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次の日の朝、悪戯好き イリス が無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、流れ者 ギルバート、新米記者 ソフィー、のんだくれ ケネス、踊り子 キャロル、酒場の看板娘 ローズマリー、村長の娘 シャーロット、隠者 モーガン、異国人 マンジロー、文学少女 セシリア、子爵 ウィリアム、学生 メイ、見習い看護婦 ニーナ、医師 ヴィンセント、書生 ハーヴェイ、メイド セリア、自警団長 アーヴァイン の 16 名。
【GMシステムメッセージ】
はあ〜い★みんなのアイドルNPC、セリアちゃんどぅぇ〜す♪
というわけで、2日目の開始にあたっての注意です!
・開始時点での時系列は全員アサシンTでの「2days昼」とします。
・次回コミットは17日(木)午前3時です。
・第一発言後に必ずコミットしてください。(アンカーはNPCが行います。出来ればメモしてくれるとセリア嬉しい★)
というわけで、2日目の犠牲者発表です〜★
投票の結果は・・・・・・
【アーヴァインさん】
に決定しました♪
【2日目の投票は「セリアに委託」して下さい】
セリアは既にアーヴァインさんに投票済みでーす!
また狼さんもアーヴァインさんを襲撃して下さいね★
ちなみに投票の内容を今回だけ特別にいくつかご紹介♪
※明日以降はこんな事しません。
アーヴァインへ投票した理由:
水の賢者さん「とりあえず女だから」
セリアへ投票した理由:
侍の飼い主さん「NPCのくせに目立ちすぎている、危険」
喫茶店経営さん「墓下での活躍に期待」
槍無双さん「萌えは皆殺し!」
ちょwwwwwwみんな酷いよ〜うえーん!!
というわけで僅差でセリアちゃん生存決定でした★
さて、そろそろシリアスなお話!!
・3日目の吊り/襲撃事前投票について
→3日目開始までに全員「吊り・襲撃したいクラス名」を明記してGMへメール連絡して下さいね★
投票が無かったらGMから催促はするけど、その上で投票が無かったら自分に投票した事になります!
・マスターとサーヴァント同士での「票相談」についてですけど、原則的にはチェックしたいけど実際私たちにチェックは不可能です!それにマスターとサーヴァント間で会話している間に何となく意思疎通が取れてしまうことがあると思うの!そこまではGMはチェック出来ません!
だから、「マスターとサーヴァント間で票統一」は非推奨だけど禁止にはしません!真面目なクラスさんが泣いちゃうのはセリア悲しいから!!
あ、ただし「メモやログで投票先に抵触する発言」をする事は禁止にします!他のクラスさんとの共謀だけは絶対ダメよ!
また、「リアル事情によるギブアップ」せざるを得ない場合はマスター・サーヴァント合意の上でGMに申請して下さいね★
というわけで、皆さん頑張って下さいね♪
では私は商店街の地の池を掃除しに行ってきま〜す!!
[バケツと雑巾を抱えてタタタっと商店街の中央に消えていった]
【GMシステムメッセージ終了】
― 二日目昼 自宅 ―
ああもうああもう、なんであんなに愚かなんだ。どうしてああもポンポン人の頭を殴れるかな。
おかげで僕のつやつやと血色のいいピンク色の脳細胞がかれこれ1億個は死滅したぞ!
[ なにやらぶつぶつ言いながら中華鍋の中身を引っ掻き回している。夕べの出来事を思い出してしまったからだ。]
なんだよあれ。見つけてやったってのにどうして殴られなきゃいけないんだ。ありえないだろう常識的に考えてっ
[ おかげで今日は朝から頭痛が痛い。頭が頭痛で痛いのだ。苛立ち紛れに鍋の中身をえいっと一気に盛り付ける。]
げ。ご飯が7%もバラついていない。これ本当に炒飯?
[ とんだ大失態だ。]
― 自宅・別室 ―
ふぅ。
[ 扉を閉める。暗幕のようなカーテンで締め切られた部屋の灯りをパチリとつければ、床には白いラインで魔方陣が画かれていた。最初にライダーを喚び出した部屋だ。]
さて、と。
――hai li,high re fure,hai li-hoo...
[ 部屋の隅にあるベッドに横たえられた三人の子供。その傍らにまで寄ると、小さく呪文を唱える。と、子供たちが声もなくゆっくりと起き上がった。]
よし上出来だ。さ、こちらにきなよ。
[ 虚ろな眼差しで見つめる子供らに命じ、久仁彦は隣の部屋へと移動した。]
[商店街の一角、本屋より少し離れたところで、その様子をじっと見ていた。騒動が収まった後、ぱらぱらと人が散っていく]
……なるほど。これは、いい情報かもしれない。そしてあれがもう一人のサーヴァント、か。
[先程まで沖田と戦っていた侍姿の男を思いだす]
マリアを待たせすぎた。戻ろう。
[シャルロットが待つ場所へと戻り、先程の戦闘の報告をしながら自宅へ]
ー自宅・地下ー
[昼食を簡単にすまし、先程のサーヴァントのことを調べていた。名前は聞いていたので、後は関連の図書を調べるだけで、その情報は簡単にでてくる]
剣の使い手、か。セイバーは沖田だと思うけど、だとするとあれは……。
戦闘の様子からランサーではないはず。そもそも剣だ。
ライダー……としても馬上から剣技をふるうようにもみえなかった。
アーチャーでもない、な。アーチャーが肉弾戦をするとは思えない。ならば、バーサーカーか。
[そう考えれば、あの様子も理解できる、そう結論づけて、シャルロットへと報告する]
[ 魔方陣のあった部屋の隣の間。虚ろな瞳の子供たちは、ただ黙々と久仁彦に言われるままに動いていた。]
それなりには旨いだろう。不本意ながら失敗作だが、そこは勘弁してくれよ。
…ていっても、自我は閉じ込めてあるから判んないんだろうけどさ。
ああもう面倒だね愚かだね。完全な仮死状態に出来たならこんな手間なんかかからなかっただろうにさ。
[ つまらなさそうに呟くと、久仁彦は淡々と炒飯を食べる子供たちを*眺めていた*]
静かに目をあけると、1人の女がいた。
「どう?何か覚えている?」
彼女はそう問いかけてくる。
「……いや、何も……ここはどこだ?」
そう、聞くと怪訝そうな表情をした。どうやらこの言葉が伝わっていないようだ。
それに気づき、頭に浮かぶもうひとつの言語で同じ事を言うと、今度は通じたようだ。
こちらの言語のほうが不慣れだが、今後はこちらを使おう、そう決意する。
どうやってその言語を覚えたのかは思い出せない。
記憶を伴わない知識が、するりと引き出されてくる感覚。
頭がぼんやりしている。
「覚えてないか……うん、いいようね。」
何が良いのかわからないが、女は嬉しそうに言う。
何かが上手くいった、そんな満足そうな表情だ。
「あなたね、自分じゃ気づいてないみたいだったけど、結構良い魔術の才能があるのよ。
だから、私の魔術知識を引き継いでもらいたいわ。
あなたはこれからここで学ぶの、そして私の仕事も手伝ってもらう。」
元より自分が行く所も自分が誰かも解らない。
女の言葉に、ただ曖昧に頷く事にする。
「私の名はオードリー。あなたはそうね……「ケネス」って名にしようかな。
飼っていた犬の名前なんだけど、もう死んじゃったから問題ないわよね。
よろしくケネス。そして我が家にようこそ。」
嬉しそうに差し出してくる赤毛の女の手を、ケネスはゆるゆると掴んだ。
―ソフィーの屋敷地下・昼―
[少し離れた場所から、本屋の騒動の様子を感知していた。初日に感じた魔力のぶつかり合いなどに比べ、その微々たる気配に首を傾げながらマスターから聞いた情報を併せて、地図上に印を付けながら整理していた。]
……リチャードがどちらなのかによりますが。アーチャーもしくはライダーの情報が皆無ですね。
今日は、その点に重点を置いて調査に行こうと思います。今までの情報を集約してみると、ランサー戦は川原で起きています。
初日に感知したキャスター以外のサーヴァントの気配は、リチャードのものではありませんでした。恐らくランサーもしくは不明のサーヴァントの拠点は西ブロックにあるものと思われます。
相手の正体を見破る事は重要ですわ、マスター。
何故なら古の英雄ほど、弱点が明確に存在しますから。
そう、逆に言えば私の正体を誤認させる事も有効と言えましょう。
尤も……私には"弱点"なんて存在しませんけれどもね。
[最後の一言は声のトーンが落ちた。弱点が存在しない理由など、裏を返せばそういう事だ。]
[パラパラと時折微かな紙ずれの音がする以外はシンと静まり返った室内。シャルロットは、己の"史実"が記載された書物を何冊も手に取り、記された内容を何度も何度も、視線でなぞった。
しかし、何度眺めようともその記述は変わる事無く……。
<<人民の友、マラーを暗殺した女性>>
その位置付けは、どの書物を当たってみても、フランス革命に於いて混乱を大きくし革命を一時後退させ、あろう事かシャルロットが心酔していたジロンド派議員や、友人達を処刑台へと追い詰める行為に他ならなかった、という結論で締めくくられていた。
……否。サーヴァントである彼女は、己の史実を客観的に<<識っていた>>。命を賭して、正義と真理の為に行った暗殺の滑稽な顛末。
歴史は彼女を結果論として<<正当に評価しなかった>>。
― 自室・昼 ―
[目を開けると、部屋の天井が視界に入る。時計を見ると、眠ってからそれほど時間は経っていないようだ。]
随分と懐かしい夢を見たな……
[それは、5年前、ケネスの魔術の師匠であり、母親のようでもあった女性と初めて出会った記憶。
ケネスの持つ、1番始めの記憶でもあった。]
場所は東南アジアだったな。
冷静に考えりゃ、ひでぇ女なんだが……。
[彼女が「滝田真」に行った事は、まさに魔女の所業に相応しかった。
だがケネスに、それを恨む感情は無い。
彼にとっては、良き師匠であり、良き母親であった女性だ。
幸福な5年間だったと素直にそう思える。]
………。
[無言で煙草に手を伸ばすと、中から曲がった煙草を取り出して一服する。
思い出ばかりにも浸ってはいられない。
ケネスはこれからどうすべきか、しばし考える事にした。]
[少しの間、胸中に沸き上がる複雑な思いを押さえ込もうとあがいていた。
そして、静かに本を閉じ立ち上がる。]
マスターは、史実から出来るだけサーヴァントの"正体"を見破るべく書物を調べて頂けると助かります。
私は、出来るだけ判断材料を集めてくる事にしましょう。
[丁寧に本を書棚に仕舞うと、屋敷を出て*西ブロックに向かった*]
[ケネスは自分の知っている事を整理してみる。]
俺が知っているのは、以前に戦った銃を使うサーヴァントとそのマスターの事。
そのサーヴァントが放った「ガトリングガン」と言う言葉。
それから、宗冬が殴り合ってたサーヴァントの名前が「沖田総司」という事くらいか。
沖田と銃の奴は単純に武器や名前から察すると、沖田はセイバー、銃の奴はアーチャーなのかね。
銃の奴は、近代の英霊なのかもな。
……誰かと組むってのはどうなのかな……
第一、あいつは戦い出したら見境無しだ。近場は全部巻き込んじまう。
[ここで宗冬をちらりと見る。相変わらず、ビデオを見ながら喜んでいるようだ。
ケネスは小さく溜息をついた。]
俺の方はと言うと、誰かと組んで悠長にやっている時間は無いし……
とは言っても、あいつも大して強くないしなー…
[「これはいい!」と宗冬がビデオを見ながら、発した言葉が耳に入る。
ケネスはまた溜息をついた。]
ちょいとまた人ごみに紛れて、町に繰り出してみようかね。
マスターの気配のありかでも探れりゃ、御の字なんだが……
[そう思い、宗冬を見て、先ほどの乱闘騒ぎを思い出す。
宗冬の姿を見られている事を考えると、今、共に行動するのは危険な気がした。]
―住宅街―
[西ブロックへと向かう途中、初めて通る路地でふいに微弱なサーヴァントの気配がした。]
……出歩いているサーヴァントがこの近くに?
[咄嗟に気配を遮断し、歩く速度を極端に緩め、家の庭になる蜜柑を眺める振りをしながら周囲を覗った。
民家の庭の先隣にはウイークリーマンション。人の出入りがたまに見受けられた。]
[柳生宗冬、柳生藩三代目当主、兄は柳生十兵衛、徳川幕府4代目将軍、家綱に剣術を指南する]
やはり、剣士か。
もっと詳しい資料があればいいのだけど。
柳生一族について書かれた書物を見ても、一定していないし。どれだけ強かったのかがよくわからない。
将軍に兵法師範していたくらいだから、それなりの実力はあったのだろうけど。
[気になったシャーロットは、ウイークリーマンションの玄関口へと入ってみた。]
……ええと。
[信じられない事に、2階付近から、サーヴァントの気配がバリバリ放出されているのを感じ、唖然として立ち竦む。]
……これは、罠?
[背筋に冷たい汗が一筋、緊張感を伴って流れた。]
[ケネスの部屋には、所謂結界の類は張られていない。
これはひとつに、気づかれたらすぐに住んでいる場所を変えられるという事もあるのだが、できるだけ性急に事を運びたい意識も関連している。
ケネスは、ドアを開けながら言う宗冬に声をかける。]
おい、宗冬。あんまりビデオばっか見てんじゃねぇよ。
[ドアを空けてふと下を見ると、わずかに驚愕した表情を浮かべる少女の姿があった。}
[騒動が起きた際、柳生に駆け寄った男がいたのを思い出す。
意識をサーヴァント二人に向けていたため、気付くのが遅れてしまったが、あれはマスターではなかったのか、そう思い直してもう一度思い出そうと目を閉じる]
見たこと無い顔だった、な。この辺りの魔術師ではないと思う……けど。
[もっとしっかり見ておけば良かった、とすこし後悔した]
ん?飛び降り自殺でも起こりそうになってるのかね?
[上を見上げるが、特にそんな様子も無さそうだ。
少しケネスは思いにふける。]
おい、姉ちゃん、どうしたい?
俺の部屋にお化けでも見えたのかい?
[そう問いかけてみた。]
[手近な郵便受けから新聞を抜き取り、気配を辿って2階へと上ろうとした。
ふいにドアの開く音がして強烈なサーヴァントの存在感がこちらへと流れ込んでくる。]
(余りにも…余りにも無用心過ぎる……?!
これは、罠?アーチャー?アーチャーの拠点なのかしら?)
[若干狼狽を覚えながらも、そのまま気配を辿って見上げると、一人のむさくるしい風貌の男と目が合い声をかけられた。]
いえ……その。
実は、新聞の勧誘に参りましたの。お話、聞いて下さる?
さて、と。
ちょっと出掛けてくるよ。僕には何事もないように過ごさなくてはいけない日常があるからね。
[ 鍵の扱いなどを簡単に説明すると、そっけない挨拶と共にライダーを置いて部屋を出る。右手で大きめのバッグを担いで、左手にはテニスラケット。そのままエレベーターで地下の駐車場に降りると、一番奥にとめてあったアルファ・スパイダーに乗り込んだ。]
[焼け爛れた木々
――黒煙 白煙 こもごもに
獣の残骸が積み上がる
――どろりと澱む 眼球
人の形をしたものが累々と横たわる
――骨と皮ばかり 虫が喰った
川は赤く染まり底が見えない
――浮かぶのは 死体 死体 死体
血雨が頬を濡らす 赤く染める
番えた矢は幾十 神の弓を引き絞り 放つ矢は百発百中
頭蓋を破裂させ 腸を噴き出させ 心の臓を貫いた
構えた武具は 神々の武器 触れるも叶わぬ 用意された武器
一方的殺戮 綴られた英雄譚は美麗賛歌]
ほう、新聞勧誘ね、若いのに大変じゃないか。
なかなか育ちが良さそうだが苦労してるのかな?
[ちらりと、後ろの宗冬を見る。
宗冬は「どうした?来客か?」と呑気な一言を漏らした。
あの反応ではサーヴァントじゃないと言う事か?
そう思った。]
[人として生まれ 人として死ぬはずだった 王
――神々に望まれた人間 神の力を振るう 器
神の祝福は 彼の体を鋼にし 彼の意思を奪う
――敵を討ち 喜びの声があげられて 喜ばしくない訳がない]
[与えられた妻 必要な婚姻 彼は愛していた
――ただ一度の失敗で 妻は永劫彼の前で笑わなくなった
敵に捕らわれ 長らく会えなかった 妻
――疑心が生まれ 彼は問い詰めた]
[相手の返答を待たずに、シャルロットは階段をゆっくり上りながら返事をした。]
私も良い歳ですから、働かねばと思いまして。
人と接するのは嫌いではないのですわ。
[そう言いながらゆっくりとケネスの目の前まで辿り着いた。
室内、至近距離に入らねば、気配遮断をしているこちらの正体は先方にはわからないだろう。しかし、こちらからは、部屋の奥にサーヴァントが居る事が確信された。
なんともはや。目の前の男性はマスター確定だと確信し、目を細めて柔らかく微笑みかけた。]
お読みになって居る新聞は、ありますか?
[――― 喪った
彼は神でもその化身でもなかった
故に、二度と妻に会う事はなかった
何処を探しても妻に会えなかった
そして 器は英霊となる
だから 彼の願いは……]
[出していた本をしまうと、足下の大きな魔方陣に腰を下ろした。指で陣をなぞり、地下水脈へと魔力を送りこむ]
[口の中で何かを呟く。そして目を閉じた]
[魔力を循環させる。指先から、大地へと、そしてそれは、自然の力を蓄え、より一層の濃度を持って指先から体内へと戻ってくる]
[そういや、アサシンの可能性ってのはあるのかね?
ふと、ケネスの心にそんな思いがよぎる。]
いやー取ってないんだよね。
ふむ……若いのに感心じゃないか、ウィークリーマンションなんて怖い人もたくさんいるぜー。
……で、取ると何か特典とかあるのかな。
ほらあるじゃん、洗剤とかチケットとかさ。
[そう言葉をかけてみる。]
あら、取っていないのですか。
[新聞は、読んでいるものである程度相手の思想と情報の傾向が掴める。しかし、このマスターはそのような情報収集の手段を取っていないようだった。
若干落胆するものの、表情は以前微笑のまま]
特典ですか。そうですわね……
もし、契約していただけるのならば、2つから選んで頂けますわ。
ひとつめ、私がフランス語を無料レッスン致します。
ふたつめ、駅前の劇場の公演チケットを差し上げますわ。
[ふたつめは、ケネスのチケットという言葉から適当に口からでまかせたが、ソフィーに言えば何とかなるだろうと考えた。]
[しばらくの後、立ち上がり指先を見た。閉じていく魔術回路が、目に見えて消えていく]
何度見ても、気持ちいいものでないな。魔術回路を水脈と繋げるなんて、誰が最初にやったのだか。
[書庫から出て、リビングへと行き、今日は素直にシャルロットの帰りを*待つことにした*]
― 西ブロック・樹那森林公園 ―
[ 公園内。もっとも茂みの多いあたりで久仁彦はなにやらごそごそとやっていた。]
まあこんなもんでいいだろう。
[ 茂みの中に隠されたのはビデオカメラ。公園内の幾つかのポイントを見られるように設置。そのポイントのひとつである、別の茂みの影にポケットウィスキーのボトルを置き、蓋を捻ると仄かな魔力が溢れ始めた。]
浅はかなヤツが隠れているようにでも思われたら幸いだね。うん。
[ 呟いて、それから小さく呪文を唱え始めた。]
[ 範囲設定:この街全体なるべく届くところまで。
効果対象:魔術に精通している奴なら判るんじゃない?]
――この声は、特殊な魔力によって放送されている。聞こえるとすれば、常人ではない者だけだ。
聖杯戦争参加者に告げる。鬼ごっこやかくれんぼ、化かし合いや騙し合いなんて至極面倒だ。真正面からやりあおうじゃないか。
こちらは樹那森林公園で待っている。暇と度胸があったらやってきてくれたまえ。
ああ、罠だと思うならこなくていいよ。そんな小者に用はないからね――
[ 全方位に向けて、そんなメッセージ性を持つ魔力を飛ばしてみる。
いつだったかに見た魔術を適当に応用してみたものだから、ちゃんと機能しているか、また本当に他のマスターやサーヴァントに聞こえるものなのかは知ったこっちゃない。
とりあえず、引っ掛かってのこのこやってきたのがいたら、設置したビデオカメラで撮影ができるだろう。モノは試しとやってみただけだ。]
仕上げはこれ、と。
[ 公園の広場―もちろん、ビデオカメラの観察ポイントとしてある場所―に、もうひとつ取り出したポケットウィスキーの中身をぶちまける。
そう長くはないが、しばらくそれなりの魔力がこの辺りに漂うことになるだろう。]
引っ掛かってくれる愚かなヤツがいてくれたら、ラッキーだね。
[ 投げやりに言い捨てると、久仁彦は公園駐車場に停めてある車へと*戻っていった*]
[また、えらく庶民とはかけ離れた特典だな、とケネスは思った。]
んー、そうだな。またの機会にするわ、ごめんなー。
でもきっと君なら、新しく取ってくれる人もいるよ。
[ケネスはそう言いながら、やや強引且つ、にこやかにドアを閉める。
閉めた後、ドアの脇に立ち、しばし外の様子に耳を傾けた。]
……。
[目の前で閉められた扉。
自分の魅了が及ばない髭もじゃマスターの様子に、きっと彼は同性愛者なのだと、シャルロットは確信した。]
判りました。……また来ますわ。
[そう小さく呟き、闘志にメラメラと燃える瞳を輝かせながら階段を下りた。その耳には如何なる物音も*聞こえなかった*]
一瞬、クラッと来ちまった。
いやー危ねー危ねー。年下好みなら参ってたかもな。
[扉の傍で耳を澄ましていると、彼女は階段を下りて去っていったようだ。
ケネスは、曲がった煙草を取り出すと火をつける。]
勧誘に熱心そうな割には、他の部屋へは回らないのね……。
さーて、どうすっかな。
[情報収集が苦手なケネスにとって、自分の身が危険ではあるが、向こうから行動を起こしてくれるのはありがたい事だ。]
あれがもし敵なら、かなり危険だがチャンスか……?
[ケネスは帽子とコートを掴むと、やや顔が隠れるように帽子をかぶり、宗冬をそのままにして、気づかれないよう、女の後を*追う事にした。*]
―昼・住宅街―
[ようやく動けるほどに魔力が回復したので、仕事場に顔を出すことにした。
住宅街を歩いていると、前方に見覚えのある女性の姿を見つける。]
……あーっ、マリアちゃ……ん……。
[普段の穏やかな表情からは想像もつかないような表情。
その双眸に宿る感情に気圧されて、声をかけるのが躊躇われた。]
こ、……これが、サーヴァントの迫力なのね……。
[そのまま静かにマリアを見送ったあと、今度は右手首にちくりと痛みが走る。]
また……腱鞘炎はやっかいだわ。
ついでだから外科の先生に診てもらおうかしら。
[右手首をさすりながら病院への道を急いだ*]
― 商店街・昼 ―
[後をつけていた時、令呪が反応するのに気づく、周りを見ると、つけている女に声をかけようとして、去って行った人物に気がついた。]
あいつ、もしかしてマスターか?……
[周りには人が多く、確定したわけでは無いが顔を覚えておく。]
彼女が仮にサーヴァントでも、マスターに会った時に人通りが多けりゃ大丈夫だよな……。
逆にいえば、人通りの無い所までつけるのは危険か。
令呪が反応して、その場に俺しかいないってのは避けたいぜ。
[もし人気のないところに入ったら撤退しよう。
ケネスは*そう思っていた。*]
‐自宅・昼‐
いるかぁぁぁぁ!ボケマスターぁぁぁ!
[帰るなり叫ぶキャスター。理由はもちろん、"自分の知らない間に敵の拠点へといった"事である。
当然、マスターの迂闊さ加減と共に怒り心頭だ。どうもマリアが傍にいたようだし、結果的には無事と言う話だが、それでももし一人なら結果が違った可能性は十分あるだろう。
そりゃもうお説教タイム確定である…が。]
あー!あのボケ一人で勝手に出かけやがったな!?
[家の中はもぬけの殻、寝ていたはずのマスターの気配は無かったのである。]
……OKクールだ、クールになれ俺。
俺はスペシャルなナイスガイだ、この程度で取り乱すんじゃない。
[とりあえずキレても解決しない為、落ち着きを取り戻そうとするキャスター。
…そのうち素数を数えだしそうだが。
とりあえずマスターを探しに行くにしても川原以外だとそれなりの準備がいると思い、部屋を荒らして自分が今必要としているものを探し始めた。]
[結果的に、見つけたのは雨合羽と大きいリュックサックだった。
その後、不燃物のゴミ袋から大きいペットボトルを何本も取り出し水を詰める。]
よし、とりあえずこれぐらいあれば何とかなるだろ…。
[キャスターはペットボトルを限界までリュックに詰めると、水道の水を出しっぱなしにする。
その流れる水はキャスターの手の動きに呼応し、ゆっくりと人型となった。
それに雨合羽を着せ、リュックを持たせる。]
準備万端、備えあれば憂いなし!
ついでに荒れた部屋の掃除はマスターにさせる!俺は知らん!
