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ん?ああ……
[テーブルに置いてあったダークチェリーの缶詰を弄りながら、ナサニエルはギルバートの言葉に頷いた。]
……お前のやってること。
「同族」の血を「目覚めさせる」理由と、意味。
一体、何の為にやってんだ?
……いや、散々聞かれて耳にタコできてる話だろうけどさ。
…泣かないで、可愛いシャーリィ。
貴方が泣いていると、ニナを泣かせてしまったのをおもいだすから。
[透明に透き通る指先が少女の涙をぬぐおうとしたけれどそれは結局徒労に終わる。
ちらりと、蓋をこじ開けられた棺を見てから]
…あの子は、まだ、魂として生まれるには時間がかかる。
だから、もう少しだけ待ってほしい。
それだけ。
[叔母さんのわがままだけど、と少し困ったように微笑む。
その微笑みは既に過去の色になったはずのもので]
…もしわがままを聞いてくれるなら、おばさん、嬉しいな。
[ぽんぽん、とすっかり透明になった手のひらが少女の髪をなでて。
そして女は消えてゆく。
貴方が少しでも幸せになりますように、と]
[薄い苦笑を浮かべ、コーヒーを一口啜った。]
確かに。耳にタコが出来過ぎて、聞こえなくなるくらいには。
──血を絶やさない為だ。同族の。
ごめんね、シャロ……
俺は…君と先生には……
[涙を浮かべる少女へ、見えなくとも慰めるように微笑みかけ。どうしたら彼女に自分は見えるのだろうか。人狼の血でも魂は同じなのだろう。肝心な所で役に立たないなと肩をすくめる]
…謝らなくていいよ。
君は俺のことは忘れるべきだ。いや、忘れて欲しい。
きっとそれが君の幸せだからね。
[今自分が幸せを願うとしたら恩師と恩師の愛したこの少女。もし彼女が生きていても死んでいても、二人に安らぎを願っただろう]
―ナサニエル宅前・車中―
ん……
ぁあ……今、何時だ?
[彼の家の玄関が見える少し離れた木立の中に目立たぬよう停車した車の中。一杯に倒したシートの上で、私は身を震わせ浅い眠りから目を醒ました。
安置所脇で、しかも悪夢に魘されての睡眠は浅かったのだろう。疲れが抜けきる筈もなく、ナサニエルを待っている間に休憩をしていた私はそのまま眠りに落ちていたのだ。]
この状況で、不用心にもほどがあるな……
ナッシュとすれ違いになったか?
いや……むしろ、ナッシュはあの家に帰ってきているのか?
[しかし、眠りを破ったのは、微かに響くエンジン音だった。
今はシャーロットの形見となってしまった、小さな双眼鏡を目に当て覗き込んだ。]
[ナサニエルの愛車から降りたギルバートとネリーが、先に家の中へ入っていく。ナサニエルは、なぜか少し外で時間を潰しているようだった。]
ギルバート……
[黄金色の瞳の光を思い出す。彼がなぜここに?
「団体行動ってイマイチ得意じゃない」
ナサニエルはそう云っていたが、雑貨店で会った時にもそういえば彼やローズと行動を共にしていたことを思い出した。彼が云うように、あまり友人と一緒になにかをしているところは目にしたことがない]
古い友達なんだろうか……
[彼がヘイヴンを離れていた時期は十年ほどにもなる。その間のことはほとんど何一つ知らずにいた。
ナサニエルはやがて、トランクからなにかを出して二人を追うように家の中へ入っていった。]
どうすっかなあ……
[こういう時、煙草を吸う習慣があったならと思った。
ギルバートとネリーの二人はただ家の中に寄った、というわけではないようですぐには出てくる気配がない。
私は、車の中でしばらく待ち続けた]
血………か。
まあ、そりゃあ動物としての本能を考えれば、当然って感じもするがな……。それだけ血が絶えやすいのか、俺ら「同族」ってのは。
ふぅん………
だけどさ。いざ「血に目覚め」てみて思ったんだけどな。ギルバートからは……なんつーか、こう、俺とは比較にならないくらいのギラギラした強さを感じるんだよ。……油断したら焼け焦げて死んでしまうくらいの、強烈な生命力ってヤツだ。
さっきネリーが「私の方がディープよ」ってな話してたけど、ギルバートの前じゃあ俺らはどっちも極めて"shallow"な気ィすんだよね。
[私の目には見えなくなって行く光に、眩しそうに手を翳して、]
──…ミッシェル叔母さん。
ありがとう…。
[あたたかい、光だ…──。
見えなくなったそれも、目の前でハーヴだと思える光も。
私はハーヴにゆっくりと首を横に振る。]
もう思い出してしまったの。
ハーヴ、あなたが私をナイフで刺した…。
……どうして、なの?
[私は手元にあるナイフの切っ先に目をおとす。]
[シャロは知っていた。あの夜のこと。
ギルバートに出会わなければ彼女を手にかけることはなかったのかもしれない。
しかし全て自分が過去を断ち切れずに起きた悲しい衝動だった。
誰のせいでもない。自分が負うべき罪だったのに]
…俺が…狂ってしまっていたから…
[ぽつりと呟く声は届いただろうか]
アンタらは正確に言えば同族じゃあない。
「目覚めた」と言ったところで、人狼の能力を完全には持ってない。多分今後も持てない。
その力をいくらか使えるだけの、人間に毛が生えたみたいなモンだ。
俺と比べたら、大人と子供みたいな違いがあるんだよ。
[肩を竦めてみせる。
その言葉は完全な真実ではないが、嘘ではなかった。]
ハーヴが、狂う?
[涙は目尻に溜ったまま。
私は何時大声で泣き出してしまうか分からない。
ハーヴを恨むと言うよりは、呆然として分からないといった感情。ううん、叫んで罵倒したいのかもしれない、本当は。
内腿を流れる感触が心地良くて、同時に厭わしくて。
私は、ハーヴの口唇がそっと触れた、あの時間には私達が戻れない喪失感を噛み締める。]
………やっぱりか。
[ふぅむ、と納得して頷いた。]
俺はただ単純に、人が殺された時に幻覚見る程度で、お前みたいな牙があるわけでも無いしな……。
それと、お前……
……そう、狂っていたんだよ。
この村の成り立ち、そのものからして。
[肩を辣めるイメージ。“彼”の声は聞こえてこない]
僕たちは、僕もシャーロットもハーヴェイも、厳密に完全な意味での人間じゃなかったんだから。
…どうすっかなあ……
……なぁ〜
[ハンドルに頭をつけて、しばし煩悶する。
ギルバートが今町で起きている数々の怖ろしい事件の中心人物であり“怖ろしい存在”であることは確信めいた実感があったが、ナサニエルやネリーは果たしてどうなのだろう。]
このまま行ったら、飛んで火に入る夏の虫か?
……せめて、様子くらいはわからないかな。
[自宅の中を訪れる前に、三人の関係について多少手懸かりめいたものが得られはしないものか――。
くしゃくしゃと髪をかき上げると、思い切るようにゆっくり立ち上がった]
人じゃないものが人のふりをしようとしても、必ずどこかで歪んでくる。
人間とほぼ同じ、は人間そのものじゃない。
ヘイヴンが出来た理由。小さな町の中で繰り返し重ねてきた血の交配。狂わない訳がないさ。
[視野を閉ざす。僕の首を掴み上げて高く笑うウェンディの声を思い返した]
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