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[ネリーが「契約」を求めたのは自分の内側の心を知りたかったからだった。その契約は彼女にとって大きな意味をもたらしていた。
と同時にネリーは契約相手の内側の何か…をあわよくば推し量りたいとも思っていた。だが自分の事に精一杯でなかなか掴む事はできなかった。]
ん……そっか。
少なくとも、ネリーのことをきちんと考えてくれる人間の元に居た方が、ネリーだってしあわせにはなれるよな。
………いや、限り無く余計なお世話だと思うンだが。
っていうか、俺……娘を持った父親かっての。
[ネリーは上目遣いでナサニエルの瞳や上半身を見ながら考え、ゆっくりと言葉を発した。]
あの…私、これからバンクロフトの家に行く約束をしているのですが…迷っています。
私、本当はあまり行きたくありません。
いずれ行かなければならないとも思うのですが…あそこは。あそこは危険なんです…気をつけて下さい…
………………。
[目を丸くして、ネリーの言葉を聞いた。]
あ……ああ、いいけど……
あのさ、そしたらお前も危険なんじゃないの……?
私の事はいいんです。
…って言ったら怒られますよね。
[うっかり自分の十八番の言葉を出してしまう。もはや脊髄反射に近い。]
その…すごく…危険です。こう、私が今までに見たことのないおどろおどろしさがあって…
[あまりにも抽象的な表現をするネリー。]
………そっか。
[煙草を咥えてベッドに座る。]
じゃ、しばらく隠れてる?
数週間はさすがに無理だけど、1日くらいなら何とかなるんじゃねぇの?その間に次の逃げ場作っておきなよ。
……まあ、俺ン家は「千客万来」だから、ありえねぇ声とか聞こえてきても目ェつぶってくれるのが条件だけど。
―アトリエ・作業場―
[地下作業場で硬化の済んだ十本のファロスを一つ一つ型から外す。
透明アクリルの作業台の上をスポットライトで照らし出した。
レベッカの店で購ったリモコン式のディルドを作業台で分解し、男性器を形作る柔らかな外装部分を取り外した。
できあがったファロスのパーティングラインを綺麗に切り取り、内部を機械が収まるよう叮嚀に刳り抜く。ファロスのサイズにあわせて台座を加工するのはそれほど手間のかかることではない。
既製品の機械部分を利用するかたちで、実在の人物をモデルとしたディルドができあがった。]
[私はちびちびとシングルモルトを舐めながら、できあがった一つ一つのディルドをチェスの駒のように並べる。未だ見たことのない“男”はバナナで、“女”は柘榴。
アクリルの作業台の上に並べられた“駒”を使って人間関係の相関に思いを馳せながら、今までの事件を振り返ることにした。]
[両手はやがて床についていた。端から見ると裸体を晒した女が男に土下座しているように見える。
ネリーはそのまま思案する。]
あの…しばらく、1日か2日ここにいて、まずいと思ったらこの家のどこかに隠れてもいいですか…?
勿論、約束は守ります。
りょーかい。
じゃ、そういう「契約」ってコトで。
[ネリーの言葉に微笑みながら、煙草の火を揉み消した。]
………で。モノのついでなんだが。
[床にひざまづいたネリーの身体を持ち上げ、ベッドの上に座らせる。ナサニエルのブルーグリーンの目が、ネリーの瞳をじっと捉える。]
お前の「要求」ではなく、お前に「必要」なモノを今から見せてやろうか。気に入らなかったら棄てちまって構わねぇよ。
[そう言い放ち、ナサニエルはネリーの唇に深いくちづけを施した。]
あ、ありがとうございます。
[ほっと安堵するネリー。気がつくと身体を持ち上げられていた。]
え…? あふ…
[甘いディープキス。フレンチキスや投げキッスはあったが深みのある接吻は何年ぶりだろうか。ネリーは翡翠の瞳をナサニエルに向け、*裸身を預けていた*]
ん………
[髪を優しく撫で、蕩けるような視線をネリーに送り、ナサニエルはゆるやかに微笑んだ。そして、ネリーの白い肌にくちづけ、幾つもの赤い跡を刻み込む。]
[「雌犬」という名の代わりに、彼女の名を。
罵倒の代わりに、賛美の言葉を。
痛みの代わりに、限り無い愛撫を。
何度も、何度も、刻み込む。]
ネリー……
ああ、すげぇいいよ……
お前のからだ……気持ちいい……ッ
[柔らかなリズムで、ゆっくりとネリーを支配する。
来たるべき「終焉」の時まで――*]
[扉から棺が運ばれる。
それを眺める少女はいつの間にか成長し、14くらいの彼女へと変化する。
この分で行くと、そのうちシャーロットと瓜二つ、とまではゆかずとも二卵性の双子に見えるくらいになる時間もあるのだろう。
ずるずると動いていく従妹にじっと視線を注ぎながら]
…待って。
ニナ、まだ生きてるから。
[だからお願い、食べないで、と。
小さく*懇願する声*]
[闇に沈んだ森から発せられた遠吠えは、高く高く尾を引いて、瀕死の町を懐に抱く谷間に谺した。]
[夜鳥が甲高い声で啼きながら、梢を大きく揺らして相次いで飛び立つ。虫の声がピタリと沈黙した。
闇の懐のどこかでは、獣たちが顔を挙げ、気配に耳をそばだてる。]
[それは、聞き取る「耳」を持った者へと送る、無音の叫び。]
[谷底に横たわる町では、幾人もの人間が不安げに空を見上げた。
彼らは叫びを聞くこともその意味を感じ取ることも出来ず、突如湧き上がった恐れの意味を図りかねて、*おののくのだった。*]
―夕刻から、夜へ―
[2階の寝室にネリーを1人残し、ナサニエルは庭先に出た。手には、大きなトマトケチャップの缶と、中身を失った咳止め薬の瓶が2ダース。そして、紙片。]
[瓶を全てダストシュートの中に放り込むと、ナサニエルは芝生の上に座った。
カチリ………
ライターの火が、紙片に点る。]
………さよなら、ルーシー。
[薬物独特のにおいを撒き散らしながら、静かに煙を上げ、紙片は燃えている。]
「まだ生きているから」
[ニナの懇願に、私は否定とも肯定ともつかない動作で首を振る。
青白く輝く14歳のニナに触れても、そこには少女の肉体の感触はなく、あくまで不思議な温度を持った光でしかなかった。
それに、柩の中に横たわる彼女はあどけない子どもでは無く、私よりも年上の女性なのだった。]
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