[キャスターは水の人形を連れて*外へと出て行った。*]
[後をつけていたケネスに、見知らぬ声が響いてくる。
「樹那森林公園で、真正面からやり合おう」そんな内容の声だった。
それが不特定多数に向けた、魔術によるものだと気づく。]
魔術か……いろいろあるもんだな。
罠じゃないにしても、魔術師1人で待ってるわけないし、今俺1人で足を運ぶわけにはいかないか。
[ケネスは、とりあえずその声を*覚えておく事にした。*]
―― 2day・昼・病院屋上 ――
[早朝、久子に気づかれぬように教会から戻ったランサーは、久子に「しばらく単独行動がしたい。」と書き置きを残し、樹那町に出ていた。
レイラインが繋がっている久子には、ランサーの魔力の量が、魔術師一人が供給するよりも充溢している事に気づいている事だろう。
いや、そもそも……久子の体質は、外部、周辺からの影響、「魔術の影響」を強く受けやすい。護符で霊にとり付かれないようにしているのがその証拠だ。
レイラインで繋がったサーヴァントの事など、「それが何なのか」分からなくても、手に取るように分かっているかもしれない。
今、ランサーは病院屋上に居る。下界に見える人々は、笑い怒り嘆き……何時の世でも変わらない。]
[ついと虚空に目を向ける。]
ライダーのマスターの声。
ヒサコが拠点としている場を選んだのはわざとか偶然か。……。真正面からというのは悪くない。
[ランサーは思案した。視線を再度下げる。]
……あれは。
キャスターのマスター?
[病院に近づいてくる女性の姿は見た事がある*姿だった。*]
[家の掃除をしながら、シャルロットを待つ。時々迎えに行きたくもなったが、思い直し、別のことに意識を集中しようと、掃除を始めたようだ]
さっきの声……どこかで聞いたことがあるけど、どこだったか。
[聞こえてきた声が魔術によるものだと言うことはわかったが、あからさまに罠すぎることもあり、シャルロットが帰ってきてから相談しようと決める]
[掃除を半分ほど済ませたところで、ソファに座る。電話機横のメモ帳を一枚破り、そこにサーヴァントを書き出していく]
『セイバー・沖田総司。マスター不明。
バーサーカー・柳生宗冬。マスター30代くらいの男
ランサー・シヴァの槍を使う英霊。マスター不明
ライダー・アーチャー不明
キャスター・英霊不明。マスター新条美貴
「魔女の舘」店主・マスター(サーヴァント名はリチャード』
魔女の舘は近所の人に聞けば名前くらいはわかるだろう。
……リチャード、か。シャルロットとキャスターはリチャード1世だと思ってるようだけど、それならばもっと力を感じてもいいはず。
他のリチャードを当たって見たいところだけど、範囲が広すぎるな……。
― 学校付近・テニスコート ―
[ 学校が何ブロックにあったか忘れた。ごめん。
ともかく、学校傍にあるテニススクールが久仁彦の職場である。
曜日・時間的にスクールが開催されているわけではないが、テニスコート自体は基本的に日中解放しているし、個人的に習いにくる者もいる。
まあ暇な時間ではあるが、コートを開けないわけにもいかんと思ってきてみたらなんとも奇妙な事態になってしまった。]
いやはや、まさか道場破りとはね。
[ 呆れながらも挑戦は受ける。ルールはシングル3セットマッチ。分身したり隕石降らせて恐竜絶滅させたりはなし。]
じゃ、はじめようか。
[ 面倒臭そうにいうと、久仁彦は*ラケットを回した*]
−住宅街・『魔女の館』・昼−
[昨夜無事に教会に行くことができた。
教会について少しだけ違和感を感じたが
初めて行った場所だしそんなものなのかもしれないと
気にすることはなく、
説明を右から左に聞き流してきた。
途中通ったところでなにやら戦闘の跡らしきものもあり、
リチャードが何か言いたげだったが
それも露葉は気に留めなかった。]
そういえば『彼』が聖杯に何を望むのか
昨日聞きそびれたわ……。
[ランチ用のハーブ入りミートローフと
ディルとフェンネルをまぜたマッシュポテトを作りながら考える。]
与えられるものになにかの期待ができるから
話が通じないのかも……。
聞いてみたら少しは話ができるようになるかな。
[焼きあがったデザート用のラベンダーのシフォンケーキに
オレンジはちみつを塗り味を染み込ませる。]
[ちらほらとはいってくる客の相手をしていると
どこからか声が響いてきた。]
……。
あ、いえ、なんでもないんです。
ぼーっとしちゃって。
[反応してしまいそうになり、
客にどうしたのかと尋ねられ、
あわてて平静を装う。
しっかりと休んだおかげで体調は戻っている。
だが、誘いをかけられても戦いに赴きたいとは思えなかった。]
[彼が……治療に魔力を奪われている感じがしないから
恐らく、今はガトリングのほうなのだろう。
もしも彼がこの声を聞いていたら。]
絶対戦いに行っちゃうわよね。
[声に出してしまったのに気づき、
客に聞こえていないのを確認し、息をつく。]
彼が気付いてないのなら、黙っておくことにしましょう。
[しばらくすると
客がいなくなったので
蔦で籠を編み始めた。]
[セイバー、ライダー、キャスター……ランサーが出会ったサーヴァントはそれだけだ。残る者達を早く探しておかねば、と思う。
ランサーは、病院から離れ、住宅街の方へ歩き始めた。]
[ややあって、僅かだが、魔力の反応を感じ始めた。歩き続けると、「魔女の館」という看板がかかった店が見えてくる。]
気づかなかったな。
こんな場所があるなんて。
[白壁に緑。主のセンスを反映しているのだろう、調和がとれた外観をしていた。]
[細身の白いセーターに黒いスラックス。ベージュ色のショートボアコートのランサーは、額の赤い粉こそ違和感があるものの、一応、この時代の人間に見えない事はない。
暫く外から見つめていたが、扉を開けて中に入った。]
[からんと木の鈴が鳴り、客が入ってきたことを知らせる。]
いらっしゃいませ。
[籠を編んでいた手を止め、入ってきた客を見つめる。
なんだか少し変った人のような気がしたが
あまりじろじろ見るのは失礼だと
視線をはずし微笑んだ。]
お食事になさいますか、それともお飲み物?
申し訳ないが食事をしに来た訳ではない。
道を歩いていたら、この店が目に止まったので入らせてもらっただけなんだ。面白そうな店のようだが、今はお邪魔だったかな?
[店内を見回し、カウンターに置かれた籠に目をとめた。]
いいえ、ちょうどお客さまのいない時間帯でしたの。
小物も売ってますから
よろしければご覧ください。
[カウンター横に棚があり、
ポプリやハーブティやジャムなどが
手製の籠に入れられ並べられている。]
これはまだ作りかけで……
すみません、お見苦しい物を。
[作っていた籠をみられてあわててカウンターの中に隠した。]
―西ブロック教会前―
[闘志に燃える瞳を輝かせながら、当初の目的であった西ブロックにやってきた。背後にケネスの追跡の手が及んで居る事も、美貴が声を掛けようとしていた事も承知していた。
もしもケネスが人気が無い場所まで着いてきたら、そのまま息の根を止める予定でいたが、思惑に反し彼は雑踏の中から出てこようとはしなかった。
そしてシャルロットは教会の前に到着した。]
……今度は変装して、教会の勧誘員になりすましてやるんだからっ!
― 住宅街・昼 ―
これで本当に新聞勧誘員だったら、俺ただのストーカーだよな……
[わずかに不安を感じるが、今の所、つけている女が他の家へ勧誘に入る気配は無い。
これは当たりかと思っていると、女の姿を見失う。]
しまった、用心して少し距離を置き過ぎたか。
[そう思いながら周りを見渡すと、「魔女の館」と言う店が見えてくる。
入り口の窓から、不意に窓をのぞくと見たことのある人物がいた。
令呪が反応し始め、慌ててその場を去る。]
ありゃあ、あの夜に会った女じゃねぇか。
こんな所にいたのか。
[あの恐ろしいサーヴァントも傍にいるとなると、迂闊には近寄れない。
その場を後にすると、遠めに見失った女性を見つける事が出来た。]
お、いたいた。俺のかわい子ちゃん。
[ケネスは手をすり合わせると、尾行を*続ける事にした。*]
否。丁寧に作られていた。
良い香りだ――。
[乾燥した花の芳香を胸に吸い込み、ランサーは述べた。小さな壷の表面を撫で、店の主に、]
どれも手をかけて作られているようだ。
摘み立ての花を使っているのですか?
[教会には、"サーヴァント"の気配は感じられなかった。
当然といえば当然の事だが、この中に居るのは聖杯戦争の管理者"沖田敬一郎"である。
中に入るか入るまいか、逡巡したが、今度は教会の勧誘員を装ってあのマスターの所に押しかけると決めたのだ。
意を決して、そのまま重たい教会の扉をゆっくりと開いた。]
新聞は、取っていらっしゃいますか?
裏庭の温室で育てている物を使ってるんです。
草花を育てるのは昔から得意で……。
[話をしながらポットにお湯を注ぐ。
と、令呪が一瞬反応し、
危うくポットを取り落としそうになった。
目の前の客ではない。外だろうか。
確認しに行きたかったが、
客の相手を放り出すわけに行かない。
窓の外に目を向け誰もいないことを確認する。]
よろしければこちらをお飲みになりませんか。
試作品のお茶なんですけど。
[気を取り直して、ポットからカップにお茶をそそぎ、
ハイビスカスメインの真っ赤なお茶を差し出した。]
‐西ブロック・昼‐
しっかし、心当たりすらねぇんだよなー…。
[飛び出しては見たものの、正直心当たりが無い。
ってわけで、何処に行けば良いのか分からず途方にくれてたりする。]
…バカな程行動って読みにくいよなー。
いや、バカじゃなかったら出かけたりしないな、うん。
[しかし、傍から見たらどう写るのだろう。
ブツブツ言っている老人と顔が見えないほど雨合羽のフードを深く被りリュックを背負った者とのツーショットは。
あ、もちろん天気は晴天である。]
[危うく唐突な動作。やや挙動不審だ。
ランサーは差し出された赤いお茶を受け取り、
店の主の好意に、心を込めて合掌をした。]
ありがとうございます。
では、これら全ては。
貴方一人で育てたのでしょうか。大変な労力だ。
貴方、いや、貴方の名前は?
[ランサーの目は、メニューにマンゴーが使われた料理が載っているのを見て、酷く動揺したが、精神力を振り絞って視線を逸らした。]
−教会・昼−
[客人のようだ。外を警戒しながら扉を開ける]
・・・・・・ 君は?
新聞の勧誘なら、悪いけど。
[言葉を続けようと思っていたが、彼女の美貌に魅入られていく]
もし良かったら、奥で紅茶でもいかがかな。君みたいな女性がこんな寒空、歩き回るのは大変だろう。
そんなたいしたことではないです。
[手を左右に振って否定する。
言うわけにいかないが
実際育てるときは魔術を使って育てているので
手間は余りかかっていない。]
……わたしの名前?
[唐突に名前を聞かれ、首をかしげる。]
香野ですけど。
それがなにか?
……お客様のお名前もお伺いしてよろしいでしょうか。
[なにやらメニューを見つめていたのに気付いて、
冷蔵庫からマンゴーチーズケーキを取り出し、
そっと客の目の前においてみた。]
[そんな事を思っていると、声が聞こえた。
内容は…まぁ真正面から戦うのが好きな奴なら行きそうだなーって所か。ほら、あのセイバーとか。
さて、肝心のキャスターはというと…。]
……男の誘いって行く気しねー。
もう声だけで可憐とわかる女の声だったら罠だろうと突き進むけど。
[とても素直な反応だった。]
有難うございます。
それでは、お言葉に甘えて。
[応対に出てきた敬一郎に、小さな唇の端をあげて嬉しげに微笑むと、誘われるままに教会の中へと*入って行った。*]
話している相手の名前を知らないままなのは。
[軽く肩を竦め]
ぼくはチャンドラと呼んで欲しい。
[インドでは普遍的な名前だ。この事実は、この樹那町の聖杯戦争がそっくりそのまま、場だけインドになれば、ランサーが勝利するであろう事にも繋がるのだが。]
いや………。
今、ぼくはお金を持っていないのでかまわない。
[ランサーは、ケーキからぐいっと目を逸らした。]
[後ろを気にしながら、ケネスは雑踏を選んで帰路に着く。
結局、怪しいとは思うが、あの娘がなんだったのか解らない。サーヴァントならアサシンかもと言うくらいだ。]
まあ、マスターでないのは確定。
宗冬の様子から、アサシンか勧誘員なんだろうが……アサシンに根城を気づかれるのはまずいかな。
[何せ、宗冬といても普通の人間と見分けがつかないのだ。]
まあ、いざとなりゃ引っ越せばいいが、当分は訪問者に注意しとくか。
[この勝負、基本的にマスターが単独行動するのは愚かである事は承知している。
町の徘徊は、サーヴァントに任せたほうが得策なのだ。
だが、今の状況ではこうして、ケネスが自分の身を危険に晒しつつ、状況を見ていくしかない。
なぜなら―]
なぜなら、俺のサーヴァントがとんだでくの坊だからだ。
[口に出してみると改めてがっくり来る。]
あいつは、漫画とかビデオとか、訳の解らない情報収集ばかりしてるからなあ……。
しかも俺のいないところで勝手に暴れられて、引かないのも困るしなあ……。
[ふと、今日つけた女の事を思い出す。
あれがサーヴァントなら、さぞ優秀な奴なのだろう。]
あいつがもしサーヴァントなら、マスターは相当楽をさせてもらっているに違いない。
[ケネスは、見た事も無いマスターを*羨ましく思った。*]
チャンドラさん、ね。
外国の方のようだけど
こちらへは留学?
[金を持っていないという言葉に
マリアも金を持っていないといっていたと思い出す。
無一文の人がそうそう店に入るだろうか。]
それは試作品なの。
マンゴーとリコリスとヒソップが合うかどうか試してるの。
よければ食べて感想を聞かせてもらえるかしら?
(……まさか……サーヴァントじゃないわよね……。)
[声に出しそうになって息を飲み込む。
金がないからサーヴァントだと
決め付けそうになったのを反省していた。]
―――喜んで戴こう。
[ランサーの変わり身の早さは流石敏捷度Aだった。シャキーン!とフォークを構え、ケーキをぐいぐいと押し切り分けると、パックリと食べた。表情に変化はない。だが、ランサーの後ろに尻尾の幻影が見える――。]
留学。そのようなものだね。
[その見方も強ち間違いではないだろう。座より呼び出される度に、経験は増えていくのだから。]
少しヒソップが効きすぎている。
マンゴーの甘みがやや打ち消されている……が、甘みが好みではない者にとっては、これぐらいスッキリした後味がいいだろう。
ところで。コウノ。
先程の話の続きなのだが、
2階に居るサーヴァントが
温室を手伝ったりはしないのかい?
[さらりと、香野が否定した考えを蒸し返した。]
[いまここに彼がいれば目の前の少年がサーヴァントか否か見極めてもらえるだろうに。
店に出てくるなといったのは自分だが肝心なところで役に立たない、と思う。
しかし考えてみればもしもサーヴァントだった場合
彼は戦いに突っ込んでいくだろう。
こちらの静止など聞かないのは目に見えている。]
おいしいみたいね。
そう、ヒソップがききすぎ……って。
[続いてさらりと言われた言葉に動きが止まる。]
……あなたサーヴァントなのね。
[想像を肯定されたような言葉にため息をついた。
今ここに彼がいなくて本当によかった、と思った。]
……手伝わない。
手伝わせないわ。
わたしの大事な場所だもの。
[どちらの『彼』も育てるより破壊しそうな気がする。]
……なにか目的があってここに来たのかしら?
[笑みは絶やさず少しだけ身構えた。]
その様子では気づいていなかったか。
ぼくがサーヴァントと気づかなかったぐらいだ。
では、あの声も聞こえていないのだろう。
[香野の指摘にランサーは微笑んだ]
聡い人だ。
ライダーのマスターが全チームに白兵戦を望んでいる。樹那森林公園でね。
ぼくはここで同盟を持ち掛けたい。
もし、コウノが他チームを打破するため、公園に来るつもりならの話だが。
感知するのは苦手なの。
あなたが有無を言わさず攻撃してくる人じゃなくてよかったわ。
[いまさら身構えても仕方がないと気付いて力を抜く。]
そう、あの声の主はライダーのマスターなのね。
[提案に少し考える。]
わたしは公園に行くつもりはないのだけど……。
パートナーがあの声のことを知ったら
行くことになるのは目に見えてるの。
あの人罠でも気にしなさそうなんだもの。
どうなるかはパートナーしだいだけど、
どういう条件で同盟を組むのか、
お聞かせいただける?
……。
[力を抜いた事に暫し沈黙した後、]
ライダーのマスターの声が聞こえていたなら、
今の言葉は失礼にあたった――すまない。
同盟と言っても、今回だけの話。
[ランサーは口調を正した]
1つ、互いに危害をくわえないこと
コウノのサーヴァントが私達に攻撃を仕掛けた場合には、同盟は破棄される。これは同様に私達からもだ。
…私のマスターが、ライダーのマスターと互いのチームで同盟を組んではいるが。
[思案]
ライダーは殺してかまわない。
[半眼に伏せた眸はぞっとする程冷酷だった。]
とは言っても、出来れば私が出会ったサーヴァントの中で一番厄介に思えるのはキャスターなので、サーヴァントの能力如何ではそちらを狙って欲しい。
同盟を組む事を承諾してくれるなら、推定ではあるがキャスターの正体と今までに出会ったサーヴァントについて話す事にするが…それと私のクラスも。
私のクラスを話す場合は、コウノのサーヴァントの名前を教えてもらいたい。能力を合わせ、彼らの戦力を殺ぎ、聖杯戦争から脱落させたいと思っている。
[相手の言葉を聞いて考え込む。]
危害を加えない……。
[それはリチャードのほうならば聞いてくれることだろう。
だが『彼』はどうだろうか。
目の前にいるのが敵であるなら同盟など無視して撃ってしまいそうな気がする。
それを抑えることは自分にはできない。
……いや、しないだろう。
そしてそのときこの少年がこちらに対してどうするか。
それはライダーを殺してかまわないといったときの様子で
簡単に想像ができた。]
……わたしとしては乗りたい条件だけど。
今すぐお返事はできないわ。
あの人の意見も聞かないと。
今応えなければならないというのなら
残念だけど申し出は受けられない。
相談する時間を下さらない?
もしも公園に行くことになって条件をのむことになった場合
どこかで待ち合わせをしましょう。
わたしたちは公園に行かないかもしれないし、
同盟を結ばずに戦うかもしれない。
時間までにその場に行かなければ
この話はなかったことにするということで。
……何か問題があるのだろうか。
場合によっては、条件の変更を考える。
[と言ったが。再度、香野が話し始め…思案。]
……。
分かった。
一度、サーヴァントとじっくり話し合い、決めて欲しい。
では、待ち合わせ場所はどこにしようか。
そうね……中央の噴水でどうかしら。
行く場合はここを閉めてすぐになると思うわ。
それまでにそちらの方でなにか問題がおこれば
店に電話をちょうだい。
[メモ用紙に店の電話番号を書いてわたした。]
―― Date:2 昼/噴水 ――
[久仁彦が出かけていった後、騎兵は服や荷物の置いてある部屋を文字どおり引っ掻き回してTシャツに青紺のパーカーとジーンズ(やっぱり今日も袖や裾は折り返して)を探し出して着替えると、黄色いニコちゃんマークに似た顔の形をした子供っぽいリュックを引っ張り出してきた。
そこに、町の地図と赤ペンとハンカチ、幾許かのお札や硬貨が入ったふわふわウサギちゃんのがま口を入れると首から革紐に通した典雅な装飾の鍵(おそらく主の趣味だろう)をかけて、デッキシューズを履いて部屋を出て、町の中を幾度も、幾方向にもうろうろとして。
──そして現在に至る。
昨日も見かけたクレープワゴン、リュックからウサギちゃんがま口を取り出して、イチゴティラミスクレープを手に入れ、噴水に腰掛けてぱくりと食べるその様子の、なんと平和で風景に溶け込んだ姿なのか]
…平和だな。この街は。
[ポツリとつぶやいて、鼻の頭についてしまったクリームに気づかないまま子供たちが遊び、主婦がおしゃべりに興じるのを眺め]
[水の音、穏やかな喧騒。
それは自分の記憶の中を辿っても本当に掠れたような音でしか出てこないもの。
はくり、とクレープのイチゴをかじる。
とてもとても、甘い]
……俺の知ってるイチゴとは、違うんだな。
[自分が食べていたイチゴは、春にだけ実り、野生に育つそれは甘くもあるけれど酸っぱくもあり、こんなに丸々と太ってはいなかった。
それだけ、自分がいたところとここは違うところなのだと思い知る。
はくり。
イチゴは、やっぱり甘い。
エスプレッソのパウダーのせいで、時々、甘くて、苦い]
私はマスターの方で問題が起こらない限り、噴水に居る。
[右手で紙を受け取りポケットに収め、合掌をした。そのまま出て行こうとしたが、]
ご馳走さま、コウノ。
とても美味しい料理でした。
[ランサーは感謝を述べ、
「魔女の館」から*出ていった。*]
[記憶を辿れば、ノイズを伴って思い出されるのは剣戟と、悲鳴と、炎の燃え盛り爆ぜる音と───]
[──ザ───ザ、ザ─────]
………っ…!
[体が僅かに、びくりと揺れた。
鳩が子供に追いかけられて勢いよく羽ばたく]
どういたしまして。
[きちんと礼をいって出て行く後ろ姿を見つめる。]
いいところの王子様のような人ね。
名前と見た目からしてインド系のサーヴァントかな。
ライダー、キャスター、アーチャー以外で
当てはまりそうなのは……
バーサーカーにしては話がまともだったし
セイバーかランサーかアサシン……
……同盟を組めば教えてもらえるらしいし
考えてもしょうがないわね。
お客のいない今のうちに
彼に話しておかないと……。
[はたと気づき考える。
この同盟のことを伝えると公園に敵がいると
教えてしまうようなもの。
話を聞く前に飛び出していかれかねない。
うまく言うことを聞かせられるだろうか。]
気が重いわね……。
[ため息をつき、重い足取りで2階の彼の部屋に*向かった。*]
ー 樹那森林公園 発掘調査現場 ー
[迷惑な「放送」による来客に備え年のため周りの気配に気を配りながらトラップの点検、増設を行っている。
声の主に文句を言おうとする。]
めんどくさいことしないでほしいよ…あの…
[そういえば名前を知らない。連絡先も。]
…まあいいや。
ふぅ、そんなに急におもてなしの準備なんかできないよ。
[いくつかの魔力を消費させる魔方陣と死なない程度には炸薬を減らした防御手榴弾を本命に、わざと目立つように仕掛けたトラップを避けた者をそれに追い込むように配置してある。
起動は踏んだ重量、枝などの振動、ロープによる足掛け。
落とし穴、とらばさみ、重量物(石や岩、丸太状の朽ち木)の落下や振り子、鉄の矢。材料がなくなり近くに不法投棄されたゴミや日用品まで使い始める。
金だらい、テレビ、舌を出した顔でおなじみのペロヨン人形は首のくびれがロープに巻きやすく扱いやすかった。
やかん、ナベ、コンニャク、牛乳。牛乳は昨日買ってきた新鮮なものを使用している。
ランサーはいないがサーヴァントに見つかっても、ここにいればトラップを時間稼ぎに脱出くらいできるだろうと考えていた。
*額の汗を拭う*]
[無言のままクレープを食べ終える。
その表情には、僅かな憂い]
…考えすぎだ。
[ばかばかしい、と小さく呟いてクレープを食べ終える。
胃の中に落ちてゆくクリームが酷く甘ったるくて重かった]
−教会−
[魅力的な女性を招きいれ、紅茶を入れる]
仕事、大変だねえ。
本当は取ってあげたい所なんだけど、生憎僕は日本語の新聞はあまり好きじゃないんだ。
また気が変わったら頼むよ。
[カップを彼女の目の前に置く。
その瞳の力はまるで魔術のようだった]
[噴水に腰掛けた少年…。否、ライダーの姿がある。ランサーは何も言わずに噴水に近づき、ライダーの反対側に立ち、香野達を待つ。]
− テレビの前 −
[沖田総司との死闘の後、宗冬は手押し車作りに興じていた。映画を観ながらのながら作業である。]
これが完成すれば、私は歩く攻城兵器となろう。ふふふ。
[宗冬は思わずほくそえむ。
そう言えば娘が訪ねてきてしばらくして滝田真は家を出ていったが、これはもしや…]
妖術師殿も隅に置けぬということか。ふふふ。
イテッ!?
[金槌で思わず指を打ってしまった。ながら作業は良くないということが歴史的に証明された一瞬で*あった。*]
[手の中にあるクレープの包装紙をくしゃりと丸める。
食べ終わったならゴミ箱へ捨てて、どこかへ行こうと思い立ったがゆえに。
鼻の上、クリームをまだつけたまま。
もう一度くしゃりと手の中で丸め立ち上がったところで背中に気配を感じる。
それは天の報せ。
ゆるゆると、振り返る]
…。
[水の向こう側、見えた人影に僅かに瞬き]
― 東ブロック・テニススクール ―
[ 激しい戦いだった。サーブ→リターンエースだけで一話分が終わってしまうほどに激しいその試合はきっと3セット終了時でコミックス一冊分に達したであろう。週刊連載で概ね三ヶ月に匹敵する。なんということだ。]
まだまだだね。
[ 勝ててよかった。本音はこれだったが、余裕のフリをしてそんなものを表に出したりはしない。
握手を求める道場破りに内心やだなぁと思いつつも爽やかな笑みで応え、がっしりと握り交わしてから帰る姿を見送ったちょうどそのとき。ひとりの青年がコートに姿を現した。]
ああ、手塚くん。今日は早いね。言い難いんだが実は暫くの間、私事ながら忙しくてさ。今週の指導はひとおり君に任せてもいいかな。
大丈夫大丈夫。僕が見込んだ手塚くんだ。君なら絶対できるって。信用しているから。今度焼肉おごるから許して。
[ とかなんとか、サブコーチとして雇っている青年に有無を言わせず用件を言い渡し、久仁彦は素早く着替えてテニスコートを後にした。]
・・・・・・
君は、自分が売り歩く新聞についてどう思うのかな?
