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[言葉に詰まる。
僕の残骸はあそこ。冷たく暗いこの霊廟の石床の上。けれどここ、僕の意識が漂っているこの場所は――]
くらい。けれど、温かい。
せまい。けれど、窮屈じゃない。
誰かの体温に包み込まれてるみたいな、これは――
あー。俺、コーヒーがいい。
ギルバートは?
……あの血のにおい嗅いだら、紅茶のにおいなんかわかんねぇ気がする……
[頭をぼりぼりと掻きながら、ナサニエルはキッチンに現れた。]
……ああ、ギルバートやネリーが紅茶の方がいいなら、俺も合わせるけど。
[私はナイフを握りしめ、ニーナの柩の蓋に突き立てた。
何度か突き入れ、浮いた蓋をこじ開ける。
──…私は確認したかったのだ。]
私と同じ縫い目…。
だけど、喰いちぎられたみたいな無惨なギザギザの傷口。
内臓のあった処が凹んでる──のは喰われたからなのかな。
…ニナも生き返りたいの?
ごめんね。でも、私、知ってるの。
──ニーナと、ステラ先生は人狼としては目覚める事が無い血の持ち主だって事を。
[私は再生した私の身体に埋もれたままになっている一本の手術用の糸をブラウスの内側に手を入れて引っ張っり抜いた。]
何故だか分からないけど、見えたのよ──。
そして、ネリーの事が気になっているうちに……。
私は誰かに一度殺されてしまった。
[目の前でこちらを振り返る少女は生前共に笑い、遊んだシャーロット。
こちらを向いたということは俺が見えるのだろうか。
そしてその手の中のナイフを見、ふ、と苦笑い。
彼女には似合わないな、と思いつつ。
そしてその体から出る気配に、少しだけ眉をしかめた]
んー……まだちょっと、な。
なんというか、アレだ。
血のにおいを嗅いで精神はハイになるけれど、肉体はさっぱりってヤツだ。嗅覚が前よりか敏感になってる分、今まで気付かなかったような部分まで嗅げるようになっちまったのもあるし。ま、あと少し経ったら、肉体の方も慣れるんだろうけれどな。
……っていうか、紅茶はほんの少し邪魔なニオイが入るだけで、ただの苦い湯っていう味にならないか?
…ハーヴ?
[以前と変わらぬ口調で呼びかける。
私が小首を傾げてしまうのは、ハーヴの姿が見えず──目を凝らしてやっと分かる程度に透ける青い光が見えるからだった。
それでも、ステラがローズマリーの魂が分かったように、私にはそれがハーヴなのだと思えた。]
[誰かの感情が流れ込んでくる]
ん……だれ?
[“彼”とは明らかに異なる気配]
誰だ……此処は?
[すぐ傍に感じる。女性の、それも良く知った誰かの訝しむような思念]
……シャー……ロット……?
……此処が……?
…そうね。
生き返らせたかった。
大切だったから。
[声は不意にりんと鈴の響くように空気を揺らして一変する。
それはシャーロットの記憶にもしかしたら引っかかっているかもしれない声。
シャーロットと同じ位のニーナの姿は波を打って融け、そこに残るのは彼女の母親より幾分若い女の姿]
シャロ…
[こちらを呼び掛けるシャロの声で自分の姿は見えていないのだと知る。聞こえなくてもいい。生前と同じ優しい声色で呼び掛けた]
[少し奇妙な間が開いた。]
さあ。味には煩くないんでね。
[湯気の立つカップをネリーから受け取る、その横顔は何とはなしに素っ気無く感じる。]
[まだ分化を始めない僕の耳に、声が聞こえてきた。ハーヴェイの名を呼ぶ声]
……シャーロット。
[声の位置は、すぐ傍ではなかった。僕を取り囲んだ暗くて狭い場所。全周囲を伝わって、彼女の声が聞こえてきていた]
[見えない。けれど見える。
僕が居るのはそう、きっと――]
『魂は血が受け継ぐ』
[聞こえてきた“彼”の声。ならば僕は]
これから――生まれようとしているんだ。
[ニーナの柩の傍で聞こえる声。
溶けて変化する光。
それは──懐かしい…ニーナの、]
──…ママ。
ううん。
[エリザでは無いと言う事は勿論分かっていた。
母親と言うものに私が感じるもの。
もう戻れない場所に居た、その存在──。
あたたかい。
郷愁に涙がこぼれる。
私はパパともう戻れないところまで来てしまった。
彼女が私を見て悲しげな顔をしている理由が私には分かった。そして、私には──その光が眩し過ぎてもう見えなくなってしまった。]
………ん、そっか。
ま、俺も煙草吸ってるから、味覚は半分くらい狂ってるんだけど。
[同じくネリーからコーヒーを受け取り、それを口に運んだ。]
まぁ、「目覚めた」なんてこんなモンだろ……。
[ぽつりと呟いた。]
[タプリ、と下腹にまだ残存する液体が私の中で揺れる。
その行為をハーヴに見られてしまうかもしれない、と思ったけれど。
私はそれをそのまま保っていてはいけない気がして──。
こっそりと後ろ手にスカートを捲り、
パパが施したその栓を抜いて床に捨てた。
──…内腿を生暖かい液体が滴って行く。]
ハーヴ。
[私は淫らな匂いが室内に広がる事を感じながら、もう一度彼の名を呼んだ。]
[確か彼女はヒューバートが死んだと言っていた。
自分も確かに死んだはず。なのにどうして自分が見えないのだろうか?
そっと手を伸ばし、その頬に触れようとしても透けてしまう。
しかし確かに自分の名を呼ぶその少女に、もう一度だけ呼び掛ける]
シャロ。
俺はここにいるよ。
[コーヒーポットを持って、物問いたげにこちらを見ているネリーを、じっと見詰め返す。]
──で?
何か訊きたそうだな、ネリー。こないだ教えただけじゃあ足りないか?
[ナサニエルの顔にもちらりと視線を走らせ、]
……この際ついでだから、アンタも聞きたきゃ聞けよ。
何が知りたいんだ。
[涙が溢れる。
私は彼が、ハーヴが好きだった──…本当に。
それがとても遠い、遥か昔の出来事に思える。]
…ハーヴ。
私、ずっと此処に来てから。
一度、死んだ瞬間の記憶がなかったわ。
あなたのことも、何故か分からない。
ずっと忘れて居たの。
[でも、と私は言いかけて言葉を失う。
ハーヴの事が記憶から抜け落ちていた理由に、今気付いてしまった。]
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