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[見開かれていくコーネリアスの瞳と対照的に、紫苑の双眸は細まるも視線を逸らす事は無く]
たぶん――…
[船長、と小さく囁いて]
〔今こうして忠告めいたことを言い置く自分もまた、と含めて水音に背を向ける。食卓へ戻ると、外していたインカムを着け――ギルバートとローズマリーが出て行くのを見送る〕
雄獅子の如き怠慢は、流石に二度は許されんな。
〔すぐに食堂を後にはせず、行儀悪く椅子の背へ腰掛けラッセルとナサニエルの会話を耳に入れる〕
…生を託すか。気休めだが、それも必要だ。
――尋ねるが、この船を無事降ろすのには
何人のクルーが必要だ?
[聴覚を通して響いた声に眩暈だけが強く強く感じられるものになり]
………嘘。
[緩やかに小さく吐き出された声と吐息には嫌悪以外の何も混じらず。
要するに気持ちの問題ではあったけれど、それをあっさりと受け入れて飲み干すだけの許容も、拒否して捨ててしまえるほどの潔さも、どちらも持ち合わせぬが故に]
どうだろう――
でも、死ぬくらいなら喰うな、って怒るかも。
[もしも魂があるのなら。]
俺達自身、生きるために喰らうわけだから。
[――………嘘]
[コーネリアスの口唇から零れ落ちる短い言の葉に、ゆっくりと被りを振り彼を見詰め続け]
残る他の乗員は、全員居た。
[嫌悪を滲ませる様子にも静かに事実を告げ]
食べれる?
[先程と同じ問いを繰り返し貌を覗く]
[ハーヴェイの声に視線を投げかけ、ゆるく瞬くこと二度。]
託す――のかな。
必要に迫られてだと、それももはや妥協に近い。
ホラ、俺って身勝手だから。
喰うだけ喰って死ぬんじゃねえよ、って思うだけ。
[問いには少し考えて]
――腕と運があれば最悪一人でも降ろすだけなら降ろせるだろうけど、それも全く微妙な話だ。どこまで無事かわからない。
3人前後かそれ以上居れば多いほど幾分かはマシ。
[それでも常と同じように安全な着陸ではないだろう。]
――…
〔自分を喰う者に、どう生きてほしいのか。其処を考えようとはするけれど、言葉にならず瞼を閉じて〕
ああ。
――旨かったな…
〔誰も口にしない、自らが言われたくないこととは真逆の台詞が吐息と共に零れた〕
緊急避難で人を死なせた事を悔やんでも…自殺は駄目。―無駄死にさせた事になる。
[緊急避難法が適用されるか否か―罪に問われるか否かでは無く。後で死ぬくらいなら最初から人を死に追いやってまで生き延びなければ良い―無駄に罪を重ねるだけだから]
…相手を憎むのは不毛過ぎるから、
というのが実際のところではあるな。
お前の身勝手もそういう性質のものかもしれん。
〔褒めとも貶しともつかず悪友への評価を加え〕
…成る程。
僕が1人生き延びる無意味は承知しているが
帰還条件は矢張りシビアだな――
出来れば、この船には僕の患者たちを
巻き添えにせず無事帰還して貰いたいものだ。
[旨かった、という言葉には小さく黙祷を捧げて。
作った人間と、食べられた人間への礼儀として小さく頷いた。]
自殺は確かにいただけない。
[ラッセルに返す肯定の言葉。
――そういえば船長がこうなった経緯は事故死だったのか餓死だったのかそれ以外の理由だったのか、ふと頭を過ぎったけれど。]
そんなはずないか。
[セシリアが生きているものの命を摘み取って調理するというのはどうにも想像できず、第一発見者が誰であるかも知らず。]
皆が皆生きなきゃならないなら、自分だって同じになる。
自分が殺されることで憎むなんてことはしない。
でも、確かにハーヴェイの言う通りな部分は思い当たる。
[評価には喜びも怒りもせず至極真面目な顔で]
ハーヴェイが一人じゃそれこそ運任せ、か?
奇跡が起これば帰れるかもしれんぞ。
[と、気休めにもならない――冗談。]
お前の患者が巻き添えにならんことを俺も祈っておこうか。
今そう言えるお前はなかなかのものだ、Russel Saul.
僕などはこの騒ぎが起きる前から…
Captainが自殺でもしてくれないだろうかと
密かな願望を抱えていたというのに。
〔自らの言葉で語るラッセルを見遣る眼差しは、
何処か懐かしいものを眺めるような其れ。〕
[ラッセルとハーヴェイの言葉にくすくす笑って]
ハーヴェイの考え方もまた有る意味では正しい。
生きるがためだ。
けれど生者の命を刈り取るのも難しい。
[矛盾、と小さく呟く。]
[嘘を嘘だと認める言葉はなく、言葉はただ真実として受け入れることを求められ。
乾いた笑い声が小さく響いた。
膝が笑って、ぺたんと、崩れる。
食べれる、と訪ねる言葉に、声もなく首をただ横に]
[崩れ落ちるコーネリアスへとスープを持たぬ腕を伸ばし、彼の前に片膝をつきしゃがみこんで]
食べないと――…死ぬ。
コーネリアスの体力では、長くもたない。
[冷めていくスープへと一旦視線を落として後に、再びコーネリアスの貌を覗き込んで]
其れでも、食べない?
…無理だ。
食べられない。食べられるわけ、ない───
[声が震えるのは怯えでも悲しみでもなく、具茶混ぜの感情の行き場の末]
長く持たなくてもいい…ここまで生きてられた、それだけでもう、充分だ──
[ゆるゆると俯いたまま首を横に降り]
そう――…
[零れる溜息に混じり小さく囁かれる声音には、ほんの僅か悲哀と安堵とが綯交ぜにされた感情が滲み、コーネリアスを見詰める紫苑の双眸は揺れる]
コーネリアス。
[大切な友人の名を静かに紡ぐ]
〔捧げられる黙祷に、しく、と痛むのは胃か胸だったか。曖昧な箇所をてのひらで摩り〕
ん…お前の身勝手は不快じゃないという話だ。
奇跡な。絶望はいつでも出来ると思っておこう。
お前にとっての奇跡も実は大差ないか?
〔実験動物たちの無事を祈ると言うナサニエルへ、深い頷きで感謝を示す。船さえ無事ならば、彼らは保菌状態ながら恙無く生命を維持できるのだが〕
成果は上げたし、データも送信済み。
――だが、命は送れん。侭ならんものだ。
[ハーヴェイの手が動くのを静かに見守り]
不快でないのなら光栄だ。
[ハーヴェイが避けなければ髪を一撫でくらいはしたかもしれない]
いつでも出来ることは今日しなくていい。
――頭の片隅には入れておくべきでもあるが。
[大差ないかと言われればくすりと笑って頷いた。]
ホント、ままならない。
[溜息をつきいながら肯定を返して]
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