全てを知る権利と、知らずに生きると言う幸福。
誰かの不幸を知るが蜃気楼のように実感も無いのに、まるで体験したかのように涙する博識者と、身近な知人の不幸にしか涙を流せない傍観者。
この新聞は、果たして真実を伝えているのかね。
真実とは何なのか。
・・・・・・ いや、幸せそうな笑顔を浮かべて悲劇の知らせを売り歩く君を見つめていて、聞いてみたくなっただけだ。気にしないでくれ。
[暫くそうやって静かに紅茶を口にし、彼女は去っていった]
―昼・樹那病院前―
[マリアとすれ違って病院に向かうと、頭の中に耳慣れない男の声が響いた。]
……?
[周囲をきょろきょろと探したが、当然何もわからない。
それぞれに自分とは関わりのない意思を持って歩く人ばかり。]
んー、……ま、いっか。
お爺ちゃんが男の人の呼び掛けに応えるわけないし。
[本来の用件を済ませるべく、病院内に入っていく。]
…槍兵。
[水の音にまぎれて聞こえる声]
…よく、わからない。
俺にとってクレープといえば、蕎麦粉を使ったものが普通だ。
甘いものもあるが、基本的には食事だ。
[ゴミ箱へ紙くずを投げ捨てればそれはきれいに弧を描いて収まる]
…ああ、そうだ。
……昨日のあれ。美味かった。
初めて食べる味だった。…貴公は、あれがすきなのか?
[窓から彼女が歩いて去っていくのを見つめ、一人呟く]
悩む必要など無かったな。
全ては終わる。まもなく。
不幸も幸福も、この世界には残らない。
[セイバーからの魔力の引き上げが急激に上がっていく。間違いなくあの放送が原因だろう。その魔力の流出がむしろ*心地よく感じていた*]
−商店街・喫茶店−
[パリーン]
・・・・・・
[セイバーは激怒していた。何とこのアンリ・マユをも恐れぬ愚考。先ほどの侍のような清清しい戦いを想像させることの無い果たし状。
むしろ、ここ数日下界の娯楽にうつつを抜かし過ぎていた事に気がついたが即座に心の棚に上げ、全ては雑魚への激怒へ注がれた。
そしてティーカップを破損した。
店員から何かを心配する声が聞こえたが、そこは下界のしきたりに従い懐から千円札を一枚テーブルに叩きつけ店を出る]
ふふふふふふ・・・・・・ ふははははは!
よいではないか。それ程の命知らずとは知らなかったぞサーヴァント共!
さて、どこ行こうかな。商店街でもうろつくか、それとも川原あたりにサーヴァントやマスターっぽいのがいないか捜しにいくか。
ああ、まずは一度帰ってお嬢さんがどうするかを聞いておくべきかも知れないな。
[ 思ったことを片っ端から口に出しながら、駅前へと向けて車を走らせた。]
私自身も初めて食すものだったが、
使っている果実が好物なものでね。
もっと酸っぱい味が好みだが……
……
ライダー。こんな所で貴方は何をしている。
貴方のマスターは、公園で皆を集めていたようだが、こんな所で油を売っていていいのか。
[振り返らない。紙くずがゴミ箱に入った小さな音が聞こえた。]
‐西ブロック・昼‐
うーん、やっぱブラブラしてもみつからねーよなー。
[自分のマスターを探して歩いているが、一向に気配がない。
こうなったら危険を承知で別のブロックに行かなきゃいけないか?と思い始めてきた。]
どうすっかねー…。
…ふぅん。
[小さな相槌]
…別に。街を見て回っているだけだ。
街のいずれかで戦闘が始まるのなら、地の利を知り、自分にとって動きやすい陣地を得る必要がある。
あれはあれで好きにすればいい。
必要なら令呪で招聘もされよう。
[振り返らない姿、首をかしげ、それから自分も背を向ける。
それが何を意味しているのかは解らなかったけれど]
―教会から住宅街へ・昼―
[教会を後にしながら、シャルロットは考えていた。
沖田は私には気付かなかったのだろうか、と。
彼は紅茶を…非常に口当たりが良く渋みの無い、飲みやすい紅茶を勧めてくれた。会話は他愛の無い新聞に関する意見交換であった。]
彼が、聖杯戦争の管理者。
――彼が……。
[ぶつぶつと呟きながら、ふと、そう言えば自分を尾行していた男の姿が消えて居る事を、再確認する。]
……シャイでツンデレだから私の事を直視出来なくてついてきたのかと思っておりましたのに。
[やはり、一つ屋根の下サーヴァントの男と睦まじく暮らしているのか、と推測しあらぬ想像を抱いて溜息をついた。]
ふう…
[納得がいったのか汚れを払い腰を下ろす。
しばらくしてぽつりと呟く。]
ランサーはどこ行ったんだろ?
今までは自分から単独行動することなんてなかったのに。
[軽い違和感と寂しい気もするが、自分の力を認めて一人でも大丈夫と判断したのかもしれないと思い直す。]
…ああ。あれは奇跡を起こすものなのだろう?
子供じゃあるまいし、あれも仮に魔術師の端くれなら少しは自分でどうにかしてもらわねば困る。
[反対側の縁に腰掛けて、天を見上げる。
少し寒くはあったけれど、よく晴れた空だ]
−商店街・アーケード−
[先ほどの決闘の地は既に綺麗に片付いていた。その戦場跡を心なしか満足げに見下ろしながらも通過しようとする、その時だった]
・・・・・ 貴様。こんなところで出会うとはな。水の賢者。
[怒りは返答を待つという冷静さを既に欠いている]
答えろ!先ほどの挑発は貴様のものか!
そうだというのであれば、創世の逸話すら残る水の賢者も地に落ちたと判断せざるを得まい!この私との戦いに雑兵をもって水を指すとは!!
返答次第ではこの場で燃やし尽くしてくれる!
― 西ブロック・マンション前 ―
へーっくし!
[ウィークリーマンションまで戻り、自分の部屋に向かう途中、くしゃみがひとつ出る。]
どっかのかわい子ちゃんが、俺の噂でもしてるのかね……。
さーて、随分と歩いちまったが宗冬はどうしてるかな。
[また「子連れ狼」とやらでも見ているのだろうか、とケネスは思う。
ちなみにケネスはその作品の事は全く知らない。知りたくも無かった。]
(マスターなら、あの髭の男のサーヴァントのクラスが判るだろうか……?)
[自分のマスターは、セイバーとバーサーカーを"視て"いる。バーサーカーというクラスは傍にマスターが居なければ、そうそう戦闘が続けられる筈も無い。
一旦ソフィーの元へ戻り、地図にも新たな拠点を書き足そうと思い、屋敷への道のりを進みだす。]
……。
己の身に成し得ない事を己ではない誰かが成したら、それは成し得ない人物から見れば奇跡ではないのか?
魔術の力もたぬ人々から見れば、魔術師とて奇跡成し得る存在だろう。
…何故、そのようなことをたずねる。
[まだ鼻の上にクリームをのせたまま、天を仰いで槍兵に尋ねる。
空の色だけは自分の記憶にある青い空とそれほど変わらないことは少しだけ不思議で、まぶしいのか僅か目を細めた]
―昼、自室―
…。
[目を覚ます。
…あぁ、最低の気分だ。
「彼」は、俺がいない間に随分この場所を満喫したようだった。]
っち。
俺がいなけりゃ、何もできねぇくせに。
[纏う、剣呑な空気。
両肩、脚。
順に、痛みを確かめる。
一太刀一太刀に必殺の意思を込めて振るわれた刀による傷の治癒には、「彼」もなかなか手を焼いたようだった。
だが、既に痛みは感じない。]
[用事を済ませて病院を出る。
外科に立ち寄るのはすっかり忘れていた。
代わりに別のことを思い出す。]
……あっ、そう言えば昨日のお店はお茶を注文したまま出て行っちゃったんだっけ。
悪いことしちゃったなぁ。
後でお詫びに行こうっと。
[ひとまず自宅を目指して歩く。]
[書庫で「リチャード」に関する書物を積み上げ、その中から英霊として呼ばれそうな人物を書き出している]
イングランド王のうち、英霊として呼ばれそうなのは1世と3世くらいか。
後は……Richard Trevithick、蒸気機関の発明者。ライダーならば有りだけど、違うだろうな。
Richard Neville……それなりに名は馳せたようだけど。
[答えにたどり着くことが出来ず、広げた書物を眺め、ため息をついた]
‐西→商店街‐
…なんでこんな所で出会うかなー。
[なんか突然怒鳴られた、ていうかテンション下がりまくりである。
しかも出会った理由は確実に自分が移動したからなのが余計テンションを下げる。]
なんでそんなに怒ってるんだ…?ってさっきの放送か。
[相手の怒り様を不思議に思うが、すぐに原因を思い当たる。]
まぁまてセイバー、よく考えろ。
まず俺が呼び出すとしたら公園ではなく"川原"だ、俺の真名をもうわかってるお前ならソレぐらい理解できるだろ。
更に言うとだな、あんな放送をすりゃお前が一番に飛び込んでくるぐらい予想がつく。
正直、お前とはタイマン以外やり合いたくない。
そんな中、賢者たる俺があんなバカみたいな放送すると思うか?
[面倒臭さを前面に押し出しながら説明をするキャスター。
現在セイバーの怒りは放送の主に向いているし、今の発言からすると自分との戦いにそれなりの楽しみを見出しているようだ。
なら説明をして矛先を修正してやればそれが今自分に向くことはないだろう。]
[書物は積み上げたままに、上へと戻る]
まだ、戻らないな。
様子でも見てこようか。
[玄関までいき、どうしようか迷う。本来ならば、マスター一人で出歩くべきではないのはわかっていた。けれど、「待つ」事は苦手なようで]
…ふん。
奴も、ご苦労なことだ。
俺が、楽しむために…。
クハッ。
[嘲笑う。
…文句は言わせんさ。
俺を作ったのは、他の誰でもない、「彼」なのだから。]
さて。
[昨日、「彼」が縫い合わせ、血を洗い流した自前の服に袖を通す。
少し湿気っていたが、問題はない程度。
再びの、黒ずくめ。]
あァ、ようやく落ち着けるな…。
[左手の中指で、眼鏡をつり上げた。]
そう、だから、ぼく達英霊が居る。
人の身で出来ぬ事を為すために。
そして、その更に上の奇跡を行い得るのが呪令。
自ら求めない事すら、行う事が出来る。
…なに、令呪による奇跡をどう考えているか問うてみたまで。
[白く雲が流れる。そうだ。過去、ランサーが生きていた時代の青空と、殆ど様子は変わらない。変わったのは、何なのだろう。]
―ソフィー屋敷―
[屋敷に戻ると玄関にマスターが居た。
手短に、髭面同性愛者の男性マスターの拠点を見つけたという話をした。
……教会にいた、この戦争の管理者敬一郎の事については、黙っていた。]
そんなマスターに心当たりありますか?
[今日は昨日より体が軽い。昨晩は翌日宝具を使うような戦闘は無理だと感じていたのだが今はそのような心配は感じられない。]
マンゴー効果かな。
[計算は合わないが、減っているならともかく増えているなら彼女の警戒心は鈍くなる。
無意識にわずかに逆流するランサーからの嫌な感じのする魔力を押し返しながらそれに気付かない。]
・・・・・・ 成る程、今回だけは納得してやろう。
[既に膨大な量の魔力を背負い始めている。単純にマスターからの魔力供給量が増えているだけではあったが、既に全力で戦闘を行える程度の状況にあった]
ならば誰だ、このような侮辱をこの私に叩き付けた奴は。
どうやら、余程滅亡に興味があるようだな。
いくら雑魚を相手にするとはいえ多少なりとも疲弊はするであろう。貴様は私が全力で叩き潰すと宣言した相手である以上、今だけは見逃してやる。もっとも水辺に陣どらぬ貴様になど興味は無い。
その代わり、案内して貰おうか。
― 自室 ―
な、なんだこりゃ?
[ケネスは絶句する。
室内にあったのは大きな手押し車。ベビーカーなど問題にならぬ大きさで、ただでさえ狭い部屋のスペースを無駄に取っている。]
何の理由もなしに、こんな無駄な物を作るとも思えないが……まさか、宝具の一種……とか?
……。
[言葉を聴きながら、身じろげばかすかに腰の辺りで金属の触れ合う音がする。
その重み、ひしとかんじながら]
なるほど。
だが、…令呪でも叶えられない奇跡を叶える為に聖杯があるのだろう?
あれこそが、至上の奇跡だと。
OK、納得してくれた様で何よりだ。
それにほれ、お前と殺り合うならお互い万全で納得行くまでサシってのが理想だろ…?
[ここでさらに駄目押し。
このセイバーの性格的に、恐らくこう言って置けば現在では手出しをしてこないだろう。]
ああ、それじゃ頑張ってなー。
俺はこれで帰ら…って、え!?
[手をヒラヒラとさせ踵を返し帰ろうとした瞬間、襟首を掴まれる。]
【うわー…なんだこの状況。】
[全くの予想外の発言…というか命令に"だるい"の3文字しか浮かばないキャスタ−。
しかし、ココで変に逆らうと戦闘になるかもしれないし、それは避けたい。]
…わかったよ。
[結果、セイバ−を案内しながら公園に行くという奇妙な絵がそこに完成したのだった。]
−『魔女の館』2階−
ちょっと、起きてる?
[ノックすると返事を待たずにドアを開ける。]
ええと、リ……。
[リチャードのほうではないようだ。]
ガ……。
[真名を呼ぶのはどうだろうとおもってやめる。]
ア……。
[かといってクラスで呼ぶのもどうだろう。]
……名無しって呼んだら起こるわよね……。
[戻ってきたシャルロットを迎え、リビングまで戻り、マスターの話を聞く]
髭面の、マスターですか。
確か……。
昨日、柳生と沖田の戦いの後、柳生に付き添っていた男が髭面だったように思います。やはり、彼がマスターなのでしょうね。
住処がウィークリーマンションということは、相手がシャルロットに気づいたなら場所を移る可能性も高い。
もう一度行ってみますか?
もっとも、何か感づかれている場合、二人とも顔がばれてしまいますが、それくらいならどうもないでしょう。
― 駅前・自宅 ―
あー、いないよ。まあそんな気がしたけどさ。
[ 部屋は鍵さえかけられていなかった。
実のところ簡単ながら結界を張ってはいるのでこのマンションの6階に無関係な人間がやってくることはない。が、だからといっておざなりにされるのもなんだか寂しいものがある。]
まあいいさ。
夕べは多少話し合うこともできたし、ライダーの気配を察知する術も覚えた。よっぽど遠くにいかれない限り大丈夫だろう。
あー… でも。
[ 腕を組み、軽く天井を眺めながら考える。]
― 中央ブロック・噴水 ―
[実際、サーヴァントは食事をとる事によって魔力の含蓄量は増えるらしいが、それとこれとは別だろう。今、久子が感じている「嫌な感じ」は、――アンリ・マユの気配ではない。人類に滅びを齎す力を直感的に「人」である久子は「嫌な感じ」と感じ取っているのだろう。]
そのような話、ではなかったのだが。
聖杯か……。
ライダー。きみは何のために戦う?
聖杯戦争で叶えたい願いとは何だ。
それほどの奇跡を求めるものなのか。
[ランサーは振り向かない。戦闘態勢になる様子もない。]
−商店街→公園へ移動中−
[なにやらぶつぶつと文句を言っているようだが、キャスターの道案内に対しては素直についていく]
全く、何と命知らずな雑魚ばかりだ。
全く持って不愉快この上無い。
[横の水人形を観て]
貴様も中々の重装備ではないか。私が許可しよう、大いに暴れたまえ。
[そう思っていると宗冬が、ちょいちょいと手押し車の中を指差す。どうも乗れと言う事らしい。
ケネスは試しに乗ってみる事にした。]
「しとしとぴっちゃん〜♪しとぴっちゃん♪」
[ケネスが乗ると宗冬は無駄に良い声で歌いながら、車を押し始める。]
ああ、そうだった、こいつには期待しちゃいけないんだった……。
[ケネスはそう再確認すると、手押し車から出て、無言のまま宗冬を頭をはたいた。]
ああ、いや。いくらなんでもあの放送に乗って公園いったとか愚かなことはしていないだろう。
僕の性格考えれば絶対真っ向勝負なんてしないの判るだろうし。
それに、僕が本気だと考えたとしても、なんか助けどころか様子を見にさえ来てくれないような気がする。
[ 情けない分析をかましてから。でも放置しておくのも微妙かなととりあえず街へ繰り出すことにした。]
それから、魔女の館のサーヴァントについてですが、せめてクラスの情報がほしいところです。
「リチャード」だけではどうにもならない。
リチャード1世、つまり獅子心王では、という話ですが、どうも違うような気がいたします。
それにしてはあまりにサーヴァントとしての力が少ないように思いました。
…。
あァ?
[ドアを開いたところで固まる露葉を睨み付ける。]
何か用か。
…お前、ノックをしたら返事を待てと親に教わらなかったのか?
くっくっ。
[抑えた笑い。
確か彼女の父はもういないと言っていたはずだ。
ささやかな嫌がらせ、のようなものだ。]
では、バーサーカーのマスターの可能性は高いですね。
[行ってみるかという問いに小さく頷く。]
ええ、奇襲をしかけてみますか。私の見立てでは、あの2人は出来ています。
……昨日、沖田と殴り合っていたといいましたよね?
もしかしたらそれは戦闘ではなく、痴情の縺れだったのかもしれません。柳生という男は生前、そっちの気があったという逸話はありませんでしたでしょうか。
[真剣な表情でそうソフィーに尋ねながら、緩やかに屋敷を出てウィークリーマンションへと先導する。]
……すまない。
[話の論点がずれていることには、うすうす自覚があったものの小さく謝り]
…願い。
…復讐する事。それだけ。
[少しだけ闇をうちにはらんだような声音は、水音に掻き消えることはない]
至上の奇跡を持ってするほどのものではないかもしれない。
でも、聖杯にそれを願い、俺は世界と契約して英霊になった。
…それだけだ。
[それが引き金になったのか、続けて溜まりに溜まっていた不満を吐き出す。]
おーまーえーなー!!
何だよ、これは?!何か意味あんの?これ?!
無駄に金ばかり使いやがって、こんな…こんなな……
[若干興奮しながら、そうどもった時、がつんとケネスの肘に手押し車が当たる。]
…邪魔なんだよ!!
ただでさえ狭苦しい部屋で、男同士顔をつき合わせてるってのに!!
こんなごつい物……暑苦しんだよ!!
[思わず、ケネスは手押し車を蹴り倒す。車はすごい音を立てて転がった。]
―住宅街・自宅―
[自宅に戻ると、部屋が荒らされていた。]
――っ!
まさかサーヴァントが襲って……お爺ちゃん!?お爺ちゃん大丈夫っ!?
[家中を探すがキャスターの姿は見当たらない。
しかし、魔力の残滓も感じない。
戦闘があったわけではない、と思いホッとする。
と同時にある結論に辿り着いた。]
……お爺ちゃんの仕業ね。
……アーチャー。
[一番無難そうなクラスを呼ぶことに決めた。]
用があるから開けたの。
あなたの返事を待っていたら客がきちゃうかもしれないでしょう。
[親のことをいわれ、頬がかすかに引きつったが
それ以外の反応は見せない。]
さっきの気づい……てたら
ここにのんびりしてなさそうだけど。
あの声に気付いた?
それと、さっきサーヴァントが一人
話をしにきてたんだけど。
[階下で客を知らせる鈴の音がしないか気にしながら
かいつまんで状況を説明した。]
……シャルロット、痴情のもつれではないと思いますが、確かに武士の中には「衆道」に走ったというような文献もありますが、あの沖田という人はそれほど男性に対して情を持っていたようには見えませんでした。
柳生という人は一応は藩主でしたから妻も娶ったでしょうし、表向きにはそのような趣味があるか出ていなかったと思いますけど。
ですが、マスターとサーヴァントの二人でしたら、わからないですね。そのような関係になるかもしれませんし、違うかもしれない。
一度、見てみましょうか。
[シャルロットに先導されて、ウィークリーマンションへと向かう]
‐商店街→公園に移動中‐
あー、そうですねー。
[セイバーの文句に相槌を打つ、っていうか受け流す。
テンション下がっている中に延々と俺様的文句を聞かされているのだ、たまったもんじゃない。
"この身は水の王、ならば受け流す事など造作もないわ!"
と自己暗示…むしろ自己応援をしながら必死である。]
いやいや、プライドを傷つけられて怒り心頭なお前に譲るよ、まぁ必要があるなら覚悟は出来てるけどなー…。
[ここらでちょっと、相手の情報を得るべきかなーとか思い、此方から話題を振ってみる。]
そういやさー、お前の真名…沖田っていうんだって?
お前は俺の真名もうわかってんだろ、対等に行こうじゃないか。
対等・・・・・・
否、貴様にだけ教えてやろう。
[それは愚直な行為でしか無かったが、それも彼の絶対なる自信から来るものなのであろう。そして彼の口元もにやけていた]
私の真名は。
ふん。
俺のことは、好きに呼べばいいさ…。
「彼」が、言っていただろう。
俺に名前はない。
強いて言えば、「ガトリング」…ということになるがな。
[それはもちろん、「彼」の名前でもあるが。
今は俺の方が、より「ガトリング」だ。]
アーチャーと呼びたいなら、勝手にするがいい。
俺はアーチャーではなく、ガンナーだがな。
クハ、ハッ。
[引き攣るように笑う。]
[愛犬にハーネスを繋ぎ、再び外出する。]
お爺ちゃんは帰ったらおしおきね。
どうしてやろうかしら……。
[老人への仕打ちを考えながら、魔女の館に向けて愛犬と歩く。]
―魔女の館前―
さ、ついたよ、タロ。
「バフ!」
こんにちはー、昨日はごめ……あれ?
[魔女の館の扉を開けて、店内に入った。]
[トラップを作りにも満足しすることもなくなる。]
…
流石にあんな安い挑発にのってくるような参加者はいないか。
[迎え撃つ準備を始めた自分も同じだという考えが心に浮かび掛けるが押さえ込む。]
ここで待っててもしょうがない出かけようかな。
[昨日ライダーのマスターにもらった受け取った街の紹介冊子を広げ考え始める。]
…すまん。
[もうひとつ呟いて]
…わかっている。
ただ、俺は一言聞ければいい。謝罪の言葉を、ただひとこと。
[受け止める小さな背中、僅かに震えて]
あのサーヴァントは、獅子心王ではない、と?
[辿り付き確信さえ持っていた推測を、己のマスターにあっさりと覆されて、吃驚したように一瞬立ち止まった。]
……あの優しく気品すらある物腰、王族としての嗜みを備えた風貌、あれはまさしくリチャード一世だと思ったのですけれど。
[目を伏せ、先日露葉の店で出会った男の顔を思い出して唸った。公園の放送は頭に血が上っていて聞き逃していたシャルロットは、今公園にサーヴァントが集まっている事には露程も気付いていなかった。数時間前に訪れて居たマンションの前に、再びやってきた。]
……ここです、マスター。
…さっき?
声?
何を言ってる?
とうとう脳髄がイカれちまったか?
ジャパニーズ・プリーズ。OK?
[わざとらしい英語を使い、肩をすくめる。
ここが日本であることは、既に知っていた。]
そして、サーヴァントが話しに、ねぇ…。
雑談にサーヴァントがやってくるわけねぇだろう。
戦闘の空気は感じなかった。
お前を篭絡しようってんじゃないのか、あぁ?
何を言われたか言ってみろ。
……。
[ランサーは振り返った。
水の向こうに見えるのは、気高く儚い少女の影だった。ランサーは、ライダーがジャンヌ・ダルクである事を知らない。裏切られ、殺された少女である事を知らない。]
魔術で飛んできた声が聞こえない方がどうかしてるわ。
[そのまま続きを言おうとしたところで
からん、と階下で木鈴がなったのが聞こえた。]
お客様がきたみたい。
どうするか考えておいて。
一人でいくつもりでも、断るつもりでも、
他の戦いを探しに行くのでも。
説明まだ必要ならお客様がいなくなってからね。
[そういうとガトリングの言葉を聞かずに
階下へ急いで降りていった。]
いらっしゃいませ〜。
あーもう!
ちゃんとしたサーヴァントならなあ……
「ここと、ここと、ここに拠点を発見いたしました。いかが致しましょうマイマスター」ってなもんだよ。
膝をついて、印がいっぱいついた地図のひとつも差し出すってもんだ!
それなのにお前と来たら、宝具は質に入れるわ、ビデオや漫画ばっか見てるわ、挙句に訳の解らない手押し車まで作りやがる!!
お前!……お前もなー……
[そこまで言い切ったところでだいぶ勢いが落ちたのか、言葉を終わらせる事無く、無言で何度か宗冬を指差す。
そうしてから深い溜息と共にケネスは座り込み]
飯にすっかあ……
[そうつぶやいた。]
すみませーーん!
[店内を見渡すが、誰も見当たらない。]
……この時間は準備中かしら。
それとも、あの男の人と……きゃっ!
