃあ、な。
外の奴らと違って俺らは、同じとこに住んでても血の繋がりもねぇ。
限られた人間しかいなくてそれが増えることもなく、減っていくことしか経験しなかったけど…何て言うか、ほら。そのかわり…ほら、家族みたいなもんだろ?
>>155
何言ってんだよ。
[コーネリアスのジャンケン発言には冗談を笑う顔で笑って]
せっかくここまで生き残って、最終段階まで選ばれた側に残ってるってのに。
そんなんで決められちゃたまんねぇ。
まぁ運のテストならともかく。
お前はもっと自信持てって、前にも言ったのによ。
[ジャンケンで譲るって言って許してくれる教官じゃないと思うけど、と半眼でコーネリアスを睨み、呟いた]
あたしには譲る必要無いわよ。
前に言ったでしょ?
やっぱり、あたしは大切な人と、自分のやりたいことをして生きたい。
彼らが、あたしがひとりで生きのびることを望んでいたとしても、無視することにしたわ。
[晴れやかに笑って、だから、と小声で付け足した]
結果は聞かないつもり、このまま、ここを出ていくわ。
[カチリ、とメーラーの送信ボタンをクリックし、モニタに『送信完了』の文字が出たのを確認。監視カメラの画像を見ながら、くすりと笑い]
素直に来てくれると良いんだけどね。
ん?
やべ、早く来いってよ。
…何かよくわからんことも書いてあったけど。
[慌てて受信したメールを消去した後、]
お先!
[後ろ向き歩きで二人に手を振って、実験室への一番乗りを決め込もうとして]
え?
[まじまじとキャロルを見る。少し強張った顔で]
>>157
じゃあ、えっと…。シェルターへの思いを
何かで表現するとか?
…うんと、ナサに不利かな…?難しいです。
[自信をもてと言われれば、うーんと曖昧に頷いた。
…もし、終わりが終わりだったら、自分がシェルターに入って残った時、きっと後悔する。
そんなことを思っているとは言えず]
…んっと、発表があったら考え…ん?
[ワルツに端末を覗き、質問…?と首をかしげた。]
[メールの内容に目を通すうち、笑っていた唇が引き結ばれる]
監視カメラかしら?
[そうでなくとも、食堂での自分の発言から、ここを出ていこうとしていることは予想はついたことだろう。
出ていくのなら、今だと思っていた。けれど]
全ての質問に、ね……?
>>158
何でだよ!何でそんな、もったいないこと…
[その自由を恐れることなく、大切な人と自分のやりたいことをして生きたいと言えるキャロルに何故か自分が置いて行かれてしまっているような不安と、同時に苛々する気持ちが生まれて]
せっかく選ばれてきたのに…
ここまで一体何人が、お前のパスの陰で脱落して行ったと思ってるんだ?
権利をあっさり捨てるなんて、そいつらに悪いと思わないのかよ!
だいたい、外に出てどうするんだ?
家族だって親戚だって、面倒みてくれる奴だっていない。出た瞬間から飯にも事欠くんだぞ。
その中でどうやって探すんだ。
出て行った奴と、すぐに会えるとも限らない。
どうやって連絡取るんだ。
滅びた未来で生き延びる方法は教わってても、金だって外での知識だって俺らには、無いじゃねぇか。
[遊んでほしたがるヴィクトリアを構いつつ、監視カメラの画像を見てぽつり]
まったくもー……
ご飯よって放送じゃないと、速やかに集まれないのかしらこの子達は……
[呆れた口調で言いながらも、表情は優しい]
[ナサニエルの剣幕に、驚いた顔で目を見開く。
けれど、怒りは湧いて来なかった]
悪くても良いわ。
あたしは生きたいの。
皆に託されたものを継ぐだけで生きていくなんて、耐えられない。
外からの理由でただ、生かされるんじゃなくて。
自分の理由で生きたいの。
できれば、外じゃなく、シェルターで生きる理由を見つけたかったとは思うけどね。
[これだけでは、彼に自分の言いたいことは伝わらないかも知れない。
伝えたかった。
もう時間がないのがもどかしかった。
心の中で、ごめんなさいと呟く]
だけど、生物工学実験室には行くつもりよ。
行かないと、出してくれそうにないしね?
[ナサニエルとキャロルを相変わらずおろおろと見ていたが、メールの内容を思い出し、一人頷いた。]
はやくはやく。
[そう言いながら跳び跳ねれば、ガシャガシャと音が鳴る。とりあえず、結果を聞いてから話せば良いと思った様子。]
自分の理由で生きたいだと?
俺らにどれほどのものが託されてるか知った上で、そんな、そういう…
[何か否定する言葉を吐いてやりたいのに、思い浮かばない。
生まれながらに与えられた生きる理由以外のものを自分自身で見つけて、それを語るキャロルの瞳は美しくすらあった]
…結果なんか聞かなくたってお前みたいな奴、どうせ落ちてる。
だからそんなの、自由を求める冒険者の言葉なんかじゃなく…ただの負け惜しみになるんだからな!
でもキャロル、お前が合格して、それなのにまだそんなこと言いやがったらその時は…ぶん殴ってやる。
[どうしてこんなに苛々するのかわからない。
もしかすると羨ましいのかもしれないと気付きかける気持ちに一生懸命気付かないふりをしながら、ナサニエルは足を踏み鳴らし生物工学実験室へ向かった]
[……は猫と遊んでいたが、ゆっくりと首を入り口へ向け、現れた3人に笑いながら]
すっかり待ちくたびれたわよ。
さ、好きなところに座って?
[にこりと微笑んで、着席を促す]
あら、時間の指定はなかったと思ったけど?
誰かさんの胡椒の所為で、身支度に手間がかかったのよ。
[すました顔で、けれど目はヒューバートを見据え]
[キャロルの顔を見ないまま、ソフィーに答えて曰く]
待たせて悪かったな。
…キャロルの奴がどうも、胡椒化粧が気に入らなかったらしくて、化粧直しに時間かけまくりやがってよ。
[どっかりと空いた席に腰を下ろして腕を組む]
[深緑の眼を通して見る光景は実際のものか。
或いは記憶の欠片を繋ぎ合わせたものだろうか]
……もうすぐ終わる、か……?
>>172
はーい。
[素直に返事をしたあとに、リュックサックを手に持ちなおして一番近い席に座る。…どうやら重たいらしく、机には上げず、隣の席にリュックを置いた。]
その後は質疑応答かな?
まあ、それはさておき。
[こほん、と咳払いを一つ。]
シェルターに行きたいか、行きたくないか。
今、此処で宣言なさい。
[ナサニエル達に向かって、言い放つ。
その言葉には有無を言わせぬ響きがあり。]
…行きたくない奴なんか、居るもんか。
[どうしてもキャロルの先ほどの言葉が思い出されて。
眉間に皺を寄せたままむっつりと答える]
教官なら、行きたくないなんて言わせちゃ駄目だろ?
仮にも俺達を、そのために今まで育ててきたってのに。
はっはっは。
ソフィー先生ならともかく、僕は駄目なぐうたら教官ですよ?
それに、僕は放任主義者ですから。
キミ達の自主性は尊重したいなと。
[ナサニエルのむっとした顔を見てもなお、笑みは崩れない。]
>>179
行きたくないです。
…あ、でも内装とか…。興味はあります。
でもでも、えっと、外に出たあと、観光地になるかもです。
後で調べればいいかな、とか思ってます。
[即座の宣言のあと、色々と言い訳を付け足して。しかし行きたくないのは確かなようだ。]
[...は、キャロルの行きたくないという言葉を聞いても、かつてコーネリアスに見せた態度を、今度は見せず、穏やかに微笑んで頷く。]
わかりました。
シェルターにはナサニエル君に行ってもらいましょう。
良いですね?
[笑顔のまま、毅然とした態度で宣言する。]
[戦闘前に既に意思をヒューバートに伝えていたらしいキャロルや、予想外な言葉と共に両手を合わせるコーネリアスに怒るよりも]
何がそんなに、おかしいんだ。
職務と関係ない?
[様子が妙に感じられて、けらけらと笑うソフィーに釘付けになった]
[ヒューバートに頷く。それからコーネリアスに顔を向け]
コーネリアス、以前、私に訊いたわよね?