[昨日ちらと見かけた男性と店主らしき女性との関係をあれこれと想像している。
右手首の痛みには、もう慣れた。]
…は?
[思わず声がもれる。
そりゃそうだろう、だってアンタそりゃ神の名前ですよと。
しかし、この場で嘘をつくような性格ではないだろうし、考えるとまだ納得は出来る。
元々セイバーの戦闘能力は沖田だと説明できなかったのだ。
悪を司る神ならば、あの程度造作もない…能力が低いのも自分と同じ弱体化か、もしくは別の制約があるのかもしれない。
召喚されたことについても、伝えられている伝説とは別に、実は人間だったという可能性もあるのだろうと納得する。]
はー…また大層な名前が出てきたなオイ。
そりゃそれだけ偉そうにもなるわ…。
てか、マジで本気出さないと勝てそうにないな、お前には。
……。
[沈黙。
鳩は飛び、子供は遊びに興じ、女たちは楽しそうにさざめき笑う。
そんな世界の中で不意に感じた孤独に、思わず膝を抱えてしまう]
…。
[膝を抱える腕に、僅かに力が篭って。
小さい背中は更に小さくなっただろうか]
[たどり着いたウィークリーマンションを見上げ、わずかに腕に痛みを感じ]
確かに、ここにマスターがいるようです。結界も何もないのか、これでは駄々漏れもいいところですね。
[半ば呆れながらも、その部屋を見つめた。
ふと、思い出してシャルロットのほうを見る]
そういえばマリア、先ほど何者かが魔力を持つものに対してメッセージを飛ばしてきました。
公園で待っていると。
恐らく罠でしょうから、行かないほうがいいと思いますが、気づかれましたか?
……。
[――バササ。強く羽ばたく平和の象徴。]
[幸せそうな広場の中、]
大きな怒り、だったのだな。
なら私は、お前の願いを否定出来ない。
[ランサーは、ライダーの前まで歩いてくると、膝を抱えているライダーの目線まで身を屈め、肩に手を置こうとした。]
ふん、貴様が本気を出して勝てる私ではないぞ。
この沖田とかいう体も中々面白いしな。
魔力を失い全力を出せてはいなかったが、マスターが覚醒したのでな。ここからは地獄だ。覚悟しておけ。
で、愚民はどこにいるんだ?
[トントン、と階段を降りる軽い音が近付くと共に店主の声が聞こえた。
続けて笑顔で迎えてくれた女性にこちらも笑顔で応える。]
こんにちは。
昨日は急な用事で何も言わずに帰ってしまってごめんなさいね。
昨日のお茶はおいくらだったかしら?
[申し訳無さそうに頭を下げて、財布を取り出す。]
まだここに、居るのですね。
[ウイークリーマンションの2階を見上げる。髭面マスターの顔を思い出し、今度こそ勧誘を成功させなければ、という熱い思いが沸々と沸いてくる。]
判りました。ここはまだ拠点として有効なようですし、今はその挑発の主を確認しに行きましょう。まだ、把握出来ていないサーヴァントも多い。上手く行けば情報を多く得られるでしょう。
……私はそのメッセージを、受け取っていないのですわ。恐らくマスター宛てに放たれたものではないのかしら。
[気配遮断を行うと、女性の二人連れに見えるよう、ソフィーの傍に立ち、ゆっくりと公園に向かって歩き出した。]
― 中央ブロック・噴水 ―
あれあれ。なんだろうねいったい。
[ マンションを出てほどなく、あっさりとライダーの気配は見つかった。そのまま気配に近づいてみれば、なにやら捨てられた子犬のような風体でベンチに丸くなっている娘の姿を見つける。]
おーい、なにやtt、、、
[ 近寄ろうとしたところで、自分よりも先にランサーがライダーの傍へと寄るのを目撃し、呼びかけた声を止めた。]
ええと、本当にどんな状況なんだ?
[ それ以上近寄らないことにして、観察することにした。]
急な用事……ですか。
それは大変でしたね。
あのお茶はこちらで飲んでしまいましたの。
ですからお金はいただけません。
気になさらないでください。
……ワンちゃん、かわいいですね。
[犬に微笑みかけつつ窓の外をうかがう。
マリアはいないようだった。
他にもサーヴァントらしき人影もない。]
今日はお一人なんですか?
[もし彼女が一人で出歩くマスターだとしたら
リチャードの言い分を認めるようでなんだか悔しかったが
マリアはサーヴァントではないのかもしれないと思った。]
…。
[ぞわぞわ、と、誰彼構わず銃をぶっ放してやりたい、そんな衝動が脳髄から全身に広がっていく。
あのクソ女、大事なところを何一つ話してねぇぞ。
がくがく、と震える右手を左手で押さえようとして、左手も震えていることに気付く。
眼鏡の位置を直そうとしたが、手が震えていたため眼鏡ががくがくと震えるだけで終わった。
銃を出そうとしたところでようやく抑止が働いたが、なかなか震えが止まらない。]
ちっ。ちっ。ちっ。
あの野郎が粘ってなかなか俺を出させやがらねぇからッ!
ストレスが溜まってんだよ、なぁ!
クハ、ハハハッ。
あぁ、早く、戦闘にならねぇかなァ?
…。
すまない、つまらない話をした。
[膝を抱えたまま、水音にだけ耳を澄ませていれば不意に現れた姿と肩に置かれた手に少しだけ驚いて顔を上げた。
自分と同じ高さにある目線、思わずその瞳を覗き込むのは大きくてまあるい瞳]
‐公園‐
流石神様、言う事が違うね。
でも、こっちも創世神とまで言われてる身なんでなー、そう簡単に殺れると思うなよ?
[少しニヤリと笑いながら言葉を返す。
どうも喋りながらテンションが上がってきたらしい。]
それにほれ、俺の別名知っているか?……"冥府から戻ってきた英雄"ってな。
【しかし…沖田とかいう体?
マスターが覚醒…?やっぱなにかありそうだな。】
っと、公園っていえばココのはずだ。
[ようやく目的地に着いたらしい。
しかしまー、今の流れだとこのままハイさよならとは行かないようだ。]
なんだか申し訳ないわねー、……ってそうでしょう?可愛いでしょう?
タロはアタシの心の友なのよーっ!
[女性の言葉に嬉しくなってテンションが上がる。
が、続く質問の意味がわからなかった。]
アタシは昨日も一人で来たんだけど……あっ、ひょっとしてマリアちゃんのこと?
ここでマリアちゃんと会ったのは偶然なのよ。
タロがマリアちゃんの匂いに気付いたんじゃないかな。
賢いのよ、タロって。
[誇らしげに胸を張り、女性の質問に答えた。]
[公園へ向かう、というシャルロットに目を伏せ]
罠とわかっていても行くのですか。
確かに情報は手に入るかもしれませんが、どうも嫌な予感がします。なるべく慎重に、警戒を怠らないようにしましょう。
せめて何か、準備をしてくれば良かったのですが。
[魔術は何もなくても行使できたが、触媒があればさらに威力も増すはずだった。
あの声を聞いたものは他にもいるだろう、そして他にサーヴァントがいれば戦闘になることは必至で、それをわかっていながら行く事は無謀にも思え]
[ランサーの眸は、きらりと光り黒く澄んでいた。間近で見るライダーの顔は、儚さがあったが、それよりも凛々しく、強い芯を感じさせた。――誰かが支えてやらねば、まるで折れてしまいそうな。]
…否。
正当な怒りは果たされねばならない。
[暫く見つめた後、立ち上がる。こちらを見つめる、ライダーのマスターの気配に気づいたからだ。]
ライダー。
だが、聖杯は使わせられない。
[口元を引き締め、双眸を閉じた。]
偶然だったんですか。
……お客様がお戻りにならないので
マリアさんが様子を見に行って
そのままマリアさんも戻っていらっしゃらなかったので
てっきりごいっしょに行動しているのかと思って。
不躾なことを聞いてしまいましたわ。すみません。
タロちゃんっていうんですね。
賢くていい子なのね。
[手を伸ばしてタロをそっとなでつつ考える。
別行動ということはマリアはサーヴァントではないのだろうか。
それとも、外にいたもう一人のマスターらしき人、
その人のサーヴァントなのかもしれない。
まだ疑惑は振り払えなさそうだった。]
今日は何かお召し上がりになって行きますか?
タロちゃんにもミルクがありますよ。
大体、魔力なんぞ、俺が感知できるわけがないだろうが…!
俺は、神と魔術の時代には生まれ得ない存在だぞ!
[イライラとし、足を踏み鳴らす。
…俺に読めるのは、戦闘の空気、痛み、あとは戦うものが纏う独特の雰囲気…ってところか。
「彼」には、何も読めまい。
奴は、ド無能だからな。]
クハッ。
[悦に入り、笑う。]
「俺」は、そうするという強い意思、それだけで成り立つ力…。
[目を瞑る。
「俺」についての考え方くらいだろう。
「彼」と、同意できるのは。]
……準備?
マスター、何を怖がって居るのですか。
ここに奇襲を仕掛けに来たのも、サーヴァントと対峙するためですわ。公園にサーヴァントが居ようとも、私は同じように戦うのみ。
…私は気配遮断をしてます。至近距離まで私はそうと気付かれずにサーヴァントに近づく事が、出来るのです。
[つい、と振り返って背後にあるウィークリーマンションを見上げる。]
それともマスターは、そんなに薔薇の園に足を、踏み入れたいのでしょうか?
樹那高校に樹那大学に樹那病院…
[行ったことのない東ブロックの地名を読み上げる。]
大学に行けば調べ事はできるかな。
そういえばランサーがキャスターの真名が「わいなみょうねん?」とか?
[神話には詳しくないが流石に真名がわかれば調べられるだろう。
いつものリュックを背負い立ち入り禁止区画の外に歩きだそうとして二つのサーヴァントの気配に気づく。
片方はそのわいなみょうねん、もう一体は?]
最初にこの場でランサーと戦っていた剣のサーヴァント?
[以前より強大な魔力に戸惑う。]
‐公園‐
確かに気配がないなー…いや、サーヴァントほどではないが魔力の気配があるか。
[中の魔力の様子を探るが、サーヴァントらしき気配はない。]
おいおい、俺がこの状況でお前騙してどうんだ。
むしろそこの柱にでっかく書いてあるだろ"樹那森林公園"って。
[公園の入り口の柱を指差す。]
【しっかし、なんで公園の入り口で肩並べて突っ立ってるんだろうな…。
どうせなら綺麗な女性と夜の公園…とかがいいのに。】
うーん…。
なんだか込み入った感じだね。
[ 正直近寄りがたい。が、放置するわけにもいかないだろう。]
やあ、ランサーだったかな。うちのライダーが迷惑をかけたりしていないかい?
[ 努めて、本人なりに平穏と平常を込めて話しかけた。]
ライダー。どうかしたのか?
[鼻の頭のクリームは少しだけ小さくなっただろうか。
まっすぐにみた槍兵の瞳は、吸い込まれそうなほど黒く、自分の身分では届かない黒い輝石を思わせた]
…槍兵?
[相手が立ち上がるのに合わせて視線が持ち上がる。
そこでようやく自分の鼻の頭にクリームが乗っているのに気がついて指先で払い落として]
…貴公にも、聖杯の奇跡に求める譲れぬ願いがあるのだろう?
ならば───勝利とともに手に入れるしかあるまい。
[手を水の中へ入れるとちゃぷりという音、指先はしびれるように冷たく。
微かに感じる腰抜け主の気配に、抱えていた腕を解いて立ち上がる]
……マリア、ここにいるのはバーサーカーとそのマスターだけです。ですが、公園にはどなたが来られるのかわかりません。そこが、問題なのです。
先ほどの「声」は不特定多数に向けられたものでした。
全員が来るとは考えにくいですが、あの辺りはそもそも最初にサーヴァントの気配を感じた場所です。
つまり、そのサーヴァントが罠を張り、そこに他のサーヴァントたちが押しかけていれば、どのような乱戦になるか。
私はそこに不安を覚えているのです。
それより、薔薇の園、とはひょっとして彼らの住まいの事ですか?
[シャルロットと同じように振り返り、ウィークリーマンションを見上げた]
こんなもの、気配のうちに入らん。
それとも、この程度の魔力しか持ち合わせない虫けらに挑発されたというのか?
[確実に焦れている]
ううん、気にしないで。
断りも無く帰っちゃったアタシの方が悪いんだし。
……そっか、マリアちゃんも帰っちゃったんだ。
「ハッハッハッハッ!」
[撫でられて喜ぶ愛犬。]
んー、じゃあ、何かお勧めのお茶をもらおうかな。
タロのミルクもお願いね。
[その時、上からドスンドスンと音が聞こえた。]
[しばらくたっても一向に戦闘が始まる気配はない]
なんで戦わないの??
[わいなみょうねんと剣のサーヴァントは自分とランサーが戦う前に激しく戦っていたはずである。
まったく理由がわからない。]
…
[考えた末に様子をみようと魔力をできるだけ隠し慎重に近づき始める。]
譲れぬ願いか……。
聖杯の力で喚び出されたのだから、
そうであるべきだろう。
だが…否。私が為すのは使命、聖なる義務だ。
何れにせよ、"勝利"と共に得るべきものか。
[久仁彦の声に]
迷惑はかけられてはいないが、貴方こそライダーに迷惑をかけているのではないかな。
[微笑みと共に述べた。]
うん、まあなんでもないのならいいんだけどね。
おかしな騒動をおこしていないのなら文句はない。
[ 拗ねているのか予想していたのかなんだってよかったのか、小さくため息をつきながら呟く。
それから、停戦協定を結んでいるはずのサーヴァントに向かって。]
で、ランサー。君もひとりでここに来たのかい? 見たところマスターの姿はないようだけれど。
[ とりあえず、思った疑問をそのまま口にしてみた。]
…とにかく。
[想像の中でこの一帯の建物全てを穴だらけにした頃、ようやく落ち着き、まともな思考ができるようになってきた。]
一人で行くとか、断るとか、他の戦いを探すとか言っていたな。
サーヴァントに、決闘でも申し込まれたか?
…クハッ。
[戦闘においては、銃を撃つことが無条件に許されている。]
何処へ行けばいいんだ…俺は。
[ふら、と部屋を出る。
店に降りてくるな、という言葉は、既に忘れている。]
はい、少々お待ちください。
[タロの分のミルクを温めた器に注いでぬるくし、
美貴の分はポットにミント・シナモン・マリーゴールド、
それに紅茶をひとさじ入れてお湯を注ぐ。
オーブンでマシュマロに焦げ目をつけ、
出来上がったお茶にミルクを注いでその上に乗せる。
踏み鳴らす音に気付かれてしまい、
深く頭を下げる。]
……居候が騒がしくしてるみたいですね。
すみません。
……お待たせしました。
[カウンターのテーブルに美貴の分のお茶を置き、
タロのミルクを床に置いた。]
…ああ。そう、だな。
[短い返答は、主の出現にそれまでの会話を強引に打ち切るように]
…おかしな騒動を起こしてるのは貴様だろう、この馬鹿。
[間違いなく指し示すは昼間の放送の一件]
ですが……ここにいても始まりませんね。
公園に真っ向からいくのは反対ですが、様子を見に行って見ますか?
何かが起こっていれば遠くからでもわかるでしょうし。
新手のサーヴァントやマスターの情報も入るかもしれません。
[ウィークリーマンションから目線をはずし、公園があるほうを向く]
ライダーと同じく、単独行動といったところだ。
[その次に、昼間の件を問おうとしたが、先にライダーに口火を切られたので沈黙し、後ろに下がり距離をとった。香野と話してから随分経つが、未だ、現れる気配はない。]
[さて…とキャスターは考える。
目の前のセイバー、これは結構面白い相手なんじゃないか…と。
今話した限り、どうも自分と同格の相手には執着し真正面から叩き潰そうとする性格である。
なら、自分と別にそのような相手の情報を与えてやれば、そちらも自らの手で倒そうとするのでは…。
だったら試してみる価値はあるだろう。]
そういえばよー、お前と戦った後にランサーらしき奴と戦ったんだがな。
引き分けにされた上に、そいつの宝具がシヴァの持つ槍"トリシューラ"だったんだが…。
迷惑は多分、お互い様だよ。
つか、君たち微妙に会話がぶっそうな空気はらんでないか?
[ 戦わねばならないサーヴァント同士だ、当たり前だろうと思いつつもなんとなくランサーに問いかける。]
おかしな騒動?
ああ、昼間のあれか。別におかしいもんじゃないだろう。あれは情報収集の一環だ。騒動を起こすとしたらあの放送に引っ掛かった愚かな奴らだろう、僕じゃない。
[ ライダーの毒舌に、腕を組んで言い返す。]
……成る程、マスターの言う事も尤もですわ。
それではこうしましょうか。公園には、充分時間を置いた後、向かいましょう。
上手く乱戦が起きていれば、そこには倒れたサーヴァント、傷ついたサーヴァントが居るかもしれません。
……マスターが、その様な戦い方を良しとするのならば、ですが。
[マンションからは、ガタガタという音が響いて以降は静かな様子が伺えた。]
……偵察なら私ひとりが適切かもしれませんが。
マスター、少し離れた場所から、魔力のぶつかり合いや敵のマスターの位置などは、把握出来ますか?
……馬鹿か。
あんな見え透いた放送に引っかかるような魔術師はせいぜいお前ぐらいだ。
[殴ってもよかったが、日中の公園ですることではないように思えてただ睨むのみ]
んーん、うちの居候も相当お行儀悪いから……。
[にこ、と微笑んで応えようとしたが、荒れた部屋を思い出して表情が引き攣る。
慌てて頬を両手で覆い、表情筋の自由を奪った。]
……ありがとう。
タロもお礼を言いなさいね。
「バフ!」
[差し出されたカップに口をつける。]
[ばーん、と乱暴に、店に繋がる扉を開く。]
おい。
さっきの話、もうちょっと詳しく聞かせろ。
俺は、行くと、どこに、戦いがどうなんだ?
いや、むしろ、お前が連れて行け。
どうせ客もいやしな…いや、今は一人いるようだが!
[興奮して日本語がおかしくなっている。]
何?
成る程、だから我が剣をいなせたという事か。それなら納得がいく。
しかし・・・・・・ 彼奴の気配はシヴァ程ではなかったな。最もいくら聖杯の力を借りたとしてもシヴァは召喚できぬだろうが。
ならば借り受けた者という事か。
ゆかりがある者が他にいたか・・・・・・
[明らかに興味を持っている]
というか、単独行動か、ふむ。
[ ランサーの言葉に、少し考えてライダーの方を見やる。]
で、その単独行動でなにか収穫はあったかい、ライダー。
なんだろ?
[途中茂みの中に妙な魔力の気配。霊呪の気配もなく人とは異質の気配。
興味を持ち中を調べるとビデオカメラを発見する。]
わー、凄い!!いい物拾っちゃった!!
[そこにそれが置かれた意図など考えずにうれしそうにそれを拾い上げ、周囲の状況も忘れ早速ファインダーを覗き歩きながら撮影を始める。
ファインダーの中にどこかで見た老人と青年が目に入る。]
あのね、僕は引っ掛からないよ。あんな放送でのこのこ顔を出したら僕の命が危ないじゃないか。
[ 至極当然のことと言わんばかりに反論する。]
…貴様に報告する必要はない。
[一刀両断。
不機嫌そうに視線をそらせば、背中のニコちゃんもどきカバンがちらりと笑顔を見せた]
…貴様こそ、成果はあったのか。
情報収集とやらのために行ったんだろう?
まぁ、美貴さん……でしたわね。
美貴さんのおうちにも居候がいらっしゃるんですか。
お互いに苦労しますね。
[ほぅとため息をつくといきなりドアが開いた。]
ちょっと、店には出てこないでって言っておいたでしょう。
[ドアの向こうに押し戻そうとする。]
連れて行けって言われても店が開いてる時間は無理よ。
行くなら一人でいってらっしゃい。
そうそう、どんな答えをするにも
あの子にちゃんとお返事しておいてね。
じゃないと失礼だわ。
【お、やっぱり食いついたか。】
[予想通りの反応に、内心"しめた"と思う。
正直ランサーも宝具無しでは厳しい相手だ。
それをセイバーが潰してくれるというのなら話は早い。]
ああ、俺もシヴァは流石に召喚されないだろと思って困っていた所でなー。
シヴァの槍を持てる奴って言ったら軒並み神クラスだろ?
…まぁ、目の前にソレを覆してくれた奴がいるわけだが。
[内心溜息を吐く、目の前の悪を司る神は自分にとって相性の悪い相手だ。
しかも強さは折紙付き…嫌になる。]
とにかく、それだけのものを持っているんだ。
お前が言う"雑魚"じゃないと思うぞ、殺り応えあるんじゃないか?
さあ? まだ結果は拾いにいっていないからね。
ま、もしものこのこ顔を出す愚かな奴がいたら顔と風体くらいは判るだろうさ。
[ 仕掛けておいたビデオカメラのうち一台がなんだかおかしなことになっているとは露知らず―でもある意味、望んだ映像が撮られそうだから寧ろ好都合かも知れない―久仁彦は偉そうに胸を張ってみせた。]
ま、やらないよりはマシだろう程度のもんだけどね。
私に、そのような問いかけをしても、それが、「卑怯」なやり方であるのはわかっていますが、私自身はそこに何の感慨も持ちません。
ただ、そうまでして勝ちたいとは思いませんが。
私は心配しているのです。マリアは直接的な戦闘が苦手だといいました。もし大規模な破壊を伴うような乱戦ともなれば、恐らく私たちは見ていることくらいしか出来ないような気がします。
下手をすれば、ダメージだけ負って情報も得られぬまま、こちらの情報だけ渡す結果になるのです。
偵察に行くならマリア一人のほうがよいでしょう。
マスター同士は令呪によってわかりますから。
・・・・・・
[少し考えるそぶりを見せる]
成る程、中々面白いな。
どちらにしろ叩き潰さねばならん相手だ。
で、そのランサーはまだ来ないのか?
居候なんて、ろくなもんじゃないわよねー。
[突然の大きな音に驚いてそちらを見る。
愛犬が。]
「バフワフワフ!」
……タロ、どうしたの?
[のんびりとアフタヌーンティーを楽しんでいたところで、愛犬が騒いだ。
愛犬の吠える方向に目を向けると、昨日見かけた男性が店主の女性に向かって何かを言っている。
会話の内容は聞こえたが、意味は理解できない。
が、明らかに昨日とは違う雰囲気を男性から感じた。
思ったことは素直に口にする。]
……あれ、あの男の人、昨日となんだかずいぶん雰囲気が違うわね。
ひょっとして貴女、男で苦労してる人?
き、き、貴様…。
[会話のほとんどの部分をスルーされている気がする。]
三つでいいから聞かせろ。
一つ。何処へ呼ばれたんだ。
二つ。誰に呼ばれたんだ。
三つ。何に返事をすればいいんだ。
[震える右手を押さえながら、子供に聞かせるように話す。]
まさか、俺に片思いをしている女が呼び出したわけでもあるまい。
クハッ。
[嘲笑。]
[ケネスは宗冬の尊大な態度を無視し、餃子を作っている。言いたい事を言い、少しはすっきりしたようだ。
リビングからキッチンへと片付けた手押し車を見ながら、これは何ゴミになるんだろうと考えていた。]
日本じゃ、無闇に物を捨てられないらしいからな……当分置いとくしかないか。
[餃子とご飯とビールをテーブルに置き、宗冬と2人で食事を始める。]
[とは言え、久子も危なくなれば逃げるだろう。彼女の逃げ足の速さだけは、ランサーも舌を巻く程なのだから。
ランサーは公園に留まる事を選ぼうとしている。]
さぁなぁ…放送を聞いてノリ気になる奴なら来るだろ。
【あの内容で来る奴が居るとはあまり思えないけどなー。】
あー、しかし思い出したらまた腹立ってきたな。
あのランサー、男の癖にあろうことかサーヴァントとの戦闘中に"女の"マスター狙いやがってよ。
[女の部分を強調する。
というか、それが男だったら別段ここまで怒らなかったり…それが自分のマスターでも。]
まぁ、そのマスターの眼鏡かけた可愛い系の女性が止めてくれたからいいんだけどな。
……くだらん。
[あきれたように呟き]
…そもそも、発想が幼稚だ。
どうせまた金に物を言わせてどうにかしたんだろう。ああ?
[その視線、明らかに馬鹿にしている]
、、、。
[ ランサーの言葉に、沈黙する。]
、、、、、、。
[ 状況を落ち着いてまとめなおす。]
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。
[ よし、考えろ。考えるんだマクガイバー。あの放送で本当にお客さんが集まってきたとしたらどうする? まず、そのお客さんがどこに集まるのかを考えるんだ。そりゃあ勿論待つといった森林公園に決まってるだろう。じゃあ次に、ランサーはいま、自分のマスターがどこにいるといった? 停戦協定を結んだあの女の子がだよ。そんないまさっき言われたことが判らないわけないだろう、森林公園に決まっt]
ランサー、君、本当にここにいてもいいのかい?
[ 蒼ざめた顔で、申し訳なさそうに問いかけた。]
さっきちゃんと説明したじゃない。聞いてなかったの?
[美貴に聞こえてはまずいと声を潜める。]
あの呼び出しは公園に呼び出し。相手はライダーのマスター。
それから待ち合わせは噴水。こっちはどのクラスかわからないけどサーヴァント。
名前はチャンドラさん。インド人ぽいかわいい男の子だったわ。
それで、そのサーヴァントに同盟持ちかけられたんだから
断るにしろ受けるにしろ、答えないのはよくないと思うの。
わかった?