住所録ありませんかって。
私は持ってないって答えたけど、正しくはね、
【存在しない】
のよ。
[そう言うと、顔から笑みが消え、目を伏せた]
[行きたくない奴などいないと断言するナサニエル。
対照的に行きたくないと言うコーネリアスとキャロル]
[何方にも自分には無いものだと思う]
見つけたのかな、君達は。
[何方にせよ彼等に選ぶ権利は――]
>>19
…へ?あ、はい。
…つまりえっと、ここは偉い人が作った所で、
それなのに、出て行った収容者について、
…うんと、まったく管理していない…
っていうことですか?
…それで…?
[出たら誰の支援も受けられないという事かな?
と思うが、なぜか心臓がおかしいぐらい暴れている。]
住所録は、「存在しない」…
脱落した収容者は、速やかに「処理」される…
[笑みを消したソフィーの視線から目を離せないまま、ただくり返す]
…何が言いたいんだ、ソフィー先生?
はっきり言ってくれよ…馬鹿でもわかるように。
>>193
…処理?
[本当に気付いていないのか、頭が受け入れる事を拒否しているのか。彼には全く言葉の真意が掴めない。]
処理って、何?
[まだ、話が良くわからず、ソフィーに問いかける。
彼女の危うい様子に、ヒューバートが言っていた言葉を思い出す。
今もまだ、不安定なのだろうか。
それは、何故]
…ええと。ヒューバトせんせ。
あの、一つ課題として出していない絵があるのですが、
それを…うんと、シェルターに持っていってもらう事は、
…できます、か…?私の部屋にあるんですけど…。
[だいぶ、場違いな質問である気はしていたが、なんとかして気を紛らわせたかった。]
直接“処理”を担当していたのは僕ですけどね。
いわゆる『汚れ仕事(ウェットワーク)』という奴です。
[笑みは崩さないが、淡々とした口調で。]
そうですね。
参考文献として入れてもらえると思いますよ。
基本的に、ここでの作品は出来る限りシェルターで保管するそうですから。
[にっこりと笑って答え。]
だから。
[呟いて眼を伏せる]
忘れる、と言っただろうに。
[居なくなるという事は、“そういう事”。
薄々気付いていたからこそ、告げた言葉]
[ソフィーの言葉を聞いて、わなわなと体が震える。
恐れか、怒りか。…いや、どちらでもない。]
…ご、めんな、さ、い…!!
[とぎれとぎれにそう発音する彼の目からは
ボロボロと涙が溢れていた。
最終選考が始まってからの、自分の言動!
シェルターに入れなくても生き残れると信じるような!
収容者が教官に殺されている事もしらず、
それを全員集めて、エンディアの衝突を阻止!?
そんな自分の言葉のひとつひとつが、
どんなに、ソフィーとヒューバートを苦しめたのだろう!]
ええ、そうですよ。
そして、いなくなった教官も全て“処理”されている。
……もっとも、これを担当しているのは政府の役人ですが。
そろそろ、僕達も“処理”される頃合ですかね。
[くすくす、と皮肉を篭めた笑みを。]
政府の意向が知られぬように、だそうです。
全く、馬鹿げた話だよ。
お偉いさんの勝手で、生かされ殺される。
こんな滑稽な話があるか。
[からからと嘲笑う。その対象は誰なのか。]
[何も言わず収容所から消えていった友達。
自分に託された言葉。
いくつもの記憶が、疑問が、フラッシュバックし、目の前が揺らぐ]
と、真相を話したところで……。
確実に生き延びられる方法はたった一つです。
シェルターに入ること。
……チケットは【2枚】あるわ。
[口元に笑みを浮かべ、どうする?と3人を見る]
[悪い冗談が終わらない。
二人の教官は「本気にしたのか」と笑い出さない。
コーネリアスは震えながら涙を零し、キャロルは悲鳴のように何故と叫ぶ。
ナサニエルは立ち上がって、キャロルとコーネリアスの傍に立った]
政府、政府…政府?
政府に言われたから、それを黙ってやったってのか?
今までずっと…あんなに居た子供ら全員?
最初に脱落者が出たのは10の時だった…
そんなガキも殺したのか?