[こちらも子供に言い聞かせるような口調になっていた。
言うことはいったので美貴の方へ向き直る。]
すみません、騒々しくて。
……苦労してるといえば苦労してる……わね。
[二重人格と人の話を聞かないところに、といいかけてやめた。]
マスター。"卑怯"なのではありません。女のか弱い手が勝利を手にする為に必要なのは"知略"だというだけの話ですわ。
(そうまでして…というソフィーの言葉に、ゆっくりと頭を振った。)
私は、命など惜しくないのですわ、マスター。
正しき行いには、必ず神の加護がついてくるのです。
私は、負けません。史実には私の弱点など記されておりませんが、私の"戦い方"も記されてはおりません。
急所を一突き以外にも、戦いを行う手立てはあるのですわ。
だから、安心して下さいマスター。
[虚弱な己を召喚してしまったマスターの落胆を思った。
そんな自分が歯痒かった。
アサシンは、暗殺者なりの行動をするしか、ないのだ。]
危険が迫ればすぐに飛んできますわ。だから安心して下さい。万が一の時は、それを使ってでも私を呼んで下さい。
[指差した先は、ソフィーの腕]
…うるさいよ。
[ 久子の心配をしていたところで、ざっくりと入れられた毒舌にじろりと睨む。]
いいだろう、金でどうにかしたって。どうにもならないより幾許もマシだぞ。
ふん。マスターを狙ったか。
まあ、三下が貴様を倒そうとしたなら効率的な行為だ。むしろ勝算と受け取れ。
マスターを守護出来なかったとなれば貴様の落ち度だ。
[悪と言う概念を是とする彼にとって効率的な戦闘方法でしかなかった。彼の逆鱗はアンリ・マユとしての尊厳に対しての侵害のみ、なのかも知れない]
ランサーのマスターも女子なのか。何とも惰弱な。
[鼻白む。]
こ、こ、この女…。
俺はこのあたりの地理なんざ把握してねぇぞ…。
く…っ、
まぁ、いい。
[銃を出すのを必死で堪える。]
じゃあ、まずは噴水の方に行ってみたいところだ…。
戦えるかも、しれんからな。
クハ、ハ。ウフフ。
[体が、銃を撃つ感触を想い、震える。]
マスターの逃げ足には信頼を置いている。
そして、レイラインにも異常はない。
[異常があるなら、ランサーの側からの魔力だろう。]
しかし。貴方が少しでもすまないと思うなら、――私のマスターにだけでもいいが、名前を教えて欲しい。
先程から、貴方を呼び辛くて仕方がないんだ。
…そっちの女、昨日もいたな。
[ただ一人の客に、目を向ける。]
「彼」が、世話になったな。クハッ。
昨日お前が会った奴は、別人だぜ。
あんなド無能と、一緒にされちゃ困る。
奴は、あのマリアとかいう女が一瞬見せた、妙な空気にも…一切、気付いちゃいなかったんだからな。
まァ、確かに、いい女だったがな…。
一目で、惚れたね。
穴だらけに、してやりてぇ…
心から、そう思ったよ。
くふ、ふ…。
[肩を震わせ、左手の中指で眼鏡をつり上げる。
子供のような、目。]
[ウィークリーマンションを見上げ、何事もおきないのを確認し、耳に入ってくるシャルロットの言葉に耳を傾け]
気が合いますね、マリア。
私も、自分の命が惜しいとは思わないのです。
もう、私の命を惜しんでくれる方もいません。
ですから本当は、聖杯戦争に参加するべきではなかったのかもしれません。
でも、このことは祖父の願いでした。私をここまで育ててくれた祖父の願いを、無碍には出来なかった。
マリア、貴方の命が消える時は、それは私がこの聖杯戦争において負けるときです。
だから、マスターとして、私は貴女に死んでほしくなどないのです。
それだけは、わかってください。
危険なときは、あなたを呼びますから。
貴女も、自ら命の危険に飛び込むような真似は、しないでほしい。
いやなー、マスター狙うのは正直どうでもいいんだよ。
でも男が女を…ってのが…。
[と言いかけて、意識を公園の中へと向ける。
どうも魔力の持ち主が此方に近づいているらしい。
もしこれが誰かのマスターで、背後からいきなり令呪で召喚しての奇襲とかなら面倒だ。]
…そろそろ出てきたらどうだ?
[そういった瞬間、ずっと横に立っていた水人形から雨合羽を切り裂き、幾つもの水の刃が目標へと飛ぶ。
もちろん、相手が女性だった場合を考え直撃はさせない、檻のように取り囲むように狙いを定めた。]
[男の言葉に顔をしかめた。
続いて店主の女性に心底同情しながら訴える。]
いい?ダメな男に依存しちゃいけないわよ!女も自立しないと!!しかもこの人、言ってることの意味がわからないし!!!
……ごめんなさい、ちょっと興奮しちゃったわ。
アタシは新条美貴、樹那病院の美容整形外科で働いてるから、相談したい事があればいつでも連絡してね。
それじゃ、お茶ご馳走様。
また来るわね。
[女性に名刺を渡し、愛犬を連れて店を出た。]
……判りました。
私たちは、表裏一体ですわ。この、聖杯戦争に於いて。
マスター、聖杯に掛ける願いを、強く持って下さい。
セイバーのマスターを、倒す事が大切な事である事を、覚えておいて下さい。
[まっすぐに、己のマスターを見つめそう告げると……身を翻し駅前の方に駆けて行った。]
む?
ああ、すまないね。普段からあんまり名前とか気にしなかったからさ。
――久仁彦だ。一応、この街の住人だし住居を知られるのは避けるべきだからフルネームは避けておく。君のマスターにも教えてあげていいよ。
んー、問題なさそうならよかった。うん、それはよかった。
[ あっさりと名前を教え、久子が無事らしいことを反芻してうんうんと*頷いた*]
……ありがとうございます。
[反射的に名刺を受け取り客を見送る。]
あんなにあからさまだったのに
気付かれなかったみたいね。
……彼女、あれで大丈夫なのかしら。
[自分のことは棚に上げて彼女が聖杯戦争を戦い抜けるのか心配になってしまった。
完全に遠くなり声が聞こえなくなったところで彼の方を見る。]
ちょっと、あなた。
不用意なことを大声で言わないでちょうだい。
一般のお客様が不安になったらどうするの。
[シャルロットを見送り、「セイバーのマスター」という言葉に少し疑問を持つ]
……そういえば、沖田総司は誰に召還されているのだろう。
前回のアサシンなら、同じマスター?
いや、クラスが違うのだし、それはなさそうだ。
沖田……。
どこかで聞いた名前だったはず。
[ふと、教会の管理者のことを思い出し、彼も沖田と名乗ったことを記憶の底から取り出す]
沖田、敬一郎、だったか。
偶然? 調べてみる必要は有りそうだけど、どこから調べよう。
教会に、行ってみようか。
[ウィークリーマンションの階段部分に腰掛け、考えを巡らせる]
[食卓に置かれた餃子・ビール・白米を見て宗冬は叫ぶ!]
真殿!野菜がありませんぞ!栄養のバランスが悪いですぞ!
[食事は大切である。食事によって築かれた身体で戦うのだから。いつ何時食べれなくなるかもしれない人生であるが故に食べれる時は食べなければならない。兵法家である宗冬はそのことが良く分かっていた。なればこそ栄養バランスという概念も直ぐに吸収出来たのだった。]
しかして真殿、いや真殿、ふふふ真殿。
[と急に話を変える宗冬。実は栄養バランスを知ってると言いたいだけだったのかもしれない。]
先ほどの娘とはどうなりましたか。
[核心へと切り込む宗冬のその顔は、真剣な顔を作ろうとして、作ろうとしては失敗する、あぁ笑いを堪え切れない顔とはまさにこの顔か。宗冬の顔の造型は大変なことになっていた。]
真殿!答えてくだされ!私、サーヴァントとしてマスターのことは知っておかなければなりませぬ!
[その二人が自分達を交戦した敵性のサーヴァントであることを認識する。
自分のサーヴァントについて話していたようだ。
このまま話しを続けられるのはまずいとも思ったが肝心な部分はもう終わってしまっているようだ。
他に情報が出ないかしばらくそのままカメラを回し続ける。
ファインダー越しに老人と目があい驚愕する。]
見つかった!?
[一言自分の存在を確認する台詞をはき、水の斬激を繰り出す。
その軌道からそれが当たらないことを確認しその場に達逃げるための魔術の詠唱を開始する。]
地よ其の姿、
身の丈2尺幅3尺胸厚1寸
いまこそ其の身を起こせ!!
客?
この流行らねぇ店に?
くふ、ふ。
あの一人きりだったじゃねぇか。
[嘲笑。]
あの女は、マスターなんだろう?
一般人とは言えんよな?
…ふん。
俺だって余程のことがない限り、こんな…
平和な空気のところには、いたくないね。
[顔をしかめる。]
だったら、もっとどうにかなるような使い方をしてみせろ。
そういうのを無駄遣いというんだ。
[不満そうな男に対してやはりもうひとつ馬鹿と紡ぐ]
―商店街→駅前―
[住宅街を抜けそのまま商店街を突っ切る。
白い帽子を目深に被り小走りに走る様子は、さながらデートの待ち合わせに遅れてしまいそうな妙齢の女性。
やがて、駅前に近くなった所で気配を遮断したまま、ゆっくりとした歩調に変わる。]
(……気配を感じる。サーヴァントが……複数?)
−教会−
・・・・・・
[誰か教会に向かってくるのか。教会の中に入ってしまえば紛れる令呪の反応だが、外にいる者には反応する]
仕方が無い、出迎えるとするか。
[地面が幅10メートル高さ5メートル異常の範囲に渡り板のように立ち上がり回転を始める。
面先は広いがその幅はわずか3cm程、強度も低い、張りぼてである。
彼女の魔力ではそれが限界なのである。
発動すると同時に術の作り出す死角のなかを一目散に反対方向に走り出す]
明らかに罠丸出しの頭の悪い呼び出しを信じて、のこのこ出てきたさらに頭の悪いサーヴァントになんか誰がやられたりするもんですか!
[捨て台詞を吐き自分の陣地である立ち入り禁止区域に向かってさらに走るスピードをあげる。]
[その耳に詠唱が聞こえる…女の声だ。
それならば攻撃するわけには行かないが、このまま放って置くのも選択肢としてはない。
とりあえず姿を曝け出してもらおう]
んー…ならこれで。
[軽く地面を蹴ると同時に、相手の足元から数本の岩山が姿を現した。]
― 中央ブロック・噴水 ―
[クニヒサ…と口の中で呟いて、頷いた。]
私のマスターの名前も教えるべきだろうが、私からマスターの許可なく教える事は出来ない。
また出会った時にでも聞いて欲しい。
[店を出ると、ちょっとした脱力感に襲われた。
先日の体験から、既知の感覚だと認識する。]
……仕事疲れ、じゃないわよね。
お爺ちゃんが動いてるのね、きっと。
でも、うーん。
お爺ちゃんはどこかしら……?
[残念ながら信頼関係は構築されていなかった。]
失礼ね。
わたしが生活するには十分なお客様がいらしてくれてるわよ。
彼女が一般人じゃなくても
これから一般のお客様がきたときにも
あなた同じことするでしょう。
少しは気をつけなさい。
[ガトリングの頭をぽこんと叩く。]
平和な空気なんてあなたが来てから乱れてるわよ。
出かけるのなら行ってきたら?
それともおとなしくお店が終わるまで待ってる?
ちなみに噴水は目の前の道を北に進めば見つかるわよ。
[そういうと美貴が置いていったお金をしまい、
空いたカップを*片付けた。*]
[噴水の脇に、自分と同じ白い肌の若い女性が1人。日焼けした肌の青年が1人。そして、歯が白く輝く青年が1人。
その辺りから、サーヴァントの気配がする。
こちらの気配が感づかれない距離で立ち止まると、丁度人がたむろしている待ち合わせスポットのようだった。
シャルロットが立っていると、引っ切り無しに若い男に声を掛けられ、そのたびウンザリしたように断る事を繰り返す。]
(これじゃあ、向こうの会話を聞き取る事も出来ないわ……。)
…?
[微かに、何かを感じる。
まるで天から羽が一枚落ちてきたかのような虫の知らせ]
……何だ?
[純粋に感じるのは『気配が増えた』という事実。
視線が自然と、噴水のあたりをめぐる]
せめて、名前だけでも確認しておくか。
でも、なんといって聞けばいいだろう。
宅配便を装うにも格好が格好だし……保険の勧誘もウィークリーマンションには来ないだろう。
……家を間違えた、ことにしようか。
ああ、でも。令呪でマスターとわかるな。
[色々と悩んでいたようだったが立ち上がり、階段を上る]
あー…あの声ランサーのマスターだな。
[聞いたことのある声だなと思い、答えに辿り着く。
だったらなおさら逃がすわけには行かない。
むしろ、魔術を使ってキャスターから逃げられると思う方がおかしいだろう。]
"Kaikki on joutua"
[キャスターが呟くと同時に、水の人形は水の隼となり猛スピードで空を翔る。
そして、相手へと着弾すると水の拘束具と変わった。]
[ケネスは餃子を食みながら渋い顔をする。]
……お前、今初めて「マスター」って言葉を使ったんじゃないか?
お前にサーヴァントとしての自覚が在ったなんて、初めて知ったよ。
しかもこんな時だけかよ。
あの娘はなあ、俺の部屋にだけ来てマンションを立ち去った、怪しい新聞勧誘員だ。
しかも、なかなかかわい子ちゃんときている。
だからあとをつけたの、解った?
まあ、途中の教会で引き返してきたんだけどよ。
ああ、そういや一応話しておくが、あの晩、お前が戦ったガトリング野郎のマスターの住処も見つけたぞ。
住宅街のなんつったかな「魔女の巣」だっけか?
何かそんな名前の綺麗な店にいたぞ。
[ケネスはそう言うとビールを飲んだ。]
[…。
咄嗟に、撃ちそうになる。
これは、戦闘ではない。
抑止が働くが、また、手の震えが収まらなくなった。
目には昏い炎が宿り、露葉を睨みつけたまま、動けない。]
…それは、お前が、望んだことだ。
俺を、呼んだのは、お前なんだからな…。
俺を使いこなせるのは、そう…
[自ら引き金を引くことを厭わない、強い意思を持つ者だけだ。
…とは言わず、一気にぐるりと振り返り、店を出た。]
[愛犬に引かれるままに公園に行き着いた。
が、もはや例の挑発は記憶にない。]
タロってば、よっぽどこの公園が好きなんだね。
[瞬間、またも脱力感を感じた。
疑いようのない距離で魔術を行使するパートナーの存在を認識する。]
お爺ちゃんったら……。
― 中央ブロック・噴水 ―
――――。
[突如、ランサーの動きが止まる。]
…ヒサコ?
[すぅとランサー周辺の空気が停止した。何らかの危機が訪れているのは確かなようだ。「マスターの元に到達する」という目的の元、ランサーは行動を開始した。]
私のマスターに危機が訪れた。
[そう久仁彦とライダーに言い置き、ランサーは疾走した。広場の出口付近の繁みを揺らし、一陣の風が吹いた。
途中、何だか危ないサーヴァントとすれ違ったが、それどころではない。視認され、攻撃の意思も感じたように思うが、尚疾走。
全てを無視し、久子の元へ最短距離で移動する。]
[ドアの横にある排水用のパイプに手を当てる。溶解して穴を開けると、伝う水に指先で触れ]
Un courant, transportez un son
[わずかに震える水音。マンション内の人の声が聞こえてくる]
[このまま逃げ切れる。
と思った刹那、凄まじい勢いで背後にせまる気配。]
く!
[避けようとひきつけて右に体を投げ出す。
直進なら避けられるタイミングではあったが水の塊はほぼ直角にその進む方向を変え彼女に直撃し体の自由を奪う。]
・・・・・・ 来るな。
[キャスターが弄っている魔術師かどうかは彼には関係ない。
今急速に接近してくる魔力。まさしくそれは最初に剣を交えてランサーだと確信した]
[判ったのは、3人のうち、2人がサーヴァント。クラスは不明。少年のような風貌の1人が、お洒落な感じの男を詰るような空気で会話をしていた事、もう1人は物静かだった、という事だけだった。
すると、ふいに物静かだった青年が瞬時に姿を消した。
――否、消したように見えたのは俊足移動。
青年が、サーヴァントのうちの1人である事は明確に見て取れた。風貌から言って、キャスターから聞いていたランサーで間違いないだろう。
ソフィーの言葉を思い出す。]
公園で何か、起きているのだろうか?
[その場に残った2人を、さり気なく眺めた。]
[なおも諦めず拘束を逃れようと、その抵抗する時にこそその真価を発揮する魔力を全開にしてあがく。]
こんなものー!!
[しかし人の身と創世の神の力は比較にもならない。
無為に彼女の体からは魔力が失われていく。]
ねぇぉぇぃ!!
[宗冬の気合いが炸裂する。]
真殿!何をやってるでござるか!何故引き返したでござるか!
可愛い子だから付けたのでしょう。だったら、最後までつける!
いや、その教会で押し倒せばいいではないですか!
そして!その後!その場で!そう!悔い改めればいいだけです!
[色々な声が聞こえる中、どこかで聞いた声が耳に残る。あの時の、男性だ、と思い出し、その内容を確かめようと水の流れを緩やかにする]
……魔女の、巣?
館の、事だろうか。
ということは、バーサーカーのマスターも、あの場所は探し当てたらしい。
あそこの、サーヴァントのことが聞けるとよいのだけど。
[辺りを見回し、パイプを元に戻す]
……あ、おい?!
[疾駆する槍兵の後姿、追ったときには先ほどまでそこにいたという気配だけがそこにあり]
……なんなんだ。
[僅か唖然とはしたけれど、暫しの沈黙のあとあたりの気配を探る。
感じる違和感。
無言のまま、煩い主を促すと噴水を放れなるべく人気の少ない教会方面へと向かう細い路地へと足を踏み入れるために歩き出す]
[“戦場”に駆けつける。
やはり疼く右手首。
それでもその意味には気付かない。]
んもう!
お爺ちゃんったらどこにいるのよっ!?
[苛立ちながら周囲を見渡す。]
お、ヒット。
まー…これなら流石に隠れてても出てくるし、別行動でも令呪を使うだろー。
[まだ魔力は完全ではないとはいえ多少の魔力行使で相手の令呪を一個消耗させられるなら儲け物だろ…と考えての行動だったが、どうもそれは叶わないようだ。
凄まじい勢いで接近する魔力の気配。]
あー…もう来ちまったか。
ほれセイバー、お前の御所望の相手のご到着だぞ。
[ここまできては拘束の意味もない、というか戦いに参加するつもりもない。
着弾した水の隼を引き戻し、リュックを背負わせる。
そして視界に映る自分のマスターの姿。]
ああ、ボケマスター。
今はとりあえずこっち来とけ。
[地を駆け、塀から屋根へ跳躍し、並ぶ家屋の上空を駆け抜け、樹那森林公園へと向かう。
――タン。
最後に跳躍した家屋は遥か後方。
森林の入り口に、姿勢低く着地すると、間髪をいれずに低く再度疾走。久子が拘束された水を、槍を実体化させて打ち払った。]
――ヒサコ!!!
[創世の力であろうと、それは操られた水。多重詠唱でもない罠でなければ、打ち砕けよう。ランサーは、久子を抱きしめて、そのまま駆け抜けようと]
…何、だ。
[両手に握った銃を虚空へ向け、止まる。
今のは、サーヴァントだった。
間違いない。
濃密な、戦闘の空気。
差し迫った危機の感触。
だが…だったら、何故。]
…俺と、戦わない。
[ぎり、と歯を軋ませる。
何故、銃を撃つ、その許可証を目の前にして、その挙句に、立ち竦んでいなければならないんだ。]
[手を突いた壁の向こうから、一段と響く声が聞こえた。どうやら興奮しているらしいが、話の内容はわからない。訪ねてもよかったが、相手にサーヴァントが横についている以上、戦闘になったら敵わないであろう事が予想された]
それほど血気盛んには見えなかったけど、バーサーカーだからな。万一ということも有る。
こちらが戦意を表さずとも、それで納得してくれる相手ならいいのだけど。
[キャスターの姿を見つけて駆けつける。
隣の優男には気付かない。
キャスターの警告にも気付かない。]
お爺ちゃん!部屋の片付けはちゃんとしてよね!!!
[怒り心頭に達し、同時に右手首に魔力が廻る。
三画のうちの一画が消えた*]
…北ってのは、こっちか。
[猛スピードで目の前を駆け抜けたサーヴァントが向かった方へ、歩を進める。
ちなみに、当然だが、北ではない。]
[わずかに言葉として聞こえた声。それは名前だった]
ケネス……グラント?
日本の人に見えたけど、日系だったのかな。
なら、ここに住んでる理由もわからなくはないけど。
[残った2人も、どうやら移動を開始するようだった。]
(……拠点が探れるかもしれませんわね。)
そう考え、尾行を続ける事にする。向かう先は人気も疎らな路地のようで、このまま普通に歩いて尾行を行うのでは、すぐに感づかれてしまう事が推測された。]
……はしたない行いを、神よお許し下さい。
[十字を切ると、建物に入る振りをしてそのまま真上へと跳躍した。その動きは人間が肉眼ではとても捉える事は出来ず、普通に建物の中へと姿を消したようにしか見えないであろう。
建物づたいに、目的の人影を見失わないよう物陰に潜みながら尾行を始めた。]
ちょ…おまっ…このボケェェェェ!!!
[止める隙も無い令呪行使。
その怒りは鉄拳となってマスターの頭に降り注いだ。]
…帰ったらとことん説教な。
覚悟しとけよ。
[頭を摩って抗議するマスターを無視して、セイバーたちから離れさせる。
とりあえず帰ったら説教3時間コース確定である。てか陸で溺れると言う体験でもさせてやろうか。]
[突然拘束をとかれ状況の理解ができない。]
何のつもり?
[老人の発する勝者の奢りに満ちた侮蔑の言葉と命令の言葉に頭に血が上る。
剣のサーヴァントの言葉に答える。]
そうよ。あんたに言ったのよ!!
そもそもの話、新聞を取れば良かったではないか!
新聞から始まる恋!いいですな!
フランス語のレッスンもして下さると言うてたではないか!
フランス語のレッスンで育まれる恋!あぁいいですな!
[宗冬はもう周りが見えてない。どうにも宗冬はうざい人間のようだった。人気がないのも分かるものである。]
[両手に銃を手にしたまま、歩く。
時折通りすがる人がその姿に驚くが、目にも入らない。]
どこだ。
どこへ行った。
くそ。
俺を、コケにするんじゃねぇよ…。
[ふらつく。
両腕の震えは、止まる気配を見せない。]
…。
[気配は、何か背筋を撫で上げるような不快感によって感じ取ることが出来た。
天啓:B。
虫の知らせよりも明確な五感の察知力上昇と、第六巻の能力上昇。
恐ろしく欠ける幸運を補うように発動する力のおかげで英霊はあまたの戦を駆け抜けてきた。
久仁彦に自販機で飲み物を買う金を出させれば受け取るふりをしながら小さく]
…死にたくなければ次の曲がり角、まっすぐ右へ走れ。
俺は左へ向かう。
[有無を言わさずに缶コーヒーの巻を受け取り、歩き出す。
曲がり角まで、あと10mほど]
ふん、まあいい。
[右手に球根]
この際どちらでも構わん。貴様に少し興味を持ったぞ。
[剣が成長を始める]
さあ、出すが良い。”シヴァの槍”を。
[宗冬の言葉を聞いて、声を荒げる。]
馬鹿野郎!
かわい子新聞勧誘員が、直接フランス語レッスンなんて特典、聞いた事ねぇよ!!
本当にあったら受けたいよ!
気づいてないようだから言うが、あの勧誘員がサーヴァントの可能性もあるって言ってんだ!
サーヴァントでもアサシンなら、お前にだって気づかれないからな。
敵かも知れないから後をつけたと、そう言う事を言ってんだ!!
[遠く、戦闘の気配。]
…見つけた。
やっと、お前に、追いついた。
[自然、足が早まる。
待ち合わせ場所に近づく、恋人達のように。
彼が愛するものは、
彼に、その存在意義を存分に体感させてくれる、
強い意思や力を持つ、「敵」だ。]
[まぁ、正直令呪の内容に"今すぐ"等の言葉が無くて助かったと言えるだろう。
手出しはしないが情報は欲しい、このまま強制的に帰宅と言うのは下策だった。]
あーわかったわかった!とにかく先に帰ってろ!
今ややこしいのは見て分かるだろ!
帰ったら掃除するから!
[文句を言うマスターを問答無用で帰宅させながら、自分も戦闘開始寸前の2人から少し離れた。]
[キャスターによって、水を打ち砕く寸前に拘束は解かれたようだ。抱き寄せていた久子は、幾らか混乱したまま、叫んでいる。
何だか、目の前のセイバーは勘違いしているようだ。]
貴方の目は節穴か。
私のマスターが、そんな挑発をする訳がない。
[続く言葉に息を詰めた。]
[その目にランサーの姿が目に入る。
その他の周囲の様子などめに入らない。]
ランサー!!こいつら、許せない!!
[叫ぶと同時にリュックのポケットからスモークグレネードを取り出すのピンを引き抜く。
急速に辺りが白煙に包まれ始める。
霊呪に意識を集中してキャスターとセイバーを思って念じる。]
ランサー、奴らに痛い目をみせてやって!!
[後ろからまた近づいてくるサーヴァントは、恐らく先程の人物。疾走の中、殆ど見えてはいなかったが、飛び道具のようなものを持っていたような気がする。]
――… セイバー
破壊を望むのであれば、
私に剣を向けるのは間違っている。
[半眼になり、穏やかだが厳しい声を放った。]
[戦闘の気配は、徐々に濃密になる。
近付くにつれ、興奮する。
…どうして、そこに、俺がいない?
おかしいじゃないか。
我こそは、闘争の申し子。
戦うために生まれ、戦うためだけに存在し、
…かくて、疎まれしもの。
…広がる戦闘の空気に、足を踏み入れる。
左手に持った銃を、強く握り込む。
…あぁ。
お前だけは、いつも俺に答えてくれる。
いつも俺を、あいしてくれる。]
ならば、初めからそう言えばいいではないですか。かわいい等とは言わずにサーヴァントのようだからと。
宗冬は真殿の幸せを願っておるのです。その心を分かって頂きたいのです。
[嗚咽をあげ、宗冬は涙を、唾を流し始めた。]
…。
[隣の男はなんだか妙にそわそわしていてみっとも恥ずかしいとおもったがそれは合えて口にせず。
残り5m。ぞわりとした気配は、真後ろではなく上のほうから落ちてくる。
男はやはり落ち着かない。残り、3.27m]
…腹が減った。夕飯は、煮込み料理がいい。
[言葉に、走ったら家へもどれとの意味を含めるが、それに主が気づいたかどうかは謎で
───残り、0.6m。 0.3 0.2]
…いいな、腸詰は必ず入れろよ。
[きろり、と小さく睨んだかと思えば、ぞわりと背筋にゆれる気配確かめて]
───行け!!
[男に向かって叫んだかと思えば、二人左右に分かれて走り出す。
疾駆する事は選ばず、あえて英霊は主とそれほど変わらないスピードで*走り出した*]
…ヒサコ。
[―――瞬間 令呪はランサーを…]
具体性に欠けている。…が、承知した。我がマスター。
[ランサーは、相手を殺害する等の強い命令ではなく、人数も2人であるため、令呪の効果は薄いものの、槍を構えた。]
[どうもランサー達は自分も攻撃対象に入れているようだ…ソレに気付いたキャスターは気だるそうな声を出す。]
いやー、オレパス。
そっちのセイバーとガチンコやっといてくれー。
[手をヒラヒラさせながら叫んだ。]
[既に、目視できる距離。
強い力。強い意思。
一つではない。
二つでもない。
…あぁ、どうでもいい。
数なんてものは。
「俺」は、それを無視するべくして、作られたのだ。]
あぁ、おい。
楽しそうだな、お前ら…。
俺も、混ぜてくれよ。
[最早、普通に話すことも、辛い。
はやく。
あの感触を。
味わいたい。
その欲求だけに、脳髄が侵食されていく。]
[立ち止まり珈琲を買う様子に、こちらも建物に身を潜めながら様子を伺う。]
(拠点は西ブロックなのかしら?)
[どうにかして、相手のクラスが判れば……そう考えながら追跡を続けていた。
ふいに、年嵩の男の方が、挙動不審になるのを見て取った。注意深く観察していると、突如2名は逆方向へと走り出す。]
(しまった!気付かれてしまった?)
[しかし、二名が明確に分かれた事で、咄嗟に小柄な方がサーヴァントである事に気付く。]
(マスターを殺すチャンスだわ!)
[そう考えた瞬間、
"卑怯な事を……そこまでして勝ちたくは無い……"
ソフィーの声が脳内に蘇り、正常な判断を失ったまま、シャルロットは*ライダーを追い駆けた*]
ええ……?何だよいきなり?
参ったな、こりゃ、飲ませすぎちまったかなー……
ま、まあ、そりゃ悪かったよ。
とりあえず食えよ。
[ケネスは宗冬のビールのグラスを見て、少し戸惑った。]
この調子じゃ、今外に出るのは無理か……?
酔っ払ったバーサーカーとか洒落にもならねぇ……。
あーあ、こいつさえまともそうなら、公園とか見に行きたかったのによ……。
[そう言うと白飯をかき込んだ。]
[ランサーは両手をクロスに構え、一気に下方に振り下ろす。両手に嵌っていた腕輪が、轟音を立てて、キャスターの髭を切断するべく向かった。
もう一つ、キャスターの死角から、キャスターの頭上の大きな枝を切り落下させる。
少なくとも、相手が痛い目を見るまで攻撃の手は止めない。
両手を後方に退けたまま、次はセイバーに向かって疾駆した!]
−公園−
[誰からも見えないような樹の陰に、いつの間にか敬一郎は現れていた]
・・・・・・ アンリ・マユ。悪いな。
[そろそろ遊ばせておく時間は終わったのかもしれない。そう考えつつ。
令呪がうっすらと光り始める]
[しばらくドアのところで座り込んでいたが、立ち上がり、ドアに片手を突き]
さすがに、ドアを壊すわけにも行かないだろう。
最低限の情報は手に入ったし、教会に行こうか。
[その動きは前回の戦いとは違い、予想外の速度だった。彼の頬を浅く裂く]
貴様・・・・・・令呪で強化されているか!
[顔が紅潮する。もはやランサーの死をもってしか止まらない。そう思われた]
あーもう、こっち放っといてくれねーかなー…。
[そんな事を呟きながら、水の人形で前方からの斬撃をガードさせる…が水量が足りずに若干貫通。ヒゲが数本風に舞った。]
ああああぁぁぁ!
おいセイバー!こっちにまで手を出せると思ってるほど舐められてるぞ!
どうにかしろよ!
[ぶっちゃけ八つ当たりも良い所である。
叫びながら頭上からの枝を水の刃で細切れにする。]
−セイバーのマスター、アド・エデムが令呪を介して命ずる。
−今後ランサーのサーヴァントとの戦闘行為を、一切禁ずる。
[一画が消滅する]
…あいつらの中には、いねぇのか?
俺を、呼ばせた奴。
噴水へ行けとか、言っていたっけなぁ?
もう、よく、覚えて、ねぇけど…。
[両手に持った銃は、まだ上げない。]
あいつ、同盟がどうとか、言っていたような気がするなぁ。
同盟ってのはさ。
後ろから撃つって、宣言以外の、何者でもないよな?
そう、思わないか。
[ぶつぶつと、呟く。
ようやく左手を上げ、中指で眼鏡をつり上げる。
虚ろな目。
捉える。
先程、自分を捨て置いた、サーヴァント。]
[無造作に、銃を向ける。
狙う。
同時に、撃つ。
がぁん、と音がして、全身が震える。]
あ、う。
ふ。ふふ。
うは、ははははははははは!あはは!あははははは!
クハ、ひゅう、ひゅう、うひ、ひはっ、はは!
[弾丸の行く末も、見ていない。]
[セイバーの頬を浅く裂いたのを確認したランサーは、身を翻しキャスターへ向かう。]
まだ痛い目に合っていないようだな!
[髭の数本ではいけない。細切れにした枝が、ぱらぱらとキャスターの頭に落ちる中、ランサーは槍を繰り出した。その速度や、以前の川原戦より遥かに速い。]
分かって下さいましたか!
なれば次こそは押し倒すのです!
サーヴァントでもマスターでも関係ありません!
愛があればいいのです!
たとえ罠であったとしても、愛があれば乗り越えられますぞぉ!
[嗚咽と絶叫のコラボレーション。宗冬を召還したマスターの心中は如何なりや。だが宗冬の話はまだまだ続くの*だった。*]
な・・・・・・なんだと・・・・・・
[突然体に降りかかる重圧。ランサーと対峙する事に対しての絶対的な拒絶感。
ランサーの槍はかろうじて回避するが、剣が全く持ち上がらない]
何故・・・・・・ 令呪、だというのか!?
[手をかざす。だが焔は現れない]
ええい何故だ!!
――なっ!!!
[キャスターに繰り出した槍は万条の筋。
その背に貫通するのは、アーチャーの弾丸。]
が…は……。
[キャスターの目の前で吐血。シャクティ(魔力)で覆われていないランサーの身体は、容易く撃ち抜かれた。]
くっ・・・・・・ 仕方あるまい。
[問い詰めるしかない。屈辱の上塗りだ。
具体的な命令らしく効力が強い。このままではランサーを永遠に傷つけることは不可能だろう。あとはマスターに令呪を使い相殺させるしか手立てはない]
くっ・・・・・・ これで終わりだと思うな!!
[大きく後ろに飛びのくと、影に溶けた]
[再び距離を詰めるランサーの槍を後ろに避ける…が、その横薙ぎの閃光はキャスター右腕を大きく傷つけた。
そこから溢れる赤い液体は、雫となって地面へと零れ……]
…痛ぇなぁ、オイ。
しつこい男ってのは嫌われるぞ。
[落ちなかった。
腕から溢れる液体は宙へと留まり、キャスターの横へと浮かぶ。
血とは己の魔力そのもの。
血とは魂を宿す生命の水。
ならば、それこそがキャスターが操る"究極"の水以外の何であろう。]
"keihastaa"
[赤き血は刃となってランサーへと飛び掛る。
その速度は普通の水など比べ物にならない。
キャスターの魔力の結晶そのもの。]
[その後、再び文句を言おうとするキャスターの眼に映ったのは、その場から退くセイバーの姿。
吐血するランサー。
そしてその原因となった別のサーヴァント。]
…退くなら今っぽいな。
[キャスターは水人形と共にその場から*姿を消した*]
[様子が、おかしい。
戦闘の空気が、萎む。
急速に、抑止が働く。
―――何故。]
…なんだよ。
おかしいじゃねぇかよ。
[がくがく、と右腕を震わせる。]
戦えよ…!
俺は撃ったぞ!!
何故撃ち返さない!?
[半ば、悲鳴。
全てが、異常な光景としか映らなかった。]
[ランサーは、キャスターを睨みつける。ゆらん。と、眸の中で炎が揺れた。]
…―― 女好きの貴方が何を言う。
[女性からの令呪であるという事。そういった意図の事を言う前に、ランサーの肌は青く魔力に覆われた。]
[ゆらん。]
[ギギギ。ギ。]
[口元を赤く濡らしたランサーだったが、それ以上血液を零れなかった。目の前のキャスターが撤退を始める。ランサーの目は、アーチャーに向いた。]
−教会前−
[教会の前で、敬一郎の姿が教会の中に入っていくのが見える。
怒りを帯びた顔で、敬一郎を追った形で教会の中に入っていく。
礼拝堂の真ん中で、敬一郎はまさにセイバーがここに来ることを知っていたかのように待っていた]
貴様・・・・・・ 何故ランサーとの戦いを邪魔した!!
[キャスターが赤き刃を、打つように貫く。
ぺちゃり、と血が地面に落ちた。
悲鳴じみた声をあげ、武器を構える男がそこに居る。
こちらへ向かって、攻撃の意思を感じる。
ランサーの槍は、血に飢えたようにアーチャーへ向いた。]
−教会・礼拝堂−
[怒りをぶつけるセイバーに、冷静に言葉をかける]
悪いが、今お前がランサーと対峙するのは都合が悪い。
それを理解しないだろうから、令呪を使った。それだけだ。
何か問題はあるか?
ケッ、男が女好きで悪いかよ!
悪いのは"女を不幸にする"女好きだる!
[最後の言葉を叫びながらキャスターの脳裏に浮かぶのは"端麗"の二つ名を持つ男の姿。
アイツ程、自分が生きた時代でムカついた相手はいない。
そんな事を思い浮かべながら、キャスターの姿はその場から*完全に居なくなった*]
貴様・・・・・・
ランサーを斬ることを禁じられたまま、この聖杯戦争の生存者になる事を願うとでも言うのか!
この私の力を欲したのは、貴様ではないか!!
このアンリ・マユを!!セイバーとして!!
…来いよ。
お前を撃ったのは、俺だ。
俺を、殺したくないか?
殺したいよな?
殺したいはずだ。
[――攻撃の意思。
こちらに向く。
抑止が、晴れる。]
それで、いい。
否定するなよ。
俺の、存在意義。
もう。
「俺」から、離れていくなんて、ゆるさない。
−セイバーのマスター、アド・エデムとして令呪を介して命ずる。
−セイバー、その魔力の全てを。
−この俺に捧げろ。
それが、お前を呼び出した理由だ。
[ランサーは槍を掲げた。前髪に隠れた双眸は朱鷺色に渦巻く。爛々と輝く。純然たる殺戮の意思。
――――シャラン。
ランサーは腕輪を鳴らし、
戦いの火蓋を*切って落とした*]
貴様・・・・・・!!
最初から、この私の力が目的だったのか!!
[次の瞬間、セイバーは黒い塊となり。
敬一郎の体内に*飲み込まれた*]
[足元に転がる剣種を拾いあげる]
そうだ。だからこそこの剣は俺の所有物だった。
この聖杯戦争が始まるずっと前から、既に決まっていた。
この俺が、*真のセイバーだ*
[ケネスは、酔ってしまった宗冬を横目につぶやく。]
あーあ、それにしても今のままじゃ埒があかねぇな……やはり俺も誰かと組むべきなのかね。
しかし、近接戦闘となるとこいつは近場全部を巻き込んじまうし、お互いあまりメリットがねぇ。
てことは、あの銃を使うサーヴァントか、未だ見たことねぇキャスターか、根本的に戦闘手段が違うアサシン辺りか……。
まあ、あのトリガーハッピーが敵と味方をより分けて打ってくれるとも思えねぇけどな。
[それだけ言うと溜息をついた。]
[ドアに置いた手に、中の声が聞こえてくる。他の部屋も一瞬静かだったからなのか、内容もちゃんと聞き取れた]
(話を持ちかければ、聞いてくれるだろうか。特別危険な人ではなさそうだし、後でシャルロットに相談してみよう。
それもだけど……銃を使うサーヴァント、か。銃ならば、アーチャー?)
[音を立てないようにその場を*離れた*]
[薄れ行く煙の中で自分の行使した命令に束縛されたランサーを背後から何かが貫くのが見える。
冷静であったならばそれを放った者の存在に気づいていたに違いない。
同時にランサーの一撃が老人を掠め血が飛び、ややしてその血が刃と化して凄まじい速度でランサーを襲った。
悪夢のような光景。]
…
[感情に任せた自分の行動によってランサーの身に起き結果に発する言葉もない。
三体のサーヴァントと対峙しその全てと敵対する状況、ランサーが受けたダメージ。再び霊呪を発動することも覚悟するが…]
!?
[全く攻撃をせずランサーと自分に対して怒りの目を向けながら悔しそうな表情を浮かべたまま、剣を持ったサーヴァントは闇に消える。
続いて老人もその場から消えていく。
残った背後から攻撃を加えた新たなサーヴァントに戦闘態勢をとるランサーをみて、その身を案じながらも罠のある立ち入り禁止区画内の林の中に駆け込み木の陰に*身を潜めた*]
― 住宅街へ ―
…は、、、ハァっ
[ これ以上ないくらい大慌てで久仁彦は走っていた。どのくらい大慌てかといえば「これ以上」が「ご令嬢」と変換されるほどにだ。予測変換の馬鹿。]
なん、だよ。なんだってんだよッ
[ ライダーの態度から、自分たちが敵に狙われたのはよく判った。だから久仁彦は限り無く素直にライダーの言葉に従い逃げ出した。路地を折れ、大通りに飛び出し、人混みに紛れ…。]
― 住宅街 ―
[ サーヴァントとマスター、狙うならば当然マスターだ。自分が追いかけられているものと思い、久仁彦は滑稽なまでに逃げ続けていた。]
なんでだよ、なんで僕が狙われなきゃなんないンだ。他にもいるだろうランサーとかセイバーとかキャスターとかアーチャーとか、アサシンとかバーサーカーとか通りすがりの哀れな目撃者とか!
[ 恐ろしく身勝手なことをほざきつつ、建ち並ぶ住宅の中の一軒を選び庭へと入る。そのまま玄関に直行すると―hi,larke goh-ma―難なく鍵を外し中へと踊り込む。
ご丁寧に「ただいま!」とまで叫び。]
はい、お邪魔するよ、気にしないでくれ、押し売りや物取りや強盗でも突撃隣の晩ご飯でもなんでもない、ただ勝手口を借りるだけだ!
[ 驚く家人にまくしたてながらずかずかと廊下から台所へと抜け、勝手口から外へと出る。
そのまま塀を乗り越え隣の裏庭から先とは別の通りに出たところでようやくひと息。]
ふぅ、ハ、、、フゥーー…。
………。
よし、帰ろう。
[ 攻撃される気配がないということは、振り切ったということだ。
そんな判断をすると、何事もなかったかのように歩き出した。
…人目につかないよう、くねくねこそこそと*挙動不審に*]
―西ブロック・夕方―
[陽は大分傾いてきた。慎重にライダーを追跡していた足を止め、ふとシャルロットは、公園の方から感じる魔力の放出に神経を澄ませた。]
(……公園で、戦闘が開始されたのね。後で、様子を見に行ってみよう。)
[小柄なサーヴァントの姿は、そのまま見失った。咄嗟の判断でマスターを追わなかった己を呪うように、シャルロットは踵を返して年嵩のマスターと思しき人物が走った逆方向へと向かった。]
(サーヴァントと合流、しているかもしれない。でも、もしマスターががら空きであれば、今からでももしや……。)
[マスターは、第一に私に消えるな、と言ったのだった。
つまり、真正面からの戦闘に絶望的なほどむいていない自分が、所謂"知略を用いない"戦いをしようとする方がどうかしていた。
そんな事をぼんやりと考えながら、マスターと思しき人物が逃げた方向へと屋根の上を飛び……人通りが多くなった辺りで歩道に下り、いつものように優雅に歩き出す。
程なくして駅前に出ると、喧騒に紛れて挙動不審な人物の後姿が見えた。注意深く周囲を観察する。どうやらサーヴァントとはまだ合流していないようだ。]
(人通りが激しいのが、ネックですわね。これは、瞬殺と言う訳にはいかないでしょう……。)
[方針を切り替え、そのままゆっくりと久仁彦に近寄った。]
― 中央ブロック・駅前 ―
ええと、煮込み料理とかいっていたな、あいつ。
[ 人混みをぶつぶつと呟きながら歩いている。
ここまで来る間に恐怖心はかなり薄れたようだ。別れる間際に聞いたライダーの言葉を反芻する。]
ま、それは好都合。ちょうど仕込んでアレがいい感じだろうからね。いい勘をしているもんだよあいつも。
それにしても…。
[ 独り言を続けながら、目の前に落とされた白いハンケチをごく自然に拾いあげる。]
腸詰めか…。
あいつのいう腸詰めって豚かな羊かな。まあいいさ、とりあえず買い置きはないんだし、仕方がないから買ってきてやるよ。うん。
[ ハンケチを落とし主らしき娘の頭に投げ落とすと、その結果を見向きもしないで駅前デパートへと足を向けた。]
[背後に神経を集中し、声がかかるのを待つ……が]
パサ
[頭の上に何かが乗っかる。スタスタと横を通り過ぎて行く男の背中を見送り、暫し呆気に取られた表情を浮かべた。]
……成る程、煮込み料理を好むとなれば、サーヴァントはドイツ系か北欧系という事ですわね。
でも、あの顔立ちは私が居た国のもののような気が、するのですけれど……。
[首を捻って、駅前に佇んでいる。]
[ デパートではなんだかドイツ物産展とか開かれていて。おかげでそれなりに上物なフランクフルトを手に入れることが出来た。]
…おやおや。
[ ほくほく顔でデパートを出た久仁彦が目撃したのは声を掛けてくる男をオコトワリしては、また別の男に声を掛けられるというループを繰り返す…やたらに見目麗しい娘―言うまでもなくシャルロット―の姿だった。]
なーにやってんだろうね。
[ 面倒臭そうに呟き、シャルロットの方へと近づいていく。]
[ ちょうどシャルロットに声を掛けようとした男にがっしりと肩を組み。]
愚かだな君も。こんな清楚可憐なお嬢さんがナンパなんて安っぽい方法でゲット出来ると思ったのか? いいから、あっちの頭の軽そうなお姉さんにしときなさい。
[ 有無をいわさず、男の背中をばんと叩いて追い払う。
そして、突然の展開にきょとんとしている風のシャルロットを見つめ、軽くため息をつくと。]
おたくもさ、もう少し目立たない努力をした方がいいんじゃない?
[ それだけ告げて、立ち去ろうとした。]
[突然、軟派してきた男を追い払う人影。見れば、先ほどから自分が追跡していた、マスターではないか。驚いて、一呼吸の後立ち去りかけた男にニッコリと微笑んだ。]
有難うございます、ムッシュ。
……先ほどは、ハンケチまで拾って頂いて。親切な方なのですね。
え?
[ 礼の後に続いた言葉に振り返る。言われた言葉を頭の中で反芻し、ようやく思い出す。]
ああ、そういえばさっき拾ったね。あれは君だったのか。うん、まあ、あんまりぼーっとしてちゃ駄目だよ。
[ 改めて、目の前の娘をまじまじと眺める。見るほどに美しいと思う。が、長年に色々積もり積もった女性不信がそれ以上の感情を抱かせないよう脳内で強烈なストッパーをかける。]
[久比古の手元には買い物袋。先ほどの会話と辻褄を合わせれば、料理でも作るのだろう。瞳を見つめながら、小さな唇を開きゆっくりと話しかけた。]
貴方はお料理をされるのですね。
……もしよろしければ、今度ぜひ今日のお礼をさせて頂きたいのですが。
また、会って下さいますか?
私はたまに、川原で散歩をしておりますわ。
[そう告げると、やんわりと微笑んで会釈をし、そのまま*川原の方へと歩いていった。*]
[ウィークリーマンションから遠ざかり、西ブロックへと伸びる道を歩いている]
裏を通った方がいいかな。
商店街は最近何かと物騒なようだし、単独行動してる以上、自分から飛び込むのは危険だ。
[商店街へと延びる大通りから、裏道へとはいる。それでも警戒を解くことなく]
え?
ああ、うん。まあいいけど。川原だね、見掛けたら声でも掛けさせてもらうよ。
[ 意外な反応に、きょとんとした顔で応対する。
会釈をして立ち去る姿を暫くの間、見送ってから、改めて口を開いた。]
また、変わったお嬢さんだったねえ。
[ それがサーヴァントであるとは、気付きもせず。]
ー駅前→西ブロック方面へー
公園の方が騒がしいな。
あの罠に釣られてやってきた者がいると言うことか。
[公園の方に大きな魔力のぶつかりを感じ、視線だけ向ける]
[微弱な令呪への反応を感じ、駅前の方へと振り返り、人通りの多さを見て探すことを諦め]
今は、教会に行こう。あの管理者に聞いてみなければ。
何か、情報が入るといいけど。
[嫌な予感を感じながらも、教会へと向かう]
ー教会ー
この前来たときと、妙な感じがする。
[目の前に建つ教会を見ながら、わずかに令呪を押さえ]
でも、折角来たのだから、中を覗いてみるだけはしてみよう。
[窓から中を覗く。礼拝堂には*誰もいないようだった*]
― 駅前→自宅 ―
さてさて、と。
[ 一応、誰もついてきていないということを確認してマンションへと入る。
近くに気配はない。ライダーはまだ戻ってきていないようだ。]
料理は九重、九重本味醂ーと。
[ ぶっきらぼうに鼻歌らしきものを歌いながら、久仁彦はエレベーターに乗り込むと6階へのボタンを*押した*]
‐川原‐
[公園から離脱したキャスターは川原で座り込んでいた。
いや、座りながら右手の治癒をしていると言った方が正しい。]
あー、もう痛ぇなぁ。
…あとでボケマスターもう一発殴るか。
[とりあえず怒りの解消法は八つ当たりと言う形で解決されそうだ。]
てか…なんでセイバーは退いたんだ?
アイツの力ならそんな必要なかっただろうし…。
−教会−
[先ほどの儀式を終え、教会の奥で令呪の加工を始める。
アンリ・マユの力を有効に利用するにはまだこの”仮初めの”令呪は必要である]
・・・・・・
[その右肩には、聖杯の管理者として付与されている”補助令呪”が複数刻まれている。
不慮の事故や排斥目的の懸賞などに管理者が所持する物だったが、今はつまりはセイバーのサーヴァントにしてマスターである彼の手中にある。
彼はその補助令呪を消費し、彼自身の令呪を2つ復元した]
これでいい。
―駅前→川原―
[どのクラスか判らなかった、そのマスターの拠点を突き止めることはしなかった。また会う約束を魅了の発動と共に起こしたので、その時に拠点に案内してもらえばいいと、そんな風に考えていたからだ。
歩くほどに戦闘の気配は濃厚になってくる。公園では派手なぶつかり合いが起こっている事は明らかで、それは非常に都合の良いものだ。
公園に隣接する川原へと到着すると、そこにはしゃがみ込むキャスターの姿が。
のんびりと傍へ。]
ヴァイナさん、どうされました。
[不機嫌ながら悩んでいるところに、知っている声がかかる。
これだけで機嫌が直るのだから、キャスタ−の不機嫌っていうのはあまりアテにならないのかもしれない。
まぁ、単純バカとも言えるだろう…ちなみにスキルの魅了は魔法使いたるキャスターに効果は無いのだが、正直ソレは別の意味でまったく意味はない。
だって、勝手にオート魅了だし。]
やぁ、マリアちゃん!
[にこやかに笑顔で返事をするキャスター。]
いやー、恥ずかしながらちょっと怪我してねー。
[ぶつくさと小さく声がしていたと思ったキャスターは、振り返ると満面の笑顔でこちらを見ていた。
怪我と聞き、心配そうに右手を見つめた。見れば、髭の先が部分的にまるで床屋で失敗しちゃったみたいに切り揃えられていた。]
……まさか、公園での戦闘に参戦していらしたの?