ヘレナもメイもギルバートも、アルベルト教官も…
…ネリーも、ラッセルも、みんな?
だって、もう隠したってしょうがないでしょう?
[同じく苦笑しながらヒューバートに言う]
ああ、ちなみに教官は無効なのよ、シェルター行きチケット。
政府の言うことだから、ただ従ったと言うの?!
[肩を竦めるソフィーの言葉に、弾かれたように体を堅くして、叫ぶ。
怒りに燃えた頬を、ヒューバートの笑い声が打った]
滑稽だと知っていて、あんた達はそれを……!
[気がつけば、教官の視点で自分の言葉を聞いていた。
きっと〜と前置きされて話される、存在しない希望。
…その一つ一つに胸が張り裂けそうになる。
このままでは、殺されるまでもなく脳がおかしくなって死んでしまいそうだ。大きく深呼吸をして、首を振る。]
…せんせたちまで…。
[おかしい、と思うが口には出さなかった。
みんなそう思ってるんだろうから。]
教官さえ、政府の役人が殺すって?
そしてあんたらも黙ってその“処理”を受け入れて…
生き残れないあんたが、チケットは2枚だと笑うのか!
ああ、それ。
[事も無げに。]
基本的には1名のみ、となっていまして。
2名にも出来る、というだけの話です。
情が移ってしまって、1名に絞りきれない収容所もあったそうですから。
……くすくす。
[ナサニエルの言葉を聞き、さも可笑しそうに笑う。]
僕が黙って“処理”を受け入れる?
そんなわけないでしょう。
策は既に練っているのですよ。
[チケットが「2枚」。それを聞いても、
コーネリアスはただ弱々しく首を横に振るだけだ。]
もう、ふつうに過ごせない。
もう、絵なんか描けない。
もう、未来の役になんか、たてない。
[徐々に、また会えると思っていた人たちが
もうこの世に存在しない事を理解し始める。
さっきまでの急激な感情の変化とは違い、じわじわと体が凍っていってしまうよう。]
[黙って受け入れたのかという非難には、はぁ、と胸に溜め込んでいたものを吐き出してから]
それを言われると、返す言葉がないわね。
情!
ついこの間までは居たあいつらと、俺達に別れの挨拶もさせずにその手にかけておいて…情だとよ。
何て奴らだ…
…何て世界だ。
ああ、勝手に策だろうが何だろうが、練りゃいいんだよ。長く長く、ただ政府の言う事に従ってただけのお前らの行く末なんか、知ったことか。
どうするかだって?
そんなに思い通りに世界を作りたいなら…シェルターの中で、滑稽な猿回しどもだけ生き残ってりゃいい。
希望が…俺が、そこに居てやる必要なんかどこにある?
変えられる選択は、ここであんたに殺されるか、シェルターに入るかの二つと言うこと?
[微笑むヒューバートを、冷たく見つめた]
……シェルターに行かない子達は、責任を持って外に出そうと思っていたのですよ。
今更、罪滅ぼしが出来るとは思っていませんけどね。
[自嘲気味に笑って。]
いや、三つかな。
シェルターに行くか、此処で殺されるか、外に出て行くか。
……意味のない選択になってしまったかな?
[自嘲気味な笑いはなりを潜め、苦笑いに変わる。]
[...は、ナサニエルの怒りを露わにした激しい言葉を、じっと耐えるように聞いている]
……………。
[言いたいことはたくさんあったはずなのに。]
[体の奥で、何かが弾けた]
罪滅ぼしなんていらない。
責任もいらない。
[沸き上がるのは悔しさ。反発心。
嫌だ。
人から与えられたものを選ぶのではなく、自分の意志で生きたい]
[凍るコーネリアスの肩をそっと叩く]
どうするコーネリアス。
お前はチケットを受け取るか。
キャロルはどうだ。
まだ外に出たいと思ってるか?
もしそうなら――…
[逃げ出そう。
黙って処刑なんかされてやる気はないと、肩を掴む手に力がこもる]
[そこへ聞こえるヒューバートとソフィーの言葉]
責任を持って外に出すって?
罪滅ぼしになんぞなるわけがない、そんなの当然だ。
俺はお前らを許さない。殺してやりたいくらいだ。
だけど企みがあるなら…聞いてみるくらいしてやってもいい。
[生きたい?