傷、見せて下さる?
[キャスターの手をそっと取り、静かに撫でた。]
いたいいたいの、とんでけ。
いや、参加する気はさらさら無かったんだけど。
どっかの俺様セイバーに商店街でつかまってねー…。
[言いながら溜息を吐く。
いやまぁ、そのおかげでこれ以上無い情報も知りえたわけだが…。]
【ま、神様なら俺様になっても仕方ないわなー。】
[自分も若干テンションが上がるとそういう所がある為強くはいえなかった。]
あー、そうだマリアちゃん、ちょっと頼みたい事が…って。
[そこまで言いかけて言葉…というか動きが止まる。
もちろんマリアの行動に対して感動…いやむしろ男泣きしていた。]
うおぉぉぉぉ!
今ならもう死んでもいいかもしれない!
[いや、お前は既に死んでいる。]
俺様セイバー……。
[マスターが言っていた、沖田総司の事だろう。史実からは、バーサーカーと掴み合いの殴り合いをしていた事からは、俺様キャラとは到底思えなかったが…取り敢えず、殿方には色々な側面があるものだと感心しながら聞いていた。
ふいに、突然キャスターが騒ぎ出したので、びっくりして手を離した。]
って、そんなに痛いのでしょうか?
この程度の傷で根を上げるなんて、よっぽど負け知らずなのでしょうね……流石ですわ。
で、私に頼みって何かしら?
[訳も判らずきょとんとしたまま、そう尋ねた。]
いや、もう全然痛くないです!
もう完全にいまので全快、むしろずっと撫でてるくれると魔力まで回復する勢い!
[腕を勢いよく動かすキャスター。
…なんか色々とおかしいが、それが彼なんだろう。]
あ、あぁ…それで頼みの前に聞きたいことがあるんだけどね。
[マリアの言葉に何とか落ち着きを取り戻す。
そして、ちょっと言いにくいように言葉を続けた。]
サーヴァントじゃなくてマスターを攻撃するのって、嫌かな?
あー、殺すんじゃなくて攻撃ね。
まあ、それは良かったですわ。
"癒しの手"とは、良く言ったものです。
[元気になった様子のキャスターに安心して微笑む。続く彼の言葉には、まっすぐに視線を投げたまま平然と答えた。]
いえ。
私のクラスでには、そういう戦い方も当然"戦略"として求められてきますわ。
私が生前行った暗殺も、病の床で身動き出来ない状態の対象の心臓を一突きに狙ったものでしたし。
それが作戦、と言うのならば。
問題、ありませんわ。
ん…そっか。
[マリアの言葉に何か言おうとしたが、言葉が見つからなかった。
"彼女が行った事"に口を出す権利も何も無いし、彼女が平然とソレを口にしているのだ。
彼女にとってソレは誇りのある行為なのだろうし、"殺す"という行為を責める気なんてさらさらない。
キャスターは"男が女を不幸にする・傷つける"という事にのみ嫌悪感に近いものを持っているが、それ以外は別段どうでもいいのだ。殺す事全てが悪だなど言い出したら、ソレは賢者ではなく愚者であろう。]
それじゃ、お願いしようかな。
[キャスターは水から一本の短剣を作り出す。
クラスの固有スキルである"道具作成"。
ランクは低いが、ソレはある条件さえ満たせばそれほど問題にならない。"音楽"か"水"に関係するものならば、ある程度までのものは楽に作り出せる。]
これはただの短剣じゃなくて、斬ると同時に相手の血を内部へと吸い取ることが出来る。
もちろん、吸い取る量は斬り付けた回数や傷の深さに左右されるけどな。
[そういいながら、その短剣をアサシンへと手渡した。]
そして、これで相手の"マスター"の血を少しでも採取できたら必ず持ち帰ってきて欲しい。
お礼は…そうだなぁ。
[暫しの思考…その末に出た言葉は。]
俺の真名…でどうだろう?
別にマリアちゃんなら先払いでもいいぞ。
[もちろん、考え無しで言ったわけではない。
水が得意だと言うことは既に相手にもわかっている事だし、もし宝具を使えば"確実"にバレるだろう。
そもそも、水が無ければ自分はあまり力を発揮できないと知られている時点で既に真名を知られる事によるデメリットは無くなったと考えても良いほどである。
強いて言えば、宝具を警戒されることだが…その宝具にしたって目の前のマリアに使う可能性はほぼ無いと言える。
女性と言うことは何より、あのセイバーがいるのだ。
自分が持てる全ての手を使わねば勝てない…いやむしろあの神に対抗できる手段など今回呼ばれたサーヴァントの内何人が所有していると言うのか。
そう…使うべき相手は限られており、さらに自分が秘匿しなければならないのは"宝具を使える回数"が現状では"一度のみ"という制約ただ一つ。
ならばここでマリアに真名を教えるのはデメリットとはならないという結論に達した。
…別に、自分の名前を知っておいて貰いたいとかそういう気持ちは無い。と思う。うん。]
[自分の言葉に一瞬口篭るキャスターに、シャルロットは誇らしげに微笑む。]
ええ。世界を混乱に陥れる"悪"は、成敗せねばならないのです。
私が求めるのは、神の御心に沿う"平和"なのですから。
[そう言い切ると、キャスターの手から生まれた短剣が渡された。
揺らめく美しい水の短剣……それは、シャルロットの儚げな様子に酷く似合うものだった。
短剣の説明を聞きながら、最後に付け加えられたお礼の条件に心底驚いた表情を浮かべ、目の前のヴァイナをじっと見た。]
……それは。
それは、自分の弱点や戦法を相手に教えるようなものですわ。
いけません。
幾ら同盟関係を結んで居るとは言え、私たちもいずれは、倒し合う関係になるでしょう?
私が掴んだ他のサーヴァントに関する情報は幾らでも教えますし、ヴァイナさんの持たれた情報も知りたい。
でも、お互いの情報を交換するのは、得策ではないと思われます。
……貴方の真名よりも私は、貴方と共闘して敵を倒してゆける事の方が、よほど価値のある事なのですわ。
[それは彼女の本心だった。
むろん、自分の真名を知られるデメリットと比較すれば、真名交換などシャルロットにのみ有利な条件だと思え、あろう事か相手は自分の名だけを教えると言ってきていた。
こんな絶好の機会はないだろう。
しかし、同盟を結ぶ相手に対し姑息な行為をするような気がしてどうしても乗り気にはなれなかった。]
私がそれを、上手くやりおおせるとも限りませんし。
もし、この短剣が役に立つ時がきたならば、その時改めて交換条件を持ちかけさせていただいても、よろしい?
― 自宅 ―
[ KY3分クッキング。
♪ちゃんちゃかちゃらりら・ちゃん・ちゃん・ちゃん…]
まず、用意した牛すじや豚ホルモン他を下茹でします。
大根、牛蒡なども小さめに切り、味が染み込みやすくしておきます。
次は鍋の用意。主役となるのは味ミソです。味ミソは赤ミソに砂糖を入れ、水で薄めて作ります。赤ミソは砂糖との相性が抜群、砂糖は恐れず多めに投入するのがポイントになります。
味ミソが出来上がったなら、後は下茹でした具材を放り込みコトコト1〜2時間も煮込めば完成です。
…が、実はこの料理。煮込めば煮込む程に具材に味ミソの風味が染み込み、また具材が出汁となり味ミソの風味を更に深める魔法のような料理です。水分が飛んでしまわぬよう、時々足し水をしながら長く煮込んでみてください。
というわけで、本日は三日ほど煮込んだものを用意いたしました――。
[ 台所には、立派などて煮が出来上がっていた。]
で。
このフランクフルトはどうしようね。
[ 明らかにどて煮に放り込むものではない。]
うん、まあいいか。これはこれでボイルしておこう。フランクフルトはボイルして食べるのが一番だとヘフナーくんもいっていたしね。
[ 高校時代にドイツからやってきたスポーツ留学生、ヘフナーくんに熱く語られたフランクフルトの美味しい食べ方を思い出しながら、夕食の支度を*続行*]
【悪…か。】
[思い浮かぶは、全ての悪の名を持つ騎士。
自信満々で俺様で、何処か扱いやすい神の英霊。
ソレがなぜだろう、かつての友と何処か重なってしまう。
自分以外に唯一"不滅"の名を持つ天と炎の魔法使い。
少し煽てるとなんでも作ってしまう、扱いやすい神の職人。
金と銀で嫁そっくりの等身大人形を作って「動かないんだよコレ」とか言い始める果てし無いバカ。
だが…彼だけが唯一自分と"対等"だった。
争いもするし、バカにしたりもしたが、それでも全て真っ向からだった。
そういう所が、なんとなくあのセイバーと重なる。
"全力で叩き潰す""貴様にだけ"。
あいつなりに自分を認め、真っ向からの決着を望んでいる。
ならまぁ…相手が男でもそれに答えるのが義理なんだろう。]
【面倒とか疲れるのは嫌なんだが…ま、しょうがないな。】
[少し苦笑をもらす、自分らしくない思考だがそういうのも偶には良いだろう。]
そっか。
うん、やっぱマリアちゃんって良い子だな。
俺、そういう奴好きだね。
[マリアの返答に、驚きながらも頷く。
生真面目で、とても好感が持てる答え。
不器用で非効率的だが、目の前の人物のイメージにぴったりな返答。
それは、キャスターにもとても好意的に受け取れるよう映った。]
わかったよ、それじゃマリアちゃんが成功したら改めて…って事で。
[その後、お互いの情報や起こった事を伝え合う。
アーチャーの武器が銃だった事。
ランサーのマスターが令呪を使用した事。
……ウチのボケがとんでもない事をやらかした事。
だが、セイバーの真名だけは伝えなかった。]
最後に、セイバーだけには手を出さない方がいい。
あいつは異常だ、普通にやって勝てる相手じゃない。
それに――
[真剣な眼差しで告げる。]
――セイバーとは、俺が決着をつけたいんだ。
まぁ、俺が負けたら後は任せる形になると思うけど。
宝具を使っても勝てる保障がない奴が居るってのは予想外だったなー。
[その後、普段の軽い口調に戻ったキャスターは暫く雑談を続けた。]
さてと…それじゃ俺そろそろ戻るわ。
掃除もしなきゃいけないし…何よりあのボケに説教しなきゃいけないからな。
[キャスターは気合を入れると、その場から*立ち去った*]
【システムメッセージ】
これから投票する予定の方が大半だとは思いますが再度告知です。
※”3日目の”吊り/襲撃先クラス投票は、2日目の間にGMまでメールで送信して下さい!
現時点での投票数は、4票です。
というわけで、公園の銃弾回収に行ってきま〜す♪
・・・・・・ まじ、街中でガトリングとかありえねーから。せめてもっと集弾率の高い機関銃使ってもらえね?
全くこれだから戦場知らねー若造はよー[煙草スパー]
【システムメッセージ終了】
― 樹那森林公園 ―
[相手の武器は飛び道具。鈍く重厚な輝きを持つ、破壊する事に特化した武器、殺戮という意思を凝り固め練り上げた末に出来たもの――銃。
ランサー本人の時代に、そのような武器はなかったが、"知識"が教えてくれた。
ランサーは、鋭き槍先を、穂先を下にして構えた。
槍は太陽に照らされ、青銅色と白銀色の間を行き来する。油を垂らしたように、表面はぬらりとしている。
敵。
混乱か狂気か。身の内に潜む焔に焦がされ、愉悦を味わい尽くさんとするサーヴァント――アーチャー。
纏う衣は漆黒の色。死神のように幽鬼のように立つ姿は、到底正常な意思判断が出来ているようには見えなかった。
距離は充分。槍の間合いより、いまだ遠い。]
[わざと、ゆっくりと、撃鉄を起こす。
右手はゆるりと下げたまま、左手に持った銃を、横向きにランサーへ向ける。
狙いは、体の中心。
細かい狙いをつけたところで、この距離では心許ない。
身を隠そうとも、距離を取ろうともしない。
そうする方が隙が大きいということが分かりきっているからでもあるが、そういう思考が元々ないからでもある。]
さぁ、来いよ。
楽しもうぜ。
どういう事情があったとしても、お前も、所詮は、俺と、同類だ。
ここに、こうしている時点でな。
[手の震えは、一切ない。
向けられる攻撃の意思に、心は際限なく昂ぶっていく。]
―昼・樹那森林公園―
いったーい!
レディの頭をはたくなんて、お爺ちゃんってば紳士失格!
そんなんじゃ、若返っても女の子にもてないんだからねっ!!
[文句を言いながらもキャスターの指示に従って戦場を離脱する。
駆け寄る愛犬と共に、自宅へ向かった。]
―昼〜夕方・自宅―
[散らかった部屋はそのまま、リビングで学会誌に目を通しながら紅茶を飲んで優雅な一時を過ごす。]
……お爺ちゃん、遅いなぁ。
もう一度、令呪を使ってみようかしら。
だからよ。
今、この時を、精一杯に、楽しめなけりゃ、大損じゃねぇか。
お前が、その生を、満喫できることを、俺は祈ってる。
フヒッ。
[に、と笑う。
合図とばかりに、無造作に引き金を引く。
同時に、右手を自然な動作で上げ、敵の動きに合わせる。
全身に、震えが広がる。
槍を持っているのだから、ランサーなんだろう。
そう当たりをつける。
ライダーや、バーサーカーかもしれないが、それは別段大したことではない。
大事なのは、目の前にいるのが自分の敵で、それがすなわち、自分がこの世に二つとない快楽を得るために必要不可欠な、唯一つの条件であること。
それだけだ。]
くは、ははっ。
[この感覚でしか、俺は生きられない。]
…てめぇは、逃げんじゃねぇぞ。
俺の存在意義を、否定するのは、許せねぇ。
[ランサーは無言。
シャクティ(魔力)に包まれた肌は青く、双眸、細身のセーターとショートボアコートの一部、そして口元は赤く。
―――タン・
残像と跳ねた土を残し、
愚直なように、一直線にアーチャーに駆ける!]
‐自宅‐
あー…だりぃ。
[自宅へと戻る…がこれからの展開に頭痛を覚える。
いや、だって大体予測つくし。
…まーとりあえず、もう一発しばいとこう。]
おい!ボケマスターちょっとこっちこい!
[ドアを開けると同時に怒鳴り込む。]
−『魔女の館』−
[ガトリングが出て行ったあと、洗い物をしていると
体から力が抜ける感覚がしてお皿を取り落としてしまう。
ぱりんと渇いた音を立てて破片が床に散った。]
……戦いになったみたいね。
見境なく撃たないでほしいけど……。
……無理でしょうね。
[しゃがみこんで破片を集める。]
あのバカ、もう少し考えて撃てばいいのに。
わたしの力ぎりぎりまで使おうなんて
どうしてそんなこと考えるのかな。
人の話全然聞いてないし。
いつもやたらと突っかかってくるし。
ほんとに、もう。
[文句をぶつぶつといっている。]
[令呪に魔力を送ろうとした時、キャスターが怒鳴りながらリビングに入ってきた。]
あ、お爺ちゃんおかえりー。
さっそくだけど、お掃除お願いね。
[ティーカップに口をつける。]
お願いね。じゃねぇこのドアホ!
[ティーカップに口をつけた所に、もう一度頭を叩く。]
そこに正座しろ!今すぐに!
[文句を言おうとする所にもう一撃。]
正座ァァァァァァァ!!!!!
……ぶっ!
[叩かれた拍子に紅茶を噴き出した。]
ちょっと!レディの頭をはたいちゃダメって言ったでしょ!!
……もう、何をそんなに興奮してるのよ。
[あくまでもマイペース。]
誰がレディだ!お前なんぞフレディで十分だ!
あああぁああぁああ!もう!
[怒りすぎてもはや言葉が意味不明。
そんなに興奮すると頭の血管が切れるぞ。
肉体はあくまでも老人である。]
お前が!正座するまで!溺れさすのをやめない!
[その瞬間、水が美貴の顔に巻き付く。]
お前どんだけ令呪が大事かわかってんのか!?
しかも敵の本拠地に単身で行って?
そこでは俺を呼ぶために令呪を使わずに?
掃除の為に令呪を使った?
……脳味噌腐ってんのかワレェェェ!!!!
ふふ、うふふ、は、あは、あは、あはは!
[速い。
想像よりも、ずっと。
以前戦った刀の男と比べても、スピードそのものは圧倒的に速い。
撃ち出された銃弾に対し攻撃するとは、信じられない概念である。
かの男ほどには、「一撃」に対する脅威は感じない。
だが、強引に奥深い淵に引きずり込まれていくかのような、危険な感覚を覚える。]
…いいねぇ。
すごくいいよぉ!
それだけ動けたら、楽しいんだろうなァ?
[狙いを修正し、右手の銃を撃つ。
相手の射程距離に自分が入るまで、大した時間はない。
狙いは、相手の肉体ではなく、槍の柄。
あれだけ長大な武器の重心が狂えば、動きも同様に鈍るはずだ。
右手の反動を逃すと同時に、左に持った銃の撃鉄を起こす。]
−教会・墓場−
[沖田敬一郎がドアを開けた頃、墓場に足を踏み入れていた。その中のひとつの前に佇んでいる]
……ナガレ、アキラ1955-1983……イレーヌ・ソフィー・ルブラン1956-1983……。
これは、まさか。
[墓標に刻まれた文字を指でなぞる。古びてはいたが、手入れはされているようだった]
両親の、お墓。でも、どうしてこんなところに。
[考えてみても、答えが出るはずもなく]
フレディって誰ごがぼ……。
[またもや水攻めをされる。
美しい空気が恋しくなる。
水の壁に阻まれてキャスターの声も届かない。
そのうち美貴は考えるのをやめた。
ばたり、と掛けていたソファに倒れこむ。]
[祖父は仏教徒で、教会に来ることなどなかった。両親の墓がどこにあるかなど、考えたこともなかった。いや、正確には、代々伝わっている墓に入っているのだとばかり思っていた。
決められた日に祖父とお墓参りはしていたが、ここに連れて来て貰ったことなどなく]
16年前、私が4歳……。
両親が亡くなったことを憶えてないなんて、どういうことだろう。小さかった、から……?
[後ろに払った槍が、即座に手元に戻る。
まるでビリヤードの突き棒を受けるように、左手を添えて、掴む。
銃弾という一直線の点の攻撃に対し、此方も点(ピンポイント)の攻撃をなす。
――カシュ。
放たれた弾丸が、また二つに割れた。
突きは流星の如く、速い。
地面に、嘗て銃弾だった、同形の成れの果てが同時に跳ね、転がる前に、ランサーの左足が踏み出される。]
[相手が気絶したことで多少落ち着き…もとい気が晴れたようだ。
若干清清しい顔を浮かべるが、まだ怒りは収まってない。
しかし…。]
あーくそ、体が上手く動かなくてうっとおしい!
[部屋に帰ってからどうも動きづらい。
令呪の効果だろう、掃除と言う行動を開始するまでずっとこの調子のようだ。]
…説教の続きは掃除が終わってからだな。
"Tyoskentely keijukainen"
[詠唱をすると同時に、水の人形は何匹もの小人へと姿を変える。
そして、それぞれが俊敏な動きで掃除を始めた。]
…やっぱ、俺自身も動かなきゃダメか。
[動きづらいのは治らない、渋々キャスター自身も掃除を始めた。]
[後で花でも持ってこよう、と思い直し、再び教会の入り口のほうへと歩き出す]
ここにきた理由を忘れるところだった。
セイバー周りのことを調べに着たのに。
ん、……うーん。
[意識を取り戻すと、部屋が綺麗に片付いていた。]
よしよし、お爺ちゃん、ちゃんとお掃除したのね。
[うんうん、と満足げに頷く。]
[ぞく、ぞく、ぞく。
最早自分を射程距離に捉える寸前に迫り、まさに足を踏み込まんとする敵の姿が、フラッシュのように脳髄に焼き付く。
一つ前の動きによって発せられる風を切る音が自分の耳に届くよりも速く動いているのではないかと思わせるほど、その槍は速い。
華奢な体で繰る動きにも、まるでその重みを感じさせない。
あれだけ速ければ、一直線に動くことが分かっている銃撃を防ぐことは、そこまで難しいこととは言えないだろう。]
こうじゃねぇと、いけねぇよ。
なァ?
[相手は強大であれば強大であるほど、いい。
それでなくては、砕き甲斐がないではないか。]
あぁ、もう。
細かいことを、考えるような、無粋なことは、やめだ。
あー、掃除した。
だから今度はお説教だ。
[美貴の前で腕を組み仁王立ちをしているキャスター。
コメカミがピクピクしているのは見間違いじゃないだろう。]
とにかく座れ…正座!
[有無を言わさない勢いで指示をするキャスター。
静かな分先ほどより迫力があるかもしれない。]
まず、なんで敵の本拠地に行ったのに俺を呼ばなかった?
そこから説明してもらおうか。
[両腕を、真っ直ぐ前に突き出す。
交互に、両手に持った銃を撃つ。
撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。
その最たる基礎に、彼の嫌う魔力を置くからこそ、できる芸当。]
くは、ははははは!うはは!あーははははっ!
[ぐらりと視界が揺れ、シンクに手を突く。
ぱりん、と音が響く。
2枚目のお皿を割ってしまった。]
あんのバカ……。
一体何やってんのよ。
[そのまま座り込みそうになりながら皿の破片を片付ける。]
……だめだわ。
そりゃ確かに戦いに行けばっていったのはわたしだけど
これじゃ仕事にならないじゃない。
帰ってきたらちゃんと言わないと。
[再びぶつぶつ文句をいっている。]
[哄笑する男。漆黒の悪魔の両腕より放たれ続ける、
横殴りの鉄の雨。否、――嵐。
その悉くを、ランサーは突きだけでいなす。
煌き、残像すら視えない。
甲高い音が途切れない。
ランサーの歩みが止まり、両側には、割れた弾丸が積まれ始める。
二つの山。
じゃらじゃらと耳障りの良い音が鳴り響く。]
― 西ブロック・マンション ―
[ひと通り食事を終え、しばし時間を潰していたケネスは立ち上がってテレビに向かう宗冬に声をかける。]
何だ酔いは覚めたのか?なら少し付き合ってくれや。つけたお嬢さんの足取りが途絶えた、教会付近をうろついてみたいからよ。
[ケネスは宗冬を連れて部屋の外へと出る。]
……ハ?
[え、なにこいつ。
もしかして敵の本拠地に行ったのにそれに気付いてなかったのか?
もう呆れて物も言えないキャスター。
だが、ここで言葉を止めたら意味がない、なんとか気力を振り絞り口を開いた。]
あのな、マリアちゃんから聞いたんだよ。
昨日敵の本拠地を見つけたんだが、そこに何故かお前がいたって。
マリアちゃんはお前も気付いてるだろうから話も聞けるんじゃないかって言ってたけど…心当たりはないか?
[―――が。
歩みが止まったかのように見えてそれは、
先程と比較しての事。気づかないほどゆっくりと、じりじりと近づいている。
ランサーの顔には、笑み。
一直線の攻撃…放たれるもの。
アーチャー。
嘗て、弓の名手だったからこそ分かる。
狙いをつける集中力。
番え引き絞る力。
その間だけは周囲の細かい分析は不能。
目の前のアーチャーの武器は、番え引き絞る力が省かれ、狙うよりも放つという行為でしかないものの、視点は固定。周囲の状況を細かく判断する事など出来ないだろう。第三者たる分析者が居ない。
一歩、足が踏み出された。どちらかの銃を取り下げる、または後方に移動しようとする。その瞬間、ランサーは距離を詰めるだろう。]
[破片を集め終えると今日は仕事にならないと
あきらめて早めに店じまいをする。]
もう出かける気力はないし、
彼のところに行ったって
わたしの言うこと聞くわけないものね。
……動けるうちに休みましょう。
[外に泥棒よけの香りを撒き、
勝手口の鍵を開けて置く。
住居スペースの台所に
夜食用にハーブチキンのサンドイッチをおいて
重い身体を引きずって自室に*引き上げた。*]
マリアちゃんと、一緒に……?
ご近所の“魔女の館”っていうおしゃれなお店で会ったよ。
あそこは今日も行ったけど、別に普通のお店だったけどなぁ。
[他に思い当たる節も無く、首をかしげる。
そして一つの出来事を思い出す。]
あっ、あと、今日のお昼もすれ違ったかな。
マリアちゃんってば、怖い顔してたんだよー。
可愛い顔であの迫力!さすがサーヴァントって感じねっ!
ふぅ。
あは。
クハッ。
[満面の笑み。
「俺」は、そういう武器だ。
防がれるならば、砕くだけの。
当たらないならば、当たらない確率を埋めるだけの…。
しかし、この状況には、さすがに飽きてきた。]
…おまえ、くだらねぇ戦い方するな?
[無造作に。
一歩を踏み出す。
その間も、撃つ。撃つ。
続けて、二歩。
撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。撃つ。]
お前、笑ってるけどよ。
もっと自由にやる方が、楽しいぜ?
さぁ、来いよ。
近ければ近いほど。
俺の攻撃だって、速くなるんだぜ?
[く、と。
左手の中指で、眼鏡をつり上げる。
あからさまな、挑発。]
[さて、目の前のマスターはこう言っているのだが…。
当然、キャスターはマリアの言葉の方を信じている。
どれぐらい信じているかと言えば、マリア1人の言葉に対して今まで食べたパンの枚数と同じ人数の美貴の言葉でもまだ足りないぐらいだ。
てか何人足しても多分無理。]
…マリアちゃんは、そこのサーヴァントが"リチャード"と呼ばれていたと言っていたが…?