自分が願う希望は、既に無いのに。
生きて、どうすると言うのだろう。
でも、死ねない。
今死んだら、何一つ手にしないまま終わってしまう]
【未確】 美術商 ヒューバート
脱落者が出た際に、その遺体を運ぶ為の2名の『業者』が来ましてね。
今回は最終試験が完全に終わるまで、来訪を先延ばしにしてもらっていたのですよ。
まず僕達は、『脱落者の遺体は生物工学実験室に置いているから、運んで欲しい』と頼む。
……ちなみにこの部屋、盗聴機能も監視カメラも予め破壊済みでね。
何が起こっても、関知される事はない。
[ここで、一呼吸置き。]
『業者』を殺害して入れ替わり、キミ達は布を被せたワゴンの中に入って脱出すると言う算段です。
サーモグラフィも全館停止していますからね。
生きているか死んでいるか、判別は困難なのですよ。
後は、業者が乗ってきた車に乗り込んで適当な所まで撒けばいい。
や…だ。
[外に出られるという事を聞いたのが、
もし昨日だったら、荷物をまとめていた時だったら、
自分は喜んで外に出たのだろう。しかし今は。]
やだ…やだ、やだ、やだ…!
[ナサニエルに肩をつかまれている事には気付いていたが、気持ちがそちらに向かない。胸の真ん中に両手を合わせ、無意識に爪が立つ。服の上だから、傷はつかないのだが。
体が無くなったみたいだ、そして胸の中はさらに真っ暗。
いつだったかのソフィーの言葉を思い出す。
…ネリーは何かに絶望していて元気を失って…。
ネリーは常にこの感覚を抱いていたのだろうか。
絶望とはなにか。…今の自分の状態はまさにそれだ。]
殺してください。…殺してください!
キミ達には、方向性が違えど何らかの強い意志があると判断した。
彼等二人は、絶望していたようだった。
これが、答えです。
[そうでしょう?とソフィーに同意を求める視線を。]
[――盗聴機能も監視カメラも予め破壊済み。
綿密だ。
彼は以前から少しづつ、実行するための計画をたてていたのだろうか。
確かに、前準備も何も無く、敵側にまわった教官を撒きながら自分達だけで脱走を試みるより、ずっと可能性はあるかもしれない]
……俺は、それでいい。
だけど業者は殺すな。
これ以上俺の前で、人を殺すな。
サーモグラフィまで停止してるなら、何人余計に生きてようがわからないはずだ。
生きているか死んでいるか判別は困難なら、殺さなくてもいいだろう。
あんたなら、それなりの時間気を失わせる攻撃くらい簡単なはずだ。
クルマまであるんなら、そいつらが気がつくまでに遠くまで行けるだろう?
俺はそれで十分だ。
それでも殺すっていうのなら、俺はのらない。
……ああ。それもそうですね。
[ナサニエルの言葉に、ぽんと手を打ち。]
わかりました。業者は気絶させるだけにしておきましょう。
手伝っていただけません?
『落とす』の、得意でしょ?
[にっこり。]
……そういえば、コーネリアス君。
[唐突に、コーネリアスに声を掛ける。]
例のパズルボックス、解けましたか?
[この場では相応しくない質問のように思えるが。]
[殺したかったらそれでもと答える、かつて好きだった人の目を冷たく見返しながら]
罪悪感からくる罪滅ぼしじゃないなら、何だってんだ。
今俺らを外に出そうとするこれも、罪滅ぼしのつもりじゃないなら、何だ?
[こんな時にもにっこりと笑うヒューバートに返す目にも、以前までの豊かな感情は見えない。
ただ、泣き続けるコーネリアスの頭を撫でようと伸ばす手だけが震え]
…コーネ、約束するよ。
もしお前が本当に、いつまで経ってもどうしてもどうしても死にたかったら……その時は、俺が殺すから。
俺達はもう、ネリーのことだってラッセルのことだって失ったのに…これ以上、お前まで失いたくない。
[懇願するような振り絞る声で囁いて、ヒューバートにも答える]
…ああ、手伝う。
[姿勢はコーネリアスに語りかけるようだが、全員にも聞こえるように]
前に言ったでしょう。
「試験に落ちて、あなたに後はよろしくと託した子のことを考えてね」って。
収容者の中には、なかなか聡い子もいて、選考から漏れた収容者の運命を悟ってる子もいたわ。
ネリーとラッセルもそう。
でも、不思議と「恨み言」は言わないのよね。
言っても無駄だと思ってたのかもしれないけれど、「自分の代わりに誰かが生きてくれるならそれで良い」って思ったのかもしれないわ。
……別に。
僕は希望も絶望も抱いてはいなかった。
[彼の姿は誰にも視得ず、
彼の声は誰にも届かない]
唯、君達ならば……
託す事が、出来るだろうから。
[其れでも、紡がれる言葉]
……精一杯。
足掻いて、生き延びれば好い。
[或いは彼の唯一の願い――]
[そしてキャロルに顔を向け]
あなた私に、質問したわよね。
あれにソフィー・スチュアートの本心を教えるわ。
「もし私が収容者なら、落ちても構わない。それで誰かが生き延びてくれるなら。
私の生は少なからず誰かに影響を与えたはずだし、それだけで私が生きた意味と価値はあると思うから。」
生きる意味と価値だと!?
あんたに何が言えるんだ!
神にでもなってるつもりなのかよ?
そうだよな…
誰を残して誰を脱落させるべきか。
誰を生かして誰を殺すべきか。
…決めたのはあんたらだ。
偉そうに説教する口でコーネに話しかけるな!
やれやれ、嫌われてしまったようですね。
[大袈裟にため息をついてからソフィーの傍に行き、肩を抱いてやる。]
何にせよ、行動の指針は決めておきたいのですけど。
とりあえず、全員脱出する方向で考えていいですね?
[全員の顔を見回し、問う。]
[一瞬、何の話か分からなかったソフィーの返答に、薄く笑う]
違うわ。
私が聞きたいのは落ちても構わないかではなく、入りたいか、入りたくないかよ。
ねえ、1人でも、他の人のそういう意志を背負って生きたい?
……ううん。
説教するよりも、そのパズルボックスの中身を当ててみた方が
早いかもしれないな。
[項垂れるコーネリアスを見ながら、ぶつぶつと呟く。]
[ナサニエルに名前を呼ばれ、腕に触れられて、しゃくり上げながらも泣くのを止めようと努力する。]
だっ、だって皆っしんじゃ…
しかもっころされて…ふっく…
…ぐすっ…
[散々泣いて、だいぶ疲れてきたのかもしれない。
時々しゃくり上げる以外は静かになったが、
顔色は悪く土気色だ。]
>>244>>247
[ソフィーの言葉には、ふるふると首を振る。
犠牲にしてしまった事も、確かに悲しいけれど。
誰かが見たくてみれなかった外を、自分が見てしまうのが。それが申し訳ないのかもしれない。
いやそれも違うようで、言葉になかなか現せられない。]
>>246
[どうしても、絶対この感じは変わらないんだ。そう思ったが、かけられた言葉にハッとナサニエルの顔を見た。]
…ナサ…っ
[もう無くなったと思った涙が出てくる。失いたくないと言ってくれて。その上で殺してくれるとまで。]
[ナサニエルの言葉に、ふっと、体の中にまた明かりがともった。…お礼を言おう、が、ありがとうが出てこない。…考えている時のヒューバートの問いに、ネリーの事をまた思い出して、ふと目を伏せる。]
あと…っちょっとだけ…多分この…ひっく
ここをひねって…引っ張…ひっく…る事ができれば
[またしゃくり上げてしまう。その状態でのろのろと、隣に置いたリュックから箱を取り出して、机の上に置く]
[ソフィーの返答に、やはり笑った。
そうやって、他者の意志を受け生きていく生き方は、キャロルがもっとも恐れたもの]
誰もあんたに何も望んでないわ。
自分のやりたいようにやればいいのに。
あたしは、自分の意志で、一番生き残る確率の高い場所へ行く。
では、僕は別の仕事があるので一時席を外します。
多分お見送りは出来ないでしょうけど。お元気で、キャロルさん。
[いつもと変わらぬ笑みを湛え、告げる。]
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