あー、後反論する前にサーヴァントがサーヴァントを感知できるという点を忘れずにな。
[目の前のマスターの様子にもう嫌になってくる。]
怖い顔をしたマリアちゃんとすれ違った…?
一体何処でだよ。
ランサー…
[身を案じながら木の陰ら様子を伺う。
カメラは水の拘束を受けた時に取り落としていた。
雨のように降り注ぐ弾丸、その激しさがますと、
それに比例しランサーの動きと、久子の魔力の消費の速度は増す。]
[再び教会の前まで来ると、わずかに令呪がうずく]
(…どこかにマスターがいる?)
[辺りを見回す。けれど、人の姿すらなく]
(でも、さすがにここで戦闘にはならないはず。何より、教会の前だ)
[マンションのドアを開けながら、ケネスは考え事をする。]
とりあえず、ガトリングの拠点は解ったわけだが、あんな住宅街でおっぱじめたらすぐに人だかりが出来ちまう……
やるんなら、呼び出してから…かね。
あんまり分が良くないんだよな……
[ケネスは、あの銃を使うサーヴァントと戦った日を思い出す。
向こうのマスターの魔力が尽きなければ、死んでいただろう。]
宗冬が勝つのは良い、殺されたら終わり、問題は勝ってもなく、殺されても無い場合か……。
[その場合、おそらく宗冬は倒れている。ケネスは、それを担いで逃げなければならないのだった。]
問題はそこか……
[たった3回しか使えない令呪をちらりと見る。]
これ使ってたらあっと言う間に使い切るだろうし、やっぱり効率良く撤退する方法を考えなきゃならんかね。
[ケネスはそうつぶやいた。]
……ふーん。
マリアちゃんがそう言うのなら、そうなのかな。
[リチャードという名前には聞き覚えがない。
全く悪びれず、マリアのォォォォ可愛さはァァァァ世界一ィィィィ!!だと思った。]
でも、全然普通の女の人と、結構変な男の人しかいなかったわよ。
あの人は男で苦労する感じだねっ!
[ビッ!と人差し指を立ててポーズを決める。]
えっと、……すれ違ったのは、ここから病院に行く途中よ。
ほら、聖杯戦争中は仕事もできそうにないし、休暇届を出しておかないといけないでしょ。
それで病院に行ったんだけど、その途中でマリアちゃんを見かけたの。
そう言えば、あの時も手首が痛んだのよねぇ。
最近、右手首が頻繁に痛むの。
利き手は外科医の命なのに。
[右手首を擦りながら、キャスターに昼間の出来事を語る。]
真殿、待ちなされ。
外に出るならば、これが必要でしょう。
これに乗るのです。
[宗冬は、手押し車を押して来た。しかし手押し車は大き過ぎてドアから出せないようだ。]
窓から出すので、真殿は外で待っててくだされ!
[手押し車を担ぎ上げ、窓から飛び降りる宗冬。今日の宗冬の動きはまことに素晴らしいものであった。]
真殿ー!早くーー!!
[手を止める事なく、ランサーは無機質な声を出した。声を立てずに笑いながら。]
パーシャヨ コガテキヲシバレ
[単なる敵を縛るロープ。アーチャーの足元から現れ、アーチャーの両腕に絡みついてきた。]
右手首って令呪のある場所だよな…。
…なぁ、"ボ・ケ"マスター?
[とにかくボケの部分を強調する。
というか、ボケだボケだとは思っていたが、ここまでボケとは思っていなかった。
むしろ、今の目の前の…認めたくないが自分のマスターの言った言葉から導き出された答えを否定したい。
でも否定できない悲しさ。
てかもう、確実にビンゴだろうなぁ。]
マスターとマスターが近くにいると、令呪が反応するって…
『 知 っ て る よ な ? 』
馬鹿野郎!ここは2階だ!
いや、確かに窓の下は花壇だから、そのアホみたいに頑丈そうなのは、落としても壊れはしないだろうが、だがそんなものに乗るのは断わる!
そんなのに乗って町を闊歩しろってか?!
俺に、恥ずかしくて死にたい気持にさせる気か!!
[ケネスは叫んだ。]
もうっ、ボケボケ言わないでよねっ!
お爺ちゃんじゃあるまいし……。
……。
…………。
………………。
そ、そんなの知ってるに、ききききまってるじゃ、ない……。
[忘れていた。]
…こっちを見て言え。
[どもりながら目線を逸らすマスターの頭を掴み、指先に力を込める。]
さぁ、言ってみようか…マイマスター。
いつ!
どこで!
令呪が反応したぁぁぁ!!!!
[キャスターに頭を鷲掴みにされても視線は泳いだまま。]
えっと、……魔女の館と、……マリアちゃんとすれ違った時……、です。
ごめん!
[拒絶されたと知るや否や宗冬は、突如刀の柄を真の鳩尾に突き刺す。泡を吹いて倒れる真。それを見て宗冬は満足そうに呟く。]
サーヴァントのいうことの聞けないマスターではこの厳しい戦いは生きていけないでしょう。ふふふ。
[宗冬は真を手押し車に押し込むと街に繰り出した。]
― 西ブロック・教会 ―
[気がつくと、ケネスは教会の尖塔を見ていた。
ガラガラと響く音で我に帰り、慌てて身を起こす。
見ると宗冬が楽しそうに、手押し車を押していた。]
……もしかして、俺……ここまでこいつに押されてきたの?
[ふとみると、教会の前の若い女性と目が合う。
腕の令呪が反応している。
マスターが1人でいる事も、それが始めて会う人物である事も今は関係ない。
今はただ――
恥ずかしくて死にたかった。]
…で、その令呪が反応する魔女の館とかいう店に一人で行って。
さらにそこが敵の本拠地だと気付かずに、のんびりとしてたわけだな?
…このボケェェェェ!
[叫びながら頭を思い切り引っぱたいた。]
わかってるのか!?
なんで襲われなかったかしらんが、本当に死ぬところだったんだぞお前!
しかも、そういう時に即座に使うべき令呪を、たかが掃除の為に使った!?
お前本当に魔術師なのかドアホ!
[教会の前で、警戒を怠ることなく立っていた、が]
……あれは、なんだろう。
[先日見た柳生宗冬、と、まるで乳母車のようにマスターらしき男が入った手押し車、のようなもの]
[ケネスはゆっくりと手押し車から降り、目の前にいる若い女性に声をかける。
今ならチャンスだとか、どこにサーヴァントがとか言うような気持ちは、こんな状態では思い浮かばない。
ケネスはただ「やあ……」とだけ言った。]
[相手のサーヴァントの目は明らかな狂気の色を称えている。
魔力の消費を考えないような銃弾の乱射、近づいていくランサーに対し離れるどころか近づいてくる。
対するランサーも、自分の傷、魔力の消費、どちらも考えていないかのような気づかないかのように戦闘をやめる気配がない。
戦闘に我を忘れているように見える。
このまま戦い続ければ既に傷を負ったランサーが先に力尽きるだろう。
相手サーヴァントからの攻撃を警戒しつつ罠の森から這い出し声を上げる。]
ランサーその怪我じゃ不利だよ!!
ここは引こう!!
だから叩いちゃダメなんだってば!
[キャスターの暴挙に抗議する。]
危険を感じたら令呪でお爺ちゃんを呼ぶつもりだったわよ!
でも、全然そんな雰囲気じゃなかったんだもん!
それに、散らかしておいて掃除しないお爺ちゃんが悪いんじゃない!!
もう、お爺ちゃんなんて知らないっ!!!
[不貞腐れて会話を打ち切り、寝室に向かった*]
[真の耳元で宗冬は囁く。]
ほうほう、あの女性に懸想したでござるか。美人でおられるな。真殿も運がいい。日に2度も美人と出会うとは!
今度こそはきちんと押し倒すのですぞ!
宗冬は見守っております!
[腕の令呪がちくりと痛み。その男がマスターであることを告げる]
これは、どういう状況なのか。
[つかつかと歩き、柳生のほうを見る]
ひとつ、お聞きしてよろしいですか、お侍の方。
これは、何の真似でしょう?
確かに、貴方が押すことで彼の体力は温存されるでしょう。ですが、精神的にはかなりまずいかと思うのですが。
[ひどく真面目な口調で尋ねた。ケネスに対しては会釈を軽く返し。
少なくとも、「普通」でないことはわかったが、可笑しいとは思わないのか、どう反応していいのか迷っているようだった]
文句言う前に最低限マスターとしての知識覚えとかんかー!
というかそもそもマスターの勝手な一人歩きの時点でおかしいだろ!?
せめて書置きぐらいしていけぇぇぇ!
[逆ギレして寝室へと向かうマスターに文句を言うキャスター。
叫び終わった後、息切れしていたのは当然だろう。]
あー…疲れた。
俺も寝ようかな、だりぃ…。
[あまりのことに、一瞬思考回路が停止しかけた、が、バーサーカーとそのマスターだということを改めて思い出し、少し距離をとる]
そちらの方はバーサーカーですね? そして貴方がそのマスター。
昨日、商店街での騒動に居合わせましたので、お二人の関係は予想がつきます。
令呪でお気づきだと思いますが、私も聖杯戦争に参加するマスターの一人です。
マスターの方のお名前をお聞きしてもよろしいですか?
私は、……ソフィーと申します。
[一瞬迷って、名前を告げる。今度はちゃんとケネスのほうを見た]
これはこれは美しい娘さん。いえいえ違うのです。精神的ダメージどころか精力漲っているはずです。
こやつは真というのだが、子連れ狼が非常に好きでな。
是非とも大五朗のコスプレをしたかったらしい。3歳児のコスプレとは恥ずかしいが、親友の頼みだから私も付き合って侍の姿をさせられていたところよ。
さて、娘さん、こんな馬鹿はほっておいてどこかお茶でも飲みに行きませんか。
[と、宗冬はさりげなく目の前の娘の手をとった。]
−教会・礼拝堂入り口−
[扉を開けると、令呪の気配が強まる]
一人、ではないのか・・・・・・?
[教会に張られている結界によって反応があやふやになっている。僅かに警戒しながらも敷地の入り口へと歩いていく]
[ケネスは宗冬を見て叫ぶ。]
つーか、大五朗なんてしらねぇ!!
てか、手とか取ってんじゃねぇ!
全く恥、かかせやがって!!
[続けて、ケネスは口を開く。]
ああ、確かに俺はバーサーカーのマスターでここにいるのは、見ての通り頭のおかしい俺のサーヴァントだ。
バーサーカーとか関係なく、はっきりいって狂っている。
今はお前さんをどうにかする気は毛頭ねぇよ。
こんな状況で、しかも人通りのある教会の前だしな。
てか、どうにも今手詰まりでよ、誰かと組みてぇとか思ってたとこなんだが……
お前さんは何のマスターなんだ?
まあ、差し支えがあるなら言わなくても良いけど、改めてどこかで会いたい所だが、どうよ?
いずれ、わかることかと思いますが、私はアサシンのマスターです。
そうです、ね。こちらにも少し事情がありますので、手を組む、ことに関しては少しアサシンと話してみることにいたします。
明日、よろしければ駅前でいかがでしょうか。時間はそちらのよいように。
真殿!今のうちに殺してしまいましょう!
殺せるうちに殺しておくが勝利の条件ですぞ!
デートの約束などしてはいけません!女は魔物ですぞ!
[ケネスはサンダルで宗冬の頭を叩く。]
てめぇがでくの坊のせいで、こっちの情報がいまいちなんだろうが!!
アサシンが暗殺狙うならアサシンだって言うわけねぇだろうが!!
まあ、こちらもアサシンのマスターなら願ってもねぇ事だ。
よし、話は決まり。
昼12時頃うろついててたぶん目立つからよ、声掛けてくれや。
…おぉ?
[声を上げる。]
成程ねぇ。
こんな芸当ができるのか。
…つまらねぇな、おい。
[右腕に、力を込める。
まだ残っている。
ほんの少しの、稼動範囲。]
クハッ。
[その腕で、自らの左腕を撃つ。
血飛沫が飛ぶ。
同時に、縄も。
…だが、再び縄は絡み付いてくる]
…っちぃ。
じゃあ、行くぞ、宗冬。
すまんな、ソフィー、訳わからんワールドに巻き込んじまってよ。
それに俺は「真」でなく、「ケネス」と呼んでくれや。
そっちが今の本名だ。
[そう言うと、ケネスは宗冬を連れて教会に背を向けた。]
[急変した柳生の態度にはにこり、と微笑む]
私も、魔術師の端くれですから、倒せないまでも逃げ切ることは出来ます。その為に日々鍛錬を欠かさないのですから。
ですが、それは真理ですね。殺せるうちに殺しておく。さすがはバーサーカー、といったところでしょうか。
ですけど、それでよいときと、悪いときとあると思います。
今は、悪いときだと受け取ってもらえれば。
[寝首をかかれる、といわれると柳生を静かににらむ]
アサシンはアサシンですが、少なくとも協力を持ちかけてきた相手に、その様な事をする性格ではありません。
それに、私からも卑怯なことはしたくない、と伝えて有りますから。
[その隙が全ての命取りだ。]
メツボウノインシヨ タタレヨ!
[銃弾の嵐が去り、一挙にランサーは距離を詰めた。両腕のみ動きがとれないだけで僥倖。鋭い切っ先が、先ずアーチャーの腹部を刺し貫こうと突き出された。]
真さんではなく、ケネスさん、ですか。わかりました。ではそのようにお呼びします。
[二人の姿を見送るように、教会に背を向ける]
[教会から出てきた沖田敬一郎を見る。何かが、違う、と思ったが、その何かがわからない]
お聞きしたいことがあって、来たのですが、お忙しいのでしたらまた後で参ります。
[あぁ、ようやくだ。]
それでいンだよ。
[速さは、そのまま威力だ。
こんなに、つよいのに。
どうしてこいつは、これまで、まもるばかりだったのか。
磐石の一撃。
その考え方は、彼には、理解できない。]
痛てェな!!!
[痛みを感じるより先に、叫ぶ。
致命的一撃から、ほんの少し体を逸らす。
それが、限界だった。
本当は、槍を脇に挟んでおいて、撃つつもりだったが、槍は急速に相手の手元へ戻っていく。
左腕が、垂れ下がったまま、動かなくなる。]
あ。
こりゃ、駄目だな、左腕は。
[だが。
こちらを拘束していたものも、一瞬、千切れ飛び、
なくなった。]
知ってるか、オイ。
必殺の意思を込めた時こそ。
最大の危機だ…!
[残った右腕で、銃を乱れ撃つ。
最早、狙いをつけなければならない距離ではない。]
[左腕が、飛ぶ。]
ひょう!
[しかし、なお。
撃つのは、止めない。
血が、止め処なく流れる。
左の脇腹も、随分軽い。]
あぁ、くそ。
このままじゃ、また奴が出しゃばって来やがるだろう!
さっさと、
穴だらけになっちまえよ!!!
[声をあげた時には戦況が変化していた。
銃をもった恐らくアーチャーであろう男の足元からロープのようなものが両腕に絡みつこうとしていた。
ランサーは久子の制止の言葉にしている様子がみられない。]
あ!!
[このままランサーが相手を仕留める可能性を思い、静止の言葉を再度かけるのを忘れる。
自分の腕を撃つという異常な行動を見せる男をランサーの槍が貫く。
決着がついたようだ。」
やったの!?
[そう思って声に出した瞬間、双方が至近距離から致命性になるような攻撃を同時に繰り出すのが見えた。]
ありがとう、ございます。
[沖田の様子に違和感を感じながら中へと入る。中は以前来たときと同じ、礼拝堂だった]
あの、今回の聖杯戦争ですが。
[思い切って切り出す]
先日、セイバーにお会いしました。
でも彼は……、前回の聖杯戦争でアサシンとして召還された方でした。同じサーヴァントが違う聖杯戦争で呼び出される、そのことはわかるのですが、その、どうも……。
[一旦言葉を切る。なんと聞こうか、迷っているようだった]
ふむ。
つまり、偶然ではないと、言いたいのかな?
[紅茶をすする]
僕も現状につては全てを理解しているわけではない。ただ。
聖杯が介入して召喚されるのがサーヴァントならば、前回の戦争で不遇の死を遂げたサーヴァントが聖杯の魔力に残留している可能性は否定出来ない。
その残留魔力が今回の戦争にも引き続き召喚の手助けをした、というのはあながち大間違いではないと思うけどどうかな?
それとも。何か引っかかる事でも?
不遇の死、なのでしょうか。
前回の聖杯戦争、そのことを祖父が調べていたのですが、今回呼び出されていたセイバーは、前回「神殺しの槍」で倒されたと記されていました。
その事が関係ないとしても、引っ掛かりを覚えるのは確かです。
それと。
貴方は、セイバーと何らかの繋がりがあるのでしょうか?
セイバーは「沖田総司」と名乗りました。
これは、ただの疑問ですので、あまり深くは考えないでいただけるとうれしいのですが。
[その事こそが本題であった様な気がしたが、追求することを本能が恐れたのか、それだけにとどめる]
[乱れ撃つ。致命的な距離からの弾丸。]
オコガマシイ
ホウグハドウシタ
[せせら笑うように告げる。ランサーの心臓付近の服が弾け飛んだが、青い肉体は貫通されなかった。貫通していれば、心臓を抉り出されていた筈だった。
"ある方法"によって供給された魔力を全て防御に回している。(本来であるなら、多量の魔力を回す事などせずとも、傷一つ付けられない筈が、ここで知名度が問題となってきている)同時、久子からの魔力もゆるやかに奪うが――反対に、パーシャと呼ばれるロープは消えうせた。]
コレガセイイッパイカ
[二度は使えないだろう。半回転し、背中側から、臓物を零れさせるべく、斜めに切り裂いた。久子から怪しまれない為には、ここで制止するしかない。
それに、宝具を使うにも魔力が足りない。]
[急速に、貫通はされなかった銃弾による打撲の痛みと、胸元の痛みが戻ってきた。]
・・・・・・
神殺しの槍はサーヴァントを殺害できないのかな?
あと、沖田という苗字だけでセイバーとの関係を問われるとは思わなかったな。
では、逆に聞こう。
もし関係があったら、君は僕をどうするんだね?
…っち。
[銃を撃つ、その反動を、体が制御できない。
急所を、狙い撃つことが、どうして、できないんだ。
さっきまで、あんなに、簡単に、できていたのに。
そうする間にも、どんどんと、血は、流れ出していくのに。]
…もう、
くそっ!
くそぉ!
[意識が遠のく。
自分の存在を、この体が、支え切れなくなりつつある。
右手に持った、銃が霞む。
一瞬、だらり、と腕が垂れ下がる。]
…。
クソ、は、こっちの台詞だよ。
[剣呑な空気がゆっくりと遠のき、平凡な空気。
悪態をつく。]
ここまでやったんだから、勝てよな…!
いてぇし!
[右手の銃が、そのまま立ち消える。
走る。
急がないと、間に合わない。
ランサーの横をすり抜け、自らの左腕を掴む。]
殺害できない、ということはないでしょう。現に前回の聖杯戦争は終結を迎えたはずですから。
何故「沖田総司」を倒すのに「神殺しの槍」と表記する必要があったのか、そこに疑問点があっただけですから。
彼は、英霊としては新しく、神としても認知されているわけではありませんので。
関係があったとすれば、そうですね。
素直に申しますと、貴方がマスターなのでは?と思ったからです。
中立のはずの貴方がマスターであれば、この教会も安全な場所ではなくなってしまう。
今回の聖杯戦争に参加するものとして、魔術師としてこの教会は中立でなくてはならない、と思っていますから。
ですが。
貴方がマスターであるとしても、それを無理に聞き出そうとは思いません。聞けるのならそれは私に優位に働くかもしれませんが、ここは「教会」ですので。
[振り返り、ランサーらしきサーヴァントの方を見る。]
…?
[少し、動きが鈍っている。
ならば、今を置いてない。]
…逃げる!
[脱兎。
本気で追われれば、逃げ切るのは難しいだろう。
だが、ある意味、「彼」に対する信頼があった。
「彼」は、ただで負けやしない。]
・・・・・・ 成る程。
ならば、答えは近い将来に教会の外で出そう。
君は信じてくれないかもしれないが、この教会の中にいる限り安全は保障しよう。
・・・・・・ マスター、はね。
これで納得してもらえたかな。
[ランサーに無数の銃弾が命中するの、心臓付近に当たったものもあったように見えた。]
ランサーっ!!いやああ!!
[思わず駆け寄る。
ランサーは倒れず、動き続けさらに攻撃を加える。
流石にアーチャーの姿はどう見ても戦闘不能に見えた。]
ランサー大丈夫!?すぐ手当てしないと!!
[恐らくもう脅威ではないアーチャーには目もくれず、ランサーに肩をかし背負うようにしてテントの方に向かう。]
[弱い。
自分。
あまりにも。
唇を噛む。]
だけどな。
自分にだって。
できることが、全くないわけじゃない…!
[右手に、針と糸を生成する。
左腕の、切断面を見る。
決して、綺麗なものではない。]
こりゃ、厳しいな…!
[こうなれば、「彼」が宝具を出せず、止めを刺せなかったことも、幸運ですらあった。
まだ、マスターの魔力は、残っているはずだ。]
その言葉が、真実であることを願っています。
[出された紅茶を飲み干す]
お茶、ありがとうございました。
サーヴァントを伴って、教会の中にまでくることはない、と思いますから、大丈夫です。
それでは、失礼します。
[立ち上がり、一礼して礼拝堂から出て行く]
[…治療を、開始する。
川べりの、橋の下へ飛び込む。
まだ近すぎるかとも思ったが、遅くなれば、繋がるまい。
この、左腕は。
それに。
他の傷だって、生易しいものじゃない。]
お前には。
万全の状態で、戦ってもらわないと困る…!
[左腕の、縫合を開始。
同時に、脇腹と背中からはみ出た臓器を強引に押し込み、
治癒力向上の術式を施す。
魔力を、急激に消耗する。
*間に合え…!*]
・・・・・・
さて。
[思わぬ客人だったが、彼にとってはさして問題も無かった。
これから滅び行く人類を無意味に殺害する気は毛頭無い。
それが無関心なのか、それとも感傷なのかは分からなかった。
だが、はっきりしている事はただ一つ。
この戦争における贄でしかない、サーヴァントを断つ事だけが全て。
そして、その駒の一つを迎え入れるために、彼もまた教会から出て行った]
− 樹那森林公園 発掘調査現場 −
[ランサーはテントにあった医療用具で止血等の応急処置をしてなるべく魔力の消費を抑えるようにとテントの中で休ませている。
自分はその場に留まり辺りの警戒を続ける。敵がきたら今度こそ自分が霊呪を使わなくてはならない。]
−公園・ランサー達のテント前−
こんな所に陣取っていたのか。賢いな。
[令呪とランサーの魔力を追いかけてたどり着いたのは、まさに人の目につかない場所だった]
ランサーのマスター、いるかな。
聖杯の管理をしている、沖田敬一郎だ。
君と話がしたいんだがどうかな。決して悪いようにはしないと誓おう。
[霊呪が反応を示す。
身構えるが話の内容からすると戦闘の意思はないようだ。
しかし話す内容に混乱を隠すことができない。]
聖杯の管理者?なのになぜ霊呪が反応するの?
あなた一体何者?
令呪の反応は隠せない、か。まあ仕方ない。
君のランサーに、肩入れしたい。
報酬は要求しない。理由は、俺の願いはそのランサーと同一だからだ。
それに、僕は戦闘でセイバーを失ってしまったんだ。もう君たちに託すしかない。理解してもらえるかな。
[令呪が減っているのが見て取れる]
君がもし、この申し出を受け入れてくれるなら。
[右肩の補助令呪に手を添えると、久子の令呪が全て元に戻った]
令呪はもっと大事にしないとな、マスター。
今回は僕からの贈り物だと思ってくれ。
令呪は、自分のサーヴァントを有効に扱う奇跡のようなものだ。逆に安易に令呪を失うと、いざという時に勝利をもぎ取れなくなるぞ。
あやうく全て使い果たす所だったようだな。今はまた3画に戻っているから、あと2回までしか使ってはいけないぞ。
もし使ってしまったら、君の大切なランサーを失うことになる。その前に俺のところに来るがいい。また回復してあげよう。
[令呪の回復。理性的に考えると思ってもみない幸運。
しかし渦巻く不安、不信感。
男からにじみでる邪悪な気配。
肩が小刻みに震える。]
贈り物はありがたく受け取っておくわ…
[それだけ喉の奥から絞り出すように答える。]
震える必要な無い。
僕は今、君の最強の支援者になったんだ。
今後は何一つ不安がらなくていい。
君の大切なランサーは、君が僕の言う事を聞いているだけで。
もう負けることは無い。
こんなに素晴らしいことを、拒否するのかい?
[男はさらにたたみかけてくる。
理性と彼女の強欲さは明らかに受け入れるべきだと示す提案。
しかし彼女の根源的な部分は全力でこの男の提案を拒否するべきだと訴えかけてくる。
凄まじい葛藤…その場から逃げ出したかった。]
明日教会に行くから…返答はそのときに。
今日はもう帰って。
[それだけいって顔を伏せる。]
・・・・・・ 分かった。返答を期待している。
最後に、君のランサーにはこれを送ろう。
[ランサーに手をかざすと、傷がみるみる塞がっていく]
ランサーの魔力を回復させておいた。じきに傷口も全て塞がるだろう。
サーヴァントを、大事にしてあげてくれ。
[不敵な笑みを浮かべ、沖田は*去っていった*